【第一部】~吉良吉影は静かに生き延びたい~/【第二部】~Saint Babel Run~   作:どくたあちょこら~た

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初めまして、どくたあちょこら~たと申します。
ジョジョの奇妙な東方Project避難所【http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11393/】にて、キラ☆ヨシカゲの名前で活動しております。
完結した連載小説をこちらに転載することにいたしました。
稚拙な文章力ですが、読んでアドバイスをいただけると幸いです。

注意
・「東方project」「ジョジョの奇妙な冒険」の二次創作作品です。
・自己設定、自己解釈、ご都合主義、キャラ崩壊、原作に登場しない能力の成長、グロテスクな表現、暴力シーンを多量に含んでおります。


【第一部】~吉良吉影は静かに生き延びたい~
第一話 外の世界から来た殺人鬼


~吉良吉影は静かに生き延びたい~

 

 

 

第一話 外の世界から来た殺人鬼

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――

 

 

――――――――彼は、目を覚ました。

 

 

 

――――――――――――――――

―――――――――――

―――――ここは………………?

 

 

 

彼はゆっくりと体を起こし、辺りを見回す。見渡す限り真っ暗闇で、暫く何も見えなかった。やがて暗闇に目が慣れ、周りの景色が朧気ながら見えるようになる。

――――――――そこはうっそうとした夜の森にぽっかりとあいた、彼岸花が咲き乱れる広場だった。

空を見上げたが、新月だからだろう、全く明かりのない暗黒のプロネタリウムが目に入るだけだった。

「――――――――なんだ…………?

どうしてわたしはこんなところにいる……?ここは………何処なんだ………?わたしは…………」

彼は地面に座ったまま、どうして自分はこんなところに倒れていたのか記憶を辿る。

「(………確か…………私は【バイツァダスト】を発動させようとした………だが広瀬康一のクソガキに阻止され……承太郎に時を止められて………その後は……――――――――) 」

 

 

 

迫るタイヤ

 

 

                      犬に喰い千切られた左手

 

 

   無数の手

 

 

               引き裂かれる体

 

 

 

――――――――さあ…?でも…「安心」なんてない所よ…少なくとも…――――――――

 

 

 

 

「うあああああああああァァァァァァァァ――――――――!!」

全てを思い出し、男―――――吉良吉影は、絶叫した。

 

 

「(そうだ…私は死んで…………!)」

汗がダラダラと噴き出し、息が荒くなる。

ドグン――――ドグン――――

一度はその鼓動を停止した心臓が恐怖に縮み激しく脈をうつ。

「(――――――――ッ!?)」

再び辺りを見回すと、さっきは気付かなかった光景がはっきりと目に飛び込んで来た。

そそりたつ卒塔婆

墓石代わりに積まれた石

散らばった人骨

 

 

辺りに満ちる【死の気配】と、撒き散らされた鮮血のように紅い華が、彼に否応なしに――――――――【死後の世界】というものがあるなら―――――――【安心】なんてない、【最悪の世界】を連想させる。

「――――――――ハァ――――

―ハァ――ッ―ハァ―

―ハッ――――――」

(ば………馬鹿な……ッ!?まさか、まさかッ!?

ここが【地獄】だと言うのかッ!!)」

彼は胸を押し潰す不安を押さえつけ、自分を裁く【鬼】が現れるのを迎え撃つため神経を張り詰める。

「(そういえば【スタンド】は使えるのだろうか?) 」

彼は祈るような気持ちで、自身の精神の片割れの名を呼んだ。

「【キラークイーン】!!」

彼の心に応えるように、それは隣に出現した。

猫とドクロを足して2で割ったような凶悪な顔、筋骨隆々の四肢、そして全身のドクロマーク。

彼の【スタンド】、【キラークイーン】だ。

「――――――――よし、【キラークイーン】は問題なく使えるな…………」

吉影はホッと安堵の溜め息を吐く。

ともかく、これで多少の危機には対応できる。

吉影の心に【安心】が染み渡っていき、同時に幾分か冷静さが戻ってくる。

「(――――――――ここで座り込んでいたって仕方ない。

地獄に森があるかは知らないが、どうも肉体は実体があるようだ。

それに、落ち着いて考えてみれば地獄に卒塔婆や墓なんてのも妙な話・・・

もしかしたらここは【地獄】ではなく、【この世】のどこかなのかも知れない。

それなら早くこんな場所抜け出して、人の営みのある場所に向かうべきだろう。)」

吉影は立ち上がり、辺りを見回そうとした時、

「うおっ!!」

吉影の目の前に、突然1人の人影が現れた。

「(――――――――なんだ、子供か…)」

彼の前には、一人の少女が立っていた。

ほっと息をはく吉影。

その少女はどうみても日本人には見えなかった。

森の闇に映える金髪、赤い目、白い肌、欧米人の風貌である。

「(どういうことだ……?こいつのこの【風貌】………

まさかわたしは日本から遠く離れた国まで飛ばされたというのか……!?一応英語は話せるが、この娘に通じるだろうか……?)」

 

 

――――――――吉良吉影は、このとき、冷静さを若干喪失していた。

死後起床したばかりなのもあっただろう、が、何より自分の置かれた状況の把握に気を取られ過ぎていたのだ。

そう、彼は疑問に思う事はなかった。

『なぜこんな暗い夜の森の奥に、こんな少女が一人でいるのか』

 

 

 

さて、吉影はとりあえずその少女の様子を伺うことにした。

少女はまじまじとこちらを観察するように、現れてからずっと好奇の目で見ている。

「(何から話そう…取り敢えずは適当な挨拶を交わし、会話が通じるなら自宅まで案内してもらうとするか。

ここが何処なのかその後訊けばいい…)」

吉影が口を開こうとした時、

「――――――――ねえ、あなた………」

少女が口を開いた。

「(?

こいつ……今なんと言った?日本語か?

聞き違いかもしれないが、一度日本語で話し掛けてみるか。)」

吉影は【いつも通りの】柔らかい物腰で、少女に話し掛けようとした。

「あの、すまないが――――――――」

その刹那――――――――!

「あなたは食べていい人類?」

少女がニィっと不気味に笑った。

ドドドドドドドド!!

「――――――――なァ…ッ!?」

瞬時にキラークイーンを構え、少女が放った光弾を弾く。

「うおおおおおおおおおお!?」

あまりに突然、かつ大量の光弾だったために、防ぎきれず、何発かが吉影に命中した。派手にブッ飛ばされ、樹に背中をしたたか打ちつけた。

「ガフッ…!」

地面に膝をつき、傷を抑える。肉が抉れていた。

「(いっ…今のは何だ……?

危なかった…!全弾受けていたら即死だった…!!…)」

常人なら今の数発でも死ぬかもしれなかったが、彼はすぐに立ち上がり、構える。

「(何なんだこのガキは!?

キラークイーンを見ていない様子からしてスタンド使いではないようだが………

少なくとも、それに準ずる【超越した何か】を身に着けていることは間違いない・・・) 」

そいつは吉影をさらに好奇心をこめた目で見ていたが、やがて口を開く。

「ねえ、今何をしたの?私の弾幕を弾いたように見えたけど。」

「(………やはりこいつには【キラークイーン】は見えていないらしい。

このクソガキが何者かはまだ分からないが……ならばいくらか私のほうが有利!)」

「おい、お前。さっきわたしに『食べてもいい人類か』と訊いたが、君は人間ではないのか?」

「ああ、あなた私のことを知らないの~?

もしかしてあなた外の人間?」

少女はあどけない表情で彼に質問した。

「……………………」

吉影は無言でポケットから何かを取り出すと、少女に向かって投げつけた。

少女はそれを手でキャッチし、

「何これ?甘そうな匂い……

なんだかとっても美味しそ~♪」

それ――――チューインガムを口に入れた。

「う~ん、甘~い♪」

ガムを噛みながら、少女は幸せそうに笑う。

「言っとくけど、これの代わりに見逃してくれなんて、聞くつもりはないよ?

これを食べたらすぐにでも………」

「――――――――質問に…………」

「?」

「質問で返すなァァァ~ッ!!」

カチッ

吉影は【キラークイーン】のスイッチを押した。

ドグオオオォォォォ!

「きゃああああああああ……………!!」

少女が断末魔の叫びを上げた。

強烈な衝撃が彼女を内側から襲う。

少女はバタリと倒れ、動かなくなった。

「【キラークイーン第一の爆弾】………お前の脳ミソは3分の1ほど顔面とシェイクされた。」

吉影は倒れている少女を冷徹に見下ろし、呟いた。

「(――――――――スタンド使いではない、それは言える。

だが、あの【光の弾】は何だ?

それにこいつは、自分は『人間ではない』かのような言動をした。

『食べてもいい人類』………『外の人間』……

一体こいつは何でここはどこなんだ……?)」

「(――――――――考えても仕方ない………とりあえずは【今最優先すべきこと】をするとしよう………)」

彼は少女の死体に歩み寄り、見下ろす。

「――――――――フフフ…、しばらく出来なかったが、ここにあのクソッタレ仗助がいないことは確実……

今なら安心して【彼女】を連れて歩くことができるぞ!」

【キラークイーン】の腕が振り上げられる。

「さあ…………

私の下に来い!!手首だけなッ!!」

【キラークイーン】の手刀が、振り下ろされた!!

メキメキという音が静けさを破壊し、飛び散る鮮血が森の闇を塗り替える!!

 

 

「――――――――な…ッ……」

吉影が、絶句した。

「何だとォ……ッ?!」

吉影の顔が苦痛に歪む。

「そんな馬鹿な!?」

少女の手が、吉影の足を握り潰していた。

「ぐおおおおおおお!?」

足が悲鳴をあげる。

今にもちぎれそうだ。

「捕まえた~♪」

少女が顔を上げ、吉影の顔を見上げた。

その顔には傷も内側から力を加えられた跡も残っておらず、目は爛々と喜びに輝いていた。

もっとも、その輝きは子供の無邪気な笑顔とは程遠い、悪事が成功した時の邪悪な喜びからくるものだったが。

「(確かに効いたはずだ!

脳をシェイクされてもこれほど元気など、たとえ人間でなくてもあり得ん!)」

「えへへ~さっきのはちょっと驚いたよ~。

でもこれで…逃げられなくなったね!」

「ぐあああああああ!!」

少女の手に力が加わる。

足の肉は裂け、骨もヒビがはいってきている。

「(マ、マズイ!このままだと足を持って行かれる!!)」

「【キラークイーン】ッ!!」

スタンドの脚で少女の顔面を全力で蹴り飛ばした。

「きゃあっ…!」

少女は吹き飛び、木に打ちつけられてずるずると倒れた。

「ハア…ッハア……」

吉影は足の具合を確かめる。

「(クソッ!なんて馬鹿力だ…この足ではとても逃げられん……)」

吉影は舌打ちし、少女を睨み付ける。

「やっぱりあなた、普通の人間じゃあないね~。念力のような力なのか~?」

少女は先程と同じように平然と起き上がった。

さすがに今回は頭から大量出血しているが。

「(畜生め……!何故あれほどの傷を受けて立っていられるんだ!?)」

腹に大穴があいている彼も大概だが、吉影は少女の頑強さに胸の内で毒吐く。

「さっきは不意討ちでやられたけど、今度こそ晩ごはんのメインディッシュにしてあげる!」

吉影は直感した、何かがくる!!

「【キラークイーン】ッ!!」

彼のスタンドに防御の構えをさせる。

「ブラックアウト!!」

少女が声を張り上げた次の瞬間、少女の体がどす黒い霧に包まれ、霧は瞬く間に吉影を飲み込んだ。

「(な、なんだこれはッ!?)」

吉影の視界は墨で塗り潰されたように黒一色に染まった。

「(まずい、これでは防御が…!)」

ドドドドドドドド!!

「ぐおおおおおお!?」

【キラークイーン】の拳を抜けて、十発近くの光弾が吉影の体を抉る。

「あぐあぁァァァァァァ――――――――ッ!」

暗黒の視界の中、衝撃で吉影の身体は宙を舞った。

突如視界に光が差し周囲の光景が見えるようになった。

彼はさっき立っていた場所から吹き飛ばされ、木の生えていない場所に倒れていた。

 

 

「あ~っ、どうやら当たったみたい~♪」

少女は空に浮かび、こちらに近寄ってくる。

「(こいつ…命中したことが分かっていない…?

つまりこいつも見えなかったのか?

ということはこいつの能力は……『【闇】をあやつる能力』か!!)」

しかし分かってもどうしようもない。

熱源を追尾する【シアーハートアタック】なら通用するかもしれないが、光弾が直撃して暴発する可能性が高く使えない。

 

「さあ…次でトドメだよッ!」

少女の体が再び霧に包まれる。

闇が彼を呑み込もうと迫りくる。

「(こ…ここまでなのか………?わたしは………

せっかく生き残ったというのに……!またわたしは死ぬのか…!?このガキに喰われて…!?)」

彼は、空を見上げた。

月の無い漆黒の夜空は、彼の心情を反映するようにその暗黒なのっぺりとした面を向け見下ろしていた。

「(この【新月の夜空】のように……!【暗闇の絶望】の中死ぬというのか……ッ!一度ならず二度も………)」

その時、吉良吉影の脳内に最悪の情景が浮かんだ。

河川で

下水道で

解剖室で

広場で

街道で

この地上のありとあらゆる場所で残酷に死に続ける自分の姿を。

 

 

「(まさか……これが【小道の力】だというのか…?永遠にこのわたしを【死】という地獄に捕え続け……【無間地獄】を味わわせようというのか…ッ?

【希望】なんてどこにも見えない・・・【地獄の底の底】に、わたしを閉じ込めるつもりか・・・?

そんな…そんな馬鹿なァ…ッ!!)」

彼は、無意識に爪を噛んでいた。

『絶望』、その二文字が彼の心を支配していた。

少女の放つ闇が、吉影に襲い掛かる。

「(――――――――いや……)」

吉影の瞳に、突如光が灯る。

「(わたしは、確かに死んだ……だが、今生き返っている。これはあり得ない【奇跡】……!

まだだ……まだ終わってない!【運命】はわたしに味方しているッ!

このクソガキはッ……!【試練】だ……!わたしが乗り越えなくてはならない【敵】だッ!)」

闇の霧が吉影の視界を染めた。

闇に包まれる吉影。

無差別に飛び交う光弾。

「さあ、今夜は久しぶりの人肉だ~♪」

少女ールーミアが能力を解除した。

再び星の光が森の中を照らす。

その星明かりの中には、さっき殺した人間の死体が転がっている…はずだった。

「えっ何で…?」

ルーミアが星明かりの中に見たのは、無傷で宙に浮かぶ吉影の姿だった。

「そんな、全弾当たったはず!だって何処にも弾が木とか地面に当たった跡が…」

「そうだ、確かに当たった。

だが、それらが全く効いていなかったとしたら?」

「そ、そんな!?あなた……本当に人間?」

「いいや、わたしは吉良吉影……殺人鬼という名の鬼だ。」

吉影は、上半身だけが宙から現れたかのような不可思議な姿勢で浮かんでいた。

もしスタンド使いがこの光景を見ていたら、トリックが分かっただろうし、もう少しさまになっていたはずだ。

彼は自分の身体を【キラークイーン】の腹部に収納し、身を守った。

つまり彼は【キラークイーン】を鎧にしたのだ。

「(【ストレイ・キャット】を入れていたスペースに、こんな使い方があったとは………

窮屈であることを除けば、最高の防御だ。

【キラークイーン】もかすり傷程度で済んでいる。)」

吉影は腹部の中から【キラークイーン】を見た。

半透明でショッキングピンクの肉体は暗闇の中普段よりさらに禍々しく、不気味に、そして艶かしく輝いていた。

「くっ、だったらもう一度…」

少女が追撃を加えようと身構える。

が、吉影はそれを制した。

「無駄だ、既に行動は終わっている!」

「ハッ!!」

ルーミアは自分の体を見た。

「そんな!?何でさっき吐き出したものが…」

彼女の服には、ガムがべったりと付いていた。

「お前は、自分の作り出した闇の中で、ものを見ることが出来ない。

また、お前は最初に闇を解除した時、闇を作った時と同じ場所にいた。

つまり!!」

吉影が勝ち誇ったように叫ぶ。

「あの光弾乱射…自分も捲き込まれるんだろう?迂闊に動くと…!」

少女がギクッという擬音がよく似合う反応をした。

「そして、動けないなら目が見えなくともガムをぶつけることは容易い!」

少女ははっと気付き、ガムを取ろうとするが、なかなか離れない。

「遅い!!『キラークイーン第一の爆弾』!」

 

ドグオオオォォォォォォォォ!!

 

ガムが爆発した。




ご覧いただき、ありがとうございました。
序盤は面白くないと思われるかもしれませんが、その時は軽く読み飛ばしてでも続きを読んで戴けるようお願い致します。
最後には「読んで良かった」と言って戴ける物語にはなっているはずと自負しておりますので。
最後までお付き合いして戴ければ幸いです。

次話以降も順次更新していくので、ご期待ください。
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