ジュカインと樹海の仲間たち   作:ななみ@カイン

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前回のあらすじ
トウカジムで勉強が必要だといわれ、ポケモンバトルの知識を知るためトレーナーズスクールに向かうミツミ
その最中で変な男と出会う
男とのバトルで無知を思い知らされるミツミ
はたして、勉強できるのだろうか?


第6話「勉強なんて・・・」

~トウカの森 カナズミ側入口~

 

「やっと抜けれたー」

 

ポォン

 

『結構時間かかったわね』

 

出てきたのはナクラだった

本当はナクラやアベルに乗って空を飛べば早かったのだが、研究員の人と会った場所から出口までそんなに遠くないというななみの話から、ここまで歩いてきたのだ

 

「ななみの話、信じていいのかなぁ?」

『まあアイツも久しぶりのホウエンなんだし、アテにはならないのかも知れないわね』

「目の前に湖があるけど、これを超えた先がカナズミシティだよね?」

『そのはずよ、私の背中に乗って 突っ切っちゃいましょ』

「うん、そうだね」

 

そう言うと、ミツミはナクラの背中にまたがった

 

『さぁ飛ばすわよ~しっかりつかまっててね~』

「え?ちょっと待ってて・・・うわぁぁぁぁぁ!!」

 

ナクラはミツミが乗っかったのを確認してすぐに湖の上を飛んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~カナズミシティ ポケモンセンター~

 

「はいお待たせしました、みんな元気になりましたよ!」

「ありがとうございます」

 

カナズミシティについたミツミはそのままポケモンセンターへと向かい、みんなを回復させた

ラルのこともあったが、それ以前にもうみんなトウカの森でのバトルで疲弊していたからだ

 

「それにしても、すごい人数ですね」

 

今回の回復には、かなり時間がかかってしまった

それはポケモンセンターに沢山のトレーナーがいて、順番待ちが起きていたからだ

今回はひんしになっているポケモンたちがいなかったので、後回しにされていたが、おかげでミツミがボサボサになった髪をとかす時間ができたので、さほど問題はなかった

 

「あぁ明日のためにみなさん集まっているみたいですね」

「明日?」

「あれ?もしかして明日の試験のことを知らない?」

 

ミツミは黙ってうなずく

 

「そうだったの、実は明日がカナズミジムの試験日なのよ」

「あれ?ジムはいつでも挑戦できるんじゃ・・・」

「本来はそうですが、私のジムは挑戦者が多すぎるのでまず試験を受けてもらっているのです」

 

ミツミのすぐ後ろで声がしたので振り向くと、そこには紺色のワンピースでツインテールをしている女性が立っていた

 

「あっごめんなさい」

「いえ、私も急ぎではないので」

 

ミツミはすぐにこの女性の邪魔をしていることに気づき、横にずれた

 

「ツツジさん、こんにちは ポケモン達の回復ですね」

「ええ、お願いいたします」

 

ツツジとよばれた人はモンスターボールをジョーイさんに預けた

 

「え・・・えっと さっき「私のジム」って言いませんでした?」

「はい 申し遅れました、私がカナズミジムのジムリーダーを務めさせていただいているツツジと申します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ポケモンセンター エントランス~

 

「貴女は初心者ということなので、まずはタイプ相性から行いましょう」

「よ・・・よろしくお願いします」

 

ミツミはツツジのポケモン達が回復する間、勉強することになった

カナズミジムへ挑戦できるのは、毎週1回行われている筆記試験で上位3名がジムリーダーに挑戦できる権利をもらえる方式だったため、知識がないミツミは勉強するしかなかった

それを知ったツツジが、ポケモン達が回復している間だけならと特別にポケモンについて授業をしてくれることとなったのだ

 

「ではまず、ポケモンを1匹出してくださるかしら」

「はい ラル、出てきて」

 

ミツミはラルをだした

 

「ラルトスですね この子のタイプはわかってますか?」

「えっと・・・エスパータイプとフェアリータイプだったかと・・・」

「はい、正解です ではエスパータイプからいきましょう」

「エスパータイプの技・・・そうですね“ねんりき”を放つときにとてもダメージが大きくなる弱点となっているタイプはなにかしら?」

「え、えっと・・・かくとうタイプ?」

「すばらしいです! 後はどくタイプにも良くダメージが通ります」

「ふむふむ」

「では逆に、ほとんどダメージが通らないタイプはなにかしら?」

「うーん・・・あ、ポチエナ!」

「ええ、そうですね では、ポチエナは何タイプでしょう」

「うぇ? うーん・・・」

「正解はあくタイプですわ エスパータイプの技はあくタイプにまったく効果がありませんの」

「へー」

「他には同じエスパータイプやはがねタイプにも効果は期待できませんの」

「えっと・・・エスパータイプの技は、あくタイプのポケモンに効果がなくて、エスパーとはがねには効果がいまひとつ」

「ええ、次は・・・」

 

「どけどけどけーーー!!!」

「なんですの?一体」

 

そんな勉強の最中、外からかなり大きい怒号が聞こえた

 

「待ってーーー その荷物かえしてぇぇぇぇ!!」

 

その声を聞いた時、二人は自然とポケモンセンターの外へと走っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~デボンコーポレーション前~

 

「何がありましたの!?」

「あぁ!ジムリーダーさん!それにトウカの森で助けてくれたトレーナーさんまで!た・・助けてくださぁぁぁぁい!!」

「お・・・落ち着いて 何がおきたんですか?」

「さっき君に守ってもらった大切な荷物がとられたんですよぉぉぉぉ」

「そ・・・それで? 盗人はどちらへ?」

「この先の116番道路に行きました・・・あぁぁ僕はもうだめだぁおしまいなんだぁ!!」

「落ち着いてくださいな、あそこまでは徒歩ではかなり時間がかかるはずです」

「なら今から行けば間に合う・・・ナクラ、お願い!」

 

ポォン

 

ミツミはナクラをボールから出し、背中にまたがった

 

『さぁ飛ばすわよ!』

「うん!」

 

ミツミはそのまま116番道路へと向かった

 

「私たちも後を追いましょう」

「そうしたいですけど・・・」

「?何か問題でも?」

「僕今ポケモン持っていないし、ジムリーダーさんも腰にボールありませんよね」

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~カナシダトンネル前~

 

「はぁはぁ ここまで来れば撒けただろう 後はカイナシティへ行く道だけだな」

 

男はカナシダトンネルの前で一休みすることにした

セキュリティが完全でないとしても大企業の本社に侵入し、目的のブツを奪ってきたのだ

それなりの難易度はあるだろう

 

「みぃつけた!!」

「!!誰だ!!」

 

男は辺りを見回した しかし辺りには誰もいない

 

『食らいなさい!』

 

男はフライゴンの鳴き声を聞き、ようやく自らの頭上をみた

その光景はすでに無数の隕石で埋まっていた

 

「うぉ!?」

 

男はその隕石すべてを避けた

 

「あれを全部避けるの!?」

『まぁ本気じゃないしね~』

 

隕石はナクラの“りゅうせいぐん”だった

 

「危ねぇな!一体誰だ!!」

「・・・トウカの森で会いましたよね」

「ってあの時のガキか また俺の邪魔しようってのか?」

「人のものを盗るのはどろぼうですよね」

「うるせぇ、いけ!ポチエナ!」

「ナクラ、お願い」

 

ポォン

男が出したポチエナはそのままナクラへと向かって走りだした

 

「行け!“かみつく”だ!」

『甘い』

 

ドォン

鈍い音が辺りに響く

 

ナクラはポチエナの噛み付いてくる口元から掴み、そのまま地面へと叩きつけたのだ

当然ながら、ポチエナは戦闘不能 ひんし状態になっていた

 

「ひぃぃ」

 

男はポチエナを戻すと、カナズミに向かってかけていった

 

『逃がさないわよ』

 

そう言うとナクラは地面を強く叩いた

 

ドォォン!!

先ほどよりはるかに大きな音が響き渡る

 

「なつ!?」

 

ナクラの拳から男まで地面が割れていた

男は逃げる暇もなくその“じわれ”に巻き込まれた

 

「・・・ナクラお姉ちゃん、やりすぎじゃない?」

『手加減はしてるわよ~ ま、男一人が自力じゃ上がれないぐらいの深さよ』

 

 

 

「大丈夫ですかー」

 

ミツミは男の身を案じながら、男の落ちた溝を覗いた

 

「畜生・・・覚えてろよ」

 

男はミツミを睨みながら暴言を吐いている

 

『この調子なら大丈夫そうね』

「ひぃ」

 

だが、ナクラが覗いたら態度は一変 怯えるようにこちらを見つめている

 

『じゃ、あのツツジとかいうジムリーダーが来るまで見張ってましょ ジュンサ―も一緒にくるでしょうし』

「うん、そうだね」

 

 

 

 

 

しばらくして、男はジュンサーさんに連行されていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~デボンコーポレーション 社長室~

 

「いや~うちの社員を2度も助けてくれてありがとう!」

「いえ、あの人も捕まってよかったです」

 

ミツミは研究員に連れられ、セボンコーポレーションの社長室にやってきた

現在、この場にはミツミと社長のツブワキ、そしてトウカの森でミツミと出会った研究員とツツジの4人がいる

 

「それで、面倒ついでにキミに頼みたい事があるんだが・・・」

「頼みたいこと?」

「もちろん、お礼もしよう ツツジ君、私の顔を立ててお願いできるかな」

「・・・仕方ありませんね」

 

ツツジは困ったようだが、少し嬉しそうな顔をしている

 

「?」

 

お礼とツツジ・・・一体どのような関係があるのか

ミツミはそのやり取りに疑問を感じ、首をかしげた

 

「ミツミさん」

「はっ・・・はい!」

 

急にツツジから声をかけられ、戸惑って応えてしまう

 

「貴女の功績を認め、ジムリーダーへの挑戦を認めます」

「・・・ふぇ?」

 

理解が追い付いつかず、変な声でかえしてしまう

 

「ツブワキ社長とのお話が終わったら、ジムへいらしてください」

 

それだけを言い残し、ツツジは社長室を後にするように階段を下りていった

 

「君はこれで、筆記試験を受けずにカナズミジムに挑戦できるようになった まぁあの人もバトルしたがっていたみたいだから別に良いと思うんだがなぁ 面子ってめんどくさいよね」

「社長の貴方がそれ言いますか」

「まぁまぁ さてこれで君へのお礼ができた」

「あ・・・ありがとうございます!」

「・・・随分うれしそうだね」

 

ミツミは満面の笑みを浮かべ、ツブワキ社長にお礼を言った

 

「正直言って自信なかったんです!」

「は・・・はっきり言っていいのかな?」

「うんうん、素直が一番だよ それで・・・私の頼みなんだが、カイナシティへ行ってほしいのだ」

「カイナシティ・・・ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~カナズミジム~

 

「どうしてこうなったんだろう」

「あら? ご不満だったかしら?」

「うれしいんですけど~」

 

ミツミは複雑だった

試験を受けることなくジム戦できることはうれしいが、人のツテで挑戦しているのが気に食わなかった

 

「まぁいいです、それでははじめましょう」

「はい!」

 

 

 

これより、ジムリーダーツツジとチャレンジャーミツミのカナズミジム ジム戦を始めます

使用ポケモンは2体 ノーマルルールによる戦闘とします

ポケモンの交代はチャレンジャーのみ認められます

 

「いきなさい、イシツブテ!」

「お願い、ナクラ!」

 

それでは試合、開始!

 

『先手必勝でいくわよ!』

「うん!ナクラ“ばかぢから”!!」

 

ナクラは、一気にイシツブテとの距離を詰め寄った

 

「早い!」

『はぁぁぁぁぁ!!』

 

ナクラは拳を握り、イシツブテへと放った

 

その拳はそのまま地面へと刺さり、土埃を巻き上げた

 

「な・・・何も見えない!」

「・・・目をつむってる場合ですの?」

「え?」

「イシツブテ“がんせきふうじ”!」

 

 

 

 

 

『はずしたのかしら』

『いや、“がんじょう”だ』

『そう・・・ぐっ』

 

土埃の中では、いつの間にか出現していた岩がナクラの羽に直撃していた

ツツジが指示した、岩石封じが当たったのだ

 

「続いて、“いわおとし”!」

『仕方無いわね・・・』

 

イシツブテがいわおとしを行う準備の最中、ナクラは背中をイシツブテに向けた

 

『逃げるのか? トレーナーの指示なしで』

『ええ、これが私たちのやり方ですも・・・のっ!』

 

ナクラは、振り返り際の尻尾でイシツブテに攻撃を仕掛け、そのままミツミのもとへと飛んでいく

 

ナクラの“とんぼがえり”!

 

「えっ ちょっと待って」

 

土埃から飛び出してくるナクラを見て、慌ててミツミはナクラのボールを懐からとりだした

 

「一体何があったの?」

『羽が痛いから、休ませて~』

「もう」

 

土埃が晴れ、そこにいたのは 戦闘不能となったイシツブテだけだった

 

イシツブテ、戦闘不能! フライゴンの勝ち!

 

「ありがとうございます、イシツブテ

 ミツミさん、ポケモンのことを信頼しているのですね」

「え、あ・・・はい!」

「次は・・・この子です  いきなさい ノズパス!」

「じゃあ、お願い カイン!」

『よっしゃ! まかせろ!』

 

それでは はじめ!

 

「カイン、“エナジーボール”!」

『うおぉぉぉらぁ!!』

 

カインは右手にためたエネルギーの球をノズパスに向かって放った

 

「ノズパス、“ロックオン”!」

 

ドォン

カインの放ったエナジーボールがノズパスへと直撃した

 

しかし

ノズパスは倒れていなかった

 

『まじか』

「反撃です、ノズパス“でんじほう”!」

 

ノズパスは電気を一か所に集め、それをカインめがけて放った

 

「避けて!」

『当たるかよ!』

 

カインはジャンプをし、その球を避けようとした

しかし、避けた先へとでんじほうは向かってきた

 

『ぐはっ!』

 

カインはそのまま宙で一回転し、地面へと不時着しうつ伏せになっている

 

「今です!もう一度“ロックオン”!」

 

ノズパスはもう一度カインに狙いを定め始めた

 

『く・・・そがっ!』

 

カインは体がしびれて思うように立ち上がれずにいる

 

「いきます!ノズパス“でんじほう”!」

 

ノズパスは再び電気を一か所に集め始めた

その時

 

「“エナジーボール”!」

 

ミツミがカインへと指示を出した

 

『チッ』

 

それを聞いたカインは、体を支えていた手をはなし、片手でエナジーボールを作り出す

 

『電気ができる・・・その前に!

 おらぁぁぁぁ!!』

 

カインはそのままエナジーボールを放った

 

『!』

その球は電気を貯めていたノズパスへと直撃した!

 

 

 

ノズパスが貯めていた電気がフィールド上に拡散していく・・・

 

 

ノズパス、戦闘不能!ジュカインの勝ち! よって勝者、チャレンジャーミツミ!

 

 

「か・・・勝ったの?」

「ノズパス、お疲れ様です 明日もこの調子でお願いしますわね」

 

ツツジはノズパスをボールへと戻すと、ミツミか近づいてきた

 

「お兄ちゃん、お疲れ」

「ミツミさん」

「はっはい!」

「おめでとうございます そしてこれが私に勝った証であるストーンバッジですわ」

「あ・・・ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~カナズミシティ ポケモンセンター前~

 

「これから、どちらへ?」

「えっと・・・カナシダトンネルを超えて、カイナシティです」

「えっ カナシダトンネルはつい最近起きた地震でまた通行止めになっていますけど」

「うぇ!?」

 

カナシダトンネルはツブワキ社長から、10年前に開通したとだけ聞いていた

そのため、それ以外でのカイナシティへの行き方は聞いていなかったし、考えてもいなかった

 

「もし、大丈夫でしたらムロタウンへ寄ってはどうでしょうか」

「ムロタウン?」

「トウカの森を超えて、そのまま真っ直ぐに海を越えていけばムロタウンにつくはずです

 そこにもジムリーダーがいるので、挑戦してみては?」

「え・・・でもカイナシティは?」

「ムロタウンから東に進めば、カイナへは行けるはずです」

「そうですか・・・わかりました ムロタウンへ行ってみます」

「それが良いと思いますわ」

「それでは、いろいろありがとうございました!」

「ええ、また勉強をしにいらしてくださいね」

「うう~勉強は~」

「ふふっ」

 

 

そうしてミツミはナクラに乗って飛んでいった

目指すは、格闘タイプのジムリーダーのいるムロタウンだ

 




次回予告
「倒す 倒す 倒す!」
「ラルトスが暴走!?」
「君はトレーナー失格だ」

次回「トレーナーとしての心」


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