俺の転生特典『英霊召喚』がちょっとおかしい   作:ガンロウ

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やっぱ召喚ってのは大きなリソースが要ると思うんだ。
例えば、縁とか魔力とか、そういう触媒がさ。


触媒

USJに超巨大な生物が出現し、USJを囲むように巨大な人間が立っていた。

 

「…………マスター、こんな具合でいいか?」

 

巨人化した獣/人類悪(ビースト)・エレン・イェーガーは、

志郎がいる場所を見やる。しかし、彼の意識は完全に喪失しており、

志郎は、その場で倒れて気を失っている。

その顔は非常に苦しそうなもので、汗を大量に流し、

苦しそうな表情で、顔色は死んでしまうのではと思うほど青白かった。

 

「……あぁ、そっか。でもまぁ、そうなるよな。」

 

エレンはそう呟くと、USJにいる全ての存在に、自分の言葉を発信する。

 

 

『この場にいる全ての人間たちに告げる。

 俺の名は、エレン・イェーガー。

 俺が持つ『始祖の巨人の力』を使って、お前たちに話しかけている。

 今、この施設は俺の能力の巨人で囲まれている。

 しばらくすれば、この施設の中央へ向かって歩み始めるだろう。

 俺の目的は、マスターの望みを叶えることだ。

 だが、俺はマスターの『怒り』の側面を触媒にして顕現した人類悪だ。

 マスターの、人間の『怒り』は底を知らないものだ。

 尽きることのない『怒り』をもって、俺は進み続けよう。

 マスターが敵とみなした者をこの世から駆逐するまで………。』

 

 

「緑谷ちゃん。今のは…………」

「うん。……多分、これって藤丸君の」

 

蛙吹さんと考えていることは同じだろう。

恐らく、これは藤丸君の個性で召喚された人の力だろう。

でも、さっき『人類悪』って……

 

「な、なぁ…。二人とも、()()、なんだ?」

 

峰田君が指をさした方を見ると、そこには文字通り巨人がいた。

その大きさは、Mt.レディと同等、いやそれ以上だった。

だが、巨人たちは直立不動で何かしてくるわけではなかった。

 

「もしかして、アレがさっきエレンって人が言っていた巨人?」

「じょ、冗談じゃねぇよ!?あんなのがここを踏み歩くのか!?

 (ヴィラン)だけじゃなく、俺達も踏みつぶされちまうよ!!」

 

峰田君の言う通り、あの大きさの生き物がUSJを踏み抜くと考えれば、

敵味方問わず、ただでは済まないだろう。藤丸君は一体どういう考えでこんな事を?

 

 

 

 

 

俺は、夢を見ていた。

いや、夢にしては何か奇妙だ。

ここは檻の中だろうか?

冷たい。なのに汗が止まらない。

真っ暗だ。なのに周りがはっきり見える。

とても狭い。なのに辺りは広く感じられる。

すると、目の前に気配を感じた。

とても熱かった。なのに、氷のような視線を感じる。

そう考えていると、声が響いてきた。

 

「クッフッフッフ…。ついに相まみえたか。共犯者よ。」

 

あなたは誰だ?

 

「俺はアヴェンジャー。」

「アベンジャー?」

復讐者(アヴェンジャー)だ!断じてアメコミヒーローではない!!」

 

謎の声、アベンジャー……アベさんはよく分からないツッコミを入れる。

 

「貴様の事はずっと見ていたぞ。

 貴様は、いや、貴様の魂はかなり特殊なようだな。」

「!」

「貴様が召喚した獣/人類悪(ビースト)は、

 貴様の『罪』を触媒に顕現を果たしたようだ。」

「俺の、『罪』?」

「『七つの罪源』と言えば分かるか?

 一つは『傲慢』。もう一つは『憤怒』と言ったところか。」

「どういう……こと?」

「貴様が欲を高めれば高めるほど、

 その欲はやがて獣を呼び寄せる極上の餌となる。

 そして、貴様の『罪』を触媒とし、顕現を果たせるというわけだ。」

 

理解が追い付かなかった。

だが、少なくとも獣/人類悪(ビースト)が顕現する原因が何となく分かった気がする。

 

「…………。貴様は、どうする?」

「え?」

「獣の騎手として、その手綱を握るか?

 それとも、手綱を捨て、獣を消し去るか?」

 

『手綱』。それはつまり、この能力のコントロール、

そして獣/人類悪(ビースト)の懐柔と使役のことだろうか。

……できることなら、獣/人類悪(ビースト)なんてさっさとお帰り頂きたい。

けど、俺の欲が奴らを誘き寄せる餌になっていて、

俺の『罪』(?)が触媒になっているなら…………。

 

「俺は、その手綱を握る!……けど、今の俺にはその器量が足りない。

 教えてくれ!どうすればいい!?どうすれば制御できるようになる!?」

 

俺は答えた。力強く。ハッキリと。

すると、アベさんは高笑いした。

 

「クッハッハッハッハッハッハ!!そうか!!

 いいだろう!!ならば、想像しろ!!己の『罪』を!

 そして対峙し、抗え!穿て!!消し去れ!!!

 そうすれば、自ずと貴様は獣を操る騎手になれるだろう!!」

 

その言葉を聞いた後、気配が消えた。

完全な無の空間となった。

そして、アベさんの言葉通りにした。

 

己の『罪』を想像した。

あの日、爆豪をボコしたい、そして轟君の全力を見たいという独り善がりな傲慢さを。

あの(ヴィラン)達に対する、尽きることのない怒り、憤怒を。

 

そして、いつしか目の前には

 

影のように真っ黒な範馬勇次郎とエレン・イェーガーが立っていた。

 

 




頑張って分かりやすく説明します。

今まで登場した獣/人類悪(ビースト)は、
志郎の『七つの大罪』を触媒に顕現していた。

勇次郎は『傲慢』、エレンは『憤怒』を触媒にしていた。

現に志郎は、かつて自分の正義に従っていじめっ子を痛めつけた。
また、戦闘訓練で買物王という過剰戦力を使おうともした。(傲慢)

そして、今回は小物に対してすぐにキレるという
感情のコントロールができないという点が露見した。(憤怒)

謎のアヴェンジャー(巌窟王)さんは、
自分の罪に向き合い、打ち克てれば成長できるとアドバイスする。
いうなれば、自らに試練を課し、その試練を突破しろ、とのこと。


次回、USJの運命やいかに!?
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