腹減り少女はSEED世界で爆発少女にレベルアップする 作:松魚
モニターに映るのは、銃を携えたユーラシア兵が次々とアークエンジェルへ侵入する様子。
フレイはサイの腕にしがみつき、声を震わせる。
「なにこれ…なにが起きてるの、サイ!」
「……まんまとハメられたな」
キラはしっかりアマキの隣に陣取り、声を潜める。
「アマキさん、どういうこと?」
「手柄を独占したいんじゃないかな。狙いはモビルスーツとその技術…だろうね」
一同に沈黙が落ちるが、アマキだけは平然と笑っていた。
「あはは、大丈夫。黙って座ってれば済む話さ。特にフレイ、いつも一言多いから静かにね」
「アマキさん、ひどっ!」
「可愛い顔が台無しだよ、笑って笑って〜」
言われて頬を染めるフレイ。本人曰く、サングラス姿のアマキは“美人枠”らしい。
フラガからは「余計なトラブルを避けろ」とサングラス装備を勧められていた。
やがて、突入した兵士たちが食堂までなだれ込む。
「動くな」
「大人しくしろ」
まるで予行演習かと思うほど皆が静かに従っている。
兵士側が「やけにおとなしいな…」と首を傾げるほどに。
数分後、艦長らは別室へ連行されていった。どうやら指揮系統を分断されたらしい。
ランチプレートをもぐもぐ食べながら、アマキは状況を分析。
「人質とられたら面倒だなぁ……こっちが揺さぶりかけるべきか?」
キラが必死に話しかけても、アマキは上の空。
「アマキさんってば!聞いてる?僕の話!」
「……遠隔操作ってできないかな。ガンダムの」
「え?話飛びすぎ」
アスランやトリィの話まで飛び火していくが、やがてアマキはぽんと提案する。
「なぁキラ、手紙でも書こうか?」
「ここで?人目あるよ」
「嫌だったら途中でやめればいいさ。便箋もあるぞ」
冷蔵庫の買い物袋から便箋を持ってくるアマキ。あらゆる事態を想定しているらしい。
こそこそと書き始めるキラ。だが徐々に熱が入り、気づけば20枚以上──
空気が異様になり、誰も近づけない。
「キラ、あんな隅っこで何してるんです?」
「熱々のラブレターだよ」
「ラブレター!?」
即座に沸いたミリアリアの反応に、慌てて訂正。
「違う!キラの幼馴染への手紙!」
「…少年ね?」
「はいはい」
封を閉じたキラがよろよろ戻ってくる。
「書けた……」
「お疲れ。ちょっとスッキリしたろ」
「……うん。ありがとう、アマキさん」
その封筒は、まさか本人の手に届くなど考えもしなかったキラであった。
突入してきた偉そうな提督風──ずんぐりむっくりハゲチャピンが命令を下す。
「あのMSのパイロットと技術者は誰だ」
「私だ」「僕です」
二人が同時に立ち上がると、チャピンは怪訝な目。
「む……潔すぎて逆に怪しい。そこのオヤジが本物では?」
「んなわけねぇだろ」とマードックが食い気味に反論。こうしてアマキとキラは、格納庫へ連れて行かれた。
「OSロックを解除してもらおう」
「はいはい、まずはそこからですね」
アマキはニヤリと笑い、エリスへ乗り込む。キラもストライクへ。表面上はロック解除だが、裏で仕掛けを弄る。そこでアマキが棒読みで叫んだ。
「あ〜〜!自爆装置押しちゃった〜〜!」
「なにっ!?」
「カウント始まっちゃったよ〜!どうしよ〜〜」
画面に数字が現れ、皆、騒然と技術者たちがパニックで逃げていく。
天井が揺れ、爆発音が響く中、その混乱に乗じてアマキは動き出した。
「キラ、行くぞ!」
キラが兵士を蹴り落とし、二人はコクピットを閉じて出撃する。
ストライクはソードストライカー装備へ。外ではすでにザフトと思われる部隊がアルテミスを攻撃中だった。
「キラ!ブリッツが来るぞ!」
「ほんとしつこいよアイツら!」
『見つけたぁ!』
──もはや執念深さはストーカー級。二機で代わる代わる迎撃しブリッツは歯が立たず、撤退する。爆発をかき分け、アークエンジェルとともにアルテミスを脱出した。
おまけ
キラとアマキの会話
「アマキさん、自爆装置ってなんのこと?」
「あぁ、あれ?カップラーメンの時間教えてくれるやつ。3分タイマー」
「カップラーメン・・・」
「もしかしたらご飯食べる暇もないくらい忙しいかもしれないだろ?だからプログラミングして作ってみた。案外役に立つもんだ」
「まずガンダムの中でカップラーメン食べちゃダメだよ」
「食べるかもしれないって話。仮定だよキラくん」
「仮定でもそんなもの作らないって」
「私の才能だよキラくん」
「無駄遣いな才能だよ」
「人生楽しんだ者勝ちってね」
「・・・」
「なにはともあれ次へいってみよー」
「はぁ」
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