僕は常闇の妖怪が目撃されたという森に来ていた。森に来たというのに活気がない。多分みんな隠れているのだろう。僕は妖気の強い一部だけ闇に覆われているところに向かった。
「美味しそうな妖怪がいるわ」
「君って確かルーミアって妖怪だよね」
「そうよ。貴方は何で知っているの?」
「君に逢ったことがあるからだよ結構前に」
「覚えていないわ」
「当然だろうね」
「さぁ、早くあなたを食べさせて」
「断るよ」
「いやよ。私は我慢できないの。こんなにおいしそうな獲物を目の前にして諦めるなんて」
ルーミアはそういったあといきなり攻撃してきた。危ないなぁ。
「あら、避けられたわ。これならどう?」
ルーミアは闇を集めて剣を作った。見た感じとても危なそうだ。ルーミアは闇の剣で斬りかかってきた。ちょうど後ろにあった木が真っ二つになった。
「ルーミアの能力って『闇を操る程度の能力』?」
「そうよ。闇とは虚無。触れたものはすべて無に変える」
「教えてくれてありがとう」
僕は闇を操る程度の能力を使ってみる。とりあえずナイフを作ってみる。妖力をナイフの形にしそれを闇へと変換していくのだ。どうやら成功した。近くの木にさしてみると貫通した。触れたもの取り込んでいるような感じだ。恐ろしい力だ。
「あれ?今の私の能力よね。いったい何をしたの?」
「僕も能力を使っただけだよ」
僕は闇を飛ばしてくるルーミアの攻撃をよけながら距離を縮めていく。あれには空気の壁も意味がなさそうだ。
「これはよけられるかしら?」
ルーミアの周りから闇が出てきた。視界を奪うつもりか。目的は僕を食べることだからあの闇は触れても大丈夫なはずだ。でも視界が完全にふさがれてしまう。僕は境界を操る程度の能力に切り替え闇と光の境界をいじる。これで視界の確保ができるはずだ。ちょうどルーミアの妖力弾が飛んできた。僕はそれをよける。とりあえず飛んできた方向に妖力弾を放つ。
「あぶなかったわ。まさかこれも防がれるとは思ってもいなかったわ」
ルーミアは闇を解除していた。そしてその手には剣を持っていた。最初の時よりも大きくなっていた。解除したのではなく集めていたのかな。触れたら危ないのは変わらない。僕は境界を操って闇が増えるのを防ぐ。これで少しは攻撃範囲が少なくなるだろう。でもこのままじゃあ防戦一歩でルーミアの消耗を待つしかない。僕はダメージ覚悟で能力を闇を操る程度の能力にしてルーミアに突っ込む。ルーミアもそれに乗ったのか剣を振りかぶってくる。僕はそれをかわしルーミアに攻撃をする。だが、ルーミアもそれをよける。僕はルーミアの周りに陣を込めた紙をばらまく。
『多重結界』
僕はその中に霊力弾を次々撃つ。多分ルーミアは全身に闇をまとわせて防いでいるだろう。妖力の消費が激しくなると思うが防がないと危ないこともわかっているだろう。
三十分くらいの時間がたった。僕の霊力もそろそろやばいので霊力弾を撃つのをやめた。結界は決して解かない。中にはルーミアがいた。ただ、全身を闇で覆っているのでどうなっているのかがわからない。
「終わったようね」
闇が解かれた。ルーミアの消耗は激しいように見えた。だが僕も霊力の消耗が激しい。僕は使う力を妖力に切り替える。僕は本気を出すため腕輪を外す。腕輪を隙間の中に入れておく。
「妖力がさっきよりも増したわね。これからが本気ってところかしら」
「そうだよ」
僕は能力を闇を操る程度の能力に変える。何度か使用したのであらかた理解できた。闇をナイフの形に変える。人型から狼に戻るので柄の部分は腕に巻き付くような形にする。ルーミアはより多くの闇を集めて二本の剣を作った。長さは一本2mは越えている。そしてその周りには四本の剣が浮かんでいた。四本の剣はルーミアが持っているよりも一回り小さい剣だ。ルーミアも本気を出したってところかな。
「いくよ」
僕はルーミアへ向かった。結界が張ってあるので向こうから攻撃できないはずだ。だが、結界は闇の剣で切られてしまった。そして周りにある剣の二本を飛ばしてきた。僕は剣に当たらないように前進した。攻撃範囲上近づかなければならないからだ。多少のダメージは覚悟している。剣が長い分接近戦になれば僕に利がある。僕は一気に加速した。そのままルーミアを切りつける。だが寸前のところでよけられ腕に切り傷ができたくらいだった。僕は方向転換をし切りつける。だが今度は浮かんでいる剣に防がれてしまった。ルーミアの反撃が始まった。剣を僕の周りに飛ばしてくる。遂に逃げ道は上だけしかなくなった。ルーミアは剣を上と横から切りつけた。僕はとっさに境界を操る程度の能力に変え移動した。ルーミアの後ろに入り込み一撃お見舞いする。これは予想していなかったようでわき腹が切り裂かれる。だがルーミアはお返しとして剣を飛ばした。僕は回避しようとしたが足に背中に当たってしてしまった。小さい分当たったところはそこまで深くはない。出血が少しやばいくらいかな。僕はまたダメージ覚悟で突っ込む。ルーミアは二本の剣をこちらに飛ばしてきた。かすりながらそれをよける。隙間による奇襲は使えないだろう。僕は接近戦に持ち込むことに成功した。剣の柄でもあったたらそくしきゅだから気を付けたほうがいい。僕は一定の距離を保ちルーミアを切りつけていく。ルーミアはそれを防ぎすきを見つけては反撃を繰り返す。互いにボロボロになっていく。
かなりの時間たたかったのだろう。日が暮れ始めていた。時間がもうない。闇の妖怪であるルーミアと夜戦うのは分が悪い。だけど押し切れそうにもない。体力的も持たないだろう。ルーミアのほうも僕を倒せないのでイライラしているようで攻撃が大振りになってき始めてきた。血を流しすぎたのか少しクラクラする。僕もこれ以上は戦えない。何とかとどめを刺さなければ確実に負ける。霊力は少し回復しているからこれを利用することにする。霊力弾をできる限りルーミアに放つ。そしてその後ろに妖力弾を放つ。霊力弾が影となり妖力弾は見えないはずだ。ルーミアは霊力弾を回避する。だが、妖力弾までには注意はいかず、何回か被弾していた。そして僕はルーミアの後ろに忍び寄り切り裂く。ルーミアは直前で気づき剣を振ってきた。もうよけられない。僕はこのまま突っ込む。そして妖力弾を放つ。ルーミアはそれを回りの剣で防いだ。ぎりぎり僕の攻撃範囲に届いた。互いに交差した。僕は左腕を、ルーミアは胸の近くをやられた。僕は左腕を引きずりながらルーミアに近寄る。
「…私の負けね。これ以上は戦ってられないわ」
「じゃあおとなしく封印されてね」
何とか日暮れ前に終わることができた。僕は晴明にもらったお札をルーミアの髪に結ぶ。ついでに境界を操る程度の能力で干渉不干渉の境界をいじって誰にも干渉できなくするようにした。今後このお札は取れないはずだ。明日には効果が表れるだろう。もう疲れた。このまま寝ることにする。寝ていれば傷もあらかた治るだろう。念のためルーミアを近くの木に縛りつけておく。僕は落ち葉とかをかき集めて寝床を作る。これで寝る準備はできた。月が昇り始めたころ僕は眠った。今宵は満月で明るかった。