オルクセン王国史 掌編   作:クロル・クロル

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電波が飛んできたのでやっぱり初投稿です


とあるバーでのインタビュー

おや、記者さん御久し振りで

今日は別用で?

え?私の戦時中の話ですか?

いいですよ、といってもきっと記者さんが思うような面白い話は一切ないと思いますが…

 

あのエルフィンドの戦争では兵站を担当してましてね

実を言うと私は一発の弾丸も撃ってないんですよ

本当に…本当に運がいい事に私は延々と前線の物資集積所と後方を往復し続けていたんです

朝早くに荷物を馬車に詰み、前線に持って行き、下ろし終わったら前線の荷物を回収して後方の駅まで持って行く

それをひたすらにひたすらに…毎日やっていただけなんですよ

時々そういう荷馬車を狙うエルフもいたそうなんですが友軍が近くをパトロールしてたり護衛が付いてくれたりで

終戦に至るその日まで一度も無かった…

お蔭で仲間たちからは”ラッキーマーク”なんて言われてましたよ

私の名前、マークって言うんですよ

 

え?何を回収してたのかですか?

主に壊れた兵器類や負傷兵や遺体、何よりも重要なのが…そう、排泄物です

塹壕は必ず兵士2名が通れる幅にすべし、数mごとに曲がらせるようにすべし

便所はオーク用とコボルト用の2種を最低でも作るべし、その際回収の手間を省けるようにすべし

時々オーク用に入って落っこちるコボルトの話に事欠かないんですよこれが…

 

ご存じの通り我々オークというのは実に食べる

食べると言うことは出るものの量もすさまじいんですよ

ああ、記者さんはダークエルフだからわかりにくいか

大体…あー、一人あたりのオークであそこの掃除婦さんのバケツぐらいですかねえ…

それが一日に一人が出す量です

それが師団規模になろうものならとんでもないことになっちまう!

便所の数は弾丸の数より大事ってーのが塹壕の鉄則でしてね

回収出来なくて満タン寸前になった便所に手りゅう弾が飛び込もうものなら悲惨なんてものじゃない

だから毎日必死こいて荷馬車で詰んで帰ってきてたんですよ

 

それにこの排泄物は実の所軍にとって大事な資金源の一つなんですよ

何せ発酵させてやれば上質な畑の肥料になりますからね

軍隊は大飯食いで出ていくばかり、その出ていくものを少しでも減らせることができる排泄物は正に黄金だったんですよ

だから帰りの列車のあだ名は”黄金列車”なんて呼ばれて

このあだ名で勘違いした食い詰めが列車強盗して臭い目にあった、なんてのもあったなぁ…

はは、ビールの時にする話題じゃないのはそうなんですがね

 

この時の排泄物が後のエルフィンドを救うカギになるなんざ思いもよらなかったですねえ…

ああ…何もかもが懐かしい




なんか西武線から飛んできましたので書きました
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