人と鬼の”約束”   作:ななみ@カイン

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第2話「契り」

弟子達を返した後、2人は縁の下で酒を飲みだした

今宵の肴は、月と弟子の話のようだ

 

「全く、弟子達には呆れさせられる」

「まぁ確かに礼儀は必要だな」

「挨拶もせずに闘おうとするとは・・・情けない」

「まぁまぁ、初めて鬼に会ったんだししょうがない所もあるんじゃないか?」

 

男は入ってた酒を飲みほすと、酒を注ぎながら呟いた

 

「私も引退してから随分たった・・・教える立場になったが、いかんせん上手くいかんな」

「初めての弟子だろう?しょうがないさ」

「やれやれ・・・本来退治するべき鬼に慰められるとは、私も年を取ったな」

「アハハハハハッ」

 

突然、少女が笑い出した

 

「もう、私を退治する気なんてないくせに、もうボケたのか?」

「うっさいわい、お主こそ早く成長して、村の男どもを魅了せんか!」

 

2人は男が引退を宣言し、拳を交えなくなった後、このような口喧嘩が増えている

ただ、2人共相手を嫌いになったりせず、むしろこの喧嘩を楽しんでいるようだった

 

「ボケ老人」                「お主のが年上だろう」

 

「白髪」                  「女なら髪を大切にしろ、固まっとる」

 

「大男」                  「チビ」

 

「うー」                  「まな板」

 

「おっお前だってまな板じゃないか!」    「当たり前だ、私は男だ」

 

「・・・ばーかばーか」           「もう終わりか」

 

今回も男の勝ちのようだ

少女は頬を膨らまし、じっと男を睨んだ

 

「ブーッ」

「そうふて腐れるな、いつもの事じゃないか」

「いつもだから嫌なんじゃないか―!」

「ハッハッハ 拳では負けていたんだ、口では勝たないとな」

 

その言葉を聞くと、さっきまでの不機嫌な様子はどこへやら

満面の笑みを浮かべた

 

「えへへーお前からやっとその言葉を聞けたー」

「はて、何のことやら」

「素直になれよー“拳”では私に勝てないんだろー」

「おっと、つい口が滑ってしまったわい」

 

 

その後、2人は静かに酒を呑んだ

 

 

「そういやさ」

 

突然少女が口を開いた

 

「近々この神社に巫女が住むって話・・・聞いたか?」

「ああ、なんでもこの地の結界を管理するために必要だそうだな

 賢者様が里の者に話しておった」

「その賢者に話をされてさ、私・・・人間の里に住めるかもしれないんだ」

「どういう事だ?」

 

少女は男に賢者との話した事を語った近々、「博麗の巫女」という結界を管理し、妖が起こす「異変」を解決する者を置くという事

鬼は、元地獄であった「旧都」で暮らさなければいけない事

人と交流があるから「ある条件」を達成すれば、人間の里に住むことを許可してくれる事

 

「条件とは何だ?」

 

話を聞いていた男が訪ねた

 

「条件っていうのは2つあってな・・・」

 

少女は賢者と呼ばれる者に課せられた条件を話し始めた

 

「1つ目が、人間を傷つけないこと」

「まぁ、基本だな」

 

「2つ目が、”ある契り”を里の人間全員と行うこと」

「その、”ある契り”とはなんだ?」

「・・・お前とやった、”ゆびきり”だよ」

「は?」

 

なんと、賢者が少女に出した条件とは、

少女と男が行ったゆびきりを里の者全員に行う事だった

 

「難しいだろ?」

「あぁ、難しいかもしれんな だが」

「だが・・・なんだ?」

「無理・・・ってほどのもんじゃないだろ?」

 

その通りである

今まで里の者とは、幾度となくゆびきりは行ってきた

不可能な事ではない

 

「でも・・・」

「いままで何人と契りを交わした?」

「お前の弟子含めて48人だよ」

「なら、里の者の大体1/3と契りを交わした事になるぞ あと少しじゃないか」

「そうなのか?」

「あぁ、出来るさ」

「じゃあ、また約束しようよ 今度は酒でさ」

「ほう、酒を使った契りか なかなか洒落っ気がでてきたじゃないか」

「まぁ、私も天狗から教えてもらったばっかだけどねぇ~」

2人は”契り”として酒を酌み交わす事にした

 

腕を組み、互いに酒を飲み交わすというものだ

 

しかし残念ながら少女の腕が短く、盃が口に届かない

 

「・・・普通に乾杯するか」

「・・・うん」

 

男に促され、少女は渋々普通に乾杯することにした

 

 

 

「「乾杯」」

 

 

 

2人は再び誓い合った

今度は“ゆびきり”で誓い合った2人のことだけではない

人と鬼の未来を決める大切な“契り”だった

 

 

“契り”を交わした2人は

人と鬼、ともに笑おうと未来を語っていた

 

 

それはどこまでも幸せに満ちた姿であった

 




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脱字が多数ありました。申し訳ないです。10月13日17時頃、修正いたしました
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