あれから屋敷が冥界の一部、白玉楼と呼ばれるようになって100年ぐらいたった。妖忌と剣術の試合とかなぜか庭の手入れの手伝いとかやっていた。一応妖忌に一本取れるようになってきたけどまだまだ未熟と言われてしまう。もうそろそろ外に出てみようかな。流石に100年でこの世界はいろいろ変わるだろう。妖忌は一年くらい前に頓挫してどこかへ行っちゃったし。僕がいなくなっても庭の管理とかはここに来た幽霊がやってくれるし、幽々子もここの管理に慣れているから大体のことには対処できるだろうし。
「幽々子。僕はそろそろ外の世界を旅しに行くよ。今までありがとね。今度来るときは何か土産でも持ってくるよ」
「じゃあね~楓。お土産よろしく」
僕はスキマを開いて紫に拉致させられたところに出る。久しぶりだな、結構地形も変わっている気がするし。とりあえず南西に向かってみようかな。
歩いていたら暗くなっていたので、近くにあった山の中で眠ることにした。ちょっと開けた場所があったのでそこに葉っぱで寝床を作り結界を張り眠ることにした。ついでに回りに
「そこにいるの誰?迷子?これって結界?見た感じ妖怪なのに結界はれるって不思議ね」
「お前こそ誰だ。僕は迷子じゃない。結界は少しの間陰陽術を習っていたからだ」
寝ようと思っていたのに誰かから声をかけられた。見た目は幼く、黒い帽子をかぶった女の子でどこかから線が伸びて胸のほうに目玉みたいなのがある。
「そうなんだ。私は悟りの妖怪で古明地こいしっていうの。そうだ、私の家に来ない?お姉ちゃんも了承してくれるし」
「別にいいよ。名乗り忘れていたや。僕の名前は黒楼楓だ」
「さとりって心を読む妖怪なんだよ。じゃあついてきて」
そういったあとこいしは森の奥へと歩いて行った。とりあえず用意していた結界と鳴子を片付けて後を追う。
しばらく歩いたところに小さな家が建っていた。そこがこいしの言っていた家なのだろう。こいしがその家のドアを開けると中にはこいしとは色が違う目玉を持った女の子がいた。
「おねえちゃん。お客さん連れてきたよ~」
「こいし、遅いわよ。あとむやみに人を連れてこないで」
「わかったよ。でも楓っていうんだけど面白い妖怪なんだよ」
「こんばんわ始めまして、黒楼楓です」
「こちらこそ初めまして。貴方の横にいるこいしの姉で古明地さとりといいます。妹が急に誘ってすみません。少々散らかってますけど床の準備をしてきます」
そういってさとりは奥の部屋に入っていった。
「楓、お姉ちゃんが来るまで遊ぼう?」
「別にいいけど何して遊ぶの?」
「じゃんけん」
「わかった」
僕とこいしは、さとりが来るまでじゃんけんをして遊んだ。ほんの十分ほどでさとりが戻ってきた。じゃんけんの結果は僕が全敗だった。これってさとりの妖怪の能力なのかな?
「そうですよ楓さん。私たちさとりは『心を読む程度の能力』を持っています。そのため妖怪にも人にも忌み嫌われているのです」
へえそうなのか。
「ですので、あまり私たちにはかかわらないほうがいいと思います。心は読みたくなくても勝手に読めてしまうのです。では、床の間に案内します。この小さい家ですので私たちと一緒に眠ることになりますがよろしいですか?」
「別にかまわないよ」
「ありがとうございます。それでは案内いたしますね」
「ついてきてね」
そういってさとりとこいしは奥の部屋に案内してくれた。そこには布団が三つ敷かれていていた。二人はなぜか両端の布団に入った。真ん中しか眠れるところがないので僕は真ん中で眠ることにした。