少女は、人間の里で暮らせるように沢山の人達と”ゆびきり”をした
そして、あと数人で賢者との条件通り村の人全員と”ゆびきり”ができる
そんな時だった
突如として男が神社に来なくなったのだ
最初はただ、忙しいだけだと思っていたのだが
どうもいつもと違う・・・
いつも来るはずの満月の夜にすら少女の前に姿を現さなかったのだ
(おっかしいな~ 明日の朝になったら、里まで行ってみるか)
本来、妖は人間の里へは入ることを許されてない
しかし少女は自身の能力で自身の体を霧状に変え、ばれずに進入することが可能なのだ
少女は1人で月見酒をすることにした
これが、少女が見る最後の月だった
夜が明けた
少女は里へ向かって参道を歩いていた
少女は突然、変な匂いを感じ立ち止まった
(これは、血の匂い・・・?)
少女は不思議に思い脇道にそれ、その匂いを辿ってみる事にした
その匂いの主は、意外と近くにいた
いや、あった
男は変わり果てたその姿を
少女に晒してしまった
「だ・・・誰がこんな事を」
男の体は、刃物のようなものでズタズタに切り刻まれていた
もう、二度と動くことはないその姿から
男と少女の約束は破られた事を悟る
少女は、突如として叫び始めた
「この、嘘つき!」
咆哮をあげる
「裏切者!!」
慟哭する
「約束も守れない、軟弱者!!!」
少女の叫びは大地を揺らし、森に響いていく
「・・・なんでだよ」
「もうそいつは助からない、約束は守られなかったのだ あきらめろ」
気が付いたら、少女を囲むように男達が立っていた
男達は全員刀を持っており、その着物には血が付いていた
「・・まえらが」
「ん?」
「お前らがコイツを殺したのかッ!」
「その通りだ コイツは鬼と仲良く暮らせるとほざいた愚か者だ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
少女は男達に襲いかかった
「ついに正体を現したな鬼め!!」
闘いとは呼べない、一方的な残虐だった
切られる前に殴る、刀を抜く前に腕を引きちぎる、己の体を大きくして頭をつぶす・・・
もう少女とは呼べない
ただそこに ―――鬼がいた
「ごめんな、約束・・・破っちまったよ」
闘いが終わると、鬼は静かに男へ話しかけた
「でもこれでおあいこだよな」
「また・・・また約束し直そうな」
「また競い合って・・・ゆびきりして・・・酒も酌み交わそう」
「また・・・」
返事をしない男に鬼はずっと話し続けた
もう、2度と動かぬ男に
その声は虚しく、静かに森に響いた
もう、叫びはてて声も出ない
もう、疲れはてて動けない
もう、ただ立ち尽くす事しか出来ない
そんな、鬼の目には
―涙。
これは、この地が「幻想郷」と呼ばれる少し前の
鬼と人が歩もうとした、語る者が途絶えてしまうほどの遥か昔のおはなし
この鬼がある少女達と出会い
再び月を眺めながら、人と歩んでいくのは
まだまだ、先のおはなし
誤字、脱字、その他日本語としておかしい部分がありましたら、お願いします
これで、「鬼と人の約束」は終了とさせて頂きます。
n番煎じかはわかりませんが、東方ヴォーカルアレンジ曲から
「嘘と慟哭」を基に執筆しました。
正直、東方Projectを殆ど知らない為、既存のキャラをからませる事は致しませんでした。
今度東方のn次創作、n番煎じの作品を書くときは、しっかり幻想郷に住んでいる者達を知った上で書こうと思います。
最後になりましたが、閲覧してくださった皆様
本当にありがとうございました。
原作:東方ヴォーカルアレンジ曲「嘘と慟哭」
「嘘と慟哭」
原曲:御伽の国の鬼が島
作詞:RD-Sounds
編曲:RD-Sounds
Vocal:ランコ