東方黒狼譚   作:黒狗

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今日も宴会だー

 今日は勇儀との試合だ。審判は華扇が務める。見物の妖怪も昨日よりかは増えていた。あれほど騒いでたから興味を示したのだろうか。それか試合の後の宴会目当てかな。

「準備はいいかい?楓」

「大丈夫だよ」

今回は最初から狼の状態でやる。油断したら一瞬でやられる気がするからだ。

「両者準備はよろしいですね。では、開始」

勇儀は殴りかかってきた。僕はそれを空気の壁で防ぐ。ついでに結界を書いた紙を何枚かスキマから取り出して勇儀の周辺に張り巡らす。

「封」

勇儀の周りに結界を張った。ちょっと特殊な結界で固いのではなく柔らかい。すなわち打撃を可能な限り受けきれる。鬼は打撃が中心だからこの結界がちょうどいいだろう。ただ結構燃費が悪いから現在晴明のもとで改良中だけど。萃香の時にこれを使わなかったのは鬼の実力を見たかったからだ。

「これが昨日言ってた見えない壁かい?」

勇儀はさっきよりも力を入れて壁を殴った。

-ドォン-

あれ?空気の壁が壊れた。勇儀の力って音速に達するってことだよね。やはり勇儀の能力って攻撃力を底上げする系のなのかな。

「結構固かったね。萃香が壊せないのも頷ける。おっと。結界も張っていたのか。これも壊すよ」

勇儀は思いっきり結界を殴った。結界は大きく揺らいだが何とか衝撃を吸収たようでなんとか耐えた。

「へぇこれでも壊れないか。じゃあ能力も使わせてもらうよ」

勇儀はまた結界を殴った。今度は衝撃を吸収できなくなって結界が壊れた。なんて破壊力だ。

「説明するさ。私の能力は『怪力乱神を持つ程度の能力』さ。簡単に言えばとてつもなく力を上げる能力だ」

「それってもう反則的じゃないか」

馬鹿力+αって一撃くらったら死ぬよね。どうしようかな。式神系は僕は使えないし。

「体も温まってきたし、本気出していくよ」

勇儀は突撃してきた。やっぱり遠距離系の攻撃はないのか。ここは遠距離で確実に攻めることにする。勇儀の前に空気の壁をいつもより厚く多く作る。僕は勇儀から距離をとり大量の妖力弾を作る。これで一気に決めるつもりだ。勇儀は空気の壁を次々に壊していく。そのたびに轟音が鳴り響く。

「こんな卑怯な手を使わないで正々堂々と戦いな」

「喧嘩に正々堂々はないよ」

勇儀が最後の壁を壊した。僕は準備していた妖力弾を一気に勇儀にあてる。

「結構痛いがまだまだだね」

勇儀の服はボロボロになっていたけどまだ戦えそうだった。僕はもう一つ用意していたものを使う。

「多重結界」

勇儀が壁を壊している間にしていたことは二つ。一つは妖力弾の生成。もう一つは、結界の準備だ。これは萃香の能力『密と疎を操る程度の能力』で分身を作り、分身にかかした。

「また結界か。でもさっきのよりか手ごたえありそうだね」

勇儀は結界を壊そうとした。僕は次の作戦に入る。まずは多重結界を縮めていく。ついでに勇義の攻撃の衝撃の密度を広げる。これで威力は拡散されて壊されにくくする。そして結界に霊力を込めていく。結界の中に霊力弾を撃つためだ。

「次で壊す。『三歩必殺』」

突然地響きがした。勇儀はとっておきを出すらしい。

「これで終わりだ」

僕は結界内に霊力弾を放つ。どんどん霊力弾の数を増していく。避けきれるはずもなく勇儀に当たっていく。十分ほど続いた後霊力弾が結界からあふれ結界が壊れた。勇儀は立ったまま気を失っていた。あの中で立っていられるのも凄い。やっぱり鬼は凄い。

「勝者、楓」

華扇は急いで勇儀のもとに向かった。そして勇儀を担いでどこかへ行った。多分寝かせに行ってるのだろう。

「いや~。すごかったね。まさか勇義に勝つなんて」

「偶然だよ。萃香の能力を知ってなかったら僕は負けていたかもしれないし」

「でも勇義に勝つなんてすごいよ」

萃香は観客の妖怪に向かって

「今日も宴会だー。みんな騒げよー」

観戦に来た妖怪たちは宴会の準備を始めた。確か文が用事があるって言ってたっけ。僕は一番前で観戦していた文のもとに向かう。

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