腹減り少女はSEED世界で爆発少女にレベルアップする   作:サボテンダーイオウ

36 / 75
もにゃもにゃ。


PHASE-35決意の砲火

アマキの思いがけない告白はキラを驚かせまた、深く傷を負わせてしまった。宇宙人アマキとアスランに名づけられた通り謎の多い人ではあったが、まさか異世界からやってきたなどと通常の人間では到底信じてもらえない話なのだが、キラはその話を受け止めはした。だがそれよりもアマキとの関係がこじれてしまいそうなことがショックだった。ディアッカとのやり取りで面白なくなくつい嫉妬心を露わにしてしまったのが彼女にとっては嫌なことだったのか、キラには分からない。

ただこのままでは駄目だと思いつつも、彼女といざ会話しようにも避けられる始末。

アマキもつい勢いで打ち明けてしまったことを後悔していたし、謝ろうとも考えた。だが誰かに束縛されることを良しとしない性格が災いとなし、アマキに二の足を踏ませていた。

 

「……ふぅ…」

 

そこでじれったいアマキファンクラブの会員が彼女の為にとお節介ながら年長者であるマリューが恋愛指南をすることになったのだ。フレイとミリアリアからエサであるルルがいなくなったから一緒に探してほしいと頼まれてアマキは思い体を引きずるように二人に着いていった。そこでなぜかマリューの部屋に連れていかれることになるのだがアマキはそれを気にする余裕はない。

 

「待ってたわよ、アマキさん」

「…?ルルがここにいるのか?」

 

フレイとミリアリアはアマキが中に入ったことを確認してさっと廊下に出たのでマリューと二人っきりだ。マリューは机に頬杖ついて待っていた。

彼女は年長者として恋愛面でも経験が豊富である。故に恋愛下手なアマキの為に人肌脱ごうというのだ。

 

「さて、アマキさん。貴方ズバリキラ君と喧嘩したわね?」

「なぜそれを!?」

 

アマキの中で衝撃が走った。

あの時キラと二人っきりだったはずなのに、マリューがなぜそれを知っているのか。まさかス密偵の才能でもあるのかと疑いたくなる。

 

「フフフ、私はあなたのことならなんでも知ってるのよ」

 

マリューは妖しく微笑み、アマキを椅子へ座るよう促した。

情報網はそこら中に敷いている。艦のことなら彼女にお任せあれである。

アマキは戸惑いながら椅子に腰かけるが、若干引き気味である。

 

「あの、ルルがいなくなったと二人に言われたんだが」

「そうね。とりあえずコーヒーでもいかが?」

 

椅子から立ち上がり、コーヒーメーカーから出来立てのコーヒーを二人分カップに注ぐ。湯気が立ち上りコーヒーのいい匂いが室内に漂った。

 

「いやそうじゃなくて」

「貴方の好きなケーキもあるわ。今日はカガリさんお勧めのシャルロットケーキもあるわよ」

 

アマキの為にホールで用意してあるがいつもだったら瞳を輝かせて喜ぶところをアマキは一目見ただけで顔を横に逸らした。

 

「……ケーキは…いらない。ミルクと砂糖も欲しい」

「まぁそういわずに」

 

やはり甘味ではつられないか。だがまだ序の口だ。本題はここから、マリューの腕の見せ所である。

 

「じゃあ、まずは恋愛のAから始めましょうか」

「は?」

 

そこからコンコンと恋愛の極意を伝授しアマキは黙ってただ聞いていた。

 

・・・

・・

 

マリューが語る話は全て話した。もう伝授できるものはないはず。やり切った顔で額に汗を浮かばせながらマリューはアマキを送り出そうとした。

 

「さぁ、これでキラ君と仲直りできるわ!存分に彼の気持ちを受け止めてあげて!」

「………いや無理だ」

 

だがアマキの返答は対して冷静ではっきりとしたものだった。

 

「へ?」

「なおさら私にその資格はない。マリューさんありがとう。どうせフレイの入れ知恵だろうけどさ」

「あ、それは…」

「もう私とキラのことは放っておいてくれ。それじゃあ」

 

アマキはいうだけ言って部屋を出た。呆けたままのマリューを残して。作戦は失敗に終わった。赤裸々に自分の恋愛体験を語っただけに終わりマリューは沈没した。残るメンバーはアマキに釘を刺されてしまった為これ以上余計なお節介をするわけにもいかずとりあえず見守るという形で収まった。

しばらくマリューは消沈している姿を見かけ、たびたびムウが励ましている姿が目撃された。

 

 

「はぁ……」

 

キラも重苦しいため息をつきながらオーブの整備服に身を包み作業に追われていた。カタカタとキーボードを叩きながら頭を駆け巡るのはアマキの傷ついた表情だ。

あれ以来アマキと話すきっかけも掴めず、自分から立ち去っておいてのこのこと話しかけることをためらっていたからだ。

そこにムウが軽い調子で声を掛けてきた。

 

「よ、キラ」

「ムウさん…何か用ですか」

 

キラは顔を上げずに作業を続けた。心なしか冷たい様子だった。

 

「そう嫌そうな顔しなさんなって。喧嘩、したんだって?アマキとさ」

「………」

 

キラは無言でキーボードを叩き続けた。無視である。だがムウはめげない。うっとうしいくらいにキラを構う。

 

「まぁまぁ!最後まで人の話は聞けって。俺からアドバイス送ってやろうか?」

「結構です。忙しいんで」

 

冷たく返すキラにムウは挑発的に言い返した。

 

「お?いいのか?このままアマキと喧嘩別れしたままで」

「!」

 

ピタリと作業していた手は止まった。

 

「俺は一生後悔するけどな、本当に好きな女ならな」

「………だって、アマキさんは…」

 

キらは視線を俯かせてうなだれてしまう。

 

「……異世界から来たって話か?」

「…なんで知って」

 

驚くキラにムウは肩をすくめて見せた。

 

「この艦にいたらお前らのプライバシーなんてないと思え。特にアマキに関しちゃファンクラブ会員が目を光らせているからな。それにあのアマキならなんでも信じるって。奇跡の塊みたいな子だろ?」

「そうですけど。……だって、アマキさんはいつか帰るって…僕が好きな気持ちを否定したんだ」

 

キラはぼそぼそと語り始めた。捕虜であるディアッカとのやり取りで嫉妬心を出してしまったことを彼女は不快に思ったかもしれないだから自分の気持ちを否定したんじゃないかと考えたのだ。だがムウの考えは違った。

 

「アマキなりの優しさじゃないのか、それ」

「え」

「いつか別れが来るってのに好きな男に悲しい想いさせたくないだろ。だからわざとそういうこと言うの。あまのじゃくだろアマキって」

「……好き…?僕のこと…」

 

言われてみれば時々そういうこともあった。妙に素直じゃないときが。

だからと言ってぬか喜びになるのは避けたい。また落ち込むことになる。

 

「俺の勘じゃお前は少なからず想われてるよ、アマキにな」

「………」

 

ウインク付きで励まされる。男のウインクは見たくない。

少なからずは余計だとキラは思ったが、さっきよりは気持ちが落ち着いた気がした。

 

「大事にしてやれよ。帰るってなら全力で引き留めるなりくっ付いていくなり根性見せろ。本当に愛してるってんならな」

 

ムウから力強く言われてキラは彼女と話をしてみようという気になった。

 

パナマ侵攻により地球軍に深刻なダメージを負うことにより地球連合のそれぞれの高官たちは今後の対応に迫られていた。

そんな中、オーブが所有するマスドライバーを狙ってオーブに圧力をかけようとの動きがあった。その交渉の場で名乗りを上げたのが、アズラエル理事である。一癖も二癖もありそうな金髪の男は飄々とした態度で高官たちと言葉を交わす。

 

「なんでしたら僕の方で、オーブとの交渉、お引き受けしましょうか?」

「なんだと?」

「今はともかくマスドライバーが必要なんでしょ?早急に。どちらかが、或いは両方か」

「それはそうだが…」

「皆様にはビクトリアの作戦があるんだし、分担した方が効率いいでしょう」

「ぁぁ…」

「もしかしたら、あれのテストも出来るかもしれませんしね」

「あの機体を使うつもりかね君は…」

「それは向こうの出方次第ですけど。そのアスハさんとやらが噂通りの頑固者なら、ちょっと、凄いことになるかもしれませんねぇ」

 

彼にって戦争はビジネスで道具だ。

人も機体も使い捨てに過ぎない。だからこそ簡単に言ってのけるのだ。

 

デモンストレーションにはうってつけであるからという理由で彼はオーブへ赴くのであった。

 

首長たちがそろう部屋では地球連合軍から通達が届きその内容にウズミは怒りを抑えきれない様子だった。

 

「最後通告だと!?」

「現在の世界情勢を鑑みず、地球の一国家としての責務を放棄し、頑なに自国の安寧のみを追求し、あまつさえ、再三の協力要請にも拒否の姿勢を崩さぬオーブ連合首長国に対し、地球連合軍はその構成国を代表して、以下の要求を通告する。一、オーブ首長国現政権の即時退陣、二、国軍の武装解除、並びに解体、48時間以内に以上の要求が実行されない場合、地球連合はオーブ首長国をザフト支援国家と見なし、武力を以て対峙するものである」

「どういう茶番だそれは!」

 

怒り収まりきらぬウズミに首長たちは黙り込んでしまう。

 

「パナマを落とされ、もはや体裁を取り繕う余裕すらなくしたか、大西洋連邦め!」

「既に、太平洋を連合軍艦隊が南下中です」

「欲しいのはマスドライバーとモルゲンレーテですなぁ」

「が、いくらこれが筋の通らぬことと声高に叫んでも、もはや大西洋連邦に逆らえる国もない」

「ユーラシアは既に疲弊し、赤道連合、スカンジナビア王国など、最後まで中立を貫いてきた国々も既に連合じゃ」

「我等も選ばねばならぬ時、ということですかな」

「事態を知ったザフト、カーペンタリア基地からも会談の申し入れがきておりますが…」

 

それぞれが意見を述べるが結局のところどちらかを選べと強制されているに過ぎない。

選択しは二つのみという厳しい現実に憤りは収まらない。

 

「どうあっても世界を二分したいか!大西洋連邦は!敵か味方かと!そしてオーブはその理念と法を捨て、命じられるままに、与えられた敵と戦う国となるのか!連合と組めばプラントは敵。プラントと組めば連合は敵。例え連合に降り今日の争いを避けられたとしても、明日はパナマの二の舞ぞ!陣営を定めれば、どのみち戦火は免れぬ!」

「解っております。しかし…」

「ともあれ避難命令を…」

「ホムラ代表…」

「子供等が時代に殺されるようなことだけは、避けたいものじゃが…」

 

それが現実になろうとしているのだ。今まさに。

 

 

二人の関係は修復されないまま戦況は悪化をたどることになる。地球軍はオーブが持つマスドライバーとモルゲンレーテ吸収をもくろみオーブが地球軍にくだらなければザフト支援国家とみなし攻撃を開始するという通告を下したのだ。

憤るウズミだがもう時間は残されていない。剣を取る時がきたのだ。

 

その報はアークエンジェルにも伝えられ艦長がクルー全員を収集させることとなった。アマキとキラも互いに離れながらも静かにマリューの話に耳を澄ませていた。

 

「現在、このオーブへ向け、地球連合軍艦隊が進行中です」

「「えぇ!?」」

「地球軍に与し、共にプラントを討つ道を取らぬというのならば、ザフト支援国を見なす。それが理由です」

「なんだそりゃぁ…」

 

無茶口茶な理由に不満の声が上がる。誰しも戸惑いと怒りがこみあげていることだろう。

また祖国を危険にさらされて家族の心配もする者もいるだろう。

 

「オーブ政府はあくまで中立の立場を貫くとし、現在も外交努力を継続中ですが、残念ながら、現状の地球軍の対応を見る限りにおいて、戦闘回避の可能性は、非常に低いものと言わざるを得ません。オーブは全国民に対し、都市部、及び軍関係施設周辺からの退去を命じ、不測の事態に備えて防衛態勢に入るとのことです。我々もまた、道を選ばねばなりません。現在アークエンジェルは脱走艦であり、我々自身の立場も定かでない状況にあります。オーブのこの事態に際し、我々はどうするべきなのか、命ずる者もなく、また私もあなた方に対しその権限を持ち得ません」

 

つまり平たく言えば自分たちの意思でこの艦に残るか退艦するか選択できるということだ。

 

「回避不能となれば、明後日0900、戦闘は開始されます。オーブを守るべくこれと戦うべきなのか。そうではないのか。我々は皆、自身で判断せねばなりません。よってこれを機に艦を離れようと思う者は、今より速やかに退艦し、オーブ政府の指示に従って避難して下さい」

 

時間はもうない。それぞれが選択をし、これからの道を決めねばならない。そう選ばせたくれたのはマリューが艦長だったからだ。

 

「私のような頼りない艦長に、ここまで付いてきてくれて、ありがとう」

 

マリューは感謝の言葉と共に深く頭を下げた。その姿は多くのクルーの目に焼き付いたことだろう。去る者も残る者も。

 

それぞれが戸惑いと悲しみと決別と再会を約束して確固たる決心に胸に秘め戦場へと望む中、アマキは一人スノーホワイトを前に静かに佇んでいた。これから起こりうる戦争で果たして生き残れるか。生き残る自信はあるし、死ぬ気はない。だが万が一ということもある。なんて後ろ向きなことばかり考えていられない。

 

気合を入れるために頬を両手でぱしっと叩く。多少の痛みとともに弱気もどこかに吹っ飛んだ。

 

「よし!」

 

今は勝つことを前提にできるだけ被害を少なくすること。

自分にできることを今やりきろう。そうすれば自ずと道は開けるはず。そう決意を固めると後ろから人の気配がして振り向いていると神妙な面持ちのキラが立っていた。

 

「……アマキさん……」

「…キラ…」

 

お互いに気まずい雰囲気が流れる。アマキはつい視線を落として言葉を探してしまう。何か言わなきゃと思うのにまた拒絶されることが怖い。だがキラの方から先に話しかけてくれた。

 

「………」

「………手、ごめんね……。振り払っちゃって」

 

久しぶりに聞く、なんて大げさだがそれぐらいに錯覚してしまいそうになるほどキラと離れていた。彼は一番最初にこの間のことを謝ってくれた。アマキは頭を振ってキラに謝った。

 

「……ううん、私の方こそ、ごめんね。突然何言ってるって思ったでしょ。実際さ、言おうかどうか迷ってたんだ。でもこの先の戦闘で何が起こるかわからないから」

 

そう、いつ死ぬかわからない。この戦場ではいつも命がけなのだ。

だからこそアマキは真剣な表情で伝えた。キラは決意を込めた瞳をでアマキに伝えた。再度自分の気持ちを。

 

「……僕がアマキさんを守りたいって気持ちは今もちゃんとある」

「……」

 

一歩、一歩と距離が縮まりキラはアマキの両手を取って自身の手で包み込み、優しく微笑みながら言った。

 

「だからアマキさんは僕の背中を守ってよ」

「……背中」

「うん。僕はアマキさんの背中を守る。これなら二人で背中合わせで無敵でしょ」

 

戸惑うアマキにキラは自信を持って答えた。合理的な考えだ。

 

「……そうだね。私達が守りたいものは同じだから」

「うん。……それとアマキさんが自分の世界に帰るっていうなら僕も着いてく」

「え!」

 

これにはつい大声を出して驚いてしまいその拍子に手もバっと離した。

だがキラは真剣な表情で勢いで言ったわけではないらしい。

 

「それくらい僕は真剣に考えてるってこと」

「……私のこと、そんなに好きなのか?」

「うん」

「私は……よくわからない。なんかうまく表現できないんだ。キラのこと。大切なんだけどそれが恋か親愛かはわからない」

 

アマキもいろいろ悩んだ。確かに恋愛経験もある。それなりに数もこなしたし恋人がいた時もある。だがそれと今の状況ではその時の立場も違うので比べられない。アマキの戸惑う姿を見たキラは妙案を思いついた。

 

「じゃあ、お試し期間作ろうよ。仮の恋人ってことで」

 

軽く笑いながら提案してきたが、恋人であることは譲らないらしい。アマキはキラの押せ押せ精神に呆れてしまった。

 

「意外に前向きだな、キラ」

「それだけ必死ってこと」

「………お試し期間か。うん、それもいいかもな。お互いスッキリするかもしれないし」

 

もやもやするよりも試してみればいい。アマキは納得して頷いた。

 

「じゃあ、僕はアマキさんを呼び捨てにするね。いい?」

「お、おう!」

 

ドンと来いと構えてみるが次に来たのはキラの先制攻撃だった。

 

「アマキ、僕は貴方が好きだ。何よりもまっすぐで素直で無敵な貴方が大好きなんだ」(真剣な表情で告白する)

「ごはっ。いきなりの告白タイムとは」

 

直球ストレートにアマキは赤面してしまう。だが逃げることはかなわない。なんせ仮恋人からの告白なのだ。受け止めるしかない。

 

「お試し期間だからどんどん言わないとね。もったいないよ」

「なんだかキラが逞しく感じるよ」

「ありがとう」

 

困惑するアマキとは反対にどこか吹っ切れたようにキラは微笑んだ。キラのやり取りでアマキの心は先ほどよりもずっとぽっと温かくなった。

 

アスランもまた地球に降りてきていた。その先はかつてキラと殺し合った海辺。そこにはガンダムの残骸が今も残っており、戦争孤児たちの遊び場となっていた。そこには導師マルキヨ様もおられアスランは挨拶をして小さな家に招き入れられる。導師の家にあるテレビに映し出されるのはオーブと地球連合との戦闘に関するニュースだった。

 

「どうやら避けられぬようですねぇ。オーブと地球軍の戦闘も」

『…兵士達の士気が徐々に高まっています。地球連合軍統合…』

「人は容易く敵となる」

「何故オーブと地球軍が…」

 

戦況がつかめていないアスランはそう呟くと孤児の一人である少年がアスランをにらみつけながら

 

「ザフトなんか!俺が大っきくなったら全部やっつけてやる!えい!]

 

と足を蹴って逃げて行った。アスランにはすぐに蹴られた理由が理解できなかった。

 

「え?」

「これ!…すみません。彼はカーペンタリア占領戦の折り、親を亡くしたものですから」

 

その説明にアスランは表情が固まる。

 

「あ…」

「広げるは容易く、消すは難しいものです。戦火は…」

 

それが理解できるのはごく少数の人間だけだ。

 

アズラエルの指示により戦闘は開始される。

 

「時間です!」

 

地球軍の艦隊よりミサイルが頭上に打ち上げらる。それを待ち構えるはオーブ軍たち。

 

「敵艦より先行ミサイル発射確認!」

「オーブ全軍、迎撃開始せよっ!」

 

カガリの指揮の元オーブ軍による迎撃が開始されミサイルを撃ち落とそうと戦艦からビームが撃たれ大きな爆発音が周囲に響き渡る。そしてアストレイ三機も出撃し、敵を待ち構えた。それはアークエンジェルも同じこと。

 

「オーブ軍、戦闘開始しました!」

「アークエンジェル発進します!」

 

マリューの指示の元、アークエンジェルもドックから出撃する。皆、緊張の面持ちだったが、アラスカにいた時よりも落ち着いていた。

キラやアマキ、ムウがこの無敵の三人がアークエンジェルにはそろっているからだ。

 

「ゴットフリート照準、てぇ!」

 

マリューの指示により放たれるゴッドフリートが無数のミサイルを防ぎ爆発の連鎖を起こす。続いてナタルも指示を飛ばす。

 

「バリアント、てぇ!」

 

ここで負けるわけにはいかないという気概で皆地球軍に挑んでいた。

 

『キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!』

 

フリーダムが最初に出撃し、追いかけるようにスノーホワイトも空を駆る。

 

「アマキ・カンザキ。スノーホワイト出る!」

 

そしてミリアリアの声によりストライクも出撃する。

 

「ストライク、発進、どうぞ!」

『ムウ・ラ・フラガ、ストライク、出るぞ!』

 

敵艦から地球軍MS部隊が投入され、アストレイ三人娘たちに襲い掛かろうとする。

が!そこへ颯爽とフリーダムが現れ、地球軍MS達を一斉にロックオンするとフルバーストモードによりストライクダガーたちを潰していく。その圧倒的な力の前に女子三人は呆然としてしまう。

 

『…凄い…』

『おーおー、かっこいいねぇ。どうせ俺は新米だけどね!こら!ボーっとしてると次が来るぞ!お嬢ちゃん達!』

 

そこへストライクがやってきて三人に喝を入れてすぐ次の敵へと切り替えさせる。スノーホワイトに乗っていると予測システムだがなんだか敵の行動がどう動くか頭に直接情報が送られてきてパンクしそうになるが、そこは野生の本能でカバーする。どうせなら

アマキも新しい機体の性能を試そうと今まで使っていなかったツインバスターライフルを試そうとストライクダガー達が沿岸近くを制圧しそうになっているところへ一発ぶち込んでみる。

 

「せーの!」

 

掛け声と共に光の速さで膨大なビームが発射される。

 

どごぉぉーーん!!

 

それは瞬く間にストライクダガー達がいる場所ごと地面をえぐり、敵を焼失させる。軽くクレーターまでできてる。殺すつもりはなかったが、死んじゃったら仕方ない。それにしても扱いが難しい武器だ。アマキは後でカガリにどやされるかもしれないと思いながら

 

「うわーお……威力半端ないわ。相手えらぼっと」

 

と新たな相棒の頼もしさに武者震いをしたが、その口元には嬉しさからか若干口角が上がっていた。

さて、地球軍からも新型MS三機が登場しキラ達の行く手を遮ることになる。

 

「バリアント、てぇ!」

「敵モビルスーツ、いや、モビルアーマー接近!」

「え!?」

『おらぁぁぁ!!』

『うっ!』

 

アークエンジェルを標的にしようとするが、寸前で回避できたが後ろの艦隊が潰される。

 

「回避!」

 

チームワークはバラバラのようで統率がとれていない。それぞれが好き勝手に動いているが被害は拡大していく。アストレイでは太刀打ちできない相手だ。キラが相手しているがビームを跳ねのける装甲になっていて驚きが走った。激戦が増していく中、降りたはずのディアッカがバスターに搭乗しアークエンジェルの援護にあたってきた。

 

『さっさと下がれよアークエンジェル!』

「ディアッカだ!アイツなんで…」

『仕方ねぇだろ!お前らに沈まれちゃ夢見が悪くなるからなっ』

 

と素直になれないディアッカによりアークエンジェルの後方支援は頼もしい状況に。

そこに浜辺に向かって林道の隙間から人が数人走って避難しているのが頭上から見えアマキはつい舌打ちしながらそこへ急ぎ飛ぶ。

 

「民間人がいる!?っち!」

 

後ろではスノーホワイトに気づいた一体が執拗に追いかけてくる。このままでは彼らに被害が及ぶと判断し、咄嗟にモードロンドで防御態勢になりながらも一般人を守りながらバスターライフルをぶっ放す。

 

「人をおもちゃ何かと勘違いしてるんじゃないか!ええ?クそじゃりどもめっ!」

「なんだと!この、変な奴むかつく!」

 

とりあえず変なの一体はよけようとしたがその威力に負け後方へ飛ばされる。そのすきにキラに呼び掛けた。

 

「キラ!援護頼むっ」

『わかった!』

 

フリーダムの援護で隙が生まれた瞬間、アマキは民間人らを運ぶためしゃがみこんでいる彼らの傍に手を差し出しスピーカーで呼び掛けた。

 

「そこの民間人たち、こっち来て!安全なところまで運ぶからっ」

「え、あ?」

「いいからさっさと足を動かせ!」

 

突然目の前にMSが現れ自分たちを庇ってくれたことに恐怖で体が竦み動けないがパイロットであるアマキに怒鳴られ、急ぎ体を動かしてスノーホワイトの手に収まる家族ら。よく見たら小さい女の子までいた。

こうして一家四人はアマキにより無事な場所まで送られたのであった。知らないうちにフラグを潰す天才である。

 

そしてアスランも遥か上空からオーブ戦を盗みみていた。そこには三機の新たなガンダムとフリーダムの姿をモニターに認める。

 

『フリーダム…!』

 

脳裏に掠めるのはラクスの言葉、戦争孤児からぶつけられた憎しみ、幼馴染のキラとの思いでーー。

 

操縦桿を握る手に力が入り、キッと前を向いたアスランに迷いの意思はなかった。

フリーダムが攻撃されそうになる前にジャスティスが割り込む形で乱入する。

 

『おわっ!?』

 

突然現れた新たな機体ジャスティスにキラは戸惑うしかなかった。

 




お気に入り、評価等よろしくお願いします。励みになります!

ガンダムSEEDDESTINYも読んでみたいか?

  • 続きを読んでみたい。
  • 別に興味ない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。