現れたのは……黒いウルトラマン、「ゼロダークネス」と黒いガングニールを纏った少女、マリア、2人はライブ会場にて自分達のこの姿の存在を世界中へと知らしめた。
その頃、二課では外務省事務次官の「斯波田(しばた) 賢仁(まさひと)」がこちらの騒ぎを聞きつけたかのように指令である弦十郎に連絡が入った。
ソバを食いながら。
「斯波田務省事務次官!」
彼の話によれば、響達が行っていたソロモン杖の輸送先で起きたソロモン強奪&ウェル博士失踪事件、さらに米国の生物研究機関でもトラブルがあったらしく、なんでも今日まで集めていたデータが全て無くなった上に、保管していた聖遺物までもが盗まれたらしい。
それらのことから弦十郎は「これらのことが、連動している」と確信を持ち、そんな大変な事態にも関わらず斯波田はソバを食べていた。
『なんで今ソバを食べてるんだ!?』
同じ頃、コウマの胸ポケットに入っていたタロウがツッコミを入れるが……コウマ達から一体誰にツッコミを入れているのか分からず、一同は首を傾げていた。
「どうしたタロウ?」
『いや、なにか……私がなにかをツッコまなければならない気がして……』
*
場所はライブ会場に戻り、マリアはマイクを使って観客達に自分達フィーネのことを彼女は話しだした。
「我が武装組織フィーネは各国政府に対し要求する! そうだな、差し当たっては……国土の割譲を求めようか!」
「っ! バカな……!」
翼はマリアの言い放ったその言葉に驚きの表情を浮かべ、マリアは「もし24時間以内にこちらの要求を果たせなかった場合は、か国の使途機能がノイズによって不全となるだろう……」と脅し、翼は一体マリアはどこまでが本気なのかと静かに呟いた。
(フッ、随分とデカ過ぎる冗談だな)
そんなマリアの言葉を聞いていたゼロダークネスは心の中で笑みを浮かべるが、そこにマリアに呼びかけられ、「あなたの力もどうせなら見せてあげたら?」と言われてゼロダークネスは頷く。
するとマリアはノイズの何体かをゼロダークネスへと差し向け、人型のノイズ達は一斉にゼロダークネスに襲い掛かり、ゼロダークネスの身体をノイズ達は一斉に攻撃し、その後ノイズ達は一度ゼロダークネスから離れるが……。
次の瞬間、ノイズ達の身体に亀裂が入り、ノイズ達は炭と化して消滅した。
その光景は翼の目から見てもなにが起こったのか全く分からず、他の誰が見てもゼロダークネスは無防備な状態のままノイズ達の攻撃を受けていた……筈だった。
だが今のゼロダークネスをよく見てみると彼の両手には頭部に装着されてあったブーメラン「ゼロスラッガー」2本を両手に持っており、何時の間にか先程自分に襲い掛かって来たノイズ達を一瞬で切裂いたのだ。
「なんて……奴だ……!」
『分かったかしら? 私達はノイズを操るだけではない、ノイズも倒し、さらにこれほどまでの戦闘力を持った戦士がこちらにはいる! そうね、彼なら……1人で国1つは滅ぼせそうね?』
しかし、ゼロダークネスは「少しやりすぎたか?」と考え、マリアを見るとマリアもどこか呆れたかのような表情を浮かべており、ゼロダークネスはマリアも自分と同じことを考えているのだろうと察した。
「私が王道を敷き、私達が住まうための楽土だ! 素晴らしいと思わないか!?」
「それはつまり、この世の侵略ということか?」
「なに?」
翼は剣型のマイクをゼロダークネスへと突きつけ、彼がタロウが呼ぶ「闇の支配者」の力を受けた者でマリアに加担すると言うのならば、それはある意味「闇の支配者」の侵略とも言えた。
「どうかな?」
マリアは不敵な笑みを浮かべ、翼の問いをはぐらかした。
そしてマリアの言うその要求は全く持って現実的では無かった、当然だろう、項目上は「なんでもいい」のだから。
「何を意図しての語りか知らぬが」
翼は手に持っていたマイクを強く握りしめ、マリアは翼の方へと顔を向け「私が語りだと?」と彼女に問いかけた。
「そうだ!! ガングニールのシンフォギアは貴様のような輩に纏えるものでないと覚えろ!!」
翼はマリアを睨みつけながら指差し、歌を口ずさもうとするが……、耳につけていた通信機から彼女のマネージャーでもあり、二課のエージェントである「緒川 慎次」から「待って下さい翼さん!」と連絡が入る。
今ここで歌を歌えば全世界に翼が「シンフォギア奏者」であることが知られてしまう、それはなんとしても避けたかったが、この状況では止むを得ないと翼は緒川に訴える。
『風鳴翼の歌は! 戦いの歌ばかりではありません、傷ついた人を癒し勇気づけるための歌でもあるのです!』
「……」
翼は緒川にそう言われて黙りこみ、マリアは翼を挑発するように「確かめてみたら? 私が語りかどうか?」と言うが、翼はなにも応えず、マリアはほんの少しだけ笑みを浮かべると口元にマイクを近づける。
『会場のオーディエンス諸君!! 君達を今から解放する!! ノイズに手出しはさせない、速やかにお引き取り願おうか!!』
(マリア! お前……、いや、その方がお前らしくて良いか。 変に悪役気取られてもな)
そんな時、マリアの耳につけられた通信機から1人の女性の厳しい口調の声が聞こえた。
『なにが狙いですか? こちらの猶予を放棄するなど、筋書きには無かった筈です。 説明して貰えますか?』
「……このステージの主役は私、人質なんて私の趣味じゃないわ!」
『血に汚れることを恐れないで!』
しかし、その女性のその言葉にマリアは応えず、黙ったまま、それを見かねたその女性はため息を吐き、仲間を向かわせたことを伝えると「作戦目的を履き違えない範囲でおやりなさい」と許しを貰い、マリアは「了解マム、ありがと」とだけ応える。
そして観客達は順調に避難していき、一方緒川は今翼達は全世界で中継されているため、彼はそれを中継を中断させるために中継室に向かって走っていた。
そんな時、手を繋いで歩く2人の少女を緒川は見つけ、緒川は急いで2人の少女達に向かって「ここは危ないから早く逃げてください」と伝えるために2人の少女……、金髪の少女「暁切歌(あかつききりか)」とツインテールで小柄な少女「月読調(つくよみしらべ)」を追いかける。
「やっべ! あいつこっちに来るデスよ!?」
「大丈夫だよキリちゃん、いざとなったら……」
調はそう言いながら首に下げた赤いクリスタルを切歌に見せ、切歌は慌ててクリスタルを隠す。
「はわわわ! 調ったら穏やかに考えないタイプデスかー!?」
そこに丁度緒川が「どうかしましたか!? 早く非難を!」と切歌と調の元に駆け寄り、切歌は苦笑しながら慌ててどうにか誤魔化そうとする。
「あっ、えーっとデスね!「じー」この子が急にトイレに行きたいなんて!「じー」アハハハ!!「じー」参ったデスよー!」
「えっ……? あっ、じゃあそれが終わったら非常口までお連れしましょう」
緒川は戸惑いがちにそう言うが、切歌は「心配ないデスよ! ここらでちゃちゃっと済ませるので!」と応え、緒川は「あっ、そうですか。 でも、気をつけてくださいね」と言い残すとすぐさま中継室へと向かった。
「はあ、なんとかやり過ごしたデス」
「キリちゃん、私、こんな所で済ませたりしない……」
「……際デスか。 全く、調を守るのは私の役目とはいえ毎度こんなんじゃ身体が持たないデスよ?」
調はそんな切歌に「いつもありがと、キリちゃん」と返し2人はマリアを助けるためにライブ会場へと向かい走りだす。
そしてライブ会場では……、ノイズ以外、誰もいなくなった観客席を眺めながらマリアは1人、ボソっと呟いた。
「帰る所があるというのは、羨ましいものだな」
「マリア、貴様は一体……?」
マリアは持っていたマイクを翼に突きつける。
「観客は皆退去した! もう被害者が出ることはない! それでも私と戦えないというならそれはあなたの保身のため!」
マリアは不敵な笑みを浮かべ、「あなたは、その程度の覚悟しか出来てないのかしら!?」と翼に彼女は問いかける。
この様子をテレビのモニターで見ていたコウマ達はマリアの言動に少なからず怒りを覚えていた。
「ふざけやがって!! 保身だと!? これは翼さんの夢なんだ!! ここでシンフォギアなんて起動させちまったら、もう彼女の『夢』は叶わないかもしれねえんだぞ!!」
こうなれば「ギンガスパーク」と飛行することが出来る怪獣にウルトライブしようかと考えるが……、その時、ギンガスパークが突然光を発した。
「な……んだ……?」
するとコウマに突然強い眠気が襲いかかり、コウマは椅子に座りこんでそのまま眠りに入ってしまった。
「コウマくん!?」
「おい、コウマ!! どうしたんだ!? オイ!!」
『くっ、一体なにが起こっているというのだ?』
響もクリスも、タロウが一体なにが起こっているのか分からなかった……。
そしてコウマの意識はというと……、どこかの街の風景が沢山映っており、その風景が高速で動いている不思議な空間を彼は漂っていた。
『どこだ、ここ?』
コウマは辺りを見渡すがやはり高速で動く風景以外にはなにも見当たらず、コウマは頭に疑問符を浮かべるばかり。
そんな時だった、コウマの目の前に巨大な赤い「Y字」のクリスタルが形成されていくのは……。
そしてそこから形成されたクリスタルは徐々に巨大な巨人の姿へとなっていき、以前コウマが変身したウルトラマン、「ウルトラマンネクサス」に似た巨人が目の前へと現れた。
だが、ネクサスとの相違点は筋肉質な身体であることや背中に翼のようなものがあり、コウマの目の前に立つ巨人の名は……ネクサスの真の姿である「ウルトラマンノア」だった。
『アンタは確か……ウルトラマンノア!』
『こうして会うのは、初めてだったな。 選ばれし者、あれ以来未来と響はどうだ?』
『あぁ、何時も通り、というよりも前より仲良くなってるぜ? それより、こっちは翼さんが危なくて急いでるんだ!! 早く元の世界に返してくれ!』
『すまない、私も今だけしかこうやって君と話すことは出来ないんだ。 時間は取らせないから安心してくれ』
ノアにそう言われてコウマは頷き、彼の話に耳を傾けることになった。
ノアの話によると彼は闇の支配者にスパークドールズに変えられる直前に、この事態をどうにか出来そうな人物をある世界から呼び寄せたというのだ。
その人物は一度存在を消された存在だったが、彼は一時的にその人物を甦らせ、闇の支配者に関する情報をその人物は集めていたというのだ。
『奴は、人がダークライブする度に力を取り戻して行く。 奴が目覚めるのも時間の問題だ。 さらに闇の支配者は人間の身体の中に潜んでいる可能性がある、それが誰かはまだ分からないが』
『一体奴って誰なんだ? それに、ギンガは一体何者なんだ?』
『それは私にでさえ分からない。 だが、私達を救うことが出来るのは……君達だけだ。 そして1番伝えたかったことは……奴の情報を集めていた『彼女』に会ったらその時はどうか不審がらないで欲しい』
コウマはノアの言葉に「分かった」と頷くとどうやら時間が来てしまったらしく、ノアはコウマ達さを信じて彼の意識を元の世界へと戻すのだった。
*
場所はライブ会場に戻り……、翼は唇を噛み締めてマリアを睨みつけ、マリアは剣型のマイクを構えて翼の方へと駆けだし、剣型のマイクで翼に斬りかかる。
翼も同じマイクでどうにかマリアの攻撃を受け流すが、マリアはマントの形を自在に操り、マントを伸ばして翼に攻撃して来るが翼は間一髪その攻撃をかわした、だが翼が持っていた剣型のマイクは先程の攻撃に切裂かれ、翼は苦い表情を浮かべてマイクを投げ捨てた。
「中継されている限り、ギアを纏えない!!」
「おい、もっとスピード上がらないのかよ!」
ヘリで状況を見ていた響とクリスが叫ぶが、これが全速力であるためこれ以上スピードはあがらなかった。
そんな時、ヘリに「火山怪鳥バードン」という巨大な鳥の怪獣がヘリへと向かって襲いかかり、ヘリはどにかバードンの攻撃を避ける。
「こんな時に!」
「コウマ、お前は先に行け! あの怪獣の相手はあたしがやる!」
クリスはガンパットを取り出してジャンバードを呼び出し、クリスは転送されてジャンバードのコックピットに乗り込み、ジャンバードとバードンは空中戦を繰り広げる。
また、コウマはギンガスパークとスパークドールズを取り出し、ウルトライブする。
『ウルトライブ! ウルトラセブン!』
また、会場では翼は上手くマリアの攻撃をかわしていき、カメラの外に出れる範囲までワザと追い詰められ、そこに逃げ込もうとするがマリアはそれを許すまいと剣型のマイクを翼に投げるが、翼はそれを飛び越えて床に着地した。
『マリア、あんまりやり過ぎるなよ?』
「分かってるわ!」
その時、翼の履いていた靴のヒールが折れてしまい、次の瞬間マリアの強烈な蹴りが翼の腹部に炸裂した。
「あなたはまだ、ステージを降りることを許されない!」
「がっ!? あぁ!!?」
翼はそのままノイズ達の群れへと飛ばされて行き響は「翼さん!!」と彼女の名を叫んだ。
(決別だ、歌女であった私に……)
その瞬間、響は悟った、、「翼は歌を捨てるつもりなのだ」ということに。
『こんなことでぇ!! 夢を捨てるんじゃねええええええええええええ!!!!!!』
『「「っ!!?」」』
頭上から声が聞こえてマリア、ゼロダークネス、翼が空を見上げるとそこには赤く、銀色のプロテクターを装着した戦士、等身大の「ウルトラセブン」が空中から現れて飛行し、ノイズ達の群れの中に突っ込もうとする彼女を抱きかかえた。
『デュアッ!!』
「なっ、来元!」
『こんなことで、夢を、捨てようだなんて考えないでください!!』
セブンは翼を怒鳴った後、ライブ会場に翼を降ろし、ゼロダークネスはセブンを睨みつけて拳を握りしめた。
「すまないな、ありがとう。 私の夢を守ってくれて」
翼は申し訳なそうに誤った後、彼女はセブンに笑みを浮かべてお礼を述べ、セブンと翼はマリアとゼロダークネスを睨みつける。
ちなみに、以前、ギンガ以外のウルトラマンに変身する時には一度ギンガになる必要があったが……今ではギンガスパークの力が以前よりも強化されたのか、今では一度ギンガになる必要が無くなったのだ。
ただし、ギンガ以外のウルトラマンに一度ライブすると5時間は別のウルトラマンにライブすることは出来なくなってしまうのだが。
『夢……だと? くだらねえな……』
『なんだと?』
『そんなもの、ただの幻想でしか無い!!』
ゼロダークネスは一瞬でセブンに詰め寄り、右掌から放つカッター状の必殺光線「デスシウムショット」を近距離から放とうとするがセブンはゼロダークネスを腕を掴んで背負い投げを繰り出し、デスシウムショットはセブンから外れてしまった。
『デュアッ!!』
ゼロダークネスは足を振り上げて自分の腕を掴んでいるセブンの肩を蹴り付け、セブンはゼロダークネスから離れる。
両手を額に当てて発射する反磁力線「エメリウム光線」をセブンはゼロダークネスに放ち、ゼロダークネスも額のビームランプから光線「エメリウムスラッシュ」を放ち、2人の光線が激突し合い、2人の光線は相殺される。
『ダアアアアア!!!!』
セブンはゼロダークネスに向かって駆けだし、ゼロダークネスはそれを巴投げで投げ飛ばすもセブンは見事に地面に着地して振り返り、再びゼロダークネスに向かって行き、ゼロダークネスに殴りかかるがゼロダークネスはセブンの拳を受け流し逆にセブンの腹部に拳を叩きこんだ。
『オラアア!!』
『デュッ!?』
一方翼は、丁度TV中継が緒川のおかげで中断されたため、これで心おきなく翼は全力で戦えることとなり、翼はシンフォギア……「天羽々斬」を纏った。
翼は飛び上がった「アームドギア」と呼ばれる剣を取り出し、ノイズを何体も切裂いた後、空中へと飛び上がってアームドギアを巨大化させて放つエネルギー刃「蒼ノ一閃」を炸裂する。
さらに逆立ちと同時に横回転し、展開した脚部のブレードで周囲を切り裂く「逆羅刹」で周囲のノイズを切裂く。
「中継が中断された!?」
「シンフォギア奏者だと世界中に知られてアーティスト活動が出来なくなってしまうなんて風鳴翼のマネージャーとして許せる筈がありません!」
緒川は肩で息をしながら中継室でそう言い、これで翼は心おきなく全力で戦うことができるようになったのだ。
翼はマリアの立つ舞台へと飛び上がり、着地するとアームドギアを構えてマリアに向かって行く。
「いざ、押して参る!!」
翼はマリアに斬りかかるが、マリアはマントを操って攻撃を防ぎ、そのまま翼を押し返す。
「このガングニールは、本物!?」
「要約、お墨をつけて貰った。 そう、これが私のガングニール! 何者をも貫き通す、無双の槍!!」
マリアはそう言い放ち、マントで身を包みこみ、高速回転しながら翼に攻撃を仕掛けるが翼はアームドギアでそれを防ぐ。
「だからとて! 私が引きさがる道理など、ありはしない!!」
その時、マリアの通信機から再びあの女性の声から連絡が入る、それは「フォニックゲインが現在22%付近をマークしています」というものだった。
それを聞いたマリアは驚きの表情を浮かべ、翼に対して「隙」を作ってしまい、翼は一度マリアから離れて双剣へと変形させたアームドギアの柄を繋ぎ合わせ、炎を纏わせながら振り回し斬りかかる「風輪火斬」をマリアに繰り出す。
「私を相手に気を取られるとは! 話はベッドで聞かせて貰う!!」
そんな時、翼に向かって幾つかのノコギリのようなものが飛ばされ、翼はそれに気付いて風輪火斬を発動させたままそれを防ぐが……。
さらに黒いスーツにピンクのラインが入ったシンフォギア「シュルシャガナ」を纏った調が現れ、ツインテール部分に装着されている円形の鋸型のアームドギアから小型鋸を大量に射出して攻撃する「α式 百輪廻」が翼へと放たれる。
すると今度は調の背後から今度は黒いスーツと緑色のラインの入ったシンフォギア「イガリマ」を纏った切歌が現れ、鎌型のアームドギアの刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばして左右から挟撃する「切・呪リeッTぉ」が翼へと放たれ翼は前から来る調の攻撃に精一杯だったため切歌の攻撃に対応しきれず、翼はその攻撃に吹き飛ばされてしまう。
「ぐうう!!?」
『翼さん!』
『どこにいくつもりだ夢語り!!』
セブンは翼を助けに行こうとするがゼロダークネスに蹴飛ばされて壁に激突し、セブンは膝を突く。
(ゼロダークネス、聞いていたほどの力を発揮出来ないな。 これはただ単に俺がまだ使いこなしていないだけか……)
そして切歌、調、ゼロダークネスはマリアの元へと集まり、倒れこむ翼を見下ろすマリア達。
「調と切歌に救われなくても、あなた程度に遅れる私ではないんだけどね」
「貴様はそうやって見下ろしてばかりだから勝機を見逃す!!」
『あと、忠告。 その台詞はやられてる方の奴が言う台詞だぜ?』
翼の言葉でマリア達はハッとなって上を見上げるとそこにはシンフォギアを纏った響とクリスがヘリから飛び下り、クリスがガトリング砲でマリア達を撃ちまくり、マリアはマントで防いで他の3人はその場を急いで離れた。
すかさず響の放たれた拳がマリアに放たれ、マリアは反撃するが響の狙いはあくまで「翼の救出」だったため、響はその攻撃を避けて翼を抱えて離れ、クリスとセブンも2人の元へと駆け寄る。
「やめようよ! こんな戦い! 今日出会った私達が争う理由なんてないよ!」
響はそう言ってマリア達に訴えかけるが、調は響のその言葉を聞いて彼女を睨みつける。
「そんな綺麗事を……!」
「綺麗事で戦う奴の言うことなんか、信じられるものかデス!!」
「そんな! 話し合えばどうにかなるよ! だから『偽善者!』えっ?」
響は調に「偽善者」と呼ばれ、響は目を見開く。
「この世界には、あなたのような偽善者が多すぎる……!」
『そしてお前のような叶いもしない夢を語る奴もなぁ!』
『んだと? つーか、どっかで聞いた台詞だなオイ』
セブンはクリスを見つめるとクリスは頭を抱えて「いや、ほんとすまねえ」と謝るが……マリア達は次の瞬間容赦なくセブン達に襲い掛かった。
その時のことだった、コウマの耳に女性らしき人物の声が聞こえたのは……。
『……ダークライブした怪獣や宇宙人は、ギンガでないと倒すことはできない』
『えっ? 誰だ?』
『なにをボーっとしている!!』
ゼロダークネスは謎の声を聞いて戸惑っているセブンに容赦なくゼロスラッガーで斬り付け、セブンは地面へと倒れこむ。
『ぐあああっ!!? ぐう、ギンガでないと倒せないないって前は倒せただろ!』
『それは一度ギンガに変身していたから。 でも、今はギンガになる前に他のウルトラマンにライブしてる。 だから……』
『成程な、分かったぜ!!』
倒れこんだセブンはどうにか立ち上がり、セブンの中にいるコウマは叫びながらギンガスパークを掲げるとギンガスパークのブレードが開き、ギンガのスパークドールズが現れる。
『行くぜギンガ!』
コウマはギンガを掴むとギンガの足にギンガスパークの先端を押し当てる。
『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!』
セブンの姿が変わり、コウマは「ウルトラマンギンガ」の姿へと変わるとギンガはゼロダークネスに向かって駆けだし、ゼロダークネスもギンガに向かって駆けだすとお互いの拳が互いの顔面に直撃する。
『デイヤッ!!』
ギンガは一度ゼロダークネスから少し離れるとすかさず左足の蹴りを放つ、だがゼロダークネスはそれを右腕で受け流して左の肘で肘打ちをギンガの胸部に繰り出した。
『こんの!!』
ギンガは強烈な手刀をすぐさまゼロダークネスに炸裂し、ゼロダークネスは「デスシウムショット」を連続で放つがギンガは全身のクリスタルを赤く発光させ、無数に生み出した隕石状の火炎弾を放つ「ギンガファイヤーボール」をゼロダークネスに放つ。
そしてデスシウムショットとギンガファイヤーボールが激突し、どちらの技も最終的にはかき消された。
その頃、響達はというと……再び調が歌を口ずさみ、α式 百輪廻を響へと放つ調、翼がそれを防いで響を守り、切歌はクリス、調は響、マリアは翼と戦う形となった。
「わ、私は困ってる人を助けたいだけで! だから……!」
「それこそが偽善! 痛みを知らないあなたに、誰かのために言って欲しくない!!」
『なんだと!?』
調の先程の声が聞こえたギンガ、調の方へと振り返って彼女を睨みつけた。
『テメー、さっきから聞いてれば響のことを偽善だとか痛みを知らないだとか! 勝手なことを言うな!! なんでお前にそんなことが……!』
『どこを見ている夢語り!!』
ギンガが調に気を取られている隙にゼロダークネスが跳び蹴りをギンガに叩きこみ、調はツインテール部分を伸縮可能なアームとして扱い、2枚の巨大鋸を投擲する「γ式 卍火車」を響に放つが、クリスと翼がアームドギアでそれを弾いた。
「どんくさいことしてんじゃねえ!!」
「気持ちを乱すな!!」
「あっ、はい!!」
2人に言われて響は気をしっかりと持ち、頷く。
そこに、先程マリアが「マム」と呼んだ女性「ナスターシャ教授」が「ある人物」へと通信を入れ、その人物は「任せろ」とだけ応えて通信を終えた。
『あら、あの教授から連絡があったのね? では行ってきて頂戴?』
ライブ会場の裏では、「ダークダミースパーク」を持った1人の男性と「ナックル星人グレイ」が立っており、男性は頷くとダークダミースパークと1体のスパークドールズをダミースパークの先端に押し当てた。
『ダークライブ! サタンラブモス!』
するとギンガ達のいる場所に身体の所々に「フロンティアスペース」の防衛軍が所持する全ての兵器が合体した怪獣、人間がダークライブした「モンスターマシン サタンラブモス」が姿を現した。
「うわああああ!!!? なにあのロボット!」
「こんなの使うなんて聞いてないですよ!?」
マリアは通信でナスターシャと連絡を取るとナスターシャから返ってきた言葉は「4人とも引きなさい」という撤退命令だった。
サタンラブモスは響達を見下ろすと身体の様々な個所からレーザーを発射し、響達はどうにかその攻撃をかわした。
『ハッハッハッハ!!』
不気味な笑い声を発するサタンラブモス、ギンガもこれ以上サタンラブモスの好き勝手にはさせないために巨大化し、ギンガはサタンラブモスを殴りつけようとするが……動きを突然止めた。
「どうしたのコウマくん!?」
「っ、そうか! 外には避難した奴等がいるから、下手に動けねえのか!」
サタンラブモスは左右のアームを伸ばして先の手錠形ハサミでギンガを殴り付け、ギンガは地面へと倒れこみ、そのままそのアームでギンガの両腕を拘束し、ギンガにレーザーを何発も炸裂させる。
そしてマリア達はギンガ達がサタンラブモスに気を取られている内にその場を去って行き、この場を彼女達はサタンラブモスに任せるのだった。
『うわあああああ!!!? クソ、ここじゃ上手く闘えねえ!』
「ここなら……? だったら翼さん! クリスちゃん!」
「「んっ?」」
翼とクリスの方へと振り返った響は2人に「絶唱……」と小さく呟き、翼とクリスは顔を見合わせて「信じられない」といった表情を浮かべた。
「あのコンビネーションはまだ未完成なんだぞ!?」
「立花らしいが、理には叶っている」
翼は僅かに笑みを浮かべ、響の意見に同意し、クリスは「おいおい、本気かよ!?」と意義を唱えようとするがこの狭い空間ではギンガも上手く戦えない上に未来達も危険に晒してしまう。
それを聞いたクリスは、遂には響の意見に同意することとなり、響は左右に立つクリスと翼と手を繋いだ。
一方、ギンガはサタンラブモスの頭上を飛び越えて背後に回り込むがサタンラブモスはギンガが背後に廻る事は既に予測しており、ギンガがサタンラブモスに振り返るのとサタンラブモスがギンガの方に振り返るタイミングはほぼ同じだった。
『なっ!?』
そしてサタンラブモスから放たれるレーザーがギンガに直撃し、ギンガはどうにかライブ会場を壊さないように踏ん張る。
『このてんこ盛り野郎!!』
ギンガは飛び上がって跳び蹴りを放つが腕のアームをサタンラブモスを伸ばして足を掴みあげて地面に叩き落とし、レーザーを撃ってギンガを蜂の巣にした。
『ぐあああああああ!!!!?』
「行きます! S2CAトライバースト!!」
『えっ? 響!?』
響が今使用しようとしている技、それは絶大な威力を発揮する3人分の「絶唱」を響が中心となって調和し、同時に翼とクリスにかかる絶唱へのダメージを全て響1人に背負わせる大技であり、響は今その技をサタンラブモスに繰り出そうとしているのだ。
「コウマ、退け!!」
「こいつを空中へと吹き飛ばす!!」
『分かった!』
翼とクリスに頷いたギンガは言われた通りその場から離れ、響は全てのエネルギーをチャージした全力全開のパンチをサタンラブモスの下から胸部のドリルに炸裂し、サタンラブモスは空中へと大きく吹き飛ばされた。
「これが私達の!! 絶唱だああああああああああ!!!!!!」
『なんだとおおおおおお!!!!?』
空中へと吹き飛ばされたサタンラブモスはそのままギンガの蹴りを胸部に繰り出され、さらにギンガの連続蹴りがサタンラブモスに炸裂する。
『礼をたっぷりしてやるぜ!』
ギンガはサタンラブモスを掴みあげてさらに空中高く投げるとギンガは素早くサタンラブモスの背後に廻り込み、両腕を前方で交差させた後、S字を描くように左右に大きく広げてからL字型に組み放つ必殺光線「ギンガクロスシュート」をサタンラブモスに発射した。
『ギンガクロスシュート!!』
『くっ、間に合わん!』
サタンラブモスは反撃しようとするも間に合わず、ギンガクロスシュートの直撃を受けて爆発し、サタンラブモスのスパークドールズと変身していた男性は地面へと落っこち、男性は気を失うのだった。
そして男性の元にコウマも降り立ち、サタンラブモスのスパークドールズを回収して響達の元へと戻ろうとするが……。
「待って」
「えっ……? な、なんだ?」
コウマの目の前に現れたのは1人のまだ小学生くらいの少女だった。
「君は……?」
「さっき、君に話しかけた人……なんだけど」
「えっ、ってことはもしかして君がさっき俺に話しかけた……。 あれ? じゃあもしかして君がノアが言っていた……」
コウマの言葉に少女は頷き、自身の名前を名乗った。
「私の名前は、『七瀬(ななせ) リサ』って言うの、よろしくね」