腹減り少女はSEED世界で爆発少女にレベルアップする 作:松魚
誰がこの戦争を始めたのか。
誰がこの憎しみの連鎖を生み出したのか。
——もはや、それに意味はない。
それは始まりに過ぎなかった。
きっかけでしかなかった。
溜まりに溜まった膿があふれ出すように、積もり積もった闇が暴発し、人々はその闇に侵食されていく。
人が人を憎み、争い、奪い合い、すべてを滅ぼそうといがみ合う。
生まれ持った能力で優劣をつけ、妬み、それが歪みとなって人の心の根底に根づき、争いの芽となる。
——では、誰がこの戦争を止めるのか。人々は絶望の中に光を欲する。
先導者という存在を。それに縋り、仰ぎ、協力を求める。
ラクス・クラインには、確かに先導者としての素質があった。
だが、それは彼女の生まれ持った能力によるものではない。
この世界を憂い、立ち上がったからだ。仲間と共に。
「このままではいけない」と奮起したからだ。
変な正義感からではない。
——大切な人が笑っていられる世界にしたい。
その、ただ一つの願いのもとに動いている。
崇高な人間ほど、強かで貪欲だ。
だからこそ、彼女は声を鋭くして、戦場に訴える。
「ザフトは直ちにジェネシスを停止しなさい!」
ラクスの声が通信機を通じて響き渡り、戦場全体にその強い意志が伝わる。
彼女の瞳には、並々ならぬ決意が宿っていた。
「ぇぇぃ!取り舵20!」
バルトフェルドが迅速に指示を飛ばす中、ラクスの問いかけはなおも続く。
「核を撃たれ、その痛みと悲しみを知るわたくし達が、また同じことを繰り返すのですか?
討てば、その傷は癒されるのですか?」
その問いは、深く鋭く、人々の心を刺す。
「罪なき人々や子供を撃つことが、正義になると?互いに放つ砲火は何を生むのか。
無意味な犠牲を作っていることが、まだ解らないのですか?まだ、犠牲が足りないと?」
彼女の言葉は、戦争の悲惨さと無意味さを浮き彫りにし、戦場に響き渡る。
その場にいるすべての者の心に、深く突き刺さる。
ラクスの叫びは、戦争の無意味さと悲劇を象徴していた。
一方、アークエンジェルでは——激しい戦闘による損傷が大きく、マードックが対応に追われていた。
「急げー!こっちが先だ!バカやろう!」
ブリッジでは、次々と負傷の報告が上がる。
「125から144ブロックまで閉鎖!」
「推力50%に低下!」
「センサーの33%にダメージ!」
「くっ!」
「艦長、避難艇収容完了しました」
ナタルの報告に、マリューは頷き、指示を出す。
「わかったわ。とりあえずストライクに補給を。終わったら、キラ君たちの援護に出てもらって!」
『そっちは大丈夫なのか?』
モニターに映るムウは、アークエンジェルの損傷を気にしていた。
だが、彼の前に立ちはだかっていた敵は、すでに倒した。
残るは——ジェネシスのみ。
「ドミニオンは潰した。後はジェネシスだけよ」
今も激しい戦闘の最中にいるであろう仲間たちの元へ、
一刻も早く加勢したい。
気持ちは焦る。
だが、現状ではそれも叶わない。
——どうか、無事で。
マリューは祈るように、モニターを見つめていた。
◇◇◇
そして、残る脅威の根源——ジェネシスへの対応を託したのは、アマキだった。
スノーホワイトの圧倒的な威力に恐れをなしたMSたちは、もはや近づこうとしない。
肝心のアズラエルが死亡したことで、地球軍の統率はすでに崩壊していた。
だからこそ、アマキは彼の背中を押した。
「ここは私たちに任せて、アスランはジェネシスに行け!」
『何?』
「お父さん、行って止めてきな」
『っ!』
アマキの言葉に、アスランはぐっと息を呑む。
あまりにも直球すぎるその言葉に、胸を打たれた。
アマキは、いつだってアマキだ。
誰にも止められない存在。
アスランは彼女が少し苦手だが、その堂々とした言葉を言えることが羨ましかった。
今もそうだ。
アスランが言えないことを、彼女はすんなりと代わりに言ってくれる。
「たった一人の肉親だろ? 間違ったことを正してあげるのは、息子のアスランだけだ!」
戦争を長引かせた戦犯者であろうと、アスランにとっては父親でしかない。
だからこそ、これ以上間違いを犯させてはいけない。
そんなアマキの気遣いが、嬉しかった。
涙腺が緩みそうになるのを、ぐっとこらえる。
まだ涙するには早すぎる。
絞り出すように、アスランは礼を伝えた。
『……すまないっ』
「カガリも一緒に行ってあげて。もし馬鹿なこと考えてたら、引っぱたいてでも止めてよ」
『わかった。殴ってやる!』
謎の気概に満ちているカガリに、アスランは不安を覚える。
アマキもけしかけないでくれ、と内心で呻いた。
『僕が援護していくよ』
キラも、アスランたちの障害を排除する気満々である。
『キラ、すまない! 行くぞっ! カガリ、殴るのは勘弁してくれっ』
『わかった。じゃあ最悪、四次元に放り込むぞ。買い物袋借りてるから』
『クッ!!』
もっと恐ろしいことになりそうだと戦々恐々するアスラン。
その予感が現実になることを、彼はまだ知らない。
『アマキ、無理しないでね』
「合点承知!」
フリーダムが先行し、ザフト軍MAを力づくで退ける。
ジャスティスとストライクルージュ、そして護衛のアストレイ二機が続き、ジェネシスへ向けて飛び立つ。
「さて、じゃあ私は武力行使ということで」
アマキは、衝突しようとする両軍に対して、能力の差をまざまざと見せつけるため、
スノーホワイトの翼を最大限に広げ、戦場を高速で駆け抜けた。
歯向かうなら、叩き潰す。
スノーホワイトに翻弄される両軍は、次第に精神的にも体力的にも疲弊していく。
その姿は、まるで“白い嵐”に巻き込まれたかのようだった。
◇◇◇
レイダーのパイロット、クロトは薬が切れたことによる中毒症状で限界を超えていた。
もはや自我を保つことはできず、狂乱の中で笑いながらレイダーを操るという暴走状態に陥っていた。
「うーははははは!!」
仲間二人が殺され、もう後には引けない。
クロトは全てを道連れにするつもりで、バスターの背後から襲いかかる。
レイダーの動きはでたらめで、隙も多かったが、不意打ちを喰らったバスターは右腕を破損し、負傷する。
『なにっ! うわぁ!』
『ディアッカ!』
ガグン!!
衝撃と共に、バスターの右腕が破損。
プロヴィデンスの能力を使い切るにはイザークでは荷が重い。
だが、友を守るため——彼はバスターからライフルをもぎ取った。
『ぇぃ! そいつをよこせ!』
『イザーク!?』
『うわぁ!』
レイダーの最後のあがきとして、口部からエネルギー砲が発射されようとしていた。
イザークも同様に、ライフルをレイダーへ向ける。
『こんな奴にぃ!!』
『……!』
相打ちの形で、双方にダメージが走る。
だが、軍配が上がったのは——プロヴィデンス。
レイダーは頭上で旋回に入ろうとした直後、爆散した。
◇◇◇
エターナルでは、オペレーターからジェネシス再稼働に関する報告が上がる。
「ジェネシス、射程距離に入ります!」
「フェイズシフトとて、無限じゃないんだ!」
連携して、エターナルとクサナギからローエングリンがジェネシスに向けて発射される。
「ローエングリン!てぇ!」
だが、いくつものビーム砲を浴びせても、その装甲は傷一つつかなかった。
予想外の展開に、皆が息を呑み、舌打ちを漏らす。
「あっ!」
「くっそー!厄介なもんを!」
一方、ヤキン・ドゥーエ内部では——
外部からの攻撃に苛立っているのは、パトリック・ザラただ一人。
他の関係者たちは、ラクスが必死にジェネシスを止めようとしている事実に、困惑していた。
「ジェネシス外装70、相転移変動率……」
「あんな小娘やナチュラル共の艦、さっさと叩き落とさんか!」
「ラクス様……」
「急げ!照準入力開始!目標、北米大陸東岸地区!」
「議長!」
パトリックの強硬な命令に、周囲から抗議の声が上がる。
その声には、怒りと戸惑い、そして恐怖が混ざっていた。
彼の言葉は、もはや“指導”ではなく“暴走”だった。
◇◇◇
キラとアスランは、必死に通信でザフト軍に呼びかけていた。
「やめてくださいっ!これ以上の戦闘は無意味ですっ!」
「止めろ!もう止めるんだ、こんな戦い!本当に滅ぼしたいのか!?君たちも、すべてを!」
だが、彼らの声は届かない。
ザフト兵たちもまた、戦争の被害者であり、犠牲者の家族だった。
「奴らが先に撃ったのだ!」
「ボアズには弟もいた!」
「くっそー……」
今は、ジェネシス停止のために力づくで抑えるしかない。
キラはこれ以上の対話は不可能と判断し、容赦なく撃ち抜く。
もちろん、殺さないように。
そして、アスランたちを送り出した。
ヤキン・ドゥーエ内部では、負傷したザフト兵や発進準備中の機体が入り乱れ、場は騒然としていた。
その中を、やるせない気持ちで進むアスランたち。
混乱の隙を突き、メインデッキへの侵入に成功する。
すると、何やら言い争う声が響いてきた。どうやら、アスランの父・パトリックに対して、ジェネシスの発射は不要だと訴えているようだった。
アスランたちはどう潜入するか悩んでいた——その隙に、彼女は動いていた。
「何をしている!急げ!これで全てが終わ——」
「えい!」
スポン!!
こそこそと背後から忍び寄り、頭から買い物袋を被せて吸い込んでいくパトリック・ザラ。
これでウズミ様を吸い込めば、クセつよ親父シリーズコンプリートである。
父のセリフの途中で吸い込まれていく姿を見て、アスランは顎が外れそうになる。
だがすぐに中へ飛び込み、カガリを非難した。
「カガリ!?まだ父上とも話してないのに入れるか、普通!?」
「ごめん、なんか雰囲気的に突っ込んだ方が平和かと思ってさ」
「父上!……く……ぅぅ……」
最後まで言葉を交わせなかった父のために、アスランは涙する。
周囲の軍関係者たちは、突然吸い込まれていった議長の姿に動揺し、
「次は自分か」と恐怖が場を支配する。
というか、集団パニックに陥った。
「ぎ、議長が吸い込まれた!?」
「アスラン・ザラ!?」
「ジェネシスは放棄しろ!これ以上の犠牲は必要ないっ!!」
だが、アスランの言葉はまともに聞かれていなかった。
「う、うわぁ!」
「俺たちも吸い込まれるっ!」
口々に恐れおののいたザフト軍幹部や兵士たちは、慌てて逃げ出していく。
一人が逃げれば、次々に「俺も」と持ち場を放棄し、扉へ向かっていった。
——とりあえず、ジェネシスの発射は防げたらしい。
何とも言えない微妙な雰囲気の中、気を取り直したアスランは、軽快な動きでキーボードを操作する。
◇◇◇
エターナル、そしてアークエンジェルでは、キラたちの生存を案じる声が次々と上がっていた。
「アークエンジェル!」
「キラ君たちは!?」
「ヤキン・ドゥーエは放棄されたのですか?ジェネシスは!?」
モニターには、戦艦やモビルスーツが次々とジェネシスから脱出していく様子が映し出されていた。
その異様な光景に、ただ事ではないと誰もが直感する。
だが、内部では一体何が起きているのか——
それは誰にも分からない。
通信は途絶え、映像も乱れがち。
ただ、脱出の波が広がっているという事実だけが、状況の深刻さを物語っていた。
マリューはモニターを見つめながら、静かに息を呑む。
ラクスはハロを抱きしめ、祈るように目を閉じる。
バルトフェルドは歯を食いしばり、拳を握りしめていた。
——彼らは信じている。
キラたちが、必ずジェネシスを止めてくれると。
だが、心の奥底では焦燥と不安が渦巻いていた。
この沈黙の先にあるものが、希望であることを願って。
◇◇◇
自爆スイッチが起動された瞬間、予想外の展開が待っていた。
「総員、速やかに施設内より退去してください」
「何!? あ!」
「アスラン?」
「ヤキンの自爆シークエンスに、ジェネシスの発射が連動している?」
「ええ!?」
「くっそー!ええい!こんなセコい仕掛けを!」
だんっ!
八つ当たりのように拳でモニターを叩きつけ、吸い込まれていった父を恨むアスラン。
だが、こうしている暇はない。
アスランたちはすぐに機体へ戻り、カガリの護衛として同行していた二人を外へと避難させる。
『どうするつもりだ!』
『……内部でジャスティスを核爆発させる』
『ええ!? そんなことをしたら、お前は……!』
『それしか方法はない! お前は戻れ!』
『アスラン!』
『駄目だ!』
アスランはジャスティスのスラスターを切り離し、後方にいたストライクルージュを壁にすることで、追ってこられないようにする。
狭い通路では、避ける術がない。
引き離されたカガリは、置いて行かれたことにショックを受け、アスランの名を叫ぶ。
『アスラン!』
だが、アスランは振り返ることなく、先へ進んでいく。
開けた場所——ジェネシスの内部で、ジャスティスを自爆させるためのコードを入力しようとする。
その時、スラスターを避けて全力で追いかけてきたルージュが、ジャスティスに待ったをかける。
『アスラーン!!』
モニターに映る姿に、アスランは驚いた表情を見せる。
『ん?……カガリ!?』
「どうして……」という思いが、アスランの中で沸き上がる。
反対に、カガリは涙をあふれさせながら、必死に訴える。
「駄目だ! お前、逃げるな!生きる方が戦いだ!」
その言葉に、アスランは一瞬、戸惑いを見せる。
「……!」
カガリの叫びは、アスランの心に深く響き、彼の決意を揺るがす。
「それに、お父さん吸い込んだままだぞっ! いいのか!?」
「くっ!!」
ギャグのような展開だが、ここで死ぬわけにはいかない。
父とまともに会話しないまま死ぬなど、未練たっぷりで死にきれない。
アスランは、決断する。
ジェネシスは間もなく自爆プログラムを開始し、爆炎と共に停止した。
巨大な爆発と、眩いばかりの閃光が戦場を包み込む。
「アマキ様っ! キラっ!」
事態を見守っていたラクスは、二人の名を叫びながら席を飛び出し、
ガラス越しに映る膨大な光の中に、彼らが巻き込まれていないかと不安に駆られる。
誰もが、キラたちの安否を心配していた。
仲間たちは不安な面持ちで、戦局を見守っていた。
そして——静寂が訪れる戦場。
カナーバ議員による停戦協定の申し出が、宇宙全域に向けて放送された。
すべての関係者に届くように——その声は、戦場の隅々にまで響き渡る。
「宙域のザフト全軍、ならびに地球軍に告げます。
現在プラントは、地球軍およびプラント理事国家との停戦協議に向け、準備を始めています。
それに伴い、プラント臨時最高評議会は、現宙域におけるすべての戦闘行為の停止を地球軍に申し入れます」
——どれほど、この言葉を待っていたことか。
トリィ トリィ!
アークエンジェルから、キラたちを探しにトリィは宇宙を飛び立った。
その小さな翼は、まるで「これで一度の戦は終わりだ」と喜ぶように、軽やかに宙を舞う。
爆炎も、閃光も、怒号も、今は遠く。
静かに、確かに、戦いの幕が下りようとしていた。
☆
極度の疲労に、キラは手足を動かすことさえ億劫だった。ジェネシスは、アスランたちがどうにかしてくれたらしい。
アマキも、きっと無事だ——そう信じていた。
虚ろな瞳で、モニターに映る宇宙空間を見つめる。
静かだった。
先ほどまでの荒々しさが、まるで嘘のように。冷たい星々が遠くに輝いていて、
この広い宇宙に一人で漂っているような錯覚に陥る。
孤独と絶望が、疲弊した心にじり寄ってくる。
——その時。
光をまとった機体が、フリーダムを目指して飛んでくる。スノーホワイト。
装甲は剥げ、傷だらけ。
それでも、その美しさは健在だった。
『キラ!』
通信から、愛しい彼女の必死な呼びかけ。
キラはよろよろとコクピットのハッチを開け、痛む体を鞭打って、宇宙へ飛び出す。
手足は重く、動きは鈍い。それでも、彼は腕を伸ばし、彼女の声を頼りに前へ進む。
無重力の中、体がふわりと浮かぶ。視界の端に、白い翼が広がる。
その中心から、アマキが飛び出してくる。
「キラっ!」
アマキは推進を最大限に使い、一直線にキラへ向かってくる。
その動きは、まるで迷いのない矢のようだった。
キラは一瞬たじろぐが、両腕を広げて受け止める。
「ごふっ」
衝撃で少し後ろに押されながらも、キラは彼女をしっかりと抱きとめた。
アマキはキラの胸に顔を押しつけ、ヘルメットを何度もこすりつけながら、彼の名前を呼び続ける。
その手はキラの背中をぎゅっと掴み、離そうとしない。
「っ! キラ、キラ、キラ!」
「アマキ…」
キラがそっと抱き寄せると、アマキはハッと動きを止めた。
キラは驚いた。
ずっとアマキは、自分よりも強くて逞しい少女だと思っていた。
しかし今、腕の中にいるのは——ただの少女だった。
彼女の肩が震えている。
呼吸が浅く、涙がヘルメットの内側に浮かんでいた。
キラはそっと彼女の背を撫でる。
その手のひらに、彼女の震えが伝わってくる。
しばらくの静寂が、二人を包み込む。
そして——
「ぐー……ぐー……」
アマキのお腹が、静かに鳴った。
二人は見つめ合い、アマキは照れくさそうに顔をそらしながら呟く。
「……おなか、すいたな」
「……はぁ…」
キラは呆れながらも、どこか嬉しそうにため息をついた。
アマキは、ヘルメット越しに笑顔を見せる。
泣き笑いのような表情。
その涙は、星々のように輝いていた。
「生きてるって、いいな。キラ」
アマキはそう言って笑った。きっと、言いたいことは他にもたくさんある。でも今は——これが、彼女なりの精一杯の言葉。
「……そうだね。僕たちは、生きてる。生きてるんだ」
キラもまた、感情が溢れ出し、涙を流した。
生きることが、こんなにも尊いなんて。
アマキを拾って、崩壊の運命に抗って、今ここに辿り着いた。
世界は、きっとまだ争いを続けるだろう。
でも——今、自分たちは生きている。
誰かの命を奪って繋がった命。忘れはしない。アマキも、きっと忘れない。
生きている限り。
生きているからこそ、お腹も空くし、笑って過ごせる。
この時間を大切にして、また前に進もう。
大切な人たちのために。
大切な——彼女のために。
「ね、地球に帰ったら一緒におにぎり、一緒に食べよ」
「おにぎり?」
「うん、浜辺でさ、ピクニックするの。他にもお弁当作ってまったりするんだ。ね、約束」
星明りの中で、小指が差し出される。
キラはアマキらしい約束だなと微笑みながら、自分も小指を出し、彼女の指に絡めた。
「ゆびきりげんまん、嘘ついたらビームソードで突き刺ーす! ゆびきった!」
「鬼じゃない?」
「あははっ!あ、ほらカガリとアスランだ!おーい!!」
「まったく…」
遠くから、仲間たちの機体が近づいてくるのが見えた。
キラとアマキは、手を振り合いながら星の海に並んで漂い、友の到着を待っていた。
fin
楽しんでいただけたでしょうか。最後まで腹減りですが主人公らしく終われました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
評価等よろしくお願いします。
運命編については少しお休みして熟慮しようと思います。
続編としてガンダムSEED FREEDOM編を読んでみたいですか?
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読んでみたい
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別に読まなくて良い