「いったああああああああああ!!!!!! パクついたぁ!! シンフォギアをぉ!! これでぇ!!」
ウェルがそんな風に叫び声をあげ、響は恐怖と痛みに顔を歪めてその場に膝を突き、その光景にはギンガもウルトラマンダークですら驚きの表情を浮かべていた。
『あんのゲス野郎……!!』
『響!!』
ギンガはネフィリムの方へと駆け出していくとギンガは素早くネフィリムを蹴りあげ、それに続いてウルトラマンダークもネフィリムに向かっていき、ネフィリムを殴りつけてネフィリムを響から引き離す。
『お前……!』
『集中しろ、ネフィリムをあの娘から引き離すぞ!!』
ウルトラマンダークの言葉にギンガは頷き、ギンガとウルトラマンダークは2人同時にネフィリムの腹部を殴りつけるとネフィリムは吹き飛び、地面に叩きつけられる。
しかし、ネフィリムはすぐさま起き上がり、ギンガとウルトラマンダークに向かっていくが、ウルトラマンダークの中にいる零無はダミースパークの先端にセブンのスパークドールズの足部を押し当てて黒い姿のウルトラセブン……「セブンダーク」へと変身した。
『ダークライブ! セブンダーク!』
セブンダークは腕をL時に組んで放つ必殺光線「ワイドショット」をネフィリムに向かって発射し、それを喰らったネフィリムは大きく吹き飛ばされて地面に倒れこんでしまった。
「なななな! いーったいなにしてるんですかねぇ!? お前はぁ!! ネフィリムを傷つけて我々の計画が進まなくなるでしょうがぁ!!」
『心配せずとも破壊しない程度に手加減はしている!! それに『なにをしている』というのは俺の台詞だ! 彼女の腕を食わせるなんてなにを考えてる!? 幾らなんでもやり過ぎだ!!』
その頃、セブンダークと同じようにヘリの中からモニターで見ていた切歌や調もこの光景を見て唖然としており、同時に怒りも見せていた。
そしてそれを見た切歌は壁を殴りつけ、「あの奇天烈!!」とモニター越しにウェルを睨みつけていた。
「どこまで道を踏み外してやがるですか!!?」
「ネフィリムに聖遺物の欠片を餌と与えるって……そういう……?」
さらにそれを見たマリアはどこかに行こうとするがそれをナスターシャに止められ、ナスターシャは「あなた達に命じているのはこの場での待機です」と言い、マリアはナスターシャに向かって振り返る。
「あいつは!! ただ人の命をただ弄んでるだけ!! そんなことが私達の為すべきことなのですか!!?」
マリアはそうナスターシャに問いかけるがナスターシャは黙ったままでなにも答えず、代わりに切歌と調が口を開いた。
「私たち、ただしいことをするんですよね?」
「間違ってないとしたら……どうして……こんな気持ちになるの?」
切歌にも調にもマリアにも今ここにいない零無にもこんなことになってしまったことへの罪悪感が胸にたまって仕方がなかった。
だが、そんな彼女たちに非情にもナスターシャは「その優しさは、今日限りで捨ててしまいなさい。 私たちには微笑みなど必要ないのです」とバッサリ切り捨てたのだ。
その言葉を聞いたマリア達はなにも言い返さず、マリアはそのままここから出て行き、すぐさまその場に座り込んでしまうのだった。
そして場所は戻り、ギンガとセブンダークはなるべく響や、響の腕を食ったことから翼やクリスにも同じような被害が及ばないようにと考え、2人は出来るだけネフィリムをシンフォギア奏者の3人から遠ざけた。
最も、なるべく倒さないようにセブンダークは加減しており、ギンガがネフィリムを倒しそうになれば即止めるつもりでいた。
(しかし、妙にネフィリムの奴反撃してこないな……?)
あんなに凶暴な性格をしているネフィリムが自分たちのなかなか反撃してこないことにセブンダークは疑問を感じたが、その疑問に応えるかのようにウェルが叫んだ。
「完全聖遺物ネフィリムは、いわば自律可動する増力路!! 他のエネルギー体を暴食し取り込むことでさらなる稼働を可能とする!! さあ始まるぞ、聞こえるか!? 覚せいの鼓動、この力がフロンティアを浮上させるのだぁ!!」
ウェルはそう大笑いしながら叫び、一度ネフィリムはギンガとセブンダークから距離を取って動きを一度止め、どんどんその姿を変えていき、身体の色が白身のかかった色から黒く染まっていき、さらに巨大な姿へと変化していく。
だが、変化が起こったのはネフィリムだけではなかった。
「ううううう、うあああああああ!!」
突然、響が先ほどにも増して呻き声のような声を発し始め、彼女の身体が黒く染まっていき、彼女は立ち上がるとネフィリムを睨みつけて響は獣のように雄たけびをあげた。
それと同時に彼女の腕が再生して元に戻り、ギンガや翼はそんな響の姿に見覚えがあった。
それはかつてルナアタック事件の戦いの時にフィーネによって目覚めさせられた姿であり、それは響が「暴走」した時の姿である。
「ギアのエネルギーを腕の形に固定!? まるで、アームドギアを形成するかのように……!!」
『つーか、また暴走かよ響の奴……! 世話が焼ける……!』
ギンガは響を止めようと彼女に向かっていこうとするが、彼女はギンガの頭上を飛び越えてネフィリムの元まで行き、ネフィリムの懐に入ってアッパーカットを炸裂した。
そしてそれを見たウェルはこのままではネフィリムがやられる可能性があると思い、ウェルは「や、やめろー!!」とここで初めて余裕のない表情と焦りを見せ始めた。
セブンダークも流石にネフィリムがやられるのはまずいと思ったのか、ネフィリムと響の間に割って入り、セブンダークは響に向かって拳を振るい、響もセブンダークとほぼ同じタイミングで拳を振るってぶつけあわせた。
しかし、幾らシンフォギアを纏っているといえどやはりウルトラマンとの力の差は歴然としており、あっさりと響は吹き飛ばされて地面に叩きつけられてしまう。
だがそれでも響は立ち上がって雄たけびをあげながらセブンダークに突っ込んでいくが、セブンダークは姿をウルトラマンダークに変化させる。
『ダークライブ! ウルトラマンダーク!』
『おい!! やめろ、響に手を出すんじゃねえ!!』
そこでギンガがウルトラマンダークを止めに来るがウルトラマンダークはそんなギンガに「心配するな、黙って見てろ!!」と怒鳴り、ギンガは黙りこむ。
ウルトラマンダークへは響の方に向き直ると高速スピンを行いながら発射したリング状の光の鎖で敵を締めつける「キャッチリング」を響へと放ち、響を拘束させるが……響は足が拘束されていなかったためその状態のまま突撃し、回転するウルトラマンダークに跳び蹴りを叩き込んだ。
『ぐあああ!!?』
「ウアアアアアアアア!!!!!」
響はそこからネフィリムに狙いを戻し、ネフィリムへとまっすぐ突き進むと響はすかさずネフィリムを殴り飛ばす。
「ああああ、成長したネフィリムはこれからの新世界に必要不可欠なものだ……それを!! それをおおおおお!!!!?」
響は当然ウェルの言葉など聞くはずもなく、ネフィリムに攻撃を加えるがネフィリムを反撃して響を殴り飛ばすがすぐに響はネフィリムへと突っ込んでネフィリムの腹部に体当たりを叩き込む。
「うあああああああ!!!! やめろおおおおお!!!!」
そこでウェルがソロモンを使ってカエル型の巨大ノイズが出現したが、その巨大ノイズはギンガが腕をL時に組んで放つ「ギンガクロスシュート」で粉砕された。
『ギンガクロスシュート!!』
「貴様ぁ!! なにを!!?」
『響にあんな酷いことしたんだ、これくらい軽い方だろうが!!』
一方、ネフィリムは勝てないと察したのかその場から逃げだそうとするが響がネフィリムの背中に向かって跳び蹴りを叩き込み、ネフィリムの背中に腕を突っ込んでネフィリムの心臓部を引っ張りだす。
それを響は放り捨てるとそこから響は跳びあがり、右腕が槍状に変化して背中にその槍を突き刺しネフィリムは爆発して消滅し、その際の衝撃で翼とクリスを捕えていたノイズも消滅した。
この様子を見ていたナスターシャは響のこの状態は「生命力の低下が胸の聖遺物の制御不全を引き起こした」のだという。
「ひいいい!! ひい、ひいいいいいい!!!!?」
完全に暴走状態の響に恐怖感を抱いたウェルはソロモンを持って急いでその場から去ろうとするが、響はそれを逃がすまいとウェルを追いかけようとする。
そこに翼とクリスが響の両腕を掴んで彼女を引き止め、翼とクリスの2人は響に言葉をかける。
「止せ立花!! もういいんだ!!」
「お前、黒いの似合わないんだよ!!」
『翼さん、クリス!! そのまま抑えといてくれ!!』
ギンガは全身のクリスタルを緑色に発光させ、相手の頭上から浴びせる鎮静光線「ギンガコンフォート」を発動させる。
『戻れ響!! お前の仲間や、未来のことを考えろ!! ギンガコンフォート!!』
「うあああああああ!!!! うああああああああ!!!!?」
ギンガコンフォートを喰らった響は身体から黒い煙のようなものが抜けていき、やがて響は大人しくなってシンフォギア共々強制解除されて元の格好に戻り、響は気を失った。
「立花しっかりしろ!! 立花!!?」
『んっ? 響の……腕が戻ってる……?』
ギンガと翼は響の左腕が元に戻っていることに気づき、ギンガは腕が元に戻ったならそれでいいと思ったが翼はそうは思わなかった。
『大丈夫だよ翼さん、響は気を失ってるだけだ。 でも、すぐに医療班は呼ぶべきだ』
「あぁ、分かった!!」
*
すぐさま医療班によって医療室に響は運ばれた。
そして響は今、昔の夢を見ていた……、2年ほど前のツヴァイウイングの会場でノイズに襲われた時のことだ。
その会場には、観客、関係者あわせて10万を超える人間が居合わせており、死者、行方不明者の総数が、12874人にのぼる大惨事だった。
被害者の総数12874人のうち、ノイズによる被災で亡くなったのは全体の1/3程度であり、残りは逃走中の将棋倒しによる圧死や避難路の確保を争った末の暴行による傷害致死であることが週刊誌に掲載されると一部の世論に変化が生じ始めた。
死者の大半が人の手によるものであることから、生存者に向けられたバッシングがはじまり、被災者や遺族に国庫からの補償金が支払われたことから苛烈な自己責任論が展開されていくことになった。
週刊誌の記事内容は取材に基づいた正確なものであったが気持ちを煽る華美な修飾語の数々に踊らされた人々は正しさを振りかざして主にインターネット上に持論を繰り広げ、それはやがてこの事件に関係もなければ興味もない人間までも巻き込みある種の憂さ晴らしとして狂熱的に扱われることとなった。
心ない中傷もマジョリティという後ろ盾に支えられることで正論と化し自分の意見でなく「他のみんなも言ってるから」という正体を失った主張がまかり通るともはや中世の魔女狩りやナチスの蛮行にも等しく、正義の暴力として吹き荒れるのであった。
善良な民衆が懐く市民感情は、どこまでもねじれ、肥大化し、ただ「生き残ったから」という理由だけで惨劇の生存者たちを追い詰めていく。
もちろん、一連のムーブメントに対する反対派も存在していたが付和雷同という大多数の民衆が持つ本質によって封殺され、しばらくは大きなうねりの中に埋没することを余儀なくされていた。
そして響の環境も今までとは打って変わることとなった。
ライブ会場の被害者のひとりに、響の通っていた中学校の1人の男子生徒がいた。
彼はサッカー部のキャプテンであり、将来を嘱望されていた生徒であったがなぜ彼が死んで取り立てて取り得のない響が生き残ったのかと責め立てられる。
少年のファンを標榜する一人の女子生徒のヒステリックな叫びから始まった攻撃は、やがて全校生徒にまで広がっていったのだ。
しかもそれだけではなく、父親の会社の取引先の社長令嬢もまた、この一件にて命を落としていたのだ。
響の父も当初は娘の命が助かったことを喜び、周囲に喧伝していた父親であったが、取引先社長の耳に入ることで契約は白紙となり響の父親はプロジェクトから外されることとなってしまった。
以降、社内の持て余すような扱いにかつてのプライドは引き裂かれて酒量が増え、家庭内でも大きな声や手を父親はあげるようになった。
元々、立花家への入り婿だったためか、ある日、会社に行くといったまま行方をくらませ、何もかもを放り出したまま二度と家に戻ることはなくなってしまった。
学校でも家庭でも、少女が抱え込むには大きすぎる理不尽に苛まれる響。
誰かのためにと奔走する少女は、その誰かから踏みにじられた過去を持つ少女でもあった。
相互の不理解が浮き彫りにする人の心の暗部、嫌というほど見せつけられ、それでも響が誰かを信じることができるのは、人と人の間には、たしかに「陽だまり」があることを知っているからである。
そしてなによりも、自分を見捨てず、尚且つ自分を守ろうとしてくれた親友の少女と友人の少年がいたから。
例えどんなに自分を他の誰かが責めようとそれだけでも響にとっては心の支えだった。
しばらくして、響が目を覚ました時……自分の隣に1つの紙を持ったタロウがその場にいた。
「タロウさん……?」
『響、君の親友からだ』
タロウがそう言うと響はタロウからその紙を受け取り、響は紙を開くとそこには「早く元気になってね。 未来」と書かれていた。
(……私のやってることって、調ちゃんの言うとおり偽善なのかな? 私が頑張っても誰かを傷つけて悲しませることしかできないのかな?)
そこでタロウは響の様子に気づいたのか、「どうかしたのか?」と彼女に問いかけた。
「ねえ、タロウさん……? 私のやってることって、偽善……なのかな?」
『あの調という少女に言われたことか』
響は黙り込んだままタロウの言葉に頷き、タロウはしばらく考え込む素振りを見せた後、タロウは響に応えた。
『偽善というのは善人らしく見せかけるという意味だ。 君はそれを見せかけているのか? 君はなんのために人助けをしたいと思った、正義のためか?』
「それは……タロウさんは、どうなんですか? ウルトラマンは、正義の味方なんでしょ?」
『違うな』
そんなタロウの返答に響は「えっ?」と首を傾げ、響は今のタロウの言葉は一体どういう意味なのかを問いかけた。
するとタロウから返ってきた言葉はこうだった。
『私たちウルトラマンは正義のためではない。 すべての宇宙の平和のために平和を願い、今まで戦ってきたのだ。 それが我々ウルトラマンの願いだからだ』
正義と平和、一見同じような意味にも見えるが……、先ほどタロウはその「平和」を「願い」と言った。
それはコウマが「夢」を追いかけるようにタロウ達ウルトラマンもまた、宇宙を平和にするという「夢」に向かって日々戦ってきた。
そんなウルトラマン達の行いは「正義」とも言えるかもしれない、だがこれはウルトラマン達の「願い」であり、「夢」でもある。
『響、君の夢はなんだ?』
「私の……夢?」
『誰かの命を救うことか?』
タロウにそう問われる響だが、彼女は調に言われた言葉もあってうまくタロウの問いかけに応えることができず、言葉を詰まらせていたがタロウは響に背を見せる。
『答えは今すぐでなくてもいい、だが響、もしも君の夢が見つかった時は……その時は、私に教えてくれ』
「……はい、ありがとうございます、タロウさん。 相談に乗ってくれて」
タロウは一度自分に向けて笑みを浮かべる響に対して頷いた後、テレポートしてタロウはその場から消え、響は上半身を起こして胸のガングニールの傷を見つめようとした時、彼女の胸から瘡蓋のようなものが落ちた。
「瘡蓋……?」
*
翌日、翼とコウマは弦十郎に二課のある場所へと呼ばれ、弦十郎はあるものが入ったケースを翼に手渡した。
それは弦十郎曰く、メディカルチェックの際に採取された響の体組織の一部らしく、そのケースには黄色のクリスタルのようなものが生えた石ころのようなものが入っていた。
「これが、響の身体に?」
「身に纏うシンフォギアとしてエネルギー化と再構成を繰り返してきた結果、体内の侵食進道が進んだのだ」
弦十郎は真剣な表情で響のレントゲン写真を見つめており、その写真には心臓から身体に至ってかなり太い血管のようなものが映っており、それがガングニールが響の身体に侵食していることを示していた。
「えっと、つまり響とガングニールが融合を始めたってことか?」
「そうだ、そしてこれが響くんの爆発的力の源だ」
翼は弦十朗にこの融合が響に与える影響はなんなのかを問いかけると、弦十朗は言いづらそうに口を開く。
「遠からず、死に至るだろう」
それを聞いたコウマと翼は、驚きの表情を浮かべて唖然とした。
「立花が、死ぬ!? バカな!!」
「嘘……だろ? おい!!」
弦十朗曰く、例え死ぬことがなかったとしてもこれ以上の進行は響自身が異形の存在となる可能性が高く、どちらにせよ響に対して救いがないことに翼もコウマもなにも言えなかった。
「……なんで、なんで俺にも教えたんですか?」
「……君なら、響くんをなにか救う方法があるかもしれないと思ったこと、響くんが昨夜暴走状態になった場面を見たこと、この2つが理由だ」
それを聞いたコウマは頷き、「分かりました、響を助けられそうなウルトラマンや怪獣がいないかを調べてきます」と応え、弦十朗はコウマに対して頷いた。
*
その後、翼とクリス、響の3人は人気のない場所で3人で会っており、少しばかり様子のおかしい翼にクリスは気づき、もしかして弦十朗になにか言われたのではないだろうかと思い、それを翼に問いかけてみた。
「手強い相手を前にしてイチイチ暴走しているような半人前をまともな戦力として数えるなと言われたのだ!!」
「……えっ!?」
突然、翼にそんなことを言われて目を見開く響。
「戦場に立つなと言っている。 足手纏いが二度とギアを身に纏うな!!」
そんな態度を翼は響に取り、彼女は響の肩を力強く押し、それを見たクリスは翼に突っかかる。
「お前!! それ本気なのか!? おい!! なんとか言ったらどうだ!!?」
クリスは翼に詰め寄るが翼はクリスとは顔も口も合わせず、沈黙を貫き通し、そこに響がクリスの名を呼んだ。
「いいよ、私が暴走したのも……半人前なのも、ほんとのことだから……」
「FISには私と雪音、来元で対応すればいい。 行方を眩ませたウェル博士についても二課の情報部が中心となって捜査を続けている。 たかが知れている立花の助力など、無用だ」
響はそんな翼の言葉に「えっ……?」と目を見開いてショックを受け、翼はそのまま去っていくことになったがそんな彼女を「待ちやがれ!!」とクリスが追いかけた。
*
その頃、マリア達の乗るヘリではナスターシャが突然血を吐いて倒れてしまい、ナスターシャを診れるのはウェルだけだということで切歌と調の2人は零無と合流し、そのまま3人で行方不明となったウェルを探すことになり、今現在ヘリの中にはマリアとナスターシャだけがいた。
マリアは眠っているナスターシャの隣で「歌」を口ずさんでおり、気がついたナスターシャはそんなマリアの歌声を優しい表情を浮かべながら聴いていた。
(ふふ、優しい声……。 マリアだけではない、私は……優しい娘達に十字架を背負わせようとしている。 私が、間違っているのかもしれない)
ナスターシャはそう思いながら身体を起こし、そこに丁度零無達から連絡が入り、それにナスターシャが通信に出る。
「私です」
『も、もしかして! もしかしなくてもマムデスか!?』
『具合はもういいの?』
『よくても俺達がドクター見つけるまで寝てろよ、マム?』
通信機を通して切歌、調、零無の3人のナスターシャを心配する声が聞こえ、切歌は言い辛そうに待機している筈の自分達が出歩いている理由を言おうとしたが……ナスターシャは怒らず、優しい口調で「分かっています」と伝えたのだ。
『マムの容態を診れるのはドクターだけ、でも、連絡が取れなくて』
「2人ともありがとう。 では、ドクターと合流次第連絡を、ランデブーポイントで通達します」
『了解デス!!』
切歌が応えた後、通信を終え、場所は変わって零無達のいる場所では……。
そこは昔、響達がフィーネとの最終決戦で戦った場所であり、あちこちにその傷跡が周りに残っている場所に、零無達は来ていた。
「まさか、マムが出るとは思っていなかったデスよ!」
「怒られると思ってビクビクしてたもんな?」
零無は切歌に悪戯っ子のような笑みを浮かべて意地悪なことを言うと切歌は顔を真っ赤にして零無のスネを蹴りつけ、零無は蹴られた足を抱えてピョンピョン飛び跳ねた。
「うるさい……デス!!////」
「がっ……!!? す、スネを蹴るんじゃねえ!!?」
「それにしても、マムが無事で本当に良かった」
調達はナスターシャが元気になってくれたことに安心し、すると切歌は安心したためかお腹を空かせてしまうのだった。
「どっか食いに行くか?」
「今日は、朝からなにも食べてないから」
切歌と零無はどこかで食べて行こうかと考えたが、調は「ドクターを早く探すべき」だと判断し、確かにここは彼女の言うとおり、ウェルを優先した方がいいだろうと考え、切歌と調は手を繋いで走り、零無はそんな2人の後を追いかけた。
(こいつ等のこういうところ見てると、少しだけ……癒されるな)
零無は自分の前を仲良く走る2人を見てほんの少し、くすりと笑みを浮かべた。
*
『ダークライブ! ロックイーター!』
一方、ナックル星人グレイは手頃な心に闇を持つ人間を見つめ、その人間に怪獣に変身させるとグレイは恐竜のような凶悪な姿をした「凶暴竜 ロックイーター」を出現させ、ロックイーターの頭に乗ってウェルを探す。
『ああ~んもう!! あの男がいないと支配者様が困るのよぉ! もう勝手にどこかに行っちゃって……!』
だが、こんなバカデカイ怪獣を街に放てば誰も目撃していない訳もなく……、その1人としてちゃっかりコウマに目撃されていた。
「人探すんだったらもうちょいまともな奴いただろ」
そうツッコミを入れながらコウマはギンガスパークと1体のウルトラマンのスパークドールズを取り出し、スパークドールズの足部にスパークの先端を押しあえてる。
「行くぜ!!」
『ウルトライブ! ウルトラマンガイア!!』
コウマの身体が赤く光るとコウマは胸部が黒いプロテクターとなっている赤い巨人「ウルトラマンガイアV2」へと変身し、ガイアは大地へと着地した。
『ジュアアア!!』
ガイアはファイティングポーズをとり、少しだけロックイーターの出方を伺ったが、向こうからは仕掛けてきそうになかったため、ガイアはロックイーターへと向かって駆け出す。
当然グレイはロックイーターの頭から離れて離脱したが。
『ダアアア!!』
ガイアは跳びあがって跳び蹴りをロックイーターに繰り出すがロックイーターは空高く跳びあがり、空中からのカンガルーキックをガイアに喰らわせる。
その攻撃に怯むガイア、その怯んだ隙を狙いロックイーターは頭突きをガイアに喰らわせようとするがガイアはロックイーターの頭を掴み、膝蹴りをロックイーターの顔面に叩きこむ。
さらにガイアは左右の足からハイキックやミドルキックを連続でロックイーターに叩きこむ「ガイアキック」を次々と炸裂させ、最後に廻し蹴りを喰らわせるとロックイーターは地面に倒れる。
『一気に決めてやるぜ!!』
ガイアは腕をT字型に組んでエネルギーを溜め、右腕をL字型に構え直して左手を右腕の関節に乗せて発射する光線「クァンタムストリーム」を放つ体制に入るが……。
背後からガイアはいきなり何者かによる攻撃を受け、ガイアはその場に膝を突き、光線の発射を中断する。
振り返るとそこには2体の新たな怪獣がおり、「昆虫怪獣 シルドバン」と「マグマ怪地底獣 ギール」がおり、ガイアは新たな敵の登場に驚く。
『おほほほほ! 3対1! この数にあなたも勝てるかしらねぇ?』
『……、なんでだろう、こいつ等見ててもあんまり危機感感じないのは……』
一方で、偶然にもコウマ達が闘っている場所から少しだけ遠い場所でウェルが起こした騒ぎを聞きつけて響、未来、2人の友人の 創世と詩織の3人がウェルの元に駆け付けた。
そこにはウェルが召喚したノイズ達がおり、ウェルの周りは炭化した人間や彼の周りがあちこち燃えており、それに響達は言葉を失った。
そのウェルの手には筒で包まれたなにかを大事そうに抱えていたのだが、響を見るや否やウェルは恐怖に歪んだ顔となり、怯えてソロモンからノイズを大量に召喚した。
「な、なんでお前がここに!? ひ、ひああああああああ!!!!?」
ウェルはノイズで未来達を襲わせようとしたが、響が彼女たちを庇うように前に出てノイズに向かって駆け出し、「歌」を口ずさんだ。
「うおおおおおおお!!!!」
そして彼女は、歌を歌い終えると同時にノイズを殴りつけた。
「人の身で……ノイズに触れて……!?」
同じころ、地面に膝を突いてガイアはよろよろと立ちあがりながらも、ある一定のポーズを取り、ガイアの身体は赤く発行する。
『が、ガイアが変わる……!?』
それを見たグレイはそんなことを呟き、恐らく分かる人は今のグレイにこうツッコムだろう。
「それお前が言うんかい!!」っと……。
そしてガイアは赤と青の筋肉質な姿の「スプリームヴァージョン」へとヴァージョンアップし、同時に響も腕からシンフォギアを纏っていき、ノイズを粉砕した。
「この拳も!! この命も!! シンフォギアだ!!」
『お前等のような奴等の好きにはさせねえ!! この世界は、決して滅ぼさせはない!!』