~チャンピオンロード正面ゲート~
「エイセツシティを出たのはいいけど、どこに行けばいいんだろう」
ミツミは途方に迷っていた
いろんな人と出会う為の旅に出たのはいいものの、どこに行くのか全く決めていなかったのだ
現在ミツミは、21番道路を抜けてすぐにあった建物に入って立ち往生している
「君、ポケモントレーナーになったばかりかい?」
「あ、はい」
声をかけてきたのは近くに立っていた紫を基調とした服の男だった
男はエリートトレーナーという部類の人間らしく、
ポケモンを持っているのにどこに行こうか迷っていたミツミを不思議に思い声をかけてきたのだと言う
ミツミはその男からこの先のチャンピオンロード、そしてその先のポケモンリーグ、
ウルップも任されているジムリーダーについて教えてもらった
「なるほど、いろんな町にあるポケモンジムに挑戦してまたここへ来ればいいんですね」
「ああ、そういう事だ」
「わかりました ありがとうございます」
ミツミは男にお礼を言ったその時
ポォン
突然カインがボールから飛び出した
「よっしゃー!バトルだ―!!」
「急にジュカインを出してどうしたんだい?」
「す・・・すみません お兄・・・じゃなかったカインがあなたとバトルをしたいみたいで」
ミツミはカインをお兄ちゃんと呼ぶことを控える事にした
出来るだけ自分の素性を明かさないために不安要素になるものは少しでも無い方がいいという
皆で話し合った結果である
しかし、癖というものはなかなか直らず時々「お兄ちゃん」と呼んでしまうこともある
「フフ・・・勇ましいジュカインだね」
(よかった、言い間違えたこと突っ込まれなかった)
「でもそれは君がバッチを全て集めてからにしよう」
「え・・・でもトレーナーは目があったらバトルって・・・」
「基本はそうだけどね、でも一応僕はここで門番みたいな事をやっていてね」
「そうなんですか」
「うん、だからまた今度戦おう」
「わかりました ほら、行くよ」
「チッ しょうがねえか」
カインは渋々理解してくれたようなので、ミツミはカインをボールに戻し改めて男に一礼して、
最初のジムのあるハクダンシティへ向かった
~ハクダンシティ ハクダンジム~
「ここが・・・ハクダンジム・・・」
ミツミは22番道路を抜けてハクダンシティへやって来た
途中たくさんのトレーナー達と戦ったり、ポケモンセンターに寄って回復を行って準備も万全だ
ポケモンセンターでジョーイさんの家族を紹介されて驚いたのは言うまでもない
「こんにちは~」
ミツミはジムの扉を開け、挨拶をした
パシャ
突然ミツミを光が襲う!
「な、何!?」
「ああ、ゴメンゴメン不思議な雰囲気なトレーナーだったもんでつい」
ミツミを襲った光はカメラのフラッシュだったようだ
写真を撮ったのはここのジムリーダーのビオラであった
「それで?このハクダンジムに挑戦しにきたの?」
「あ、はい よろしくお願いします!」
「あなた、ジム戦は初めて?」
「はい、そうですけど」
「いいんじゃない、いいんじゃないの!」
「?」
「緊張しながらも、その闘志は燃えている! 早速やりましょう!」
「はい!」
これよりチャレンジャーミツミ対ジムリーダービオラのハクダンジム ジム戦を始めます
使用ポケモンは2体 ノーマルルールによる戦闘とします
ポケモンの交代はチャレンジャーのみ認められています
「シャッターチャンスを狙うように 勝利を狙う いくわよ!アメタマ!」
ジムリーダーのビオラはアメタマをくりだした!
「最初はおれだぁぁぁ!」
ミツミのカインは勝手にでてきた!
「なに出て来てんの! 不利だから出せないって言ったのに!」
「威勢のいいジュカインだね いいんじゃない、いいんじゃないの!」
「良くないです!」
それでは はじめ!
「出ちゃったのはしょうがない カイン、とりあえず弱点を突くよ“いわなだれ”!」
カインの“いわなだれ”!
効果は バツグンだ!
相手のアメタマはきあいのタスキで持ちこたえた!
「こっちのペースにもちこむわよ アメタマ あまごい!」
アメタマの“あまごい”!
雨が 降りだした!
相手のアメタマの“こごえるかぜ”!
効果は バツグンだ!
カインの 素早さは下がった!
カインの“いわなだれ”!
相手の アメタマには 当たらなかった!
「何やってんの!?」
「お・・・おかしい・・・こんなはずでは」
「これはシャッターチャンスよ アメタマ “ねばねばネット”!」
相手のアメタマの“ねばねばネット”!
味方の足元にねばねばネットが広がった!
「ここは安定した攻撃をして!」
「おう!」
カインの“エナジーボール”!
「アメタマ!」
アメタマ 戦闘不能! ジュカインの勝ち!
「アメタマ お疲れ様 休んで頂戴」
「頼むわよ ビビヨン!」
ビオラはビビヨンをくりだした!
相手のビビヨンの“ぼうふう”!
効果は バツグンだ!
ジュカイン戦闘不能! ビビヨンの勝ち
「行ってきて アベル!」
ミツミはアベルをくりだした!
「おう! 後は燃やせば勝ちだ!」
「いや、ここは“エアスラッシュ”を打って なんかやな予感がするの」
「そ、そうなのか わかった」
「リザードンか・・・ビビヨン “ふんじん”!」
ビビヨンの“ふんじん”!
「うお!危なかった」
アベルの“エアスラッシュ”!
効果は バツグンだ!
ビビヨン戦闘不能! リザードンの勝ち
よって勝者 チャレンジャーミツミ!
「ビビヨン お疲れ様 不利な相手にありがとうね」
ミツミはビオラがポケモン達に話しかけている様子を見ていた
ポケモン達の声がわからないはずの人間なのに、まるで会話ができているように見える
「ミツミちゃん」
「は・・・はい!」
「おめでとう私とのジム戦に勝った証 バグバッジよ 受け取って」
「ありがとうございます・・・」
「あら?元気ないわね どうしたの?」
ミツミはポケモンに話しかけているビオラを見て考えていた
ウルップは『ポケモンと会話できる人間はおまえさんが初めて』と言っていた
にも関わらずこの人は戦ったポケモン達に労いの言葉をかけていた
ジムリーダー同士、交流を少なからずあるはずである
この人がポケモンと話せるならウルップも知っているはずなのだ
この人が隠しているのか、ウルップが私に嘘を教えたのか
あるいは・・・
怖くなってきたミツミは、ビオラに尋ねてみる事にした
「いや、あの ビオラさんはポケモンの声が聞こえるのかなって・・・」
「あぁなんだ そんな事?」
「そんな事って!」
「フフ、アナタもトレーナーを続けてたらいずれわかるわよ」
「?」
ビオラに言われたことを不思議に思いながらも、ミツミはハクダンシティを後にした
~シャラシティ~
ハクダンシティを出た後、ミツミ達はミアレシティのシトロン、ショウヨウシティのザクロを
次々撃破し、それぞれからボルテージバッジ、ウォールバッジを受け取っていた
バトルをして、この2人もやはりポケモンに話しかけるような事をしていた
その事を2人にも質問したが、ザクロのは「アナタも本当は理解しているはずです」と言われ、
シトロンに至っては「サイエンスが未来を切り開く!」とか言って変な機械の爆発を食らわされた
ジムリーダーに限らず、ポケモントレーナーは皆ポケモンと話しているように見える
ミツミは、声がわからないはずなのに普通に話しかけ、
笑い合っているポケモンとトレーナー達を見て少し羨ましく思った
シャラシティに到着して皆を回復させ、シャラジムに行こうとポケモンセンターを出た時だった
「どいてどいて~!」
ドンッ!!
「痛った~」
ミツミは走ってきた女の子とぶつかって尻餅をついてしまった
「ごめんなさい 急いでたから 大丈夫でした?」
「あ、はい」
「あれ?アナタもトレーナー?」
「はい」
「それじゃあ シャラジムに挑戦に来たってわけね」
「あ・・・あの、急いでたんじゃ」
「そうだった! ちょっと待ってて 私のポケモン達も回復させてもらってくるから」
「あ、はい」
女の子はポケモン達をジョーイさんに預けると、ミツミの元へ戻ってきた
「あっごめん! 自己紹介してなかったね あたしシャラシティのジムリーダー コルニ!」
「エイセツシティから来ました ミツミです」
「ミツミね ウルップさんから聞いているよ」
コルニの言葉を聞いてミツミはドキッとした
ウルップがコルニにどこまで話したのか解らない上、これまでのジムリーダーの人達は
皆自分が不思議な雰囲気をまとっていると言っていた
実際にウルップには自分の正体がばれたのだ ポケモンと心を通わす彼らなら、
自分がポケモンであることは薄々気づかれているのかもしれない
しかし、コルニから続く言葉は意外なものであった
「ジム戦の準備はバッチリ?」
自分の正体がばれておらず安心した
「どうしたの?」
「な、なんでもないです! 準備万端です、よろしくお願いします!!」
「うん! じゃあとりあえず、マスタータワーまで案内するね!
あなたに会わせたい人がいるの」
「会わせたい人?」
~シャラシティ マスタータワー~
預けていたポケモンを受け取ったコルニに連れられ、ミツミはマスタータワーまで訪れた
そこには、白髪(?)の老人が待っていた
「おじーちゃん、連れてきたよ」
「はじめまして ミツミです」
「うむ 私はコンコンブル、君の事はウルップから聞いておる」
ドキッ
「あ・・・あの 話ってどこまで・・・」
ミツミは恐る恐る聞いた
他のトレーナーにはない雰囲気をかもしだしている
そんな人にウルップは何を話したというのだろうか
「君がポケモンと共に暮らし、今は人間の事を知るために旅をしている という所までじゃ」
ホッ
「しかし、腑に落ちない点はいくつもある」
「ひゃい!?」
コンコンブルはただ疑問に思った事を聞きたかっただけなのだが、
ミツミはその意図が読みきる事ができず、動揺し思わず変な声を上げてしまった
「だ、大丈夫!? おじーちゃん、女の子を脅かすのはやめてよ」
「す、すまんな ただ私はいくつか質問をしたかっただけなのじゃが」
「い・・・いえ こちらこそ変な声を上げてしまって」
「それで 君にいくつか質問をしたいのだが・・・」
「は、はい! 私に答えられるものなら」
それから、ミツミはコンコンブルの質問に答えていった
もちろんだが、自分がポケモンであることはふせながら
コンコンブルはミツミのこれまで住んでいた環境や、
ウルップとの出会いから好きな食べ物まで幅広い内容を聞いてきた
そして・・・
「次に、これは核心につくのだが 君はポケモンじゃろう」
「はい・・・ってええ!!?」
「そこまで驚かんでいいじゃろう」
「いや、私 一度もそんな事」
「ふむ・・・その様子からして本当のようだな」
「あっ」
「安心しろ 誰にも言わんし、言うつもりもない」
コンコンブルは安心しろというが、ミツミはドキドキが止まらない
「やっぱり! 私もなんだか普通の人間じゃない気がしてたんだよ」
「うええええええ!!!?」
なんとコルニにすらこの事はばれていた
「今までばれた事はないの?」
「・・・ウルップさんに出会った時に」
「うーむ ウルップの奴それを隠していたから変な感じになってたのか」
「後は・・・ジムリーダーの皆から「不思議な感じがする」って」
「どうやらポケモンと心がつながったトレーナーには何となくわかるようじゃな」
ポォン
ミツミ達が話をしていた時、カイン、アベル、ナクラが飛び出してきた
「な、何?」
「ミツミ、逃げろ!」
「え?」
突然のカインの言葉に驚きを隠せないミツミ
「こいつらはお前の正体を知った! 何をされるか分らん! 早く!!」
「ま、私とアベルはこのバカの暴走を止めるため出たんだけどね」
「どういう事だよ」
「下手に暴れるなっつう事だよ
今までミツミ事を不思議がっていたトレーナー達はポケモンと心を通わせてただろうが」
「そうだけどよ こいつらは正体まで知ったんだぞ!」
「とりあえず私の話も聞いてよ! ばれた以上全部話そうよ それからでもいいでしょ!」
カインは納得していなかったが、ミツミの意見を尊重し渋々引き下がった
それからは、ウルップに言ったように本当の事をコルニとコンコンブルに話していった
全てを知った2人が自分に何をするかはわからないが、ばれた以上素直に話そう
そうミツミは決めていた
「ふーむ、つまり君はジュプトルに戻る方法を探すついでに
人間について知る為に旅をしているのか」
「はい」
「ならばメガシンカについて知っていて損はないじゃろう」
「メガシンカ?」
「うむ メガシンカとは人とポケモンの心が一つになった時に一時的に起きる
進化を超えた進化の事だ」
「人と・・・ポケモンの心が・・・一つに?」
「信じられんか?」
「いえ、これまでの旅でそんな事があるのは何となく」
「私と私のルカリオも小さい頃から一緒にいてね、今じゃ最高のパートナーだよ!」
「いいなぁ」
「どうして?」
「私は今でもお兄ちゃんとケンカばっかりしてるし、そんな事思ったこともないんだ」
「でもポケモン達の言葉がわかるんでしょう? うらやましいなぁ」
「「ケンカするほど仲が良い」なんて言葉もあるぐらいじゃ そんなことで絆は揺るがんよ」
「そう・・・ですかね」
「あぁ、大丈夫じゃ」
「ありがとうございます それで、メガシンカについてもっと知りたいんですけど」
「うむ では、これよりメガシンカにまつわる有難い話を聞くのじゃ」
「覚悟してね、話長いから」
「まずは・・・」
省略
「・・・以来我が一族はここでメガシンカの聖地を守ってきたのじゃ」
「ありがとうございました」
「ま、実際に見た方が分りやすいかもね」
「え?」
「そうじゃな ミツミ君、コルニも伝承者でな コルニとのバトルで体感するといいだろう」
「元々ジム戦しにやって来たんだもんね 今からやりましょ!」
「はい! お願いします!!」
「では、この中で戦うといい 君の正体の事を考えると、あまり目立たない方がいいだろう」
~マスタータワー地下 バトル用施設~
「こんな所にジムがあるなんて」
「まぁ私がジムリーダーをやってた時はここでジム戦をやってたのじゃがな」
「コンコンブルさんもジムリーダーを?」
「あぁ、今は引退しコルニに後を任せたのじゃ」
「じゃあ、早速 戦いましょ」
「はい!」
それではこれよりジムリーダーコルニと、チャレンジャーミツミのシャラジム ジム戦を行う
「頼んだよ コジョフー!」
「最初は・・・いってきて!アベルお兄ちゃん!」
それでは 試合開始!
「先手はもらうよ コジョフー、“ねこだまし”!」
相手のコジョフーの“ねこだまし”!
アベルは ひるんで 技がだせない!
「クソッ」
「大丈夫!?」
「あぁ、一気に倒す!」
アベルの“エアスラッシュ”!
効果は バツグンだ!
コジョフー戦闘不能! リザードンの勝ち!
「一撃とはね・・・次はこの子だよ! いけ!ゴーリキー!」
コルニはゴーリキーをくりだした!
「このまま押し切るぞ!」
アベルの“エアスラッシュ”!
効果は バツグンだ!
「何!?」
「甘いよ! お返しだ! ゴーリキー、“いわなだれ”!」
相手のゴーリキーの“いわなだれ”!
効果は バツグンだ!
リザードン戦闘不能! ゴーリキーの勝ち!
「じゃあいってきて Storm!」
「うん! 頑張るよ!」
ミツミはStormをくりだした!
Stormはプレッシャーを放っている!
「まずはこれかな えい!」
Stormの“ねっとう”!
ゴーリキー戦闘不能! スイクンの勝ち!
「いくよ!ルカリオ!」
「おう!」
コルニはルカリオをくりだした!
「ちゃんと見ててね これがメガシンカだよ!」
ルカリオのルカリオナイトとコルニのメガグローブが反応した!
「命! 爆!!発!!! メガシンカ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ルカリオはメガルカリオにメガシンカした!
「これが・・・メガシンカ」
「どこかで見た気がするわね・・・」
いつの間にかボールから出ていたナクラが呟いた
「どこかって?」
「今はバトルに集中しなさい 来るわよ」
「はぁぁぁぁ!!」
相手のルカリオの“インファイト”!
急所に当たった!
「ぐっ」
「Storm! 大丈夫!?」
「何とかっ」
ルカリオの防御と特防が下がった!
Stormの“ねっとう”!
「ごめん、次は耐えられない」
「大丈夫よ~後はお姉ちゃんに任せなさいな」
相手のルカリオの“しんそく”!
スイクン戦闘不能! ルカリオの勝ち!
「じゃあナクラお姉ちゃん、お願い!」
「えぇ」
ナクラは飛び出した!
「ここまでか」
「そうね、でも降参するつもりはないんでしょう?」
「ああ、最後の最後まであきらめない それが俺達の戦い方だ」
「「達」ねぇ・・・」
「どうかしたのか?」
「いえ・・・さぁバトルを再開しましょ」
「ああ、そうだな」
ナクラの“じしん”!
効果は バツグンだ!
ルカリオ戦闘不能! フライゴンの勝ち!
よって勝者 チャレンジャーミツミ!
「ありがとうございました!」
「それでミツミよ、君ならこの力を扱えるだろう」
「でも、貴重なものじゃ・・・」
「貴重だからこそ、信用できる者に渡したいのだ」
コンコンブルからとあるプレゼントを貰い、2人に別れを告げ次の町へ向かった
~ポケモンの村~
「やっぱりここにいましたね ウルップさん」
「おお、久しいな それで、旅は順調か?」
「はい! 各地でジムリーダーの人達と戦ってここまで戻ってきました」
「それで、俺に挑戦しに来たわけか」
「はい! よろしくお願いします!」
今回、ミツミはジムに ウルップに挑戦するためにエイセツへ戻ってきたのだ
「それで どうだ沢山のトレーナーと出会ってみて」
ミツミは各地のジムを巡りそれを通してたくさんの人達に出会ってきた
ウルップと出会うまでは聞いた中でしか人間を知らなかったミツミがこの旅で何を思ったのか
「ジムリーダーの皆さんやいろんな場所で出会った人達
みんな自分の考えや目標を持っていて・・・」
「うん それで?」
「でもみんな共通してポケモン達と仲が良くって・・・
心から繋がっている そんな感じがしました」
「うん そうか」
「私が今まで聞いてた人間とは全然違ってて なんで樹海なんてできたんだろうって思いました」
「おまえさん達が暮していた樹海は一部の人間のせいで生まれてしまったものなんだ
それは知っていてくれ」
「わ・・・かりました」
「なんとなくでいい それと、その樹海からお客さんがおまえさんに来てるようだ」
「私に?」
「そこの川で待っている 私は先にジムへ戻るから 会ってあげなさい」
ウルップに言われた通りに川へ近づくと、そこには見覚えのある影が佇んでいた
「もしかして・・・フリース?」
「あ、ミツミ!」
それからしばらくミツミとフリースはミツミが出ていった後の事をお互いに話し合った
ミツミはウルップと出会い、人間の事を知りたいと思いこれまで旅をしてきた事、そしてその中で起きた沢山のトレーナー達との出会いを
フリースはミツミが襲われた事を知って樹海を出たそうで、ミツミが人間になった事を知っている皆に声をかけたが、皆いろんな事情があり断られたこと、そして・・・
「僕がここについたとき、あの人・・・」
「ウルップさん?」
「そう!ウルップさん!あの人すごいね!僕が思ってる事ほとんど当てて、そのうえ「ここで待ってれば、いずれ戻って来る」って言ってきてね、本当に来たんだもんびっくりしたよ」
「そうなんだ」
「そういえば、一緒に出たみんなは? 皆で旅をしてるんでしょ?」
ポォン
「ここにいるぞ」
突然ボールから出たアベルが短く答えた
「えぇ!どっから出てきたの!?」
「モンスターボールっていう道具でね、これで皆を運んでいるの」
「へぇ こんな小さい球にねぇ」
「それで、フリースはなんで樹海からでてきたの?」
「だって皆がいないと楽しくなかったんだもん!」
これがフリースというポケモンである
楽しく暮らすことを第一とし、自分を捨てたトレーナーに対しても恨んでいるわけではなく、
ただ遊び相手を失った程度にしか考えていない
それもあってか、玉藻の部分も何事もなく通過したようだ
「そういえば、僕玉藻さんから伝言を預かってたんだ」
「あの狐がねぇ・・・それで、なんて言ってたの?」
いつの間にか飛び出していたナクラが尋ねる
「ナクラお姉様!」
「様はやめてって・・・まぁいいわ、それでどんな事を言ってたの?」
「あ、いや ミツミに「居場所が無かったら、私の処へ来なさい」って」
「あの女狐・・・ちょっとパーティーから外れるわよ 文句言いに行ってやる」
「ちょっとまてよ・・・ってもう行っちまったか」
アベルの言葉を聞く前に、ナクラは飛び立ち樹海の方へ行ってしまった
「どうする?お姉様追う?」
「そうだね フリース、場所わかる?」
「この川下って行けば玉藻さんの所に着くよ 乗って!」
「うん!」
ポォン
「行っても意味ないぞ「ちょっと」って言ってたし、待ってようぜ」
行こうとしている2匹をカインが止めた
「なんでよ」
「あいつ等は古くからの仲だからよ、水いらずの話もあるかもしれんだろ」
「でも私の事で怒っていたみたいだし、行った方がいいと思うんだけど」
「いいんだよ! あいつ等がケンカしてたらめんどい」
「・・・お兄ちゃん?」
「あ?なんだよ」
「ただ面倒くさがってるだけじゃん!」
ミツミはボールにカインを戻し、フリースの背中に乗った
「アベルお兄ちゃんはどうするの?」
「仕方ねぇな 緊急事態だからってほとんど検査しないで通して貰ったし、お礼もしないとな」
「じゃあフリース、お願い」
ミツミはアベルもボールへと戻し、そうフリースに伝えた
「任せて! 飛ばすからしっかり摑まってて!!」
「・・・誰もいないね」
「もしかして、お姉様より僕の方が早く来ちゃった!?」
「それはねぇと思うけどな」
しばらく川を下った所でフリースが「ここだよ」と言った所で降りたが、
そこには誰もいなかったのでしばらく手分けして周辺を捜していたのだ
「あれ?」
ミツミが皆から少し離れた所で見つけたのは、1匹のゴーストポケモンだった
それは、今まで見たゴースに近い見た目をしているが少し異なり、
その体は下にある石に繋がっているように見える
「おお、こんな所にトレーナーが来てくれるなんて!」
「あなた・・・なんていうポケモンなの?」
「俺は・・・人間なんだけど・・・」
「でも、どう見てもポケモンだよ?」
「・・・ちょっとポケモン図鑑をかざしてくれないか?自分がどんな事になってるか知りたい」
「・・・うん わかった」
自分を人間という謎のポケモンに対してミツミはポケモン図鑑をかざしてみた
図鑑の事を知っているということは少なくともただのポケモンではない
図鑑の説明を聞くと、ポケモンの正体がわかった
『ミカルゲ ふういんポケモン 500年前に悪さをした人間が
要石のひび割れに体をつなぎとめられてポケモンになったとされているポケモン』
「そっか、今はミカルゲなのか」
「図鑑には「悪さをした人間が」って言ってたけど、何かやったの?」
「うーん、ちょっと引っかかる事はやったかな」
「もしかして、タマゴから孵化したばっかのポケモン達を逃がしていなかった?」
「うん、たまにやってた 今回その事に対して謝りに行きたくてここまで来たんだ」
「・・・何を今更」
「え?」
「私もそんな風に捨てられた1匹だよ 今は事情があってトレーナーをやってるけど」
「そうなのか・・・」
「信じられない?」
「いや、俺も現にミカルゲになってるし、信じるよ」
「なんで捨てたポケモンに謝りたいと思ったの?」
「・・・俺は逃がしたポケモンも野生のポケモンとして生きていくと勘違いしていた・・・
普通に考えればそんな事ありえないのにな そんな間違いに気づいた時に樹海の噂を聞いてここまで来たんだけど、そのあとをよく覚えてないんだ 途中でキュウコンに出会ったとこまでは覚えてるんだけど」
ガサガサッ
そんな時に近くの草むらから音が聞こえてきた
「あらミツミ、なんでこんな所いるの? お姉ちゃんわかんな~い」
「ミツミ・・・そなたも来たのか、久しいな 私の下へ来る気になったか?」
「ちょっと~ミツミちゃんは私と一緒に旅をするのよ~ ミツミちゃんも否定してよ~」
「玉藻さん!お久しぶりです!」
「ちょっと無視しないでよ~ お姉ちゃん悲しい」
玉藻と再会した 捜していたナクラも一緒だ
「あ・・・あのキュウコンだ!」
「なんだ 先にミツミと会ってしまったのか」
再開した後しばらく、玉藻の話を聞いた
玉藻によれば、
このミカルゲは元々人間であり、人間が樹海に行くのは危険なのでひとまず眠らせて、置いておいたらいつの間にかミカルゲになっていた
ナクラとは祠で会ってから、話をしながらここまで戻って来たのだという
「そういえば、あなたの名前は?」
「俺は・・・ななみって言うんだ」
「ななみ・・・その姿は自業自得でしょ」
「ナクラお姉ちゃん、何を言ってるの?」
「普通に考えて、自然界に住んでいないポケモンが自然に適応できる訳ないでしょう
偶然が重なって生き残れても、地獄なのよ」
「・・・はい」
「謝りに行く? まず貴方が捨てたポケモンが全員生き残っていると思ってるの?」
「いえ・・・」
「生き残っているポケモンがいても、貴方の話なんて聞いてもらえると思ってる?
普通貴方を恨んでいるわよね」
「・・・」
「人間が勝つために無駄に生まれてしまったポケモン達の一生を考えた事が貴方にあるかしら
機械のように生み出され、機械のように捨てられていくそんなポケモン達の事を」
「ちょっと待てナクラよ、言い過ぎではないか?」
ななみ一人に対する、ナクラの冷たく鋭い言葉に口をはさむ玉藻
「あら、まだまだ言い足りないわよ」
「それをこの人間一人に言っても仕方がなかろう、その事に対しては厳選という事を行っている人間すべての業であろう」
「・・・そうだけど」
「・・・俺もこの姿は厳選で平気な顔をしてポケモンを逃がしていた罰だと思う」
「ほう」
「樹海が出来てしまったのは強さを求めるあまり、完全を求めた人の業だ
当然俺もそれを行ってきた人間の一員だ」
「わかってんじゃない」
「その罰ってんなら仕方のない事だと思う」
ミカルゲになったことを受け入れるような事を言いだすななみ
「ただ・・・」
「ただ・・・なに?」
「俺のポケモン達はどうなる
俺がいなくなったらそいつらの居場所が無くなってしまうじゃねぇか」
「知ったこっちゃない・・・って言いたいけど、確かにそうね」
「それなら、ミツミにそのポケモン達を任せてはどうだろうか」
「え、私に!?」
「うむ、そうすればこやつは自分の罪と向き合い、ミカルゲとして生きる事を選べるだろう
どうかな」
「俺は構わないよ」
「決めるのは貴女よ、ミツミ」
「私は・・・やだな」な
「なっ」
「私は今もポケモンに戻る為にその方法を探して旅をしてるの
ななみも人間に戻れないって諦めないでよ」
「って言っても俺をこの姿にした奴がわからないしなぁ」
「じゃあ、別の方法を考えようよ」
「ならばミツミよ、そなたがこやつを連れて旅をするのはどうだろうか」
「え?」
突然の玉藻の提案に驚きを隠せないミツミ
「そなたがジュプトルに戻れる状態になれば、こやつも人間に戻れるだろう 共に行動すればそのタイミングも同時期になるはずだ それまでこやつのポケモン達をそなたが預かるのが良いと思うのだが、どうだ?」
「・・・いいよ そうしないとななみのポケモン達がどうなっちゃうかわらないもん」
「そう言ってくれると助かる ななみもそれで良いな?」
「拒否権なんてないし、いいよ これから君のポケモンとして戦おう」
「ナクラお姉ちゃんもそれで良いよね」
「・・・」
「お姉ちゃんが人間を嫌ってるのはわかってる・・・けどお願い!」
「・・・ふぅ いいわよ」
「やった! それじゃ、これからよろしくね!」
「こちらこそ、よろしく」
「では、カイン達に合流しようか
こやつが持っていたモンスターボールは私の住処に置いてある」
~エイセツシティ エイセツジム~
カイン達に合流した後、ななみの事情を伝え一緒に旅をすることを認めてもらい、
一行はウルップの待つエイセツジムへ足を運んだ
フリースはポケモンの村での生活が気に入っているらしく、ポケモンの村に留まる事を決めた
ななみのポケモン達には、全員に事情を説明しミツミのボックスへ一時的に移ってもらった
「ついに来たな」
「ウルップさん!対戦を申込みに来ました」
「うん あれだよ よけいな言葉などいらないだろう」
「はい! お願いします!!」
これより、ジムリーダーウルップとチャレンジャーミツミのエイセツジム ジム戦を行います
「行きなさい、フリージオ」
「お願い!Storm!」
Stormはプレッシャーを放っている!
「あの時は迷惑をかけたね」
「気ニスルナ 手加減ナンテスルナヨ」
「もちろん!」
それでは、試合開始!
「攻めていくぞ、フリージオ“フリーズドライ”」
「弱点ノ技ヲドコマデ耐エレルカナ?」
ウルップのフリージオの“フリーズドライ”!
効果は バツグンだ!
「半分いかなかったね、お返しだ!」
Stormの“ミラーコート”!
「ガッ」
フリージオ戦闘不能! スイクンの勝ち!
「お疲れ 次はこの子だ 行け、ユキノオー」
ウルップはユキノオーをくりだした!
ユキノオーの“ゆきふらし”!
あられが降り出した!
「とりあえず、ダメージを与えとくよ」
Stormの“れいとうビーム”!
「スイクンを倒すぞ、ユキノオー“タネばくだん”だ」
ウルップのユキノオーの“タネばくだん”!
効果はバツグンだ!
「後は・・・頑張って」
スイクン戦闘不能! ユキノオーの勝ち!
「Storm、お疲れ ユキノオーなら任せたよ!アベル!」
「よし、任せろ!」
「ウルップさん!見ててください!これが旅で手に入れた力、いくよ!」
アベルのリザードナイトYとミツミのメガアンクレットが反応した!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
アベルはメガリザードンにメガシンカした!
「ほう、メガシンカか」
アベルの“ひでり”
日差しが強くなった!
「少しでもダメージを与えておくぞ、ユキノオー“こおりのつぶて”」
ウルップのユキノオーの“こおりのつぶて”!
「くらえぇ!!」
アベルの“かえんほうしゃ”!
効果はバツグンだ!
ユキノオー戦闘不能! リザードンの勝ち!
「うむ強い 最後はこの子だ 頼んだよ クレベース!」
ウルップはクレベースをくりだした!
「クレベース・・・あの時は世話になったな」
「気にするなあの時は主の命に従っただけだ」
「あぁ、じゃあ始めようぜ!」
「ああ」
アベルの“かえんほうしゃ”!
効果はバツグンだ!
「甘いな」
クレベースの“がんじょう”
ウルップのクレベースは攻撃をこらえた!
ウルップのクレベースはじゃくてんほけんで攻撃がぐーん上がった!
ウルップのクレベースはじゃくてんほけんで特攻がぐーん上がった!
「お返しだ、クレベース“ゆきなだれ”」
ウルップのクレベースの“ゆきなだれ”!
「ぐわぁぁ!」
リザードン戦闘不能! クレベースの勝ち!
「アベルお兄ちゃんもお疲れ 最後は任せたよナクラお姉ちゃん!」
ミツミはナクラをくりだした!
「後はとどめだけね つまんな~い」
「そんなのいいから決めちゃって!」
「はいはーい」
「変わらんなお主は」
「あら?結構丸くなったわよ じゃあとどめよ」
「ああ」
ナクラの“ばかぢから”!
クレベース戦闘不能! フライゴンの勝ち! よって勝者、チャレンジャーミツミ!
「皆、お疲れ ミツミ、おめでとう」
「ありがとうございます!」
~エイセツシティ エイセツジム地下~
ミツミは皆を回復させた後、ウルップのもとへ再び訪れ、ななみを紹介した
この姿は罰なんだと受け止め、ミカルゲとして生きようとしていた事、それを止めて一緒に元の姿に戻る方法をみつけようと旅に誘った事
全てをウルップさんに伝え、この人間が誰なのか知ろうとしたのだ
「ほう、そんなことが」
「はい、なのでこのななみも一緒に旅をすることになりました」
「チャンピオンが樹海の罰を受けるとはな」
「チャンピオン?」
「あぁ、ななみはこの地方の新チャンピオンでな 少し前から行方知れずになっていたのだ」
「大変な事じゃないですか!」
「慌てるな 今ななみは別の地方に行った事になっている」
「別の地方?」
「うむ 誰にも言わずに最近盛り上がりを見せているホウエンという所に行ってしまったというのがこの地方の人間の考えだ」
「それで本当はポケモンになって樹海の近くに行ってたと」
「この事は誰にも言わんようにな また騒ぎになっても面倒だ」
「そうですね」
「それで、挑戦しに行くのだろう? ポケモンリーグに」
「はい!」
「場所はわかっているのか?」
「最初に迷った所が正面ゲートだったので、大丈夫です」
「ならばもう言う事などないな 行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
そういうとミツミは一目散に走って行った
ポケモンリーグ
この地方で最もポケモンと心を通わせ、頂点に立っている人の元へ
ミツミが旅で見てきたポケモンと心を通わせている人間
それともななみのようにポケモンを平然と捨てるような人間
どちらが本当の人間の姿なのか
ミツミの旅の終わりが近づいている
次回予告
ついにチャンピオンと対決するミツミ
この地方で最も強いトレーナーと対面し、ミツミは人間のことをどう感じるのか
そして舞台はあらたな地方へ!(今度こそ)
次回「関係」