腹減り少女はSEED世界で爆発少女にレベルアップする   作:サボテンダーイオウ

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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


PHASE-16ペイバッグ

砂漠の虎——アンドリュー・バルトフェルドは、冷ややかな表情で作戦の幕開けを告げた。

 

「では、これよりレジスタンス拠点への攻撃を開始する」

 

その声は静かでありながら、全軍に緊張を走らせる。

 

「目標はタッシブ。総員、搭乗!」

 

ダコスタの号令が響き、パイロットたちは一斉にバクゥへと乗り込んでいく。

砂漠に特化した四足の機動兵器——その姿は、まさに獣の群れ。

バルトフェルドは、作戦の意図を淡々と語る。

 

「これは“お仕置き”だ。牙を持つ者に立ち向かうとはどういうことか——その意味を、教えてやる」

 

その言葉には、冷酷な戒めと、戦場の掟が込められていた。

 

◇◇◇

 

それは、突然の始まりだった。

キャンプ内が慌ただしくなり、アマキの中にも緊張が走る。

 

「敵か!?……カップラーメン食べたい」

 

その瞬間、カガリが走っていくのを見て、反射的にアマキも走り出す。

 

「あ、待って!」

 

しがみついていたフレイも、根性で追いかける。

キラとサイも遅れてその後を追った。

開けた場所に出ると、男たちが銃や医療品を車に押し込み、何台もが砂煙を上げて出発していく。

どうやら、彼らの町がザフトに襲われたらしい。

カガリはサイーブに詰め寄り、状況を確認している。

アマキはマリューの姿を見つけ、駆け寄った。

 

「艦長!」

 

マリューは混乱の中でも冷静に指示を出す。

 

「みんな、アークエンジェルに帰投。すぐに戦闘配備について!」

 

「私とキラは待機か?……カップラーメン食べてもいいかな」

 

「フラガ少佐に出てもらいます。陽動の可能性もあるから、用意して待機。カップラーメンは諦めなさい」

 

すげなく却下される。

 

「くっ……了解!」

「了解です」

 

アマキたちは急ぎアークエンジェルへ戻った。

その後、フラガ少佐からの連絡待ちとなり、アマキは「どうせなら」とカップラーメンの準備を決意。

 

「フレイ、買い物袋持ってきてくれる?」

 

「アマキさん!はいこれ!」

 

「ありがと、フレイ!」

 

「もっと頼って?私はアマキさん専属なんだから!」

 

器用にウインクを飛ばしてくるフレイ。

勝手に専属契約を結ばれているが、些細なことは気にしないアマキだった。

突如、ミリアリアから慌てた通信が入る。

 

『アマキさん!キラ!すぐに発進して!ザフトを追いかけて、レジスタンスの人たちが報復に向かってるの!』

 

「無謀なことを……」

 

「了解です」

 

アマキは呆れ果て、キラは冷静に返答した。

 

『キラ・ヤマト、ストライク行きます!』

 

「アマキ・カンザキ、エリス行くぞ!」

 

ストライクに続き、エリスも出撃。

空を裂いて、レジスタンスが向かった先へと急行する。

だが、全速力でも間に合うかどうか——。

 

「実力の差もわからないのか。気持ちだけで先走りやがって……!」

 

空腹も手伝って、アマキの苛立ちは限界寸前。

言葉遣いも荒くなる。

 

『…………』

 

「もし生きてたら殴ってやる。んでもって、腹いっぱいおごらせてやる」

 

その言葉に、キラは戦慄した。

アマキの気迫は、戦場の敵よりも恐ろしい。

それでも——その怒りの裏には、仲間への深い情があった。

数分後、ザフト軍と交戦中のレジスタンス部隊を確認。

 

「見つけた!」

 

『これより戦闘に介入します!』

 

空からの援護が、今始まる。

 

※※※

サイーブが乗るジープの背後に、バクゥが迫る。

絶体絶命——その瞬間、一筋のビームがバクゥをかすめ、動きを止めた。

 

「接近する熱源あり!」

 

ダコスタがレーダーを見て叫ぶ。

ごぅぅ——と砂漠を裂いて、ストライクとエリスがすさまじい勢いで飛来する。

だが、ストライクのビームはバクゥをそれる。

 

「砂漠の熱対流か!」

 

キラは即座に判断し、ストライクを砂地に着地させる。

二、三歩駆けてキーボードを叩き、照準パラメータを調整。

そして——

次の一撃で、見事にバクゥの装甲を捉え、体勢を崩させた。

一方、エリスは別のバクゥを引き寄せ、サイーブたちから引き離すように誘導。

砂漠の地形を利用し、少し離れた場所へと誘い込む。

その様子を、別の高台から見ていたバルトフェルドとダコスタ。

 

「応援に来たのか?!」

 

「先日の装備とは違うな……それに、ビームの操縦。即座に熱対流をパラメータに入れたか。フッ、面白くなってきた」

 

バルトフェルドは場違いな笑みを浮かべ、無線に手を伸ばす。

 

「カーフッド!バクゥを私と代われ!」

 

『はぁ!?』

 

「隊長!」

 

「撃ち合ってみないとわからないこともあるもんでね」

 

その表情は、まるで戦場を遊ぶ子供のようだった。

だが——その“遊び”は、命を懸けた真剣勝負。

 

一方、エリスは別のバクゥを引き離し、レジスタンスから遠ざけるように誘導。

その間にも、アマキの集中力は限界に近づいていた。

 

「くそっ……腹減って集中できない……」

 

イライラが募る中、キラの声が通信に入る。

 

『アマキさん!』

 

「キラ!」

 

援護に向かおうとした瞬間、異様に素早いバクゥが接近。

翻弄されるエリス。

正面から来たかと思えば背後を取り、ミサイルで不意打ちを狙ってくる。

 

「これは……!」

 

今までの敵とは格が違う。

だが——

 

「負けてたまるか……私には、アレが……アレが待ってるんだからぁぁぁあ!!」

 

アマキの中で何かが弾けた。

視界がクリアになり、バクゥの動きがスローモーションのように見える。

倒れこむように避け、すれ違いざまに後ろ脚を片手で掴み上げる。

ビームライフルを捨て、ビームソードに持ち替え——

びしゅーん!!

バクゥの脚を両断。

機体は砂地に突っ込み、動きを止めた。

 

『なにっ!?……ダコスタ、後退する!』

 

『了解!』

 

『まったく予想しない動き……面白くなってきた!』

 

バルトフェルドは笑みを浮かべ、残りのバクゥと共に撤退していった。

アマキは敵の背を見送りながら、深く息を吐く。

 

「………」

 

『アマキさん!大丈夫!?』

 

ストライクからの通信。

アマキは弱々しく笑みを浮かべる。

 

「キラか……もうだめかもしれない」

 

『え!?』

 

「駄目、無理、一歩も動けない」

 

突然の弱気発言にキラはパニック。

ストライクを着地させ、急いでエリスのコクピットへ。

ガチャン——

タイミングよく開いたコクピットの中、シートにもたれ動かないアマキ。

 

「アマキさん!しっかりして!!」

 

腕を引き寄せ、ヘルメットを外す。

汗で濡れた髪がこぼれ、アマキの顔は今にも消えそうなほど青白い。

 

「どこか痛むの!?」

 

「……へ、…」

 

唇がかすかに動く。

 

「は、ら」

 

「はら……?お腹が痛いの?」

 

違った。

 

「はら、へった」

 

「………」

 

キラは目が点。下で見守っていたカガリは烈火のごとく怒りを爆発させた。

 

「てんめぇーーー!!人が心配してれば腹減ったとは何事だー!!」

 

「カガリ、言葉遣いが乱暴だぞ」

 

キサカがそっとたしなめる。

サイーブたちは呆れて何も言えなかった。

ちなみに、負傷したアフメドは命に別状なく無事だった。

 

アマキはエリスごとキラに抱っこされてアークエンジェルへ帰還。

フレイが沸かしたお湯で、ついに念願のカップラーメンを食す。

ほくほく顔のアマキ。

フレイはそばで幸せそうに観察。

キラも隣で一緒に食べて、静かに笑う。

マリュー:「戦闘前にちゃんと食べたか、今後はチェックします」

ナタル:「……呆れて小言も出ない」

ムウ:「俺にもくれ」→予備を渡される(嫌そうに)

ミリアリア:記者魂に火がつき、食事シーンを撮りまくる

トール&カズイ:傍観(そしてちょっと羨ましい)

——そして、戦場の夜は静かに更けていった。

ちゃんちゃん。




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