戦姫絶唱シンフォギアGinga   作:ベンジャー

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21Eve なりきれない悪

コウマのライブしたウルトラマンガイアV2は最強形態である「ウルトラマンガイア・スプリームヴァージョン」へと変わり、ガイアはギール、シルドバン、ロックイーターの3体に一気に向かっていく。

 

『『『俺達終わった気がするのはなんでだろう』』』

『こ、コラあんた達!! 弱気にならないの!!』

 

弱気な発言をするギール、シルドバン、ロックイーターの変身者と思われる3人が一斉に声を揃えてそんなことを言い、グレイはそんな発言をする3人に呆れてしまう。

 

最初にロックイーターがその巨大な口を開けてガイアに噛みつこうとするがガイアは両腕でロックイーターの口を掴み、口を掴んだまま背負い投げを繰り出し、ロックイーターは背中から地面に激突する。

 

続いてギールとシルドバンが突進してくるが、ガイアはジャンプして2体の突進を避け、ギールの尻尾を掴むと持ち上げて振り回し、シルドバンに向かって投げ飛ばしてギールはシルドバンに激突して2体は倒れこむ。

 

『デアアアアア!!!!』

 

今度はガイアの方からシルドバンに突進し、シルドバンは両腕の鎌で突進してきたガイアに斬りかかろうとするがガイアはそれをしゃがみ込んで避け、強烈な拳による打撃をシルドバンの腹部に叩き込んだ。

 

『ぐあああああああああ!!!!!?』

 

柔らかい腹部が弱点であるシルドバンは腹部を殴られたことで強烈なダメージを受け、それを見たギールとロックイーターはお互いに頷き合い、ギールは腹部から火球をガイアに向けて発射する。

 

しかし、ガイアは跳びあがって一気にギールの元まで行くとギールに掴みかかって持ち上げ、ロックイーターの方へと放り投げ、2体を激突させる。

 

倒れこんだロックイーターとギールの尻尾をガイアは両手で掴み、それを勢いよく力強く振りまわして最後は地面に思いっきり叩きつけた。

 

『『な、投げの鬼だ……。 全身打撲する……!?』』

『ありゃ? やりすぎたか? ならこれで終わりにするぜ!!』

 

フラフラになったギール、ロックイーター、シルドバンが一か所に集まったところを狙い、ガイア最強の光線である合掌した右手を下にずらして発射する「フォトンストリーム」を発射し、3体を吹き飛ばした。

 

『『『ぎゃああああああああああああ!!!!!?』』』

『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!』

 

怪獣達はギンガ、もしくはギンガから変身した他のウルトラ戦士などでなくては倒せない。

 

そのため、ガイアはギンガへとライブし、最後は腕をL時に組んで「ギンガクロスシュート」を発射し、3体まとめてギンガは怪獣達を撃破した。

 

『ギンガクロスシュート!!』

『『『ぐあああああああ!!!!?』』』

『も~! 役に立たないんだから!! でも、支配者様が復活するための足しにはなったわね』

 

グレイはそれだけを言い残すと姿を消し、戦いが終わったガイアも一度ライブを解除した後、二課からの連絡を受けて響がシンフォギアを纏って今戦っているという報告を受け、コウマは急いで響の元へと向かった。

 

「響の奴……、ガングニールを!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この拳も!! この命も!! シンフォギアだ!!」

 

シンフォギアを纏った響は早速ノイズの一体を変身と同時に撃破したのだが……心なしか響の身体が少しだけ明るく光っているように見える。

 

(力が、漲る!!)

 

そんな時、1枚の葉っぱが響の肩に触れるとその葉っぱは響の肩に触れた瞬間炎に包まれ、ウェルはそのことに驚愕した。

 

「な、なんだと!? いつもいつも!! 都合のいいところでこっちの都合をひっちゃかめっちゃかしてくれる!! お前はあああああああ!!!!!」

 

ウェルがそう叫ぶと同時に彼はソロモンの杖を使ってノイズを複数召喚し、響は拳を握り締めてノイズへと向かっていき、先ずは目の前にいるノイズ1体を拳で殴り、貫く。

 

「ヒーローになんてなりたくな~い♪」

 

さらに次々と自分に向かってくるノイズも響は素早い動きで撃破していくが……その度にウェルは新たなノイズを何体も召喚している。

 

ただ……そんな響の様子を見て未来はどこか不安そうな表情を浮かべていた。

 

「いつもいつも!! いつもいつもいつもいつもお!! お!! お!! おおおおおおお!!!!!」

 

ウェルがそんな風に叫びながらノイズを次々と出し、響に差し向けるが響は少しずつではあるがノイズを退けつつも確実にウェルの方へと近づいて行っていた。

 

「いっけええええええええ!!!!!」

 

響の腕部ユニットが変形し、ブースターで加速してウェルの盾になっているノイズ達を一気に自身の拳で貫き、ウェルは慌てて急いで新たなノイズを召喚するのだが……、上空から一筋の光が降り注ぎ、ウェルの周囲にいたノイズは消滅した。

 

「な、なんだぁ!!?」

 

ウェルが上空を見上げるとそこには1人の宇宙人……等身大の「悪質宇宙人レギュラン星人」にライブしたコウマがおり、レギュラン星人は両腕を突き出してから放つ破壊光線を上空から撃ち込み、ウェルのノイズを次々と撃破していく。

 

『待たせたな響!!』

 

レギュラン星人は響の隣へと降り立ち、響は味方が駆けつけてくれたことに喜ぶが……コウマ自身は焦っていた。

 

これ以上、響に戦わすことはできない、だから響にはなるべく戦わせないようにしなければならないと思っていたのに……彼女は今こうして戦ってしまっている。

 

それは即ち、響の胸のガングニールの侵食をさらに進めることになる、そのためコウマは急いでこの戦いを終わらせるため、彼は一度、響になにもせず、後ろにさがっておくようにと伝える。

 

「えっ、でも!」

『大丈夫だ、俺一人でもなんとかやる!! お前は未来達を守れ!!』

 

レギュラン星人は両手から光弾をノイズ達に向けて発射し、ノイズを撃ち抜いていくが……それでもやはりウェルはソロモンを使ってノイズを召喚する。

 

『くそ、これじゃキリがねえ!! せめてあの変顔変態ドクターんところに行くまでの道ができれば……!! これ以上、響を戦わせる訳には……!!』

 

そんな時、コウマの握っていたギンガスパークのブレード部が展開し、ウルトラマンギンガのスパークドールズが出現、コウマはギンガの足部にスパークのを押し当てる。

 

『ウルトライブ! ウルトラマンギンガ!!』

 

コウマは等身大の「ウルトラマンギンガ」へと変身し、大地に降り立ったギンガはウェルをジッと見つめる。

 

「っ、なにを見てるんだぁ!!? 行けノイズううううううう!!!!」

 

ウェルの指示で複数のノイズ達が一斉にギンガへと飛びかかり、真っ先に人型のノイズがギンガに殴りかかるがギンガはノイズの拳を右手で受け止め、左手でノイズの腹部へと拳を突き刺す。

 

『ショウラ!!』

 

さらにギンガは眼にも止まらぬ超高速移動を繰り出し、一気にウェルの目の前まで辿り着く。

 

しかも、先ほどまでギンガを狙っていたノイズ達は一瞬にして炭素化し、ウェルはギンガが目の前にまできたことに驚き、尻餅をつく。

 

「ひい!!?」

『ここまでだ。 変態野郎……!!』

 

ギンガはウェルの腕を掴もうとするがその時、ギンガは背後からいきなり黒い光線を受け、ギンガはその場に膝を突いてしまい、その隙にウェルはどこへと逃げ去る。

 

『ぐあああああ!!? 今の攻撃……お前か!!』

 

ギンガが後ろの方へと振り返り、上空を見上げるとそこには腕を十字に組んでいる黒いウルトラマン、「ウルトラマンダーク」の姿があり、ウルトラマンダークは今度はセブンダークに姿を変える。

 

『ダークライブ! セブンダーク!』

 

セブンダークが地面に降り立つとセブンダークは一直線にギンガへと向かっていき、セブンダークの強烈なパンチがギンガの胸部に叩き込まれる。

 

『がはあ!!? また、お前か……』

『それはこっちの台詞だ。 夢語りが……ッ! そこの変態はなぁ、例え変態でも俺達にとっては必要な変態なんだよ。 変態だけどいるんだよそいつの力が……! 変態だけどな!!』

「なんですかあなた? ぶっ殺されたいんですか? じゃあ言いますけどねぇ!! あなた!! 彼のことを夢語りとか言う癖に自分も叶えられなくなった夢を何時まで気にしてウダウダしているあなたも、対して人のこと言えないでしょうがァ!!」

 

「変態変態」と何度も連呼するセブンダークに苛立ったのか、ウェルも零無にそんなことを言い返し、それを聞いたギンガは……、否、コウマは「えっ?」とウェルと零無の顔を交互に見つめた。

 

『やっぱり、お前にもあったんだろ、夢が……。 けど、叶えられなくなったってなんで……?』

『お前には関係ない……』

 

ギンガの問いにそっぽを向くセブンダーク、そんなやり取りをセブンダークとギンガがしている間にウェルはソロモンをしっかりと握ってどこかへと逃げだそうとし、それを響は見逃さず、腕部のユニットを変形させてブースターを噴出し、一気にウェルの元まで突っ込む。

 

「2人とも退いて!! 逃がすかあああああああああ!!!!!」

 

セブンダークとギンガはそんな響の行動に「はぁ!!? なにしてんの!!?」と2人声を揃えて叫ぶが、2人は咄嗟にその場を離れ、響は真っ直ぐとノイズを貫きながらウェルへと一直線に向かっていく。

 

「う、うああああああああ!!!!?」

 

しかし、響の拳のところで突如現れた「なにか」によって防がれた。

 

「盾!!?」

「なんとノコギリ」

 

それはシンフォギアを纏った調のツインテールに装着されている回転するノコギリであり、調の後ろには彼女同様にシンフォギアを纏った切歌が調の肩を抑えて響の攻撃に耐えていた。

 

「おせーぞ、2人とも」

「零無が急ぎすぎなんデス!! 変身すれば飛べるからって……」

 

文句を言うセブンダークにそう怒鳴るように言い返す切歌、そして響は切歌と調の登場に驚きの表情を浮かべるが……実を言うと調と切歌はそこまで余裕がある訳ではない。

 

調のシンフォギアの性能ならばそれなりに響の攻撃を耐えることはできるが、所詮は「それなり」である。

 

つまり、何時までも響の攻撃に耐えられる訳ではなく、切歌のサポートでようやく持ちこたえている状態なのだ、そのためそう長くは持たないだろう。

 

「ごめんね切ちゃん、私のヒールじゃ踏ん張りが効かないから……」

「良いってことデス!!」

 

だが、どうにか切歌と調は響が飛び退くまで持ちこたえることができ、2人はウェルを掴んで響から距離を取るために飛びのき、2人の元にセブンダークも駆けつける。

 

切歌と調、零無の目的はあくまでウェルの回収、響を相手にしている暇などないが……正直に言って響を相手に上手く逃げ切れる自信はあまりなかった。

 

するとその時、響は息遣いが荒々しくなり、彼女は苦しそうにその場に膝を突いてしまい、それに気づいたギンガが響の元へと駆け寄る。

 

「響!!? どうした? 苦しいのか!?」

「はっは、っは……!」

 

それを見たセブンダークはあまりしたくはないが、その隙を狙って響の方へと突っ込んでいき、頭部にあるブーメラン「アイスラッガー」を手に取ってそれを響に振りかざすが、ギンガがそれを右腕から出現させた白い剣「ギンガセイバー」で防ぐ。

 

『ギンガセイバー!!』

 

ギンガはそのままセブンダークを押し返してセブンダークの身体を斬りつけ、セブンダークは斬りつけられた箇所を抑える。

 

『響、少し休んでろ……。 後は俺に、任せろ!!』

「こう……ま……くん……」

 

ギンガはセブンダークに向かって駆け出していく。

 

セブンダークの中にいた零無はべリアルとゼロのスパークドールズを取り出してダミースパークに2体のドールズの紋章を読み込ませる。

 

『ダークライブ! ゼロ! べリアル! 合体!! ゼロダークネス!!』

 

セブンダークは漆黒のウルトラマンゼロ、「ゼロダークネス」へと変身し、ゼロダークネスもギンガに向かって駆け出していく。

 

『『うおおおおおおお!!!!!』』

 

そしてゼロダークネスとギンガは一瞬でお互いの元にまで辿り着くと2人の拳がいきなりお互いの顔面に叩き込まれた。

 

ゼロダークネスは吹き飛ばされそうになる身体をどうにか足に力を入れて踏ん張り、ギンガの肩を掴んで膝蹴りを叩き込む。

 

『ぐあああ!! まだだ!!』

 

しかし、すかさずギンガも素早く廻し蹴りをゼロダークネスの顔面に叩き込み、ゼロダークネスはギンガから急いで離れて距離を置き、掌から放つカッター状の必殺光線「デスシウムショット」をギンガに放つが対するギンガも頭上に発生させた雷の渦を敵に向かって投げつける電撃光線「ギンガサンダーボルト」を放つ。

 

『ギンガサンダーボルト!!』

『デスシウムショット!!』

 

お互いの光線がぶつかりあって爆発し、白い煙が巻き起こるがゼロダークネスとギンガは白い煙を腕を振るって払いのけて吹き飛ばし、ギンガとゼロダークネスはお互いに向かって突っ込む。

 

『『うおりゃあああああああああ!!!!!』』

 

ギンガとゼロダークネスは2人同時に足を振り上げ、互いの蹴りが激突し合い、一度体制を戻すとそのままギンガとゼロダークネスは拳を相手に向かって振るいまくり、何度も何度もギンガとゼロダークネスの拳はぶつかり合いまくる。

 

『お前の夢って一体なんだったんだ? なにがあった? なんでそこまで夢を嫌う!?』

『お前には関係ない!! そう言った筈だ!!』

『関係あるに決まってるだろ!! 俺は、昔の……夢を持っていた頃のお前と同じように俺は自分の夢を持ってるんだからな!! なあ、話してくれ……。 どうして夢をそこまで嫌うんだ……!?』

 

ゼロダークネスは一度ギンガから離れると、肩で息をしつつゼロダークネスは「いいだろ、教えてやる」とギンガに答えた。

 

それに切歌と調は零無に話すことをやめさせようとするが、それをゼロダークネスは手で制す。

 

『良いんだよ。 いい加減、うるさいんだよこいつ。 それに、よく考えれば最初からこうすれば良かった。 夢なんて最初から持たない方が良いってことを……。 あぁ、そう言えばまだ名乗ってなかったな。 俺の名前は諸星零無だ』

『零無か……』

『あぁ、それじゃ教えてやるよ。 俺の、叶えられなくなった夢を……』

 

そうして零無はコウマに語りだした、自分のかつての夢……、「好きな女の子に自分の想いを伝えたい」というただそれだけの……たったそれだけの純粋な願いを……。

 

『くだらないだろ。 俺の夢はそんなものなんだ。 ちっぽけなものなんだ、それでも……それでも俺にとってはデカくて、大切で、とても大事な夢だったんだ!! でももうアイツはいない、俺はもう、アイツに俺の想いを伝えることができない、夢は叶えられなくなっちまったんだ……。 ははは、笑いたければ笑えよ』

『そう……だったのか……けど、笑えねえよ……。 笑える訳ねえだろッ。 だけどな……!!』

 

ギンガは力強く拳を握り締めるとギンガは真っ直ぐとゼロダークネスに向かっていき……彼の顔面を、思いっきり殴りつけた。

 

『ぐううううう!!!!?』

「「零無!!」」

 

調と切歌がゼロダークネスを庇うように立ち、2人はギンガを睨みつけるが……ギンガから攻撃をすることはなく、ただただギンガはゼロダークネスを見下ろした。

 

『だからって、他の誰かの夢を否定していい理由にならねえだろ!! 確かに、お前の夢はもう叶えることはできないかもしれない。 だけど、だからこそ!! その娘のために、新しい夢を見つけるべきなんじゃないのか!!?』

「な、なにを勝手なことを……!! 零無の、大好きだった人が死んでしまった零無の悲しみをあなたなんかが分かるんデスか!!?」

「新しい夢なんて……零無には、辛いだけ……」

 

切歌と調はゼロダークネスの方へと振り返り、彼を切歌と調は心配そうに見つめるが、ギンガは、コウマは「それでも」と呟く。

 

『辛いかもしれない。 だけど、零無の好きだった娘は零無とは親しかったんだろ? なら、その娘はきっと零無に何時までも悲しんでいて欲しくないに決まってる。 それに、俺だって夢と大切な人を同時に失う辛さは、少しは分かると思う。 俺も、大切な人と一緒に叶えたい夢がある。 だけど、もしも大切な人を失ったとしたら……そう考えると、俺だって怖くて怖くてたまらない。 だから……』

『うるさい!! うるさい!! うるさいうるさいうるさいうるさい!! 黙れえええええええええええ!!!!!』

 

いい加減、ギンガの言葉に怒りが頂点に達し、ゼロダークネスは倒れこんでいた身体を起こしてギンガへと掴みかかり、そのままゼロダークネスはギンガを連れて上空へと消えて行った。

 

そこに……ウェルがなにか怪しい道具を取り出し、不気味な笑みを浮かべて切歌と調の首になにかを打ち込んだ。

 

「頑張る2人にご褒美です……」

「っ! なにしやがるデスか!!?」

「リンカー?」

 

「リンカー」とはシンフォギアの装者たりえない常人であっても、ある程度の資質(適合係数)さえあれば、その「ある程度」を無理矢理引き上げることで後天的適合者へと即席させる効果がある薬のことであり、初代ガングニール奏者である「天羽奏」もこのリンカーを使ってガングニールを制御していた。

 

また、マリア、切歌、調も奏同様にこのリンカーを使ってシンフォギアを纏っていた。

 

しかし、まだリンカーの効き目が切れた訳ではないのになぜかウェルは切歌と調に「リンカー」を打ち込み、切歌は一体ウェルがなにをしたのか訳が分からないといった表情を浮かべていた。

 

「効果時間にはまだ時間があるデス!!」

「だからこそですよ。 あの化け物に対抗するには今以上の出力で捩じ伏せるしかありません。 そのためにはまず、無理やりにでも適合係数を引き上げる必要があります!」

 

しかし、それにはかなりの負荷を追うことになる……、こんな男のためになんで自分達がそんなことをしなければならないのか、切歌は反論しようとしたが……。

 

「ふざけるな!! なんで私達がアンタを助けるためにそんなことを……!!」

「するデスよ!! いいえ、せざる終えないのでしょう!?」

 

ウェルは切歌と調を睨みつけ、彼は切歌や調が仲間意識や連帯感などで2人が自分を助けに来る筈がないと言い、ウェルは自分の予想通りならば切歌と調がここにきたのか大方ナスターシャ(ウェル曰く「おばはん」)の症状が悪化したために自分を助けにきたのだと推測した。

 

そしてその予想は見事に的中しており、調は少しだけ迷ったが、すぐに結論は出た。

 

答えは「やる」だ、つまり、ウェルを助けるために最大限の力……、シンフォギアの切り札ともいえる「絶唱」を使用することを決めた。

 

また同時に響も苦しみながらも立ちあがり、そんな様子に上空で戦っていたギンガとゼロダークネスは地上の彼女たちの様子に気づいたのか、2人は急いで地上へと戻ってきた。

 

『お前等まさか……!! やめろ、絶唱だけは!! お前等の分まで俺が闘う!!』

『だから、無茶をするな!! 響!!』

 

ギンガとゼロダークネスは響、切歌、調のそれぞれやめるように説得しようとするが、響は切歌と調と戦えるのは自分だけだと言って聞かず、切歌や調も「マムのためにも早くドクターを連れて帰らないといけない」と言って両者とも全く言うことを聞かなかった。

 

「そう、YOU達歌っちゃえYO! 適合係数が天辺に届くほどギアからのバックファイアを系列できることは過去の輪唱データが実証済み!! だったらリンカーぶっ込んだばかりの今なら! 絶唱歌いたい放題のやりたい放題あいいいいいいいい!!!!!」

 

なんというかもう、ウェルの博士が物凄いことになっており、ウェルの顔を唯一まともに直視できるギンガとゼロダークネスはそんなウェルの顔を見て「うわー」と引き気味だった。

 

そして彼女たちは歌い始める……「絶唱」を……。

 

「「~♪」」

 

それを聞いた響は思い出していた……彼女たち同様に、リンカーを使っていた奏が絶唱を歌い、死んでしまうところを……、それを思い出した響はすぐに彼女たちにやめるように訴える。

 

「ダメだよ!! リンカー頼りの絶唱は奏者の命をボロボロにしてしまうんだ!!」

『そうだ、切歌、調、それだけはやめろ!!』

 

響と同じようにゼロダークネスも切歌と調を止めようとするが、切歌と調は首を横に振った。

 

『どうして……』

(ごめんなさい、零無、あなたを信じていない訳じゃないんデス。 これはマムだけのためじゃない、零無は……好きな娘を失ってそれだけでもマリアと同じくらいか、もしかしたらそれ以上に心がボロボロでまだその傷が癒えていないのに……)

(それでも、零無は私達に協力する必要なんてないのに、自分のことなんて後回しにして私達のことを心配してくれて……)

((だからせめて……!! これで零無を助けられるなら……!!))

 

ゼロダークネスやギンガ、響の静止も聞かず、2人は絶唱を歌い終えると切歌のアームドギアは巨大な鎌のアームドギアとなって彼女はそれを握りしめ、切歌は手足の部分が変形して伸び……、2人は響とギンガに攻撃を仕掛ける。

 

((だけど、命を捨てたりしない!! 零無にこれ以上失わせないためにも!!))

 

しかし、響も同様に「絶唱」を歌い始め、その場にいた一同が一斉に絶唱を歌い始めた響に目を見開いた。

 

なぜなら……切歌や調の装備がなぜかいきなり元の形状に戻ってしまったからだ。

 

『響、まさか……!!』

「セット!! ハーモニクス!!」

 

それは響が切歌と調の絶唱によるエネルギーを自身の絶唱の力で奪い取ったためであり、これは以前響が翼やクリスと一緒に放った「S2CAトライバースト」に非常に酷似していた。

 

「2人に……絶唱を使わせない……!! うおおおおおお!!!!」

 

そして吸収したエネルギーを上空へと放出し、響はその場に膝を抱えて立ちつくしていた。

 

そんな時、ナスターシャからの連絡が入り、クリスと翼がすぐそこまで来ていることを聞き、響を狙うチャンスではあるが、切歌と調はウェルを連れて迎えにきたヘリの降ろしたロープに掴まり、3人はそのまま撤退していくことに。

 

当然、ゼロダークネスも彼女たちに続いて飛び去ろうとするが……。

 

『立花、響だったな……。 これだけは言いたい、2人を守ってくれて、ありがとう……』

『零無、お前……』

 

それだけを言い残すとゼロダークネスも飛び去り、ギンガは追いかけようとしたがその直後に制限時間が来てしまい、コウマのライブが強制的に解除されてしまった。

 

「くそ、時間切れか……。 いや、それよりも……」

「響!!」

 

そこに丁度創世達と非難している途中だった未来が先ほどのトライバーストの光を見て急いで駆け付け、響に近寄ろうとするが彼女の身体からは高温の熱が出ており、響の胸にはガングニールによってできた石のようなものが胸から溢れ出ていた。

 

「い、嫌!! 響!!」

「未来、待て!!」

 

そこにクリスが駆けつけて未来を引き止めた。

 

「おいやめろ!! 火傷じゃすまねえぞ!!」

「クリス!!」

 

そこに丁度カ○トエクステンダー……じゃない、青いバイクに乗った翼が「歌」を口ずさんでシンフォギアを纏い、バイクに搭乗した状態で前方に脚部のブレードを巨大な刃状に展開・結合し、突進して対象を切断する「騎士ノ一閃」で大量の水の入ったタンクを切り裂き、タンクから溢れ出た水は響に降り注ぐ。

 

「……私は、立花を守れなかったのか……」

 

そこに翼が地上へと降り立ち、その言葉を聞いたクリスは翼に掴みかかった。

 

「守れなかった? なんだよそれ!! お前! あいつがこうなるとでも知ってたのか!? オイ!!」

「……」

 

翼は気まずそうに黙り込んだままで、クリスの言葉にはなにも返そうとはしなかった。

 

それから響は急いで手術が行われ、取りあえずは一命を取り留めたが……その後、未来は弦十朗に呼ばれ、彼女は司令室へと向かった。

 

するとそこにはコウマと、現在の響の身体のことを教えられたクリスがおり、クリスは「くそったれ!!」と怒鳴るように言いながらその場にあった椅子を蹴りあげた。

 

「コウマ、お前も知ってたんだな……。 なんで言わなかった?」

「それは……ごめん……」

「チッ、たく、どいつもこいつも……!」

 

弦十朗は未来を呼んだ本当の理由を話し始めた……、それは、「響を戦わせないようにする」ためとのこと。

 

これ以上、響がガングニールを纏って戦わなければこれ以上の進行は進まない、だから弦十朗は未来に頼んだのだ。

 

「響くんのなんでもない日常、君の傍で穏やかな時間を過ごすことだけがガングニールの侵食を食い止めることができると考えている」

「私が、響を?」

 

未来の言葉に弦十朗は頷き、弦十郎は未来の方へと顔を向ける。

 

「響くんを、守ってほしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、タロウ? 響を助けられそうなドールズってないのか?」

『あぁ、何人か心当たりはあるが……そのスパークドールズはないし、恐らくそう簡単に出てきてくれるような存在でもないから難しいかもしれないな』

「どういうことだよ? タロウの言う心当たりのあるドールズってどんな奴なんだ?」

 

家に帰ったコウマから響のことについてタロウにコウマは相談し、一応は響を救えそうなスパークドールズ自体は存在するというのだ。

 

『その名は……『ウルトラマンノア』『ウルトラマンレジェンド』『ウルトラマンキング』、最強無敵と言われるほどの3人の究極のウルトラマン達だ。 彼等ならばあるいは響を救うことができるかもしれんが……』

 

ノアの中間形態である「ウルトラマンネクサス」はそんな簡単にノアになったりはしないし、キングのドールズはまだどこにあるか分かっていない、それにレジェンドの片割れであるコスモスのドールズはあるがもう1人の「ウルトラマンジャスティス」のドールズは所持していない。

 

そのため、現時点では響を救えそうなドールズはタロウはないと言うのだ。

 

『しかし、もしかすれば能力同士を組み合わせることで響を救う方法が見つけ出せるかもしれない。 その辺りを私は考えておこう』

「あぁ、頼んだよタロウ」

 

コウマは立ち上がるとクリスのいる部屋へと行き、彼女の部屋のドアにノックした後、クリスから返事が返ってきたためコウマは彼女の部屋へと入るとそこには制服を着たままベッドの上に座っているクリスの姿があった。

 

コウマはクリスの隣に座り込み、クリスの表情を伺う。

 

「まだ黙ったこと怒ってる?」

「もう別にいいよ、変に心配かけたくなかっただけなんだろ? そんくらいあたしだって分かるさ」

「……ごめんな」

「だから謝らなくていいって……」

 

そこからしばらく2人は黙り込んでしまい、しばらくの間は周りが静かになる。

 

(なんでコウマの奴、なにも言わねえんだ? 何時もだったら冗談の1つくらい言ってくるのに……。 やっぱりあのバカのこと気にしてんだな……。 ったく、こいつがいつもの調子じゃねえと調子が狂う……)

 

そして遂に沈黙に耐えられなかったのか、クリスは口を開いてコウマに話しかけた。

 

「あのバカ、大丈夫だよな?」

「あぁ、タロウや二課の人たちが頑張ってくれてる、未来も響を守るために頑張ってくれる。 そして俺達や翼さんも……。 きっと、大丈夫だよ」

 

そう言ってコウマとクリスはお互いの手を握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、マリア達はというと……ウェルのおかげでナスターシャの体調は取りあえずは良好なものとなり、ナスターシャは自分の体調がよくなったことを喜んでくれるマリア、切歌、調、零無の方に顔を向けた。

 

(私は、この優しい娘達になにをやらせようとしているのか……。 所詮テロリストの真似ごと、迫りくる最悪に対してなにも抗えないことにもっと早く気づくべきでした……)

 

それから翌日、切歌と調は買い出しに出かけ、車椅子に乗ったナスターシャとマリア、零無は近くにあった湖に行き、マリアはこれまでのことでよく分かったことをナスターシャに話していた。

 

「これまでのことで、よく分かった。 私の覚悟の甘さ、決意の軽さ。 その結末がもたらすものが、なんなのか。 だからねマム! 私は……」

「その必要はありません」

 

ナスターシャはマリアの言葉を遮り、マリアと、マリアのその先の言葉を予想していた零無は「えっ?」とナスターシャの言葉に首を傾げた。

 

場所は移り、どこかの壊れたビルの近くで切歌と調は買い出しの荷物を置いて休憩をしていた。

 

「嫌なことも沢山あるけど、こんなに自由があるなんて……。 施設にいた頃は想像できなかったデスよ」

「そうだね……」

 

切歌や調の言う「施設」とは……、フィーネの魂が宿る可能性のある人間を集める場所であり、切歌達はもともとはそこで暮らしていたのだ……、半ば実験材料のような扱いではあったが。

 

「私達の代わりに、フィーネの魂を背負うことになったマリア、自分が自分で無くなるなんて怖いことを結果的にマリア1人に押しつけてしまった私たち」

 

マリアにだけそんな想いをさせてしまった切歌は責任を感じ、どこか暗い表情を見せていた。

 

そんな時、切歌は調が苦しそうにしていることに気づき、切歌は調を心配するが調は「大丈夫」と切歌に返し、調は立ち上がろうとするがその場に倒れこんでしまう。

 

その時、ビルの上の方に置かれてあった鉄パイプがバランスを崩して切歌と調の方へと降り注いだ。

 

「っ!?」

 

そして、再び場所は零無達の方へと戻り……。

 

「あなたにこれ以上、新生フィーネを演じて貰う必要はありません」

「マム! なにを言うの!?」

「癪だけどあの顔芸ドクターを協力させるには新生フィーネの存在が必要なんじゃなかったのか!?」

 

ナスターシャの言葉に驚きを隠せない零無とマリア、一体どういうことなのか訳が分からず2人は困惑した。

 

「あなたはマリア・カデンツァヴナ・イヴ、ただの優しいマリアなのですから。 フィーネの魂はどの器にも宿らなかった、ただそれだけのこと……」

 

それを、聞こえていたかどうかは分からないが、木の影にウェルが隠れており、どこか怪しい笑みを浮かべていた。

 

その頃、切歌と調は……。

 

2人の頭上から降り注いだ鉄パイプは……切歌と調を押し潰してはいなかった……。

 

なぜなら、切歌が調を守ろうとして咄嗟に突き出した左手から、かつて櫻井了子が使っていたのと同じバリアを張っていたからだ。

 

「……あれ? なにが、どうなっているデスか!?」

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