キヴォトスでの日常   作:竹野小太郎

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先生がシャーレを辞めようとする話

ある日の事、私は連邦生徒会を飛び出し現在は途方に暮れキヴォトスを練り歩いていた。

 

先生「もう!全部リンちゃんが悪いんだから!リンちゃんがあんな事言うから…」

 

 

ーー少し前ーー

 

リン「先生、お仕事お疲れ様です。」

 

先生「やぁリン、今回の仕事も大量だったね?でも何とか終わらす事が出来て良かったよ」

 

リン「えぇ、そうですね。では今日の午後に追加の資料を送るので頑張ってください」

 

先生「え?でも終った後だよ?休みとか欲しいんだけど?」

 

リン「駄目ですね、先生にはやってもらう事がまだあります。当分は休みなんて無いでしょうね」

 

先生「そ、そんな……」

 

先生「少しでもいいんだ!精々2日だけは頂戴よ!このままじゃ私倒れちゃうし!」

 

リン「はい?ですが先生には生徒さんが当番で来ますよね?なら二倍の効率になる訳ですし終わった後に休めばいいじゃないですか」

 

先生「それが無理だから頼んでるんでしょ?リンちゃんは二倍の効率だからって送り過ぎなんだよ!今の私の姿も見てよ!目には酷い隈があるしずっと頭を使ってるからフラフラしてるしこんな状態の私にまだ仕事をさせるつもりなの?」

 

リン「えぇ、先生なら問題ないかと…それに先生は大人なんですから頑張ってください」

 

先生「そんな…大人なんて関係ないじゃん…」

 

リン「はぁ…うるさいですね…先生は私が送る仕事を淡々とこなせばいいんですよ。わかったらシャーレに戻り仕事をしてください」

 

先生「そうだね…リンちゃんは私の事なんて考えてすらないよね…」

 

先生「わかった!リンちゃん、今を持って私はシャーレの先生を辞めるよ。今までありがとうね」

 

リン「はぁ!?今なんて言いましたか!?」

 

先生「はい、これシッテムの箱と大人のカード、辞めるなら返さないとね」

 

リン「先生聞いてますか!何故やめるんですか!」

 

先生「うん、返したから私は出るね」

 

先生「じゃあ今までありがとう…リンちゃんが謝っても帰らないから」

 

リン「先生!待ってください!」

 

バタン

 

ーーーー

 

先生「どうしよ…これで職も無いしお金もないしやることが無いな…」

 

先生「私ってキヴォトスに居ても先生以外の事出来なかったんだな…失って初めて気づいたよ…」

 

肩を落としトボトボ歩いていると誰かが私を呼び止める、その声はよく聞いたことのある声でとても馴染み深い声だった。

 

セリカ「あれ?先生じゃんこんな所でどうしたのよ?」

 

先生「あぁ…セリカか今からバイト?」

 

セリカ「うん…そうだけどさ…」

 

セリカ「なんか元気無いわね?いつもなら飛びついてきて撫でようとしてくるのに」

 

先生「ごめんね?ちょっと元気がないだけだから」

 

セリカ「ほんと、どうしたのよ…」

 

セリカ「あっ!そうだ、先生に困ってる事あるなら私が聞こうか?解決…はできないけど話せばちょっとは楽になるでしょ?」

 

先生「あはは…ならそうするかな…そこにある公園に行こうか」

 

 

セリカ「それで?どうしたの?」

 

先生「驚かないでくれよ?」

 

先生「私、今日にシャーレ辞めてきたの」

 

セリカ「えぇ!?どうして!?」

 

先生「えっと…深くは言えないかな」

 

セリカ「先生がシャーレを辞めた…それにその表情から私じゃ想像できない程に追い詰められてたのね…」

 

先生「ごめんねぇ…だからもう私は先生でもなんでもないんだよ…」

 

セリカ「いいや、先生は先生のままでしょ!そんなに暗くならないでよ!」

 

先生「そっか…あはは…」

 

セリカ「それで先生はどうするの?行く所とか決まってるの?」

 

先生「いや…私はどうしたいんだろうね?先生を辞めてからなんにも手につかなくて…もう私はキヴォトスから出たほうがいいのかな?」

 

セリカ「嫌!それだけは絶対に駄目!そんな事したら先生の事が好きな人達はどうするの?見捨てるつもり?」

 

先生「いや…見捨てるわけじゃ…私は先生じゃないから生徒と触れ合う権利すら無いし…」

 

セリカ「はぁ…先生っていつもそうよね?困ると全部自分で抱え込もうとする。先生の悪い癖よ?」

 

先生「そうかな?」

 

セリカ「そうそう、もっとホシノ先輩みたいにマイペースに生きた方が楽だと思うわよ?」

 

先生「そっか…マイペースにダラダラと生きるか…」

 

先生「うん!いまなら自分のやるべき事がわかる気がするよ!」

 

セリカ「そう?ならよかった」

 

先生「よし!そうと決まれば実行だ!セリカも手伝ってくれ!」

 

セリカ「はいはい、話聞いちゃったし最後まで手伝うよ」

 

先生「よーし!頑張るぞ!」

 

 

 

セリカ「って…結局ここなのね…」

 

大将「いいじゃねえか!今の先生はキビキビ働いてくれて凄く助かるぜ?」

 

私はセリカの紹介もあり柴関ラーメンに働くことになった。今なら力も溢れ出しなんでもできそうだ。

 

先生「大将!柴関ラーメン一つ!」

 

大将「はいよ!今作るから待っててくれ!」

 

セリカ「まぁ、先生も楽しそうだしいいのかな?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

柴関ラーメンで働き数時間後、何とか仕事にも慣れ始め接客も順調に進んでいった。

 

ガラガラ~

 

マコト「キキキキ!先生来てやったぞ!」

 

先生「あれ?マコトにイブキ?どうしてここに?」

 

イブキ「わーい!先生だ!」

 

マコト「キキキ…先生がシャーレを辞め、ここで働いていると情報が入ってな?マコト様直々に勧誘をしに来たのだ」

 

先生「うーん…確かに私はシャーレを辞めたよ?でも今はここで働いてるしなぁ…」

 

マコト「そう言わずにどうだ?万魔殿に来ればシャーレの倍の給料を出すぞ?勿論仕事量もシャーレ以下だ」

 

先生「何!?そんな高物件が!?」

 

セリカ「ちょっと!先生揺れないでよ!」

 

先生「あぁ…ごめんごめん条件が良すぎてね」

 

イブキ「先生それにね!先生が来れば毎日イブキと遊べるでしょ?だから早くこの紙にお名前書いてね!」

 

イブキから雇用契約書が渡される

 

先生「ひぇ…イブキちゃん?雇用契約書なんてなんで知ってるの?」

 

マコト「い、イブキ?どうしてそれを…」

 

イブキ「うーん…先生の為?」

 

先生「ごめんねイブキ、私は万魔殿に行けないんだ。それに一学園に執着すると大変な事になりそうだから…」

 

イブキ「そっか……先生はイブキと居てくれないんだ…」

 

マコト「先生ぇ!!!イブキを泣かせるな!」

 

先生「ひぇぇ……こめんね!そんなつもりは!」

 

???「そうですよ、先生をゲヘナなんかに渡すわけにはいきません」

 

先生「へ?」

 

ドッカーン!

 

セリカ「あぁ!?お店の壁が!」

 

ナギサ「ふふ、先生お久しぶりです。お迎えに来ましたよ?」

 

ミカ「先生やっほー!」

 

先生「ナギサにミカ!?どうしてここに!?」

 

ナギサ「先生がシャーレを辞めたと聞いたのでトリニティ…いえティーパーティーの専属講師になってもらう為に来ました。」

 

先生「それでもお店を壊しちゃ駄目でしょ!メッ!だよ!」

 

ナギサ「申し訳ございません。修繕費は後でお支払いするので安心してください。」

 

マコト「おい!トリニティが何故こんな所にいるんだ!早く帰れ!」

 

ミカ「あは☆羽虫の声が聞こえると思ったらゲヘナじゃんね☆今は取り込み中だからどっかに行ってくれない?」

 

マコト「何を!先生は私が先に勧誘したんだ!トリニティは引っ込んでろ!」

 

ミカ「なに?歯向かうつもり?売られた喧嘩は買うじゃんね☆」

 

先生「ちょっとー!喧嘩はやめてよー!」

 

ナギサ「ん゙ん…ミカさんは無視しましょうか、それで先生どうしますか?来ていただくならシャーレ…いえキヴォトス全土の地位と名誉を明け渡すのを約束しましょう。」

 

先生「そんな何処ぞの海賊王みたいな事言わないでよ…」

 

ナギサ「さぁ!決めてください!」

 

イブキ「やだ!先生はゲヘナに来るの!」

 

イブキ「先生どっちに行くの!」

 

先生「ひっ…ひぅ〜…」

 

先生「でもでも…私は先生で…それに個人を贔屓する事は…」

 

先生「頭…頭が痛いよ〜…」

 

ナギサとイブキに詰め寄られ目を回していると次々に生徒がやってくる。ある生徒は先生もロリコンにならないか?と勧誘してきて、ある生徒は温泉開発を進め、ある生徒は先生のお嫁さんになるなどと様々な意見が飛び交うようになりお店の前には生徒の行列ができていた。

 

先生「うわぁ!?皆押さないでよ〜」

 

セリカ「先生どうにかしてよ!」

 

大将「ははは!こりゃ賑やかでいいな!」

 

先生「うわぁぁああん!もうキヴォトスなんてこりごりだぁぁあ!」

 

 

そして私は結局リンちゃんに土下座をしてシャーレに戻らせてもらった。だが少しだけ変わった事がある、私がいない間に何があったのか分からないがいつもの仕事が減っている気がする。一日で終わり定時で帰れるくらいには少ない、リンちゃんも心を入れ替える気になったのかな?

 

先生「はぁ…結局戻ってきちゃった…」

 

アロナ「もう!先生が勝手に退職してびっくりしました!」

 

プラナ「同意、これには私も怒っています。」

 

先生「ごめんねぇ…でもあの時は仕方なかったんだよ〜」

 

アロナ「仕方なくありません!辞めるなら私達もついていきますからね!」

 

プラナ「はい、私は先生とずっと一緒に居たいので」

 

先生「そっかー!アロナとプラナは可愛いねぇ!ほら、プリンあげちゃう!」

 

アロナ「やりました!先生ありがとうございます!」

 

プラナ「おぉ…プリンが二つも…」

 

先生「ふぅ…でもなんで仕事が減ったんだろ?誰かがデモでも起こしたのかな?」

 

アロナ「あはは…なんででしょうね?」

 

プラナ「先生それは…」ムグッ

 

アロナ「プラナちゃん?この世には言ってはいけないことがあるんですよ?」

 

プラナ「はい……」

 

先生「うん?アロナどうしたの?」

 

アロナ「いえいえなんでもないです!ほら今日の仕事も終わらして早く帰りますよ!」

 

先生「うん、じゃあサポートよろしくね」

 

アロナ「はい!」

 

シャーレの日々は続く、どんなに過酷で辛い仕事があっても愛する生徒達がいる限り諦めず徹夜をして仕事をする先生であった。

 

 

fin

 

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