【第一部】~吉良吉影は静かに生き延びたい~/【第二部】~Saint Babel Run~   作:どくたあちょこら~た

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第十五話です。今回から『起承転結』でいうところの『結』が始まります。 大幅な書き直しを行っていないので、未熟な文章になっております。ご了承ください。


第十五話 デッドマンズ・ラプソディ 前編

『第十五話 デッドマンズ・ラプソディ 前編』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「――――――――――――

――――――スー……スー……」

『彼』は気持ち良く眠っていた。

薄暗い屋根裏部屋で、『友達』の腕に抱かれながら。

「――――スー……、スー………」

遊び疲れたのと、カーテンの閉じられた部屋の暗さのせいだろう。

『彼』はぐっすりと熟睡中だった。

そのためだろう。『彼』も彼の『友達』も、自分達に覆い被さるように迫って来る影に気付かなかった。

 

―――――――――――――――――――――――――

 

「――――――んだよオヤジぃ……ッ!

もう真夜中だぞ!遊ぶのは昼間にしろっつっただろォが!

オレは明日早いってのに………、

って、あ!?」

屋根裏部屋の喧騒に、男が怒鳴りながら扉を開いた瞬間、肉塊のような奇怪な生き物が彼の足にすがり付き、鳴き喚く。

「な、なんだよ!?なにがあったんだよオヤジッ!?」

男にオヤジと呼ばれたそれは、何かを懸命に訴えようと部屋の中を指差した。

男は部屋の中を見回し、やっとある事実に気付いた。

「…………………ね……『猫草』がいねェッ!!」

億泰の叫びが真夜中の杜王町に響き渡った。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「――――――……はい

………はい…

…はい、分かりました。すぐに向かいます。」

パトカーの脇に立っている警官は無線を切り、一人呟く。

「…………どういう事だ…?今また盗難の通報があったぞ?

タクシー、ロードローラー、タンクローリー…その他諸々が忽然と消えるなんて……

今夜だけでもう六件も被害がある……しかも杜王町だけだぞ……?まさか同一犯?しかしどうやって……」

ぶつぶつと呟きながら、パトカーのドアに手を掛けようとした。

「………………?」

すぐ側にあるはずのパトカーに、何故か手が届かない。

おかしいな、考え事をしている間に無意識に歩いて離れていたのか……

フッとパトカーの方を見る。

「………………え?」

彼の隣にあったはずのパトカーが、忽然と消えていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「――――――…………………」

吉影は一人竹林の中を歩いていた。

その様子は何かを探している風にも、何かから逃げている風にも見えた。

だが、彼は実は何も探していないし、逃げているわけでもなかった。

「…………………」

フッと吉影は顔を上げた。密集している竹の葉の間から覗く『満月』が、彼の瞳に映り込む。

「…………そう言えば、わたしがこの世界で【満月】を見るのは初めてだったな……」

ひとりごち、彼の目付きが鋭くなる。

「月が見えないだろう。そこを退け。」

「ふん、いやだね。

満月の夜は妖怪のためのもの、無粋な人間ごときに渡すものか。」

彼女――レミリア・スカーレットは『満月』を背景夜空に佇んでいた。

手を腰に当て、傲岸な態度で吉影を見下ろす。

「……………で、貴様は何をしに来た?

わたしの月見を邪魔しに来ただけではあるまい……『始末』しに来たのだろう?」

吉影の気配に殺気が混じる。

それに反応し、レミリアの両脇に控えていた咲夜と美鈴が身構えるが、レミリアは彼女達に下がっているよう指示した。

「『始末』?そんな生易しい言葉で済むほど、私の怒りが小さいと思っているのかしら?」

レミリアは上品な仕草で髪をかきあげる。

月夜の雰囲気が幼い外見には不釣り合いな艶やかさを振り撒いている。

「貴方は私の妹を虐げ、晒し者にしたわ。

この罪は地上の法では裁けないほど重いわよ。」

「………フンっ、逆恨みも良いところだな。

妹を自分の娯楽の『賭け金』にし、わたしの力を読み違え妹を傷付けたのは、元はと言えばお前の責任だ。

捏造報道も貴様の連れてきた天狗の仕業だろう。

恨むなら自分の浅はかさと愚かしさを恨め。」

吉影は不敵な口調でレミリアに返す。

「――――――………………………」

レミリアの気配に明確な殺意が混じる。

「――――……………よくもぬけぬけと………」

レミリアの表情が怒りの色に染まっていく。

「…………あれだけの事をしておきながら……」

ワナワナと拳を震わせ、レミリアは怒鳴る。

「よくも私の妹をたぶらかしたわねッ!このロリコンッ!!」

「………………は?」

吉影は予想だにしていなかった言葉に思わずポカンとした表情を晒してしまった。

「アンタがあの娘に血を飲ませてから、あの娘はずっとアンタに夢中なのよッ!

あれだけ外に出たがってたのに、一日中部屋に籠りっきりで、アンタ以外の血は飲もうとしない!

口を開けば『川尻、川尻』、延々と独り言を呟いてたり、寝言でもアンタの名前を呼んだり、とにかく異常なの!!

あの娘に――フランに何をしたのよッ!?」

激昂し理不尽な怒りをぶち撒けるレミリアに、吉影も怒りを覚え怒鳴り返す。

「知るものかッ!ヤツを死なせたらマズイと思って血を与えただけだ!!」

「ほざくなッ!人間の血に惚れ薬の作用があるなんて聞いた事ないわよッ!

何かあの娘に盛ったんでしょう吐きなさ…………」

「あの………お嬢様………?」

美鈴が遠慮がちに話し掛ける。

「今この人間と話していても何も始まりませんよ。

どうせ捕らえるのですから、会話は必要無いかと。」

「む……………」

美鈴の言葉に、レミリアは口を閉じる。

「………そうね、『話し合い』なんてまどろっこしい無意味な手段、幻想郷には似合わない。」

レミリアの周囲に、膨大な魔力が集う。

紅のオーラが彼女を包み、背後の『満月』を真紅に染めた。

月の狂気の光が屈折し、彼女の輪郭をこの世の者ではないかのような禍々しさと美しさで縁取る。

その姿はまさしく『夜の女王』。

「『コレ』で充分。他は全て下らない物よ。」

彼女の身体から放出される圧倒的な殺気。

竹林の大気がビリビリと震え、竹の葉を揺らす。

「……………………………」

常人なら容易く気絶する程の殺気を向けられていながら、吉影の表情には一切の恐怖がなかった。

「激しい『喜び』はいらない…その代わり深い『絶望』もない…『植物の心』のような人生を…そんな『平穏な生活』こそ私の目標だったのに………」

吉影はレミリア達を怒りを籠めて睨みつける。

「言っておくが…私は別におまえたちから逃げていたわけではない。

お前らを始末しようと思えばいつでも殺す事はできた…

やらなかったのは単に私が『闘い』の嫌いな性格だったからだ……『闘争』は私が目指す『平穏な人生』とは相反しているから嫌いだ…」

吉影の気配が、ドス黒く変貌していく。

「ひとつの『闘い』に勝利する事は簡単だ……だが次の『闘い』のためにストレスがたまる……愚かな行為だ。

他人と争うのはきりがなく虚しい行為だ。」

「………ふんっ、負ける前から負け惜しみかい?」

レミリアが嘲笑うが、吉影は無視して言葉を続ける。

「おまえらを始末しなかったのはただそれだけの理由だからだ……

私の『平穏』を乱すのは今おまえらたったの三人だけ……

わたしの『背後』を追う者とだけは!闘わざるをえないッ!!」

彼の背後に【キラークイーン】が現れ、臨戦態勢に入る。

満月の冷たい光の中で、一人の男と三人の少女達が対峙し、殺気が空間を支配する。

「咲夜」

レミリアがメイドに命令を下す。

「あんたが行きなさい。」

「はい。」

咲夜が竹林の地面に降り立ち、レミリア、美鈴は離れて空から二人を見下ろす。

「…………………」

『怖じ気づいたか?』などと安っぽい挑発はしない。

安い台詞を吐くのは安い人間と相場は決まっているからだ。

吉影は身構え、咲夜の動きを注視する。

と、次の瞬間だった。

「ッ?」

咲夜の両手に、突如何本ものナイフが出現した。

それこそ時間でも止めたかのように。

「さあ始めましょう。

私の美しいナイフ捌き、残念ながら誰にも見えないかもしれないけど。」

咲夜はご自慢のタネ無しイリュージョンを披露し、余裕たっぷりに吉影を眺める。

「(弾丸をも見切る我が【キラークイーン】の観察下で、このわたしに認識できないようナイフを取り出した……)」

吉影がギリッと歯を噛み締める。

「(このメイド、やはり……!)」

「―――咲夜、いくつか言っておくわ。」

吉影が彼女のイリュージョンを目の当たりにしてビビるのを見て気をよくしている咲夜に、レミリアが声を掛ける。

「一つ、スペルカードルールに則って戦いなさい。

二つ、その男は生かして捕らえなさい。」

言いながら、美鈴に目で合図する。

美鈴は頷くと、何かボールのような物を咲夜に投げ渡す。

咲夜が受けとると、その人民帽を被った人の頭程のボールは彼女の傍らに浮遊した。

『三つ。【スタンド】の動きは美鈴が常に伝えるわ。

勝手に突っ込んだりせず、美鈴の情報を待ちなさい。』

ボールからレミリアの声が聞こえ、あとから美鈴の声が聞こえた。

『咲夜さん、聞こえますか?』

「ええ、とてもよく聞こえるわ。」

咲夜がボールに向かって返事をする。

どうやら無線機のような物らしい。

「じゃあ四つ目。最重要事項だからよく聴きなさい。」

無線機からではなく、肉声で咲夜に話し掛ける。

 

スッ―――

 

レミリアが手を掲げた。彼女を取り巻く紅いオーラが手のひらに凝集し、棒状のエネルギーに変化する。

「『デモンズディナーフォーク』」

ブンッ!!

 

投げられたエネルギーは拡散し、咲夜の数メートル先に着弾する。

その瞬間、

 

ドグオォォォォォォォォ!!

 

『デモンズディナーフォーク』が刺さった場所で、原因不明の大爆発が起こった。

「こういう事もよくあるはずよ。

見えないのは『スタンド』だけじゃない、注意深く『観察』なさい。

『観察』とは『見る』のではなく『観る』、『聞く』のではなく『聴く』ことよ。」

唖然としている咲夜に向けて、レミリアは肉声で言う。

きっと吉影にも聞こえるように言ったのだろう。

「チッ、小娘が……!」

舌打ちを漏らす吉影の後ろで、【キラークイーン】が腹部のシャッターを開いた。

「ギャア―――スッ!」

【キラークイーン】腹部の空間で、【ストレイ・キャット】が咆哮した。

「……そちらが見えない攻撃をするなら、こちらも見えない攻撃をするまでだ……」

吉影がギロリと咲夜を睨む。

情け容赦は露ほどもない、『殺人鬼』の瞳だ。

「…………………貴方」

咲夜はジリッと後ずさり、用心深くナイフを構える。

「会話中に『見えない爆弾』を飛ばしたわね………『卑怯者』」

咲夜の眼光が、彼女の握るナイフが反射する満月の光のような鋭さを帯びる。

戸惑いの無い『人殺し』の目だ。

「勝手に油断していた奴が何を言う?

『手品』で闘う前から相手を威圧しようなどという行動の方がよほどタチが悪いと思うが…?」

吉影と咲夜、二人の『人間』が向かい合い、相手の出方を窺う。

二人を包む緊張が、徐々に高まり皮膚を震わす。

『殺人鬼』と『屠殺者』、二人が動いたのは、同時だった。

「【ストレイ・キャット】ッ!」

「せえぇぇいっ!」

ナイフと爆弾の飛び交う壮絶な弾幕戦が始まった――――――

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

同時刻、魔法の森――

「――――――よし、終わったようじゃな。」

「ええ、呆気ないものですよ本当。」

木々を掻き分けて現れた吉廣に向けて、輝之輔は紙をヒラヒラと振る。

「…………しかし、こんな物集めてどうしようってんですか吉影さんは?」

輝之輔はファイルに収納してある紙を吉廣に見せる。

「『拳銃』『サブマシンガン』、『猟銃』は分かりますが、『タクシー』、『パトカー』、『タンクローリー』、『ロードローラー』………その他もわけの分からない物ばかりです。

何に使うつもりなんでしょうかね。」

吉廣は軽く笑い、輝之輔に言う。

「分からんか?『質量』があり『持ち運び可能な』物は、何でも武器になるんじゃよ。

特にお前のような『非力な』者にとってな。」

それを聞いた輝之輔は納得し、ニヤリと笑う。

「なるほど…確かに、それなら接近戦に不向きな僕の『エニグマ』でも、パワー押しが出来ますね……

………ところで………」

輝之輔が真顔に戻り、話題を変える。

「………驚きましたよ、親父さんの『アトム・ハート・ファーザー』で、外の世界に残っていた写真に戻れるなんて……」

輝之輔の口調に、不信感が滲む。

「しかも、こちらから写真の外には出られないクセに、向こうからは入れるなんて……出来すぎてると思いませんか?」

輝之輔の目が、疑惑の色を浮かべ吉廣を睨む。

「疑っておるのか?」

「……アンタが『写真の世界』に入れる者を『選別』出来る事は知っている。

僕を『許可しない』で、外の物を『許可した』なら、辻褄は合う……僕を『利用』するために、嘘を吐いているってね。」

「こちらから出られるなら、こんなまどろっこしいことせんと今すぐ吉影を外の世界に帰したいところじゃ。

そんな事が出来るなら、何故それをしようとしない?」

吉廣はかぶりを振り、輝之輔に反論するが、輝之輔は表情を緩めない。

「アンタの息子が写真に入る時、必ず僕の『エニグマ』で紙に変える必要がある。

その時、人質にとられたりするのを恐れてるんじゃないか?」

それを聞き、吉廣は一瞬目を見開くが、直後大笑いする。

「ケケケケケケ、そんな事考えもしなかったわい!

じゃが、それならわしがお前の写真を撮った上で外の世界に戻り、それから同時に能力を解除するとか、いくらでも方法はあるじゃろう?

……それに――――――」

吉廣の目が殺意に輝く。

「もしそんな事してみやがれ……わしが必ず殺す。」

輝之輔は目の前の老人幽霊が放っているとは思えない殺気に、思わず『片目を瞑る』。

「(この人……『マジ』だ…!

こいつには殺ると言ったら殺る『凄味』がある!)」

輝之輔は折れる事にした。

どちらにしろ一人では外の世界に帰れないのは確定的に明らかだからだ。

「分かりましたよ、『信用』します。

でも、僕にも『納得』が必要です。どうして『向こう』からは入れて『こちら』からは出られないのか、この僕を『納得』させて下さい。」

吉廣は殺気を引っ込め、輝之輔に向かって説明する。

「まず、今わしらがいる『幻想郷』と、本来わしらがいるべき『外の世界』の間には、『常識と非常識』を分かつ結界が存在する事は知っておるな?

その結界には二種類あり、一つは『幻と実体の境界』、もう一つは『博麗大結界』と呼ばれている。

この二つの結界が『幻想・非常識』を呼び寄せ、『実体・常識』を遠ざける。」

「はい。ですが僕達は写真で『外の世界』に出られたじゃありませんか。

何故それが出来て写真の外には出られないんです?」

「いいか、よーく考えてみろ。わしらは本当に『常識の世界』の住人と言えるじゃろうか?」

「……………!」

輝之輔が『納得』し、息を呑む。

「僕も親父さんも『スタンド』を持ち、僕は『本』からこの世界の魔法で復活した……親父さんは幽霊だ……」

「その通りじゃ、わしらは『非常識』から『常識』へと結界を超える事は出来ん。

よって、『非常識』の範囲内に存在するわしの『写真空間』は移動出来ても、『外の世界』に出る事は出来んのじゃ。

逆に、『幻と実体の境界』は『外の世界』から幻想となった物を呼び寄せるから、向こう側からの一方通行の『神隠し』はよく起こる。

だから一度写真空間に外の物体の一部を引き込み、お前の『スタンド』で紙にして持ち帰る事は出来るのじゃよ。」

「そういうことか……

くそっ、あれほど近いのに……」

本当に目と鼻の先に目的の物があるのに、それに手が届かない。

山登りでは山頂が見えていると自分の歩みの遅さを思い知らされ、精神的な辛さが増すと言われるが、それと同じようにすぐ近くにあると知った方が苦痛に感じるのだ。

「だからわしらは博麗の巫女を通して、『正式な手順』で帰らないとならないんじゃよ。

そのためには、なんとしてもこの『計画』を成功させなければならん。」

「―――ええ、そうですね……」

輝之輔の目から、疑惑の雲が晴れていた。

変わりにあるのは、『漆黒の意志』のみ。

「――――――さあ、説明はここまでにしておいて…………」

吉廣が振り返り、森の木々を睨む。

「どっかその辺にいるんじゃろう?

出てこい『鴉』」

吉廣の言葉に応えるように風が巻き起こり、木の葉が舞う。

木の葉は渦を巻き空中で集束すると四散し、中から射命丸文が現れた。

「何故わしらの居場所が分かった?文屋。」

「あれだけ追跡用鴉を殺せば、嫌でも移動の跡が分かるわよ。」

二人の間にいきなり険悪な気配が満ちる。

「よくも私の家と財産を焼き払ってくれたわね……幽霊。」

射命丸は彼女らしくなく怒りを露にし、吉廣を睨みつける。

「…貴様こそ、わしの大切な息子の幸せを踏みにじってくれたな……」

吉廣も殺意に満ちた目付きで彼女を睨み返す。

「まさか、この私に敵うなんて思ってないでしょうね?

たかが百年も生きていない、人間に毛が生えた程度の『幽霊』風情が。図に乗るなよ『若僧』。」

「『若僧』?何を言っておる。」

吉廣がケケケと笑い声をあげる。

「お前……『子供』はいるか?」

「…………いないわ、妖怪は人間と違って生まれにくいものなのよ。」

「そうじゃろうな、ならわしが負けるはずはない。

貴様の『千年』はわしの『我が子との三十三年』には遠く及ばない。

鳴き立てるなよ『嘴が黄色い餓鬼』が。」

「………ふん、言わせておけば……」

射命丸が身構える。

いよいよ因縁に決着をつけるときが来た。

「輝之輔、奴のカメラには『スタンドパワー』を奪い取る力がある。

お前はわしの写真空間に隠れて――――――」

言おうとした時だった。

 

カシャン!

 

勝負は一瞬だった。

射命丸の抜いたカメラがフラッシュを焚き、吉廣の姿が消えた。

「――――――え?」

目の前で吉廣が忽然と姿を消し、何が起こったか分からず立ち尽くす輝之輔のみが残される。

「貴方の能力は『写真に入る程度』の能力……」

射命丸がカメラをおろし、ニヤリとほくそ笑む。

「どうやら当たりのようね。

哨戒天狗の監視をくぐり、幻想郷トップクラスの速度を誇る私を尾行して私の家を爆破するなど、古明地こいしの『無意識』などでは説明がつかない。

発信器の類いも付けられていない。

それなら、あとは変化か憑依で私の荷物に紛れていた可能性が濃厚……」

射命丸の口から笑みが溢れる。

「そして決定的だったのは、紅魔館地下での監視カメラの細工…写真をカメラの前に掛けたにしては、あまりにも立体的過ぎたわ。

だから、『特定』できた。

貴方は写真に憑依し、写真の中に空間を創る。

監視カメラのレンズを写真の空間に突っ込んで、私達の目を欺いていたってね。」

こらえられず、射命丸は高笑いする。

「あははははははははっ!

そして、ここで貴方を現像なんてしない!」

フィルムを取り出し、月の光の下に曝した。

「なッ――――――なんだとォ――ッ!!?」

輝之輔の絶叫が森に響き渡った。

フィルムは満月の魔力に焼き潰され、煙を上げ崩壊した。

「………ああ………………『復讐』は蜜より甘いわ…………」

至福の表情で満月を見上げ、余韻に浸る。

暫し幸福感を噛み締めると、気を取り直し輝之輔を眺める。

「貴方には怨みは無いけど、『条件』なのよ。

身柄を拘束して、パチュリー・ノーレッジに引き渡してあげるわ――――――」

射命丸が、団扇を抜いた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「――――――ハッ……、ハッ……!」

吉影は【キラークイーン】の脚で、猛スピードで竹林の中を駆け抜ける。

走りながら振り返り、咲夜の動きを見張る。

「………………………」

対する咲夜は、一切息切れもせず、悠然と宙を飛び吉影の後を追っていた。

「ハッ………、ぐッ!」

両腕の痺れに顔をしかめ、思わず声が漏れる。

「(くそッ…!なんだ、奴のナイフは……!?)」

ギリッと歯を噛み締め、吉影は【キラークイーン】に命じる。

「【キラークイーン】!」

【キラークイーン】の指が一本の竹に触れる。

『咲夜さん、今ヤツが竹を【爆弾化】しました!』

「分かったわ美鈴。」

無線機からの声を聞き、咲夜は大きく迂回して吉影の後を追う。

「ッ!」

吉影の背後で弾丸と【鉄球】が浮かび、咲夜を狙う。

「やばっ――!」

弾丸と【鉄球】が同時に発射された瞬間、咄嗟に時を止めた。

だがその寸前、

 

ピカァァァァァ――――――

 

「なッ!?」

アルミニウムと酸化鉄(Ⅲ)の混合粉末を封入した【傷痍閃光弾】が、目が眩む程の強烈な閃光を放った。

「ぐっ……!め、目が…!瞼を閉じていても……!!」

光が瞼を貫き、脳内に食い込んで真っ白に染める。

「しかも時が止まっているから、光も消えないっ!

とにかく移動して弾丸を避けないと……!」

暗闇の中を進むように、咲夜は弾丸の弾道上から身体を退かす。

「―――時は動きだす。」

光が消え、弾丸が直ぐ横を通り過ぎる。

「――――危なかった……」

追跡を再開し、咲夜がホッと安堵する。

『咲夜さん!今銃弾を……、てあれ?』

「撃った後に言われても遅いわよ。」

 

「やはり効いたようだな……」

咲夜が『僅かだけ』瞬間移動して弾丸を避けたのを確認し、さらに攻撃を掛ける。

「【キラークイーン】!空気弾を撃ち込め!!」

「ギャア―――――ス!」

【ストレイ・キャット】が咆哮し、空気弾を発射する。

【キラークイーン】が触れ、それを『爆弾』に変える。

それを見て、咲夜はすぐさま迎撃に出る。

「メイド秘技『殺人ドール』」

吉影目掛け無数のナイフを一気に投げつける。

「【キラークイーン】!防御しろッ!!」

振り向き、月明かりを受け輝く銀の刃を拳で迎え撃つ。

「しばばばばばばばばば!」

【キラークイーン】のラッシュが全弾叩き落とした。

だが次の瞬間、

「ぐおおおおッ!?」

電気ショックを受けたかのような強烈な衝撃が、吉影の両腕を走り抜ける。

「(やはりそうか…ッ!この感覚、門番の攻撃を受けた時と同じッ!)」

咲夜を【キラークイーン】の瞳で観察しながら、目の端に地面に突き刺さったナイフを確認する。

ナイフの柄には、解読不能の呪文がびっしりと描かれた札が巻かれていた。

「(輝之輔が受けたという、門番の『気』を利用した対スタンド術式か…!

しかし、拳でガードしたにも関わらずこの威力……!

全弾避けなければならないとは、厄介にも程があるぞ……)」

吉影の額に汗が浮かぶ。

と、次の瞬間だった。

「ッ!?」

【キラークイーン】の目で注視していた咲夜が突如消えた。さらにその刹那、

「うおおおおおおおおおおォォォォ!?」

足下、背後から襲い来る、さっき叩き落としたはずのナイフを咄嗟に弾く。

【キラークイーン】の脚で蹴り飛ばすが、何本か防ぎきれず背中に突き刺さった。

「ぐああああッ!」

背中に刺さった刃から、全身に電流が駆け巡る。

「くそッ!」

出血が酷くなるが、【キラークイーン】の手でナイフを抜き、投げ棄てる。

「はッ!?」

息継ぐ間も無く背後の咲夜がナイフを投げる。

「チィッ、仕方ない……!」

【キラークイーン】のスイッチを押す。

 

ドグオォォォォォォォ!!

 

吉影の周囲で大爆発が起こり、ナイフを弾き飛ばした。

「ッ!?」

「(爆発した!?でも何が……、

っ!!)」

眼前に迫っていた空気弾に気付き、ナイフを投げて撃墜する。

5、6発の空気弾を消滅させ、後退するが、かなりの数が押し寄せて来ていることに気付く。

「(なんて数……キリが無いわ…!

しかも透明だから2メートルも近付いてからでないと分からない……気付けば囲まれてるってオチだけは勘弁願いたいわね……!)」

空気弾にナイフを投げた時だった。

 

スパッ

 

ナイフが刺さった空気弾は、きれいに真っ二つに切れた。

しかも両方ともしぼまずに向かって来る。

「なッ―――――!?」

「―――よし、着弾……」

『着弾点火弾』のスイッチを押した。

 

ドグオオオォォォォ!

 

咲夜の目前で空気弾が爆発した。

 

「ヤツはどうなった・・・吹っ飛んだか・・・ッ!?」

【キラークイーン】と二人で辺りを見渡す。

「ッ!!」

背後から襲い掛かってきた雨のようなナイフを、横に飛び出し回避する。

「―――油断も隙も無い男ね………」

空中で身体をひねり、【キラークイーン】の脚で着地する。

バックジャンプで距離をとり自分を用心深く睨み付ける吉影を、咲夜は宙を飛び見下ろす。

「(さっきの広範囲爆発……あの『割ける空気弾』の仕業ね……

私の『殺人ドール』で切り刻まれた『爆弾』を、個別に操作し拡散させた……

あの時防御に使われていなかったら、あの小ささ…きっと肉薄するまで爆弾に気付かずに、吹き飛ばされてしまっていたでしょうね……)」

咲夜は立ち止まらず、吉影を囲うように飛び回り狙い打ちを避ける。

「(光と音、見えない撃墜不能爆弾、そして障害物とそれを使ったトラップ戦術……厄介な相手ね……)」

時間を操る咲夜を倒すには、時間を止めても避けられない攻撃をする以外にない。

それは避けようのない高密度弾幕だったり、動きを拘束する術だったりする。

そして【キラークイーン】の『認識出来ない爆弾』も、彼女の脅威となるのだ。

「(しかもどの竹が『爆弾』だとか空気弾は美鈴にも見えない……止まった時の中ではもちろん訊けないし……)」

と、吉影が攻撃を始めた。

「【キラークイーン】!」

「ギャア――――――ス!」

【ストレイ・キャット】が空気弾を連射した!

「美鈴!見えてる?」

咲夜は吉影から目を離さず無線機に言う。

『何発か撃ってきます!ですが、それは分かるんですが、【空気弾】全部に触れているようなので――えっと、ば、バクダンは―――』

「美鈴、貴女に訊いてるのは『爆弾』の事じゃないわ。

貴女が『見えるモノ』について教えて頂戴。」

『―――っ!』

咲夜の意図を汲み取り、美鈴が無線機越しに言う。

『右後ろ、下からだとなお良しです!』

「ありがとう。」

礼を言うと、咲夜は時を止めた。

「――――――ッ!!」

吉影は自身の目で見ていた咲夜が消えたのを見て、【キラークイーン】の目で咲夜の姿を探そうとした。

だがその直後、

 

ドガアッ!!

 

「がぁッ!?」

咲夜の強烈な蹴りが右腰にめり込み、派手にブッ飛ばされる。

「ナイスよ美鈴。ヤツは自分自身と『スタンド』で私の『瞬間移動』を見切ろうとしてたけど、美鈴なら死角を瞬時に見抜くことが出来るわ。」

『やっと役に立てて嬉しいですっ!』

無線機の向こうで美鈴が喜んでいる。

折角自分の能力を見込んで連れて来られたのにイマイチ活躍出来ていなかったので、安心しているのだろう。

「―――さあ、ヤツをぶっ飛ばしてやったけど……」

飛んでいく最中にも竹を『爆弾化』している可能性がある。

咲夜は吉影が飛んでいった軌道を避け、彼のいる場所へ向かう。

「戦闘が始まる前、上空から見て覚えていたわ……この先は更地、貴方が身を護る障害物は無いわよ。」

視界が開け、竹の生えていない広い場所に出る。

「――――――ゲホッゲホッ――ゲホッ……」

その更地の中で、吉影は倒れていた。

『満月』の光の中、うずくまり黄色い液を吐いている。

「肝臓の後ろを蹴ったわ……暫くは身動き出来ないでしょうね…」

咲夜は彼から離れた場所に降り立ち、ナイフを構える。彼の様子を見ても油断せず、慎重に接近する。

「(今だ!時を止め――)」

トドメを刺そうとした瞬間!

 

パアァン!

 

「っ―――!?」

脱げ落ち、咲夜の後ろに転がっていた吉影の靴。

その中に仕込まれた【空気弾】が破裂し、その衝撃で一緒に入っていたナイフが撃ち出され、咲夜のスカートに突き刺さった!!

「油断したなッ!死ねッ!!」

吉影が顔を上げ、【キラークイーン】のスイッチを押した。

 

ドグオォォォォォォ!!

 

ナイフが爆発し、咲夜が爆炎に包まれた。

「どうだ!?仕留めたか!?」

【キラークイーン】の目で辺りを見渡し、咲夜の姿を探す。

「いない……!

殺ったということか?何処かに隠れているのか……?」

さらに注意深く辺りを見回した時だった。

「ッ!?」

 

ガキィィン!

 

爆煙の中から飛んできたナイフを、【キラークイーン】の拳で弾き飛ばす。

「――――――煙の中は盲点だと思ったのに……全く、油断も隙も無いわね……」

煙の中から、咲夜が姿を現した。

ナイフの刺さったスカートの場所が千切れている。

「だから、私も『油断』せず、『隙』も見せないことに決めたわ。」

咲夜がスペルカードを掲げ、宣言する。

「幻葬『夜霧の幻影殺人鬼』」

時が止まり、『彼女の世界』がやってくる。

全ての物が動きを止め、一切の音が消える。

「……チェックメイトよ。」

吉影を包囲するように、次々とナイフを投げる。

ナイフは彼の手前でピタッと止まり、引き絞られた矢のように吉影を狙う。

無数のナイフが切っ先を吉影に向け、空中に配置される。

やがて、吉影を捕える『アイアンメイデン(鉄の処女)』が出来上がった。

「――――お嬢様の命令だから、急所ははずしてあげたわ。

腱の四、五本は切れるでしょうけどね。」

手を掲げ、咲夜がカウントする。

「3……2……1……

時は動きだす。」

時間の流れが戻り、無数のナイフが一斉に吉影を貫く、

 

はずだった。

 

ドグオオオォォォォ!

 

だが、そうはならなかった。

時が動きだした瞬間、全てのナイフが爆破され砕け散ったのだ。

「えっ!?」

予想とは全く異なる事象に、咲夜は目を見開く。

「………広い所に場所を移し……弾幕戦に持ち込めば勝てる……

……そう思ったか?」

吉影が咲夜を睨み、【キラークイーン】の腹部のシャッターを開いた。

「……この『満月の光』……【ストレイ・キャット】に力を与えているようだ……」

「ギャア――――――ス!」

【ストレイ・キャット】が吼える。

最初に見た時より一回り大きくなったような気がする。

「『成長』している……わたしをまるごと『空気のドーム』で保護できるほどに……

貴様が蹴り飛ばしたからだ…!貴様がここに『戦場』を移したから、【ストレイ・キャット】は成長したのだ…ッ!!」

吉影はニヤリと口角をあげ、咲夜を見据える。

「そして……貴様の能力……『時間を止める能力』だろう?」

「ッ!」

咲夜は息を呑み、身構える。

「――――なぜ分かったの?」

「最初は『瞬間移動』の類いかと思っていたがね……今さっきナイフが一万分の一秒も誤差無く同時に爆発したのを見て確信した。

時間を止め、その中でナイフを投げたのだろう?

もっとも、『空気のドーム』には気付かなかったようだがね。」

吉影の種明かしに、咲夜は内心動揺した。

月の姫と戦った時も、『瞬間移動』ではない、とはバレたが、初対面の相手に『時間を止める』とまで見破られたのは今回が初めてだからだ。

「……それがどうしたというの?

分かったからどうだというのよ?」

咲夜は平静を装い、ゆっくりとした口調で言い放つ。

「止まった時の中を動けるのは、この私だけ。

何者も行動出来ず、認識さえできない。

しかも、私にはまだ『奥の手』がある。『空気のドーム』ごとき容易く撃ち破ることができる、ね。」

「……フン、面白い、やってみろ。

『結果』は見えているがな。」

「『結果』?どういう意味かしら?」

吉影は身構え、咲夜を睨みつける。

「……時を止める能力……確かに恐るべき能力だ。

しかも一秒や二秒どころではない、人を地下の図書館から一瞬で移動させたのだからな。

だが、『狗』ではわたしは倒せない。

『化け物』を倒すのは、いつだって『人間』だ。

『人間』であるわたしが、『狗』ごときに負けるわけがないのだ。」

吉影の瞳には、既に『勝利の確信』のような光が宿っていた。

「………たいした自信ね…その自信は何処から湧いてくるのかしら?」

咲夜が懐からスペルカードを取り出す。

「正真正銘、最後の『時止め』といくわ。何も認識しないまま敗れなさい。」

咲夜がスペルカードを掲げ、宣言した。

「『咲夜の世界』」

時が止まり、咲夜は吉影に接近する。

「スペルカードルールでは、私は止まった時の中で直接相手を攻撃できない……」

『空気弾』が無いことを確認しながら、急ぎ吉影のもとへ向かう。

「でもこのスペル発動中は、例外として相手への直接攻撃が認められている。

制限時間はたった五秒……

でも……!」

吉影を囲む『空気のドーム』をナイフで斬りつける。

「この『ドーム』を、バターを切るようにサックリ切り抜くには、充分な時間よッ!」

『ドーム』の壁を三角に切り取り、ナイフで突き刺して引き抜いた。

出来た穴の先にあるのは、身動き一つしない無防備な吉影の姿。

「これで終わりにしてあげるわっ!!」

ナイフを振り上げ、斬りつけようとした時だった。

「――――――?」

フラリ、と咲夜は崩れるように倒れた。

「―――え……?」

立ち上がろうとするが、足に力が入らない。

身体を起こそうとするも、手が動かない。

「なぁ……なんっ…!?…こ、これは……!?」

起き上がろうと必死にもがくが、身体が全く言うことを聞かない。

「……前に何処かの本で読んだことがある……」

「はっ!?」

スペルの制限時間が切れ、吉影が口を開いた。

「生物にとって最も身近にある『猛毒』は…『空気である!』……とッ!

生き物にとって、生きるためには『酸素』が必要だ……だがその濃度は空気中では40%以下でなくてはならない……

100%純粋な『酸素』は『猛毒』で生物を死に至らしめる!

!高濃度の酸素は『鉄』ならあっという間にサビて腐食させ、炎なら爆発し!!人体の細胞分子なら電子を奪って次々と組織を破壊していく!」

身動ぎ一つ出来ず倒れ伏す咲夜を、吉影は冷酷に見下ろす。

「しかし……ただ純粋なだけの『酸素』では、人を即座に戦闘不能に陥らせることはない。

医療行為として純粋酸素を吸入させることも行われている。

だがッ!『酸素分圧』が二気圧を超えると全身の激しい痙攣などを発症し最悪死亡するッ!

【ストレイ・キャット】には人に酸素中毒を発症させるほどの『酸素分圧』はほんの短い時間しか維持できない……が、それも『時間が通常通りに』経過するならの話……

『奥の手』と聞いて時を止めたままわたしを攻撃する事は予想できた……

『時の止まった世界』の貴様は、さぞ油断しきっていたんだろうな……」

吉影の声が遠退いていく。

咲夜の意識が混濁していき、景色が揺らぐ。

「――――――あ……」

咲夜の瞼が閉じられ、意識は闇へと堕ちていった。

 

吉影は息を整え、次の闘いの為僅かな休息をとる。

「――――――さあ、『余興』はお仕舞いだ……」

上空から見下ろす、レミリアを睨む。

 

『――――――さあ……?でも、『安心』なんて無いところよ……少なくとも……』

 

宙に浮かぶレミリアの姿が、杉本鈴美と重なる。

「(――――――ここが貴様の言った通り、わたしの『裁きの地』か………)」

吉影の瞳が、杉本鈴美の幻影を睨み付ける。

「(試してみようじゃないかッ!!――――――)」

 

 

 

ED 石鹸屋 『さっきゅんライト』

 

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