永琳にあってから数日。輝夜は月に帰ったということになっていた。月の使者が残した不老不死の薬、すなわち蓬莱の薬を置いて行ってたのだ。天皇は輝夜がいない世界で不老不死になっても意味がないといい蓬莱の薬を火山の中に捨ててこいという命令を出したそうだ。僕はこっそりついて行くことにした。登山ってはじめてだなぁ。
蓬莱の薬を捨てる人、岩笠というらしい。岩笠は結構速いペースで登って行った。ここって日本一高い山と言われる場所なはずなのに。あれ、僕のほかに岩笠の後をつけている人がいるや。三年前僕と一緒に輝夜を見に女の子だ。ついてきたのか。あの子もすごいな。まだ成人してなそうなのについてこれるなんて。何か理由でもあるのかな。僕はまた声をかけることにした。今度はちゃんと見えるようにして。
「三年ぶりだね」
「!なんだあの時の犬か」
「一応僕は狼なんだけど。ところで君は何の用でここに来たの?」
「それは失礼。やることは簡単なことよ。不老不死の薬を奪いにきたの」
「でもここまでついてくるのも凄いね」
「執念って怖いものなのよ。あと、あの姿消す奴お願いね」
「わかった」
僕は境界をいじって見えなくした。僕たちは二人で岩笠の後を追った。
途中何度かの休憩をはさんで山頂までついた。女の子の体力の限界も近いだろう。岩笠は何やら壷を取り出していた。あれの中に蓬莱の薬があるのだろう。
「狼。もう見えるようにしてくれ」
言われた通り僕は女の子を見えるようにした。
「ありがと。これから私のやることには手出ししないでね」
女の子は岩笠に近づいて行った。ついでに僕もついてゆく。もちろん見えなくしてだ。
「岩笠さんですねよ。私は貴方と少し話したいことがあるので少しよろしいでしょうか」
「ああ構わないよ。君みたいな娘がわざわざこの山を登ってまで来てくれたのだから聞かないわけにはいかないでしょう」
「簡単なことです。その壷に入っているものを譲ってはいただけませんか?」
「それは無理だ。これは私が処分しなければならないものだ。それが帝の願いなのです」
「そうですか。なら下山を一緒にしてくれませんか。ここまで来るのにだいぶ疲れてしまったので」
「それくらいなら大丈夫だろう。今から壷を捨てるのでここで少し待ってくれ」
岩笠はそういうと、火口付近まで歩いた。壷を捨てようとすると火口から誰かが出てきた。
「私は
「わかりました。木花咲耶姫様」
どうやらここで捨てることはできないようだ。
「では、行きましょうか御嬢さん」
あの子は後ろから岩笠について行った。そしていつの間にか持っていた刃物で岩笠を刺した。
「ごめんなさい。岩笠さん。貴方には恨みはありません。私はどうしてもその薬が欲しいのです。本当にごめんなさい」
あの子は泣いていた。そして岩笠の死体から壷を取り出した。僕はあの子のもとに近づいた。
「やっちゃったんだね」
「ごめんなさい。でも私にはこの薬が必要なの。邪魔するのならあなたでも容赦しないわ」
「邪魔するつもりはないよ。とりあえず死体を片付けようよ」
「それもそうね」
僕たちは岩笠の死体を埋葬した。
「それで、その薬飲むの?」
「ええ、そうよ。そうじゃなきゃあ殺した意味がなくなるわ」
そういうとあの子は壷の中の薬を一気に飲み干した。するとあの子は苦しそうになった。そして髪が徐々に白くなっていった。境界を見てみると生と死の境界がなくなっていた。やはり蓬莱の薬のせいだった。輝夜も永琳もみんな不老不死になっていたのか。
「大丈夫?」
「もう大丈夫よ。これからどうしようかな」
「じゃあ、僕と一緒に旅でもする?僕はこれでも暇人だからね。あっちこっち回ってるんだ」
「それも面白そうね。貴方についてくことにするわ」
「これからよろしくね。僕は黒楼楓。君は?」
「私は名前を捨てたわ。そうね、藤原妹紅にするわ。よろしく楓。」
「じゃあ、ひとまず山を下りることにしようか。これに入って」
僕はスキマを展開した。便利なんだよねスキマワープって。原理としてはこのスキマで一次元に移動。一次元とは点であるので出たいところに点を移す。そしてそこから今いる次元にでる。これがスキマワープの原理だ。
「便利なのね、これって」
「まあね。これからどこに行く?」
「とりあえず都はどう?いろんなものが集まるから面白いものもありそうだし」
「そうだね、そうしようか」
とりあえず僕と妹紅は都に行くことにした。