あれから3週間が経った、しかし、コウマは一向に帰っては来なかった。
タロウや二課のメンバーが幾ら探そうと、コウマの姿は決して見つかることはなかった。
そして……、彼や、彼の仲間達と関わり、本当の夢を見つけた少女……「雪音クリス」はタロウと一緒にコウマの家に訪れていた。
クリスはタロウのテレポート能力で悪いとは思ったが彼の家に勝手に上がり込み、クリスは1日半ほどしか一緒に過ごしていないが、彼のこの家の風景を見て……、コウマと過ごした時間を思い出し、自然と彼女の瞳から涙が溢れ出ていた。
「バカ……! なに、自分を犠牲にしてんだよ、夢を叶えるんじゃなかったのかよ、コウマ……! あたしは、あたしは出来ることならお前と一緒に夢を……!」
彼の夢と、自分の夢はやり方は違えどほぼ同じだと言って良かった、世界中のみんなを「笑顔」にするという同じ夢を持つから……。
なにより、彼女はこの胸の想いを……、まだコウマに伝えていないから。
そんな時だった、街にノイズとダークライブし、怪獣に変身した人間が現れて暴れているという通信を弦十郎から受けたクリスは急いで現場に急行し、途中で響と翼と合流する。
「クリスちゃん、もしかして……泣いてた?」
道を走って現場に向かっている途中に合流した響にそう問いかけられ、クリスは自分の目が赤くなっていることに気付き、「泣いてなんか……!」と否定しようとしたが、そんな彼女の頭に、翼は手を置く。
「心配するな、来元は必ず帰ってくる。 そういう男だ、あいつは」
「……当たり前だ、でなきゃあいつのドタマに風穴開けてやる」
翼の言葉にクリスはそう返し、現場に着くと巨大な金色のロボット「宇宙ロボット・キングジョー」と巨大ノイズが3体、小型ノイズが複数おり、クリスはジャンナインを実体化させてコックピットに乗りこむ。
「行くぞ、ジャンナイン!!」
「「~♪」」
また、翼と響もシンフォギアを纏ってノイズ達に向かって行き、ジャンナインも同時にキングジョーへと駆けだした。
*
一方、その頃……。
『イカカカ~、まだ我輩は負けてないんだイカ~! この隙に奴の持っている全てのスパークドールズを集めてやるんだイカ~!』
実はタイラントが倒された際、彼だけはなぜかスパークドールズに戻らず、実体化したままコウマの所持していたスパークドールズを奪うチャンスをずっと伺っていたのだ。
イカルス星人は窓を突き破ってコウマの家に侵入し、スパークドールズの入ったSDケースを探すが、そこにタロウが現れる。
『イカルス星人! 倒されていなかったのか!』
『タロウ! 邪魔をするなイカ!』
『そうはいかん! ウルトラ~念力!!』
タロウはウルトラ念力を使ってイカルス星人を家の外まで吹き飛ばすが、その時、刃物のようなものがタロウへと放たれ、タロウは慌ててその飛んできた刃物をかわす。
『今だイカ!!』
イカルス星人はその隙を突いてタロウを掴みあげ、床へと強く投げ捨てるとタロウはぶつかり所が悪かったのか、そのまま気を失ってしまった。
『うわあああ!!?』
『イカカカ、助かったイカ~!』
イカルス星人は後ろを振り返ると響達と同じ「シンフォギア」を纏った2人の少女が立っており、その内の1人は「別に」っと素っ気なく返した。
「そうデス、これは『彼』にも力を与えるために止むなく……」
「だから、あなたなんかにお礼を言われる筋合いはない」
『まあ、なんでも良イカ』
イカルス星人はコウマの家中をあさり、SDケースをやがて発見し、中身を確認するとそこには確かにスパークドールズ達が入っており、イカルス星人は「ウルトラマンゼロ」のスパークドールズを手に取る。
『イカカ、これが目的の物イカね、ほれ!』
イカルス星人は2人の少女にゼロのスパークドールズを渡すと2人の少女はお互いに頷き合い、「先に行ってる」とイカルス星人に伝えた後、その場を去って行った。
『さて、それでは他のスパークドールズも……』
『そうは、させるか!』
そこに、目を覚ましたタロウが現れ、ウルトラ念力でイカルス星人を吹き飛ばし、タロウはSDケースの上に立ってそのままケースと一緒にテレポートしてその場を離れた。
『あぁ!? ぐう、おのれ~! タロウ!』
*
場所は戻り、キングジョーとジャンナインはお互いの両手を掴みあい、パワー勝負を繰り広げていた。
「結構なパワーだな、だが、パワーならこっちが上なんだよ!!」
クリスがそう叫ぶとジャンナインはキングジョーを押し返して行き、膝蹴りをキングジョーの腹部に叩きつけた。
キングジョーは蹴られた腹部から火花を散らしてその攻撃に怯み、続けざまにジャンナインの拳がキングジョーの顔面に叩きこまれる。
「このままジャンスターダストで……!」
クリスは必殺技を発動させようとしたがその時、背後からジャンナインは何者かの光線のような攻撃を受けて倒れそうになるがどうにか踏みとどまった。
「新手だと!?」
ジャンナインが振り返るとこちらに向かって青い球体が迫っており、青い球体はジャンナインを弾き飛ばすように激突し、その攻撃に怯んだが、そこまで酷いダメージは無かった。
やがて、青い球体は実態を表し、「宇宙怪獣ベムラー」の姿へと変わり、キングジョーと肩を並べてジャンナインに向かって行った。
ジャンナインは右腕をロケットのように飛ばす「ジャンナックル」をキングジョーに放つが、キングジョーは身体を4つのパーツに分離させて攻撃を回避し、4つのパーツからそれぞれレーザーがジャンナインに放たれる。
さらにベムラーは口から吐く青色熱光線をキングジョーのレーザーと同時に発射し、ジャンナインは地面へと倒れこむ。
「くあっ!?」
「クリスちゃん!」
響が足部ユニットを使って空高く飛び上がると響は腕部ユニットにエネルギーを装填し、それを相手に撃ちこむパンチをベムラーの胸部へと繰り出し、ベムラーはほんの少しだけ後ろに下がるが、響の攻撃には殆どダメージが無かった。
「ならば!」
今度は翼がアームドギアを振るって蒼ノ一閃をキングジョーのパーツの1部に放つが、キングジョーの頑丈なボディには傷1つつかない。
「どうすれば……!」
「そんな弱音、吐いてたらダメですよ翼さん! コウマくんなら、そう言う筈です!」
「……そうだな」
苦い表情をする翼に響がそう笑顔で語りかけ、自分達の周りを囲み、襲いかかってくるノイズを、2人は迎え討った。
翼の背後から襲いかかってきたノイズを響が拳で殴りつけて消滅させ、響の背後から迫って来たノイズを翼がアームドギアで切裂き、2人はお互いの背中を守りながらノイズと戦い合う。
「ぐああああああああ!!!!?」
そこに、キングジョーの様々な方向から来る攻撃を受けてジャンナインはスパークドールズへと戻り、コックピットに乗っていたクリスもコックピットから落ちてしまう。
しかも、一応ジャンナインに乗る際にシンフォギアを纏っていたとはいえ彼女の周りには既にノイズが取り囲んでおり、さらにクリス目掛けて巨大ノイズとベムラーの吐く光線が彼女へと襲いかかった。
「クリスちゃん!」
「雪音!!」
響と翼がクリスに叫ぶが……、クリスの目は、まだ諦めてはいなかった。
「まだだ、あたしは絶対に夢を叶える……! だから、こんな所でやられる訳に行くかアアアアアアアアアア!!!!!!」
クリスがそう叫んだ直後、目の前が真っ暗になった……、否、正確には目の前に「なにか」が現れたと言った方が正しいだろう。
そしてクリスが上の方を見上げると、そこには赤く、巨大な背中があった。
「おっせえんだよ、バカ……! 夢バカ……!」
クリスは目尻に涙を溜め、目の前にいる巨大な巨人……「ウルトラマンギンガ/来元コウマ」に向かって呟いた。
『シュア!!』
ギンガは高速で動くとキングジョーのそれぞれのパーツを一気にかき集めてベムラーに投げつけ、ベムラーはキングジョーの全パーツをぶつけられて倒れこみ、キングジョーのパーツは急いでベムラーから離れ、ベムラーもすぐさま立ち上がるが、ギンガに頭を鷲掴みにされて空中へと投げ飛ばされ、空中で合体したキングジョーに激突して2体は地面に真っ逆さまに落っこちる。
そこに翼が飛び上がり、空中で投擲したアームドギアを巨大化させ、それを敵に向かって蹴り貫く「天ノ逆鱗」をキングジョーに繰り出し、ギンガは全身のクリスタルを青く輝かせて身体を粒子へと変えるとその粒子は翼に纏わり、翼と翼の蹴るアームドギアは回転してキングジョーのボディを貫く。
元の姿に戻ったギンガは今度は全身のクリスタルをオレンジに輝かせ、再び粒子化して粒子化したギンガは響に纏わり、響も飛び上がってベムラーを殴りつけ、殴られたベムラーは大きく吹き飛ぶ。
「「行けぇ!! 2人とも!!」」
翼と響がクリスとギンガ、コウマにそう叫ぶと元の姿に戻ったギンガは全身のクリスタルを赤く輝かせて身体を粒子化させ、クリスに纏わるとクリスは巨大は大砲を出現させる。
さらに、クリスの右肩を響、左肩を翼がそっと手を置き、3人は大砲にエネルギーをチャージさせ、そしてクリスは……引き金を引く。
『「「「シンフォギア!! ギンガ!!」」」』
そしてエネルギーと化したギンガが発射され、ギンガはベムラーの身体を貫き、逃げようとするキングジョーも追いかけ、そのままキングジョーの身体をギンガは貫き、ベムラーとキングジョーは爆発を起こして倒されたのだった。
『グアアアアアア!!!!?』
*
ギンガはコウマの姿に戻り、響達もシンフォギアを解除してコウマとクリスが早速顔を合わせると……、コウマは戸惑った様子で「た、ただいま」とぎこちない様子でクリスに言うが……。
「っ! こんの……!!」
クリスはコウマに近寄ると彼の頬を思いっきりぶん殴り、コウマは予想していたとはいえあまりの痛さに涙が出ていた。
だが、その直後にクリスはコウマを抱きしめたのだ。
「わッ、クリス!?////」
「もう、もうあたしを置いてどこにも行くなよな! あたしは……あた、しは……///お前が、お前が……!////好き……、なんだから////」
正直、クリスは頭が爆発してしまうのではないかというくらいに恥ずかしく、顔を真っ赤にしていた。
同時に、不安でもあった、普段は素直になれない自分が勇気を持って告白はしたが、コウマが果たして自分と同じ感情を自分に向けてくれているのかどうかということに。
「よし、出来た!」
「んっ? はっ、えぇ!?」
何時の間にか、コウマは自分のつけていたリボンを解いており、変わりにピンク色の可愛らしいリボンを彼女につけていたのだ。
「心配かけたからな、これは俺からのプレゼントだ。 うん、よく似合う」
「えっ、あっ……、そ、そうか? ってそんなのは今は良いんだよ! それよりもあたしの話聞いてたか!?」
「当たり前だろ、好きな娘が……、告白してくれたんだから///」
顔を赤くしながら言うコウマのその言葉を聞いたクリスは「えっ」と戸惑い、コウマの今の言葉の意味を理解すると徐々に顔を赤くして行った。
「なっ、なっ////ってことはお前……!///」
「俺は、雪音クリスが……大好きです!」
コウマはそう言ってクリスを抱きしめ返すと、ほんの少しの時間、一瞬の出来事だが……、彼女の唇に自身のを重ね合わせた。
それを見た響は「ニヤニヤ」とした表情でクリスとコウマを見つめ、翼は「ほう」となにやら感心の声をあげていた。
「やるね~、クリスちゃん!」
「おめでとう、雪音、来元」
しばらくその状況が飲み込めないクリスであったが、今、自分がなにをされたのか段々と分かって行くと頭から「ボンッ!」と煙を出し、顔全体を真っ赤にさせて「なにすんだ!!」と彼に殴りかかろうとする。
だがコウマはその腕を掴んでクリスを抱きしめ、コウマは悪戯っ子のような笑みをクリスに浮かべて見せた。
「もう1回言うけど、俺はクリスが大好きだよ?」
「っ////んなもん……、あたしだってお前が大好きだよ! この夢バカ!」
~戦姫絶唱シンフォギアGinga 完~
なお、コウマは今までどこにいたかというと裏設定では過去作品のウルトラマン達の世界を回っていた……ということで。