腹減り少女はSEED世界で爆発少女にレベルアップする   作:サボテンダーイオウ

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PHASE-09分かたれた道

ザフトは全軍停止の命を受け、一時撤退。

キラたちはアークエンジェルへ帰還――しかしその先に待っていたのは、フラガ大尉の鉄拳制裁。

 

「嬢ちゃ~ん? 説明、してくれるよな~?」

 

「いたっ! 頭ぐりぐり禁止ぃぃ!」

 

「アマキさん、代われるなら代わりたい!(むしろ代わりたい!)」

 

涙目のアマキに呆れるキラ、そして整備班からの冷たい視線。

 

「結果オーライだったんだし、いいじゃん」

 

「オーライじゃねぇ! この後どうすんだ!」

 

「ラクス返して、合流して――」

 

「アホか! そんな簡単にいくわけないだろ!」

 

さらにフラガからの手刀が炸裂。「いたっ!」と呻きつつ、アマキは首根っこを掴まれブリッジへ連行される。

 

マリューの声が凍りついた艦内に響き渡る。

 

「すんませーん」

 

「全然、反省してないわね。この子」

 

「土下座でもすればいいんすかね」

 

「開き直ったわ。独房でもどうかしら?」

 

「独房で決定でしょう」

 

「クソ申し訳ありませんでしたぁーーっ!!」

 

――アマキ、豪快な土下座を披露。

マリュー&ナタルが沈黙のまま冷たい視線を送り、しばらくの間、ため息しか返ってこなかった。

 

「もう……こうなっては仕方ないわ」

 

マリューが額に手を添えながら呟く。

 

「できるだけ早く、ラクスさんを向こうにお返ししましょう。何があるか分からないけれど、準備だけは万全にしておかなくちゃ」

 

「了解しました」

 

ナタルは冷静に返答。

視線は依然、アマキに刺さり続けている。

 

「アマキさんには、あとで反省文を書いてもらいますから」

 

「了解っす」

 

――そして、マリュー&ナタルの見事なシンクロため息が、艦内をじわっと包み込むのだった。

 

アマキが黙々と反省文を綴る頃――キラはひとり、展望デッキへ足を運んでいた。

目の前には宇宙。背後には誰もいない静寂。

それでも、心はとめどなくざわついていた。ぽつぽつと涙が流れ出す。小さな粒が、宙にふわりと浮かびあがる。やがて――堰を切ったように叫びが溢れた。

 

「うわぁぁあああ……」

 

そのとき、背後からふわりと声が届く。

 

「どうなさいましたの?」

 

振り返れば、そこに浮かんでいたのはラクス。

可憐な姿で、悪びれた様子など一切なく。

 

「ど、どうしてこんなところに……」

 

「大きなお声が聞こえましたものですから」

 

キラが目を丸くする間に、ラクスは静かに近づく。

 

「ダメですよ。勝手に出歩いたら――またアマキさんに怒られてしまいますよ」

 

「うふ。それもまた楽しいのです。わたくしのために必死に探されるアマキ様を想像するだけで、胸がドキドキしてしまいますの」

 

キラは苦笑しつつ、そっと手を伸ばす。

 

「ほら、部屋に戻りましょう」

 

ラクスはその手を取らず、ふわりと天井近くへ舞い上がった。

 

「戦いは終わったのですね。なのに――貴方は、とても悲しそうなお顔をしていらっしゃる」

 

キラはその言葉に、心の鍵が外れたような気がした。

そして、顔を崩しながら静かに語り出す。

 

「僕は……僕は、アマキさんへの恋心を自覚してから……誰かがアマキさんと関わるだけで、全力で妨害したくなるくらい大好きなんです。でも、それはできない。嫌われたくない。

だから全部受け入れようって決めたけど……無理なんだよ。だって……!」

 

キラの声が震える。感情があふれ出す。

その陰で偶然聞いてしまっていたカズイは、そっと立ち去る。

秘密かと思いきや、恋の話。

いたたまれない気持ちになって――「聞いてないことにしよう」と背を向けた。

 

そしてキラの告白に、ラクスはやさしく微笑んだ。

 

「そうでしたの……わたくしも、よく分かりますわ。そのお気持ち」

 

「え……?」

 

「アマキ様は、わたくしにとって尊い方。“推しを推す”という気持ち――初めて、理解いたしました」

 

「……おし?」

 

聞き慣れぬ言葉に、きょとんとするキラ。ラクスは気に留めず、話を続ける。

 

「わたくしを“普通の女の子”として接してくださる、唯一無二のお方――アマキ様。

……キラ、わたくしは貴方の味方です。貴方なら……アマキ様を、託せるような気がいたしますの」

 

キラの目に、再び涙が滲む。

けれど――今度は、温かい感情に包まれていた。

 

「ありがとう、ラクスさん」

 

「どうぞ、“ラクス”と」

 

「ラクス……!」

 

「キラ」

 

ふたりは、静かに手を取り合った。

互いの気持ちを受け入れ、交差した心が結ばれていく。

強く――けれどやさしく。

宇宙にふわりと浮かんだ、信頼と共鳴の瞬間だった。

 

返還の場。

イージス、エリス、ストライク――三機が静かに並び、互いに距離を保つ。

どこか張り詰めた空気。

そして、各機のコクピットが静かに開く。

 

「アスラン・ザラ……来たか」

 

『エリスのパイロットか』

 

アスランの声は静かだが、冷えた火花のような鋭さを含んでいた。

 

「ラクス。君から何か、言葉を」

 

促されてラクスはイージスへと振り向き、優しく手を振る。

 

『はい、アスラン。お久しぶりですわ』

 

『……確認した』

 

アスランは応じながら、静かに機体から降りる。両腕を広げ、ラクスを受け止める体勢で待つ。アマキはラクスの背中に手を添えようとするが――ラクスがそっとその手を押し返す。

 

『お待ちください』

 

「……どうした? アスランが待ってるぞ」

 

ラクスの瞳は、どこか切なげだった。

 

『……また、お会いできますか? アマキ様』

 

少しだけ、声が震えていた。

 

「できるさ。きっとな」(……脱走だけは勘弁して)

 

『ええ。きっと』(つては確保してございますので、ご安心を)

 

アマキの背筋に微かな悪寒。

――いや、気のせいだと自分に言い聞かせて。

今度こそ、ラクスの背を押した。

彼女は静かに向き直り、そのままふわふわとアスランの腕の中へと収まった。

その瞬間、アスランはふと視線がラクスのお腹に向かう。

……え? ポコッと?

(これは……気のせい……気のせいだ)

 

とにかく今、目の前の交渉に集中するしかない。

 

『キラは――こちらに返してもらえないのか?』

 

アスランの問いかけに、アマキは冷静に答えた。

 

「キラが、君たちと行きたいと言うのなら、連れて行って構わない。彼の意思を尊重する」

 

『アマキさん!?』

 

驚くキラの声が、通信越しに跳ねる。

アマキは、彼に向かって静かに語りかけた。

 

「キラ。君がこれから苦しまないで済むチャンスなんだ。同胞を殺さなくて済むなら、それが一番じゃないか」

 

『でも僕は――っ!』

 

その続きは、アマキが被せるように遮った。

 

「ご両親がオーブにいるなら、交渉次第ではプラントに呼ぶことだってできるかもしれない。……もう、人を殺さなくていいんだよ」

 

キラに、これ以上“戦う痛み”を味あわせたくない。その一心で、アマキは言葉を尽くす。

 

『キラ、来い! 一緒にプラントに行こう!』

 

『キラ……』

 

アスランとラクスが、キラに手を差し伸べる。その声は、温かく、切実だった。

アマキもまた、心のなかで願っていた。

 

(キラ……行くんだ。君には平穏な場所が必要だ)

 

だが――キラの答えは、もうとっくに決まっていた。

 

『僕は――行かない!』

 

『キラっ!?』

 

『アスラン……僕は行かない。アマキさんを、一人にしたくない!』

 

その言葉は、強く、揺るぎなかった。

 

「キラ……」

 

アスランの表情が、僅かに揺らぐ。

道を違えるという現実が、静かに迫ってくる。

 

『ならば――次は、戦場でお前を撃つ』

 

『……僕もだよ、アスラン』

 

選ばれなかった道。

それが、ふたりの決別だった。

そして、その選択こそが――キラの戦う理由になる。

おまけ

 

フレイ「アンタ、自分もコーディネーターだからって本気で歌ってないんでしょ?」

キラ「いや、ラクスさんは歌姫だから。僕はそういうの苦手だし」

アマキ「フレイだって歌ってみればいいじゃないか」

フレイ「私?私は・・舞台が整ってないと無理なの。アマキさんが一緒に歌ってくれたら私も歌えるわ」

アマキ「私?無理無理。音痴だもん。ラクスなら歌ってくれるかも」

ラクス「わたくしですか?フレイさんがよろしければ」

アマキ「じゃあさみんなで歌えば?」

「「「賛成」」」

ラクス「ではさんはい!」

アマキ「ほげ~」「「「~♪」」」

フレイ「……何いまの」

キラ「アマキさんだったりする?」

アマキ「ん?なに?」

ラクス「独特な声ですわね」

アマキ「ほげ~」




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