西行妖の封印から一日が経った。僕と妖忌は今、屋敷の庭で剣術の修行をしている。危ないから木刀でやっているけど今まで握ったことがないので素振りから始めている。あと半刻ほどたったら模擬試合をやるつもりだ。妖忌曰く、剣術は盗むもの、実戦にて体に刻み付けろ。ということらしい。もしかして教えるのが苦手なのだろうか。何にしても教えてもらう立場だから何も言えないんだけどね。
「では、そろそろ始めますぞ」
「わかった。じゃあ、誰が開始の合図をいう?」
「私がする~」
「「えっ!?」」
「何でみんな驚いているの?それに私は誰だっけ?思い出せないわ。教えてくださらないかしら」
何で幽子がここにいるの?それに記憶がないってことは昨日のことも覚えていないのか。なんか周りに霊魂みたいなのが漂っているし。とりあえず紫を呼ぼう。今回も隙間から紫を引っ張り出した。
「また、なんかようなのかしら?」
「とりあえず後ろを見て」
「変なところから人が現れたわ。どうしてかしら?」
「何で、彼女がここにいるのよ。楓」
「それは僕にもわからないよ。多分幽霊の類になったのかもしれない。昨日のあれで死んでいるのは確かなんだし」
「それは私が説明します。八雲紫、黒楼楓」
「えっと、誰ですか?」
「私は、
「そうですか。で、その閻魔様が何の用なの?」
「はい、彼女のことの説明と貴女方と少し話したいことがあってきたのです」
「私?」
「とりあえず中に入って話を聞こう」
僕と紫、幽子、妖忌、四季さんは屋敷の一室で話をすることになった。
「では、説明しますね。彼女、西行寺さんは、昨日の一件により亡霊となりました。そして能力が『死を操る程度の能力』になりました。そこで我々地獄のものは西行寺さんに冥界の管理をしてもらいたいと思っています」
「それって簡単なの?」
「簡単かは私にはわかりませんが、幽霊の管理だけをするので、西行寺さんの能力を考えればそこまで難しい仕事ではないと思います」
「難しくないならするわ」
「ありがとうございます。では後日、係りの者がきますので、その方の説明を聞いてください」
「そういえば私の名前って何?西行寺が付くのはわかるけど下の名前って何?」
「それは貴方が決めていいですよ。西行寺さん」
「じゃあ
「あと、楓さん。貴方にも話があります。失礼ですが他の方は席を外してもらえませんか」
「わかったわ。みんな行きましょう」
そういって、三人とも席を外れた。ちょっと不安なので干渉と不干渉の境界をいじって紫が盗み聞きするのを防ぐ。
「何の用なの?」
「多分長くなると思うのですが、ちゃんと聴いてもらいますよ。貴女は…」
少女説教中…
「わかりましたね。これからそのことを考え行動してください。ここを出たら八雲紫を呼んでください。彼女にも言いたいことがありますので」
「わかりました」
かれこれ二時間くらい説教されて疲れた。ずっと正座していたから足がしびれてる。紫を呼んでくるか。説教されるのかな紫も。
「紫いる?」
「今出て行ったわよ。なんか嫌な予感がするとか。長かったわね。いったい何話してたの?」
「説教かなほとんど」
紫め、逃げたか。だが僕も隙間を使えることを忘れていないだろうな。僕はまたまた隙間を使って紫を引っ張り出す。
「お願い逃がして。かなり嫌な予感がするわ」
「ダメだよ。絶対に」
「そんなご無体な」
抵抗する紫を引きずって映姫のところに連れて行く。逃げ出さないように部屋全体を結界で囲む。隙間もついでに弄っておく。幽々子のとこに行って来よう。何か茶菓子とか出されないかな。お流れになってた妖忌との試合もやろうかな。
少女説教中…
「散々だわ。もう足が。今度からあの閻魔からは逃げてやる。もう説教なんてうんざりだわ」
「僕より長かったね。三時間正座はひどいよ。僕は二時間で済んだけど」
「それでは私は戻りますね。もうそろそろ仕事の時間なので」
「「さようなら~」」
「お気をつけて」
「ご苦労様ですわ」
体中が痛い。妖忌軽くって言ってたのにあれを軽くって言えない気がする。僕が妖怪だから何とか対処できたけど普通の人の域は越えているよ。これから毎日どんどんきつくなっていくんだろうな。
西行妖の封印は紫が説明受けてます。