魔導師たちの群像_ 魔法少女リリカルなのは   作:夏深てふ

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5/ティンダロスの猟犬

 ベルが鳴った。その騒がしい携帯端末を白烏花は手に取った。ディスプレイには"第08防疫部隊・隊長"と、表示されている。

 

「はい、リコリスです」と暗号名で返事をする。本名は仲間にさえ明かしてはいけない決まりだった。死体を焼くということはそういうことなのだと、烏花は第08防疫部隊で教えられていた。

 

「"ティンダロス"が出たんだ。浄化、お願いできるかな?」絡みつくような甘ったるい男の声、"隊長"の声だった。この男の名前も知らない。そういう決まりだ。

 

「"ティンダロスの猟犬"ですか?」

 

「ああ、そうなんだ。また被害者が出てね。今は防護結界で封鎖している」

 

「わかりました。今すぐ、向かいます」

 

 通信を切り、読みかけていた兄の遺品、第97管理外世界のホラー小説をベッドの上に放った。題名は偶然にもザ・ハウンズ・オブ・ティンダロス。

 

 烏花は仕事道具の、『ジン』と名付けられたジッポーの形のトレージデバイスをひっ掴み、すぐさま自宅を出た。そして偶然通りかかったタクシーに乗りこみ、携帯端末に表示されていた住所の1ブロック手前で止まるように言った。

車の窓から見えたのは雨上がりの空。ふと、ついさっきまで自分の部屋に居た、高町なのはを思い出す。

 

 "私ね、これから教導のお仕事にいくんだ。第12航空部隊ってところにね"。

 

 第12航空部隊という場所には聞き覚えがあった。兄を追い詰めて、しかし共闘し、最後にはテレーゼを救った部隊。そういえば、この前に、防疫部隊に出向してきた魔導騎士たちも12部隊の人たちだったなと思い出す。テレーゼに良く似た魔導飛行使がいたのが印象的だった。なにやら嗅ぎ回っている様子もあったが、それ以外は良い人たちだった。

 

「またあえるといいな」

 

 独り言のように、呟いた。

 

 

 

 

 

 

「ティンダロスの猟犬?」そう、八神はやて部隊長は言った。

 

「ええ。それが、"病気"を広めている"怪物"の名前です」そう、第12航空部隊の医務官、シャマルは言う。

 

 "ティンダロスの猟犬"、第08防疫部隊での内偵を終えたシャマルの報告書に出てきた、不気味な名前。

 

「ティンダロスの猟犬って、あれやろ?クルトゥフだかクトゥルフだかの邪神神話に出てくる、四つ足で青いドロドロしたヘドロを撒き散らす、臭くて不死身の獣。でも、あのお話はフィクションやで」

 

「そのフィクションから名前を取ったんでしょう。その"素体"も、四つ足で、青い血を流して、不死身らしいですから」

 

 不気味な話しですと、シャマルは感想を述べた。

 

 シャマルが第08防疫部隊から持ち帰った情報を纏めると、おおよそこのような感じになる。

 

 夜な夜な、クラナガンの街に、悪獣が出るという。その悪獣に噛まれた人間は、悪獣の血に含まれる細菌に一瞬で感染し、数十秒で発症、僅か数分で青い血膿を流して死に至るという。

 

 悪獣はとても臭く、青い血を流しているという。悪獣は四つ足で歩き、どこからともなく現れて獲物を襲うという。悪獣は不死身だという。その様子を聞いたどこかの誰かが、とある邪神神話の怪奇小説に出てくる化け物そっくりだと言い出して、名無しの悪獣は怪奇小説の怪物の名前で呼ばれるようになった。それ、即ち、"ティンダロスの猟犬"と。

 

 そしてクラナガンに駐屯している第08防疫部隊は"ティンダロスの猟犬"に噛まれ死んでいった人たちを、浄化、即ち跡形もなく焼き尽くしているという。

 

「そして、そのティンダロスの猟犬に噛まれた遺体の浄化を第08防疫部隊が密任務として行っているというところまでが、今回の内偵の成果です」

 

「ううん、それだとおかしなことになるな」腕を組み、考え込むはやて。そして、

 

「細菌で汚染された遺体を、第08防疫部隊が浄化するのも分かる。住民のパニックを恐れて、事件を機密扱いにするのも分かる。でもね、私は今初めて"ティンダロスの猟犬"の話を聞いた。クラナガンの街を、細菌兵器じみた化け物が徘徊しとるんや。遺体の防疫任務も大切けれども、その根元たる化け物退治は"もっと重要や"。そして、"化け物退治"はうちら航空隊や陸士隊のお仕事で、私みたいな隊長さんには一通り通達が来るはずや。『化け物がいるらしいから、注意したってや』って具合にな。しかし、ここ第12航空部隊には、そんな通達一度だって届いとらん。他の隊にだって届いとらんやろう。こんな都市伝説じみたお話が、ウワサのウの字にもなってないんや。ということは、シャマルならどう考える?」

 

「遺体の浄化は防疫が理由なんではなく、遺体を消すことで不都合な証拠、ティンダロスの猟犬の存在を隠すため?」

 

「そういうことや」

 

 大当たり。ニヤリと笑う八神はやて。そして宣言。

 

「なのはちゃんの教導と平行して、第12航空部隊とヴォルケンリッターの面々にはティンダロスの猟犬の捕獲任務に就いてもらう。きっとそれが、第08防疫部隊の闇を暴く、一番の近道やろう」

 

 

 

 

 

 

 白烏花はカラスみたいな嘴の真っ白の防毒マスクを被り、真っ黒な魔法精製布の防護服を着て、とある住宅の前に立っていた。なかなか大きな佇まいの家で、家主は収入が良いのだろうと、どうでも良いようなことを考えながら、その門をくぐった。

 

 綺麗に剪定された木々の庭を通り抜け、玄関にたどり着くと、真っ黒な防護服と真っ黒な防毒マスクで全身を覆った男。"隊長"だった。

 

「やあ、リコリス君か。浄化の対象はこの先だ。よろしく頼むよ。いつも通りに"跡形もなく"やってくれたまえ」

 

「わかりました。引き続き、結界の維持を宜しくお願いします」

 

 隊長の脇を通り過ぎ、玄関の扉を開く。中から錆びた緑青のような、毒々しい水蒸気が漂ってくるのを、防護服越しにでさえ感じた。臭い、臭い、嗅いだだけで死んでしまう恐ろしい空気。

 

 絡みつくような緑青の空気は、家主の寝室と思われる扉から漂ってきている。烏花は手に握っていたデバイス『ジン』を起動させ、真っ黒な杖の形にすると、扉を開いた。

 

 真っ青な、血の海だった。ベッドの上で恐怖に引きつった顔の家主が絶命している。首に噛みつかれた傷跡、そこから流れ出す青く固まった血。血が青く変色するのは、ティンダロスの獣に襲われた被害者の特徴だった。青い血が体を蝕み、おしまいがやって来る。  

 

 青い血膿を吹き出して死んでしまう。"隊長"は「細胞単位のマイクロな単位でみれば、この青い亡者はまだ生きているんだよ」などと言いながら不謹慎な笑みを防毒マスク越しに浮かべてはいたが、人間としてはやはり死んでいるのだろう。烏花は暫しの間だけ目を瞑り、俯き、黙祷を捧げる。

 

 そして瞼を開いたとき、ふと窓枠に立てかけられた写真立てが見えた。家主とその家族の写真。家主は管理局の制服を着ている。執務官らしい。

 

「あなたも写真を窓際に飾るのですね。私も同じです。幸せな写真には、窓の外の風景がとても似合いますから」

 

 死んでしまった家主に話しかける。死んでしまった人に話しかけるのは、烏花の癖のようなものだった。どんなに人間離れした死体でも、話しかけることで人間として扱ってやれる気がしたからだった。

 

 写真立てを手に取り、そして奇妙な感触。写真立ての裏側が、妙にがたついている。写真の他にも何かが挟まっているらしい。

 

「すみません。覗き見ますね」

 

 しばらくその写真立てをいじりまわし、出てきたのは一冊の手帳。黒革の背表紙をめくると、『第08防疫部隊』の文字。好奇心に負けて、ページを捲り、後悔する。

 

 ページの隙間で踊る文字。

 細菌兵器。辺境世界での虐殺の意味=実験場。管理局≠正義。第08防疫部隊=黒幕?。(汝等この手帳を開く者、一切の望みを捨てよ。ここには地獄がある)。ゲオルグ・テレマン、出資者。ガイノイド。ティンダロスの猟犬、飼い主は誰だ?08か?。JS(どこからやってきた?)ドッペル・ゲンガー、二人、いや三人?。08の実働部隊の正体を掴めず。黒幕=第08防疫部隊=猟犬の飼い主。傀儡のテレマン。JS。悪魔の卵、孵る。殺される!

 

 バシンと、ページが破れそうな勢いで手帳を閉じた。烏花は恐ろしかったのだ。カタカタと震える手でその手帳を細菌採取ポケットにねじ込みながら、グルグルと永久運動を続ける脳に「止まれ」と命じる。それでも恐怖が囁いてくる。どこから?過去からだ。生まれる前の原罪が人を苛むように、恐怖が過去から囁いてくる。

 

"お前は知っている。それは真実だ"。

 

 ふと、思い出す。この前ティンダロスの猟犬に襲われたのは、可哀想な捜査官の家族だった。その前はやり手の監査官。その前は第08防疫部隊の後見人の一人。さらに、その前も。ずっと、ずっと前も。ティンダロスに殺されたのは、第08防疫部隊を探っていそうな人たちか、第08防疫部隊を深く知る人たちだった。

 

 知りすぎた人間ばかしが、ティンダロスの猟犬に喰い殺されている。ティンダロスの猟犬は、第08防疫部隊なのかもしれない。

 

「なら、私が今まで焼き払ってきたのは」

 

 もしかすると、遺体とその周囲を焼き払う指示が出たのは、防疫の為ではなく証拠隠滅のため。知りすぎた人たちを殺したティンダロスの細菌の出所が分からないようにするために。

 

 カタカタと震える手で、魔法の杖、ストレージ・デバイスのジンを握りしめる。震える理由は恐怖、或いは怒り。

 

「焼き払おう。そして生き残ろう」

 

 今は焼き払わなければいけないと、魔導師特有のマルチタスク(多重思考)で頭のスイッチを切り替えた。焼き払わなければ、この街はティンダロスの細菌に沈むことになる。焼き払わなければ、何かを知ったと怪しまれて、次こそ烏花がティンダロスの獣に噛まれることになる。

 

「ジン、火葬術式の三番をお願い。跡形もなく焼き払ってしまおう。悲しみだって残らないくらいに焼き払って、"私が手帳を覗き見たこと"さえも焼き尽くしてしまおう」

 

〈明白了(了解)〉。機械の杖がギシギシという歯車の音で魔法を編み、方角を見て、星を探す。そして、それらの符号を巨大な魔法陣に見立てて、マジックサーキットに魔力を流す。ドキンと、リンカーコアが脈動する。知らない世界の地獄のような場所から、濃密な熱の蜷局巻く炎を召喚する。まるで咲き乱れる彼岸花。リコリスの赤さで燃え上がる。

 

 遺体が消えた。汚染された空気も焼き焦げた。部屋の中の物も、跡形もなく焼いた。全てが焼き尽くされた後の煙でさえ、焼き尽くして無に帰した。

 

 火焔が烏花の掲げた魔法陣に収束し、元いた地獄のような場所へと帰っていく。魔法陣に吸い込まれる炎群はまるで花弁のようで、やはり彼岸花(リコリス)の咲き乱れる様相だった。

 

 焼き尽くした後、真っ黒に鎮火した部屋と、リコリスの魔女、そして彼女のポケットの黒い手帳だけが残った。

 

 

 

 

 

 

 シャマルが八神はやてとの秘密の話を終えて部隊長室から出ると、車椅子に座った少女が居た。一瞬どこの子だろうと訝しくも思ったが、革のフライトジャケットの下に着込まれた群青色の隊服と、襟元の二等空士を示す襟章、バード・ランド分隊がお揃いで着けている鳥のネクタイピンを見て「ああ、噂の新人さんか」と思いつく。あのしかめっ面なヴィータが心底気に入っているという新人だ。なんでも、鳥みたいな魔法空師だという。

 

 柔らかな敬礼。「こんにちは。ソラ・イチクラ二等空士です。地上でお会いするのは初めてですが、わかりますか?」綺麗な音程の、綺麗な発音。軍隊気質の少ない柔らかな物腰の市蔵ソラ。

 

「ええもちろん。イチクラさんも、はやて部隊長にお呼ばれ?」

 

「はい。明日からの教導についてと、08(防疫部隊)について少し」

 

「そう。お仕事頑張ってね。あと、そう、そう。悩み事とか困ったこととかあったら、いつでも医務室まで相談しにいらっしゃい。私は可愛い子の味方よ。」

 

 可愛い子。何となくだが、シャマルは目の前の市蔵ソラに、昔の八神はやてを重ねて見ていた。黒く短い髪型や、病的な色白さ。同郷の出身らしく、顔立ちもやや似ている。そして何よりも、その車椅子。それが嫌でも昔の、足を患っていた頃のはやてを連想させる。無論、昔のはやては「ちなみに、可愛い子以外が訪ねたらどうなるんですか?」なんてアイロニーに満ちた返答などはしなかっただろうが。

 

「苦いお薬と、痛いお注射で、元気回復よ」

 

「薬の種類によっては、とっても危険な発言です」

 

 どこまでも黒い冗談な市蔵ソラだった。

 

「そう言えば、一つありましたよ。悩み事」

 

「どんな?」

 

「最近、飛ぶたんびに背骨がギシギシ痛いんです。多分、脊髄のイカルス・デバイスが機嫌を損ねているんだと思うんですが。シャマル先生は融合騎とか詳しいでしょうし、教導明けにでも一度見てもらえませんか?」

 

「いいわよ。まかせなさい」

 

 そんな約束をして、市蔵ソラとシャマルは別れた。

 

 シャマルは思う。ヴィータがあの子を好くのもわかる気がすると。ソラは似ているのだ。ヴィータが守ろうとする、沢山の人たちに。同時に、馬鹿正直なアイロニー(皮肉)だとか、背骨に宿る悪い過去を「機嫌を損ねる」なんて擬人化する冗談等。その沢山の"守るべき人たち"とは違う物も持っていたりもしたが。

 

「ヴィータはあの子を大切にするだろうけど、それは本当に"あの子自身"なのかしら」

 

 独り言のように呟いて、自らの城たる医務室へと消えていった。

 

 雨上がりの、とある午後の一幕である。

 

 

 

 

 

 

 煙草を吸いながら、雨上がりの空に上がっていく煙を眺めていた。煙はどこまでも上がっていき、消えた。

 

 白烏花が初めて煙草を吸ったのは、初めて人を焼いた日だった。人を焼くことには、これといった抵抗はなかった。今は亡き世界の、今は亡き白烏花の両親は、彼女が覚えている限りでは葬式屋さんで、人を弔い、魔法で焼いて生計を立てていた。両親や前いた世界について覚えていることは殆ど無かったが、それでも自分が葬儀屋の娘なんだということと、燃える棺の濛々とした煙のことは良く覚えていた。

 

 人を焼くことには、これといった抵抗は無かった。だから初めての防疫任務の時にも、何の抵抗もなしに、疫病で死んだその哀れな男に話しかけ、祈り、焼き払った。しかし、両親がやってきたように、煙を上げて焼くことは許されなかった。煙と一緒に汚染物質がまき散らされるからだと前の"隊長"は言った。仕方がないので、煙ごと焼いて、全てを焼き消した。

 

 魂は煙と一緒に空へと上っていくものだと信じていた烏花は、少しだけショックだった。

 

 以来、任務が終わった後は焼いた人数分だけ煙草を吸い、空に煙をあげている。前の"隊長"が自殺して今の"隊長"になっても、それは変わらない習慣だった。街を一つ消したこの前は、一日かけて一箱分の煙で空を汚した。それで我慢して頂戴と、小さく呟いたりもした。

 

「煙草とは感心できませんね」

 

 くぐもった、高い、男の声。いつも"隊長"にべったりのはずの、"副官"の声だった。この男の名前も知らない。そういった決まりだった。

 

「防護服のままでふらくなんて、感心できませんね」

 

「こっちは規則です。任務中に防護服を脱いで素顔を晒しているあなたの方がおかしいんです」

 

 "副官"は不機嫌そうだった。彼の体と顔を覆う防護服のせいで分かり辛くはあったが、その様子を烏花は敏感に察した。そのキリキリとした神経質さに急に何もかもが馬鹿らしくなって、煙をため息みたいに吐き出した。

 

「そう言えば、」と"副官"が言う。

 

「今回の浄化、えらく時間がかかっていましたが?"隊長"が心配されていましたよ。ティンダロスの毒にやられて、倒れているんじゃないかって」

 

「汚染が激しくて、焼却区域を計っていただけです」実は嘘。ポケットの中の手帳の感触。

 

 その後は業務的な会話が続いた。そして、その無機質な会話を二三繰り返してから、"副官"は烏花の前から去っていった。恐らくは大好きな"隊長"の所へと戻っていったのだろう。

 

 煙草の灰が落ち、火が消えていることに気づく。ポケットから仕事道具のストレージ・デバイス兼ライターのジンを取り出し、小さな魔力の炎で火をつけなおす。魔法は便利。煙草の味が、オイルにもガスにも汚されない。

 

 防火蓋を澄んだ金属音で閉じ、火を消して、ジンをポケットの中に突っ込む。すると、同じポケットの中に入れていた、あの黒い手帳に指が触れた。

 

 さて、この手帳をどうするか?烏花の頭蓋骨の中で天使と悪魔が囁く。悪魔みたいに真っ黒な仮装をした妹思いの白睡魚が「焼いちまえ。そうすればお前は助かる」と囁く。天使みたいに真っ白な仮装をした、かつてのライバル、テレーゼ・F・ブルンスヴィックが「焼いてしまうなんて、私は認めない。あなたは正義でしょ」そう囁く。

 

 思考すること数分、短くなった煙草の上で、赤い火がフィルターに達して消えた。

 

 よし決めた。短くなってしまった煙草を魔法で焼き捨てて、烏花は立ち上がる。そして、足早に歩き出し、一直線に我が1LDKの城へと向かった。荷物を纏めなければいけない。証人保護を受けるための手続きもしなければいけない。するべき事は沢山あるが、時間はない。しかも極秘裏に動かないといけないときた。きっと、テレーゼを救った睡魚も管理局を辞めたときはこんな気分だったのだろうと、烏花は想像した。

 

 小さく「ごめんなさい」と、悪魔の仮装をした兄に謝る。

 

 白烏花の回答は、テレーゼが囁く『正義』だった。

 

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