人の文明の発達は意外に進んでいた。集落は村になり国になっていた。今では天皇という神の子が国を治めていると聞いた。僕は眠りすぎてしまったのかな。
「お久しぶりですわ。楓」
紫が出てきた。この人暇人なのかな。
「暇人ではないですわ。今回は貴方に伝えたいことがありますの」
心読まれてる。境界でも操ってるのかな。
「ここから少し離れた山奥に幻想郷という場所を作るので楓には妖怪や妖怪退治の方々に幻想郷を紹介して貰いたいのよ。楓は今旅をしているからちょうどいいでしょ」
「はぁ。覚えていたらやるよ」
「それじゃあよろしくね~」
紫はそういうと隙間を使って移動した。僕も完全に理解できるようになったら簡単にできるようになるのかな。さて、飛鳥っていうんだったけな。
都と言われるだけあって大きいなぁ。宮廷だっけそこに入ってみよう。とりあえず可視と不可視の境界をいじって、潜入。門番とかいるからきっとここだよね。
結構中は広い。ここで政治を行っているのか。僕は足音に気を付けながら歩いて行く。何人かとすれ違ったけど僕には気づいて内容だった。途中すれ違った侍女らしき人たちが「太子様が邪教…」といううわさ話を聞いた。太子って聖徳太子かな。確か十人の話を聞き取れるとか。政治面では天皇の補佐的な役目についていたはず。面白そうだから会いに行ってみよう。
結構歩き回った結果ようやく太子らしき人を見つけた。髪の毛が耳みたいだった。見たところ太子は青い髪の人と話していた。話し声が聞こえづらかったのでもう少し近づいてみることにした。
「やはり…をやったほうが」
「ええそうね」
太子と女の人はよくわからない会話をしていた。ん?太子がこっちを見ているような気がする。僕は見えないはずなのに。そう考えていたら。女の人が僕に近づいて僕を鷲掴みにした。あれ?気づかれてた?
「気配でバレバレですよ」
「お姉さん何者?」
「私はただの布教しに来た仙人です。名を
「私は
「僕の名前は黒楼楓。噂の太子様ってのが気になってここに来たんだ」
「私のことね。あれは私の力のおかげで今の地位に上り詰めたのよ」
「凄いね。なんて能力なの?」
「『十人の話を同時に聞くことができる程度の能力』よ。この力のおかげで仕事がとても進むのよ」
「ちなみに私は『壁をすり抜けられる程度の能力』です。まあこの壁抜けの鑿のおかげでもあるんですけど。」
「便利そうな能力だね。僕は『理解した能力を使える程度の能力』なんだ」
「「そっちのほうが便利(です)よ」」
そうかな?
「楓と言いましたね。私たちはいま大事な話をしているのよ。用事が済んだのならこの都から出てくれませんか?こちらとしては楓の存在は異質なのよ」
「わかったよ。じゃあね。そういえば、ここから東に行ったところに幻想郷という土地ができるから興味あったら来てみてね。それじゃあさようなら」
「さようなら」
「さてさっきの話の続きをしましょうか。豊聡耳様」
「ええ。青娥」
これから数日後、聖徳太子と他二名が死んだという話が僕の耳に入ってきた。