黒崎一護なオリ主と五条悟   作:ラムセス_

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雑魚狩り

 

 それ以降、五条とは別行動を取ることとなった。

 

 結界外で羂索なる下手人を探す五条と、死滅回游の結界内側に入って捜索する俺とに別れる計画だ。

 結界内部ぐらいならば俺の霊圧探査で強者の判別もできるからスムーズだし、被害状況やプレイヤーの動向も確認しやすい。

 

 俺たちがどっちに回るかの人選も一応相談して決めたものだ。

 

 死滅回游のルール上、下手人・羂索は結界の外にいる可能性が高い。

 また、ルールを参照する限り一般人を外に出してやることも難しい。

 そのため、街中で戦うにも小回りが利き、権力者として人員の統制が利く五条が外、単独の強者として振る舞う内側に俺、という割り振りとなった。

 

 直接乗り込むのは俺に加えて、二年生のパンダと、伏黒、釘崎、虎杖の一年生の三人もいる。

 他のメンツは多発する呪霊被害で手一杯で、逆に言えばほぼ一年ぐらいしか動かせなかったとも言える。

 

 コガネ、と名乗る式神が参加の意思を確認してくる。

 俺は振り返って同期たちを確認して声をかける。

 

「行けるな?」

「おっす!」「上等!」

 

 伏黒は無言で頷き、パンダはバシリと拳を己の手のひらに打ちつけた。

 意気は十分。あとは向かうのみ。

 

 と、いうものの。

 

 入った瞬間、バチっと音がして後に続く人員が突然消えた。

 荒廃した街に一人侵入を果たし、「へ?」と間抜けな声をあげてしまった。

 

 コガネがなぜか機械的な声で俺へと告げる。

 

「重量オーバーのため転送に失敗しました。例外として処理後、管理者に通知されます」

「……おいおいおい、っつーことは皆転送とやらに引っかかったってわけか」

 

 開幕皆とはぐれてしまった。

 これじゃ信じて一年を託された特級術師の名が泣く……と、考えた次の瞬間。

 

 俺の背後からロケットランチャーの弾頭が着弾した。

 轟音、爆発。

 そして閃光。

 

 知らない術師による攻撃のようだ。

 幅を絞った構築術式に近いものらしく、弾頭そのものに霊圧が含まれていることを感じられる。

 にしてもロケランとかマジか。

 

「ゴホッ、う、煙たっ」

 

 多少咳き込みながらも俺は無傷。

 当然だ。こんなの毎日やり合ってる五条の茈と比べたら水鉄砲ほどの威力もない。

 

 射線上を見れば、腹の出た中年男性がビルの上で狼狽えているのが確認できた。

 さらに、ビルの影からゴロゴロと出てくるのはバットや鉄パイプを持ったヤンキーたちだ。

 

 どうも、パニくって結界外へ逃げ出そうとした一般人を殺して点数を稼ぐのが目的と見える。

 

 ちらりと霊圧を確認すれば、それぞれ伏黒と虎杖の居場所もわかった。

 どうやら二人とも結構離れた場所に転送されてしまったようだ。

 霊圧が揺れているので戦闘中のようだ。

 

 釘崎とパンダの霊圧は確認できない。

 もっと遠く、このコロニーの外に転送されてしまったのだと思われる。

 

 さらに、向こうのビル二箇所からこちらを狙う敵対的な霊圧探査が確認できた。

 

 俺は示威行為も兼ねて人差し指を向け、霊圧を圧縮した。

 面倒だがここは力の差を見せつけておくことが重要か。

 

「─── 縛道の七十三 倒山晶。で、黒虚閃(セロ・オスキュラス)」

 

 ぐるりと指で一閃すれば、熱線がビルを切断してそのまま空の雲すら断ち切ってゆく。

 ビルが数棟雪崩落ちて、凄まじい土煙が噴き出した。

 

 無論無人のビルだ。

 周囲に霊圧もなく、安全は確認している。

 

 中からこちらを狙っていたやつも一応倒山晶で守ったから死んではいないだろうが、瓦礫に埋まって逃げられないだろう。

 地上では慌てて血相を変えて逃げていくヤンキー達の後ろ姿が確認できて、俺はため息をつかざるを得なかった。

 

「に げ る な」

「ひっ!?」「なんだぁ!?」「ぐぇ」

 

 霊圧を解放して思いっきり威圧してやれば、男達は立っていられずぺしゃりとアスファルトの上に転がった。

 先ほどのビル崩壊で瓦礫に当たって肩の骨が折れたのか、不良じみた金髪の男が泣きじゃくりながら這いつくばって頭を下げた。

 

「こ、殺さないで、ゆるじでぐだざい」

「何人殺したんだ?」

「おれ、兄貴に言われただけで、そんなつもりなくて、」

 

 金髪ヤンキーAはグズグズと惨めに泣いて許してを連呼している。

 俺は「はーー」と大きなため息をついて頭をかいた。

 

 このコロニー内には、霊圧からするとやや大きめのものは六つある。

 そのどれが日車かは正直よくわからない。

 

 俺はヤンキーAにメンチを切って威圧的に話しかけた。

 

「お前、術式は?」

「あ、その、バットで殴ったやつを変形させる…」

「よし。とりあえずこの辺の術師全員連れてくぞ。結界さえ解除しちまえば、今外で大忙しの呪術師の足しになるだろ」

「え、え?」

「だから、この襲撃仕組んだやつ全員連れてこいって言ってんだ。埋められてーのか」

「はっ、はぃぃいい!!」

 

 ヤンキーAは足をもつれさせながら走っていった。物分かりがいい奴は嫌いじゃない。

 コロニー内には呪霊も放たれているようだし、そいつらから一般人を守るのにも人手は必要だ。

 

 情報交換を兼ねてひとまず連絡ぐらいは取り合うか。

 

 俺は軽く腕を振り上げて縛道の五十八『摑趾追雀(かくしついじゃく)』、縛道の七十七『天挺空羅(てんていくうら)』を発動した。

 摑趾追雀と併用すれば、天挺空羅はこのコロニー範囲外の釘崎とパンダを含めて、地平の先まで、術式対象内とできる。

 

 繊細な鬼道だが、肉体のフィードバックとやらで霊圧の操作性が向上した今の俺なら難なく発動が可能だ。

 嬉しい限りである。

 

「聞こえるか、虎杖、釘崎、伏黒、パンダ」

『おう!今池袋向かってる。なんか池袋に日車がいるって』

『!?新宿じゃなくてか。……どちらかが嘘、ということか』

『私は情報なし。もう少し探しながら一般人を保護してるわ』

「なるほどな。俺の霊圧探査だと六つほど強い奴がいるのはわかるんだが、どれがどれかは正直わかんねー。伏黒と虎杖はそのまま向かってくれ。戦闘が始まったらそっちに合流する」

『了解』

『ちょっとパンダは取り込み中なのであとでな!』

 

 パンダは戦闘中のようだ。焦ったような途切れ途切れの声で通信が切れる。

 

 あ、倒山晶でさっき守ったやつを救助せねば。

 瓦礫をどかして二人ほどの霊圧を掘り当てれば、完全に気絶しているが一応無事なムサい男どもが出てきた。

 適当にそれもアスファルトの上に転がしておけば、ヤンキーAも戻ってきたようだ。

 

 怯えた様子で数人の仲間を連れてきたようだった。

 ヤンキーAとは反対に、新しく連れてこられたBCDの三人は反抗的に俺を見ている。

 

「お、おい、連れてきたぞ。どう、すんだよ」

「これから、一般人の誘導と確認がお前らの仕事な。呪霊…化け物を狩りながら一般人を守ってもらう」

 

 いってやると、禿頭のヤンキーBが肩に鉄パイプを担ぎながら不満げな様子で進み出てきた。

 

「何でそんなことしなきゃなんねェんだよ。殺さなきゃ19日のルールに抵触しちまうだろうが」

「ルールは俺の仲間が何とかする予定だ。そのあと、被害を減らすための人手が足りねぇ」

「俺らがそんなこと聞く義理あるか?テメェが勝手にやってろや!」

 

 鉄パイプを握ってやおらいきり立ち、俺の頭を思いっきりぶん殴ってくる。

 

 がん、と頭にぶつかり、鉄パイプはひしゃげ折れた。

 どうやら肉体強化系の術式を持つらしい。

 他の術師から言わせればハズレ術式だろうが、鍛えれば意外といいところまでいきそうだ。

 

 まぁ、残念ながら俺は霊圧に守られて無傷だが。

 狼狽えて雑魚達がわずかに後ずさる。

 

「あー、めんどくせーな!なんで実力の差が分かんねーんだよ。そのためにわざわざ虚閃まで出したってのに」

 

 足元をぽん、と霊圧を込めて軽く踏み締める。

 凄まじい音を立ててアスファルトが崩壊し、地面に大穴が開く。

 結界解除後はこれ全部補修しなければならないと思うとちょっと罪悪感が湧くが、この場を収めるには仕方あるまい。

 

 じろり、とヤンキーどもを睨みつける。

 

「で、聞く義理あるかって?そう聞いたかお前?」

「あ、……な、ナマ言ってすいませんっした!!」

 

 

 ヤンキー達が皆揃って俺に頭を下げた。

 




・二人に別れた宿儺のしくみ
①チャンイチの肉体に指が入る
②チャンイチの肉体に残された力から「魂の欠落を埋める力」が擬似発動
③宿儺の指に残った魂の残滓が補強され、第二の宿儺が爆誕
④家賃としてちょっとずつ呪力操作能力が聖別(アウスヴェーレン)で徴収される

郵便物を漁ってるのは、宿儺の経験値を漁って徴収してチャンイチに届けてる卑劣なユーハバッハです。
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