戦姫絶唱シンフォギアGinga   作:ベンジャー

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19Eve 零無の「夢」だったもの

「あいつ等なにしにきてんだ?」

 

コウマはいきなり歌合戦の大会に飛び入り参加をしてきた切歌と調に対して静かにツッコミ、翼と響も顔を見合わせ、「なにが目的なのか分からない」といった表情を浮かべていた。

 

「響、あの娘たちを知ってるの?」

 

響の隣にいた未来が彼女に切歌と調のことを問いかけ、響は少し戸惑いがちにこのことをどう説明するべきか悩んだが突然翼が立ち上がった。

 

「彼女たちは、世界に向けて宣戦布告して私たちに敵対するシンフォギア奏者だ」

 

上手く説明を響ができそうになかったため、助け舟の意味も込めて翼がそう未来に説明し、未来は「ということはマリアさんの仲間なの?」という疑問が出てきた。

 

その未来の表情には不安といったものが含まれていた。

 

当然だろう、ノイズを操って見せたマリアの仲間なのだ、もしかすれば彼女たちもノイズを操れるだけの力を持っているかもしれない。

 

そう思うと未来は少しだけ怖かった……、だが、翼とコウマはお互いに頷き合い、未来の不安を打ち消すように「大丈夫だ」と声をかけた。

 

「この日はお前等にも、クリスにとっても大事な日なんだ。 俺達が絶対にそんなことはさせない」

「あぁ、それに、私の場合シンフォギアを使わずともいざとなれば……」

 

そう言って翼はポケットにしまっているギンガライトスパークを握りしめ、もしもあの2人がノイズを出してきてもこれがあれば正体を隠し、ノイズや切歌達とも戦えると思う翼。

 

しかし、今のところ切歌と調にも今彼女たちと争う気は一切なかった。

 

なぜなら切歌は「この勝ち抜きステージで優勝すればなんでも願いを1つ叶えられる」というものがあったからだ。

 

ここで優勝することができれば、響たちの聖遺物の欠片を正当に奪うことができる。

 

これならば無駄に争う必要もないし、ワザワザ隙を伺って奪うという姑息な手も必要ない。

 

切歌も少し不満げだった調にそのことを説明すると彼女はしぶしぶ切歌の提案に承知した。

 

「このチャンス、逃す訳には……」

「おもしれぇ! やろうってんならこちとらやる準備は整ってる!」

 

クリスは切歌と調に対して喧嘩腰であったが、そんな彼女の頭に後ろからコウマが軽くチョップする。

 

「ハイハイ、そんな喧嘩腰になるなって!」

「コウマ!? だけど、あいつ等……!?」

「あいつ等だってバカじゃない、こんな所で争おうなんてこと考えない筈だ。 それに、多分あいつ等、楽しそうに歌ってるお前を見て自分たちも歌いたくなったんだよ、きっと」

 

クリスの頭を撫でながらコウマがそう言うと、クリスは「えっ?」といった表情を浮かべ、切歌と調を見つめた。

 

コウマは「だから、歌わせてやろうぜ?」とクリスに声をかけるがイマイチ、クリスは納得してくれない様子。

 

そんな彼女にため息を吐いたコウマはクリスの耳にボソッとあることを呟いた。

 

「分かった、じゃあ今夜一緒に弾さんの料理食べに行こう」

「……っ////」

 

コウマがそんなことをクリスの耳元で呟くと彼女は顔を赤く染め、その隙にコウマはクリスの手を引っ張ってステージから出て行き、切歌と調がステージへと上がり、2人はマイクを握り締める。

 

「ここからは私たちのステージデス!!」

「切ちゃん、それ、別の人の決め台詞……」

 

そして、切歌と調が歌うのは……「ORBITAL BEAT」、かつて翼の相棒だった天羽奏がまだ生きていた時に翼とデュエットで一緒に歌った曲……。

 

もちろん、翼は「挑発のつもりなのか」と怪訝そうな表情を浮かべている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じころ、マリア達がいるとある倉庫の中に隠していたヘリの中ではマリアとナスターシャ、零無が同じ部屋で切歌と調の帰りを待っている頃のことだった。

 

マリアは切歌と調が「マリアを守ることが、自分たちの戦いだ」と言っていた言葉を思い出しながら、申し訳なさそうな表情をしていた。

 

「後悔しているのですか?」

 

ナスターシャがマリアにそう問いかけると、マリアは首を横に振って「大丈夫よマム」と言い、零無はマリアの傍に行き、しゃがみ込んだ。

 

「お前のことだ、あの2人に申し訳ないと思ってるんじゃないのか?」

「確かに、少し……。 でも、私に与えられた使命は真っ当してみせる」

 

マリアは零無にそう強く言い放つが、そんな時のことだった。

 

ヘリの周辺を武装した特殊部隊と思わしき者たちが囲んでおり、ナスターシャは監視カメラで確認するとその特殊部隊はナスターシャ曰く「今度は本国からの追手」らしい。

 

もうここが嗅ぎつけられてしまったことにマリアと零無は驚くが、ナスターシャは慌て気味の2人とは違い至って冷静だった。

 

「異端技術を手にしたと言っても、私たちは素人の集団。 訓練されたプロを相手に立ちまわれるなどと思い上がるのは虫が良すぎます」

 

ナスターシャは冷静にそう2人に語り、マリアはナスターシャに「どうするの!?」と問いかけるとナスターシャは「踏み込まれる前に、攻めの枕を抑えにかかりましょう」と提案し、マリアに排撃するように頼む。

 

それを聞いたマリアと零無は、ガングニールの威力では幾らこの手のプロといえど一撃を喰らってしまっては一溜まりもないと主張し、それならば威力の調整ができるゼロダークネスの方が適していると零無はナスターシャに意見するが……。

 

「言っていることが分かりませんか? マリアにそうしなさいと言っているんです。 あなたではない」

「マム……なんで……」

「零無、あなたも見た筈です、マリアはライブ会場の時、観客を逃がした。 それは彼女がまだその手を血に染めることを恐れている……。 覚悟を決めなさい、マリア」

 

すると、兵士達の攻撃が開始され、ナスターシャはマリアに出撃するよう指示するが、やはりマリアは戸惑いの様子を見せる。

 

そして兵士たちが一斉にヘリへと突入した時のことだった、突然兵士の何名かが炭と化し、消滅したのだ。

 

一瞬、マリアはなにが起こったのかわからなかったが、すぐに分かった。

 

こんなことができるのはノイズだけ、しかも自分たちを守るような動きを見せるということは恐らく、ウェルがソロモンの杖で呼び出したノイズだろう。

 

ノイズは兵士たちに一斉に襲い掛かり、零無とマリアは目を見開く。

 

その光景を見て、零無はかつての大切な人物を亡くしてしまった時の光景が頭の中に蘇った。

 

「や……めろ……」

『フッ、出しゃばり過ぎとは思いますが、この程度の相手に、新生フィーネのガングニールを使わせるまでもいきません。 僕がやらせて貰いますよ?』

『ふふ、あたしもお忘れなく』

 

どこから現れたのは「ナックル星人グレイ」も参戦し、右腕からエネルギーでできた鞭を出現させて複数の兵士たちを拘束し、ノイズにぶつけて炭素分解させ、消滅させる。

 

その光景に、遂に耐えられなくなったのか、零無はヘリから出ようとするが当然ナスターシャに止められる。

 

「止めるな!! 幾らあんたでも、俺は黙って人が死ぬのを、もう見たくない!!」

 

零無はダミースパークとゼロダークネスのスパークドールズを取り出すと、ゼロダークネスの足部にダミースパークの先端を押し当て、等身大の「ゼロダークネス」へと変身し、ヘリの外へと出た。

 

『あら? あなたも手伝ってくれるの? 助かるわ~』

 

グレイがゼロダークネスの肩に手を置くが、ゼロダークネスはグレイの腕を掴み上げ、グレイの顔面に力いっぱいの拳を叩きこんで殴り飛ばした。

 

『いやああああああん!!?』

『汚い手で俺に触れるな!!』

 

ゼロダークネスは兵士たちを救おうと兵士たちの元へと駆け出して行き、兵士に襲いかかろうとした複数のノイズを右足に炎を宿らせて跳び蹴りを繰り出す「ダークネスゼロキック」を炸裂し、複数のノイズの身体に大きな穴が空いてノイズ達は消滅する。

 

「あなた! 一体なんのつもりですかぁ!?」

『それはこっちの台詞だ! 殺すことはないだろ!! こうやって俺がこいつ等を追い払えば良いだけの話だ!!』

「あまっちょろいんですよ、あなたは!! 追い払う? そのせいでなにか策を練られたら? そのせいで聖遺物を奪いに行っている2人が帰ってくるところを狙われたらどうしますぅ!?」

 

ウェルの言葉に、ゼロダークネスはなにも言い返せなかった。

 

確かにその通りだ、ここでこの特殊部隊の連中を潰さなければ切歌と調が危ないかもしれない。

 

そう考えると、ゼロダークネスは動きを止めた。

 

ウェルはゼロダークネスが動きを止めた隙に、ノイズに兵士たちを襲わせ、一気に特殊部隊の兵士たちを殲滅していく。

 

『くそ、くそくそくそ!! こいつ等に比べたら、確かに切歌と調の方が大事だ、でも、だからって……納得できるかぁ!』

 

ゼロダークネスはそれでもウェルを止めようとソロモンを狙うが、複数のノイズ達が道を遮り、ゼロダークネスがノイズ達の相手をしている間に、それとは別のノイズ達が兵士たちを襲い、結局……ゼロダークネスは誰1人として救うことができなかった……。

 

『ぐっ、ああ……。 うあああああああああああああ!!!!!』

 

その事実に、ゼロダークネスは悲痛な叫び声をあげ、ゼロダークネスの状態のまま、全力のパンチでもウェルに喰らわせてやろうかと考えたが……そんなことをすれば彼は死んでしまう。

 

彼がこの後の計画に必要な人物である限り、彼をこの姿で全力で殴ることはできなかった。

 

丁度、その頃、倉庫の外にこの騒ぎを聞きつけた野球少年の3人が自転車に乗って現れ、「どうせ工事かなにかだろう」と考えた3人は急いで試合の練習に行こうとしたのだが……。

 

そこにウェルが現れ、彼は「おや~?」と3人の少年の元にゆっくりと近づいていく。

 

マリアは通信機でウェルにやめるように呼びかけるも彼は無反応……。

 

そしてウェルがソロモンからノイズを呼び出し、3人の少年へと襲いかからせ……、3人は炭素と……化さなかった。

 

「はっ……?」

『いい加減にしろよ、テメー……』

 

そこには、いつの間にか3人の少年たちを庇うようにゼロダークネスが2体のノイズを受け止めており、ゼロダークネスは2体のノイズを力任せに持ち上げると空中へと投げ飛ばした。

 

『あ~、酷い目にあったわぁ……。 ってんっ?』

 

しかも運が悪いことに、倉庫から外に出てきたグレイの頭上に先ほど投げ飛ばされたノイズが激突し、グレイはノイズの下敷きとなってしまった。

 

『ギャアアアアアアアア!!!!!?』

 

そんなグレイは無視され、ゼロダークネスは3人の少年の方へと振り返ると3人の少年たちに早く逃げるよう言い、3人の少年たちは「ありがとう!」とお礼を言ってその場を急いで去って行った。

 

「どういうつもりですかあなた?」

『それはこっちの台詞だ。 あいつ等は全くの無関係だろうが! それなのにお前は……、テメーはなにをしようとした!!?』

「はあ、ちょっとグレイ。 彼、ちゃんと心の闇あるんですか?」

 

ウェルが少し疑いの目を向けながらノイズの下敷きになっているグレイに問いかけるとグレイは「そのはずだけど……」とどこか自信がなさ気。

 

『あるさ、心の闇。 だからダミースパークがある。 だけど、俺に心の闇があるからって……人を殺したいとは思わない!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、リディアンでは丁度、切歌と調が歌い終わったところであり、2人の歌が歌い終わった頃には翼はどこか……悲しそうな表情を浮かべていた。

 

「なぜ、歌を歌う者同士、戦わなければならないのか……」

 

これで現時点のチャンピオンであるクリスの点数を切歌と調が超えることができれば彼女たちの勝ち……。

 

クリスはそんな2人に「2人がかりとはやってくれる!」と睨みつけるがまたもやコウマからの軽いチョップがクリスの頭に入る。

 

「イチイチお前はなにすんだよ!?」

「だから、そういうこと言うなって。 楽しめたのなら、勝ち負けなんて関係ないだろ♪」

 

コウマは笑顔でクリスに言い、彼女は頭を抱えて「これだからこいつは……」とどこか呆れた様子を見せる。

 

だが、切歌と調の耳についていた通信機からナスターシャからの連絡が入り、場所を知られた以上は長居はできないと判断したナスターシャが切歌と調の2人に撤退するように指示した。

 

当然、あともう少しでシンフォギアのペンダントが入るというところまで来ているのにここで撤退するのは気が引けた。

 

しかし、ナスターシャの「命令です、退きなさい」という言葉を残して通信を切ったことで2人はしぶしぶ会場から出て行き、響、翼、クリス、コウマも彼女たちのあとを追いかけた。

 

その後、切歌と調を4人が見つけて取り囲み、切歌は苦い表情を浮かべるが……。

 

「4対2、しかもその内の1人はウルトラマンであなた達の味方。 このことから考えて不利なのは私たちだけど……ここで戦ってあなた達が失うもののことも考えて」

「お前! そんな汚いこと言うのかよ! さっき楽しそうに歌ったばかりで……!」

 

クリスが調の言葉に必死な様子でそう言葉を返し、切歌と調はハッとしたかのような表情となり、困惑する。

 

「今はここで戦いたくないだけ……。 そうです決闘デス!! しかるべき決闘を申し込むのデス!!」

「どうして!? 会えば戦わなくちゃいけないって訳でもない……わけでしょ!?」

「「「どっちなんだよ/デス!!!?」」」

 

コウマ、クリス、切歌の3人にツッコミを入れられる響、見事にハモった切歌とクリスは頬を赤く染め、調は「決闘の時はこちらが告げる」と言い残し、切歌の腕を引いてリディアンから出て行った。

 

その後、弦十郎から連絡が入り、4人は先ほどのマリア達のいた場所での被害を調査した後、二課へと戻るとマリアの纏うガングニールが響のガングニールと同じものであることが確認されていた。

 

考えられる例とすれば、米国政府と通じていた了子によってガングニールの一部が持ち出され、造られたものではないかと予想されたが……クリスはそのことに疑問に思うところがあった。

 

「妙だな、米国政府の連中はフィーネの研究を狙っていた。 FISなんて機関を持って、シンフォギアまで作っているのならその必要はない筈……」

「政府の管理から離れ、暴走しているという現状から察するにFISは聖遺物に関する技術や情報を独占し、独自判断で動いていると見て間違いないと思う」

 

クリスの言葉から、翼は予そう測し、弦十郎は自国の政府まで敵に廻してまで彼女たちは一体なにをしようとしているのか分からず、困り果てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ナスターシャはヘリを自動操縦で動かし、モニターでマリアと零無のいる部屋を映し出し、2人の様子を伺っていた。

 

(セレナの意思を継ぐために、マリア、あなたはすべてを受け入れた筈ですよ……。 もう迷っている暇などないのです)

 

一方、零無は一度マリアのいる部屋から出るとポケットからマリアの妹であるセレナの写った写真を取り出し、零無はそれを悲しそうに見つめた。

 

(セレナ……、お前に会いたいよ……。 会って、言いたい。 『ずっと好きだった』って……)

 

それは、数年前の出来事、まだナスターシャやマリアがある研究施設で聖遺物の研究を行っていた時のことだ。

 

零無は幼馴染でもあるセレナのことが好きだった、しかし、それを言える勇気が零無にはなかった。

 

そんなある日、「今日こそは彼女に告白しよう」と零無は覚悟を決め、セレナに告白するタイミングを見計らった。

 

だが、現実は零無にそれを許してはくれなかった。

 

その時、研究施設で研究していた「ネフィリム」が暴走し、暴れだしたのだ。

 

これは「歌を介さず、強制的にネフィリムを起動させてしまったせい」だとナスターシャは言っていた。

 

それを聞いたセレナは、「私、歌うよ」と突然言い出したのだ。

 

セレナの言う歌、それは人体にかなりの負担をかける「絶唱」、セレナはそれを使おうというのだ。

 

「やめろ、セレナ! 下手をすれば絶唱は命にも関わるかもしれないんだぞ!」

 

当然、零無やマリアも彼女を止めようとした……、しかし、セレナは……。

 

「私の絶唱でネフィリムを起動する前の状態にリセットできるかもしれないの!」

「そんな賭けみたいな! もしそれでネフィリムを抑えられなかったら……!」

「……その時は、マリア姉さんと零無がなんとかしてくれる。 FISの人たちがなんとかしてくれる。 私だけじゃない、だから、なんとかなる! ギアを纏う力は、私が望んだ力じゃないけど、この力でみんなを守りたいと望んだのは、私なんだから……」

 

セレナは零無とマリアに向けて微笑み、それでも零無はセレナの腕を掴んで引きとめた。

 

「零無、心配してくれて有難う。 でも、ここにいる人たちを、救うためだから。 みんなが死ぬのは、嫌だから……。 だから、大丈夫だよ?」

「……っ」

 

セレナは今にも泣き出しそうな零無の頬を撫で、零無は「必ず、生きて帰ってきてくれ」とセレナと約束し、セレナはそれに笑顔で頷くと彼女は「白銀のシンフォギア」を纏ってネフィリムのもとへと向かった。

 

そしてセレナは歌った、ネフィリムを止めるために「絶唱」を……。

 

結果、絶唱の力でネフィリムは起動する前に狙い通りリセットされた、だが、絶唱の威力で周辺が破壊され、セレナの周りには炎が巻き起こっていた。

 

「「セレナ……!!」」

 

マリアと零無がセレナのもとへと駆け寄ろうとするが、炎で中々近づくことができなかった。

 

マリアは助けを求めたが、研究者たちは「貴重な実験サンプルが自滅したか!」「実験はただじゃないんだぞ!」「無能共め!!」と心無い言葉しか吐かず、零無は研究者たちを睨みつけた。

 

「どうしてそんなこと言うの!! あなた達を守るために血を流したのは私の妹なのよ!!」

 

セレナは目や、口から血を流しながらマリアの方へと振り返り、マリアと零無は彼女の元へと行こうとするが、瓦礫が2人の元に降り注ぎ、それをナスターシャが身を呈して庇った。

 

同時に、セレナは崩れる瓦礫の中へと消えていった。

 

「「セレナ!! セレナあああああああああああああああ!!!!!」」

 

マリアと零無はセレナの名前を叫び、零無は拳を地面に叩きつけた。

 

「帰ってくるって言ったじゃねえかよ……!! なのに、なのに!! なんで、セレナ……。 うあ……うああああああああ!!!!! うわあああああああああ!!!!」

 

それから零無は、その場で悲しい叫び声をあげ続けた……。

 

時は戻り、現在……。

 

零無はセレナの写真をポケットにしまい、両手で顔を覆った。

 

「セレナ、知ってるか……? お前に『好きだ』って言うこと。 それが俺の……『夢』だったんだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、決闘のことを知ったウェルはそれを利用して響たちをカ・ディンギルの跡地にノイズを出現させておびき寄せ、彼女たちのシンフォギアを奪う作戦に出るのだった。

 

「決着をつけるには、お誂えむきの場所ということか」

 

響たちは決闘の場所であるカ・ディンギルの跡地へと足を運ぶと、そこにはウェルが待ち構えており、ウェルはソロモンからノイズを召喚する。

 

「テメー!」

 

クリスはウェルを睨みつけ、響、翼、クリスは「歌」を口ずさんでシンフォギアを纏う。

 

「これ、前々からザムシャーくらいか、それ以上にカッコいいと思ってたんだよなー。 バルタンだよなこれ?」

 

コウマはそんなことをボソボソと呟いているため、クリスと翼は「いいからさっさと変身しろ!!」とツッコまれ、コウマは苦笑しつつ頷き、スパークドールズの足部にギンガスパークの先端を押し当てる。

 

『ウルトライブ! バルタンバトラー・バレル!』

 

コウマは通常のバルタン星人よりかなり機械的で、右手のハサミには剣が内蔵されているほか、左手は鉤爪状の5本指になっている「バルタンバトラー・バレル」へと変身し、響たちと共にノイズと戦い始める。

 

挿入歌「正義を信じて、握りしめて」

 

響はノイズを纏めて殴り飛ばし、翼とバレルはアームドギアと右手のハサミでノイズ達を切り裂き、クリスはガトリング銃に変形したアームドギアでノイズ達を撃ちまくる。

 

「調ちゃんと切歌ちゃんはどうしたの!?」

「あの娘達は謹慎中です。 だからこうして私が出張ってきているのですよ。 お友達感覚で計画に支障が出ては困りますので」

 

響の問いにウェルはそう応え、翼は一体なにを企てているのか問いかけたがウェルは「企てるとは人聞きが悪い」と返し、人差し指を月へと向ける。

 

「我々が目指しているのは、人類の救済!! 月の落下にて損なわれる、婿の命を可能な限り救い出すことだ!?」

『オイ、そりゃ一体どーいうことだ!?』

 

バレルがマフラーを操ってノイズを拘束し、空中に投げ飛ばして右手のハサミで切り裂きながらウェルに質問する。

 

「月の公転軌道は各国機関が3か月前から計測中、落下などという結果が出たならば黙っている筈が……」

「黙ってまいるに決まってるじゃないですか!? 対処方法の見つからない極大最悪など、さらなる混乱を招くだけです。 不都合な真実を隠蔽する理由など、幾らでもあるのですよ!!」

 

それを聞いたクリスは、「まさかこの事実を知る連中は自分たちだけが助かる算段を立てているのでは……」と思い、それを口にするとウェルは「さあ、どうでしょう?」と惚ける。

 

「だとしたらどうします? あなた達なら、対する私達の答えが……?」

 

するとそこに巨大な人型ノイズが3体現れ、それぞれ響、翼、クリスに腕を振り下げて襲いかかってくるが……。

 

『あいつ等は俺に任せろ!!』

「任せた! 来元!!」

 

バレルは腰の装甲を分離し手裏剣として組み合わせ敵に飛ばす「サイクロンソーサー」を4体の巨大ノイズに繰り出して切り裂く。

 

『サイクロンソーサー!!』

 

さらにバレルは分身を作り出せる分身能力「ディフェンスブランチ」を発動し、巨大ノイズ4体を囲み、巨大ノイズは無数に分身するバレルに困惑する。

 

バレルはノイズ達の隙を伺い、隙を突いてバレルは破壊光線のエネルギーを右手の剣に集めて敵を切り裂く「白色破壊斬」を繰り出し、何度も巨大ノイズを切り裂く。

 

『これでとどめだ!!』

 

最後にバレルはもう1度サイクロンソーサーを繰り出し、4体のノイズを一気に切り裂いて4体のノイズは消滅し、バレルは地上へと降りたった。

 

だが、そんな時のことだ、横から黒い光弾のようなものがバレルに直撃し、吹き飛ばされたバレルはそのまま何発もの光弾を喰らって地面に倒れ、変身が強制解除された。

 

「ぐあああああああああ!!!!? って、お前は……!?」

 

コウマは光弾が放たれた方向を見るとそこには等身大のゼロダークネスが立っており、ゼロダークネスはコウマにゆっくりと近づいてくる。

 

(なにが夢だ、俺はもう、夢を叶えることができない!! 俺のことを知らない癖に、こいつは夢がなんだのと……。 ムカつく奴だ……!! んっ?)

 

その時、ゼロダークネスは自分の足もとになにかがあることに気づき、それを拾い上げる。

 

「なっ、しまった!!?」

 

ゼロダークネスが拾い上げたもの……、それは、「初代ウルトラマン」と「ウルトラセブン」のスパークドールズだった。

 

恐らく、先ほどの攻撃の際にコウマが落してしまったのだろう。

 

『面白い……!』

 

ゼロダークネスは右手にダミースパークを出現させ、初代ウルトラマンのスパークドールズの足部にダミースパークの先端を押し当てようとしたが……。

 

『やめろ!! 兄さんたちを悪用するな!! ゼロも返すのだ!!』

 

突然現れたタロウがスパークドールズを取り返そうとするがゼロダークネスは腕でタロウを弾いて一蹴し、タロウをコウマが受け止める。

 

「大丈夫かタロウ!? 悪い、俺のせいで……」

『気にするな、それにしてもやっぱり早く大きくなりたい……』

 

そして、ゼロダークネスはダミースパークにスパークドールズを押し当て、黒い初代ウルトラマン、「ウルトラマンダーク」へと変身したのだ。

 

『ダークライブ! ウルトラマンダーク!』

「この野郎、絶対取り返してやるからな!!」

 

コウマがギンガスパークを掲げるとギンガのスパークドールズが現れ、ギンガスパークに押し当てる。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!!』

 

コウマは等身大の「ウルトラマンギンガ」へと変身し、ギンガは飛び上がって右拳をウルトラマンダークへと繰り出すがウルトラマンダークはそれをかわしてギンガの腹部に蹴りを叩きこみ、怯んだ所を狙ってさらにギンガの胸部に殴りかかろうとするがギンガはそれを受け止めて膝蹴りをウルトラマンダークに繰り出した。

 

『へアアア!!?』

『ショウアア!!』

 

さらにギンガは自分から離れたウルトラマンダークに跳び蹴りを繰り出すが、腕を十字に組んで放つ必殺光線「スぺシウム光線」をギンガに放ち、ギンガは撃墜されて地面に倒れこむ。

 

一方で、クリス達は……、地面から飛び出してきたネフィリムに吹き飛ばされて地面に激突したクリスは気を失い、翼は彼女の元に駆け寄るが……。

 

以前響が拘束されたものと同じ液体を出すノイズが2人を拘束する。

 

ちなみに、なぜか以前と違って白いせいで薄いh(ry

 

ネフィリムは2人に襲いかかろうとするが、響がネフィリムを蹴りつけ、ネフィリムと戦闘を開始する。

 

「ルナアタックの英雄よ!! その拳でなにを守る!! そうやって君は、誰かを守るための拳でもっと多くの誰かを、ぶっ放して見せる訳だああああああ!!!!」

 

そのウェルの言葉に、以前響は調に「偽善者」と言われた時の言葉を思い出し、一瞬動きが鈍ってしまう。

 

その隙をネフィリムは見逃さず、響が繰り出した左手を……パクリと……噛みついた。

 

「……えっ?」

 

そのままネフィリムは響の左腕を……食い千切り、ムシャムシャと食べて飲み込んだ。

 

「立花ぁ!!」

『響いいいいいいいいいいいいい!!』

 

翼とコウマが響の名前を叫ぶように呼ぶ。

 

『ッ、ウェル……! お前……!!』

 

ウルトラマンダークはウェルを睨みつけ、響は……。

 

「え……あっ……、うあああああああああああああああああああ!!!!!!?」

 

恐怖のあまり、絶叫した……。

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