ハイスクールD×D+DIO   作:ダストブロワー(缶)

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お久しぶりになります。
ずいぶんと間が開いてしまいましたが、切らずにお気に入りに入れていただいた方には感謝しきりです。

感想をしていただいた方も、返信が遅れてしまい申し訳ない。励みになりました。改めてありがとうございました。





第10話 グレモリーの奮闘

 

―――

 

 

 アーシア・アルジェント。かつて教会で聖女と呼ばれ、数多の人間を癒してきた人間。

 神器『聖母の微笑』の癒しの力を優しい心根で扱い、崇め敬われることに奢らぬ強さを持っている。

 

 もし、人間が天使になれるのなら、彼女はきっと位階第二位『智天使』くらいまでなれるのではないかと、私は思う。間違いなくあの子はそれだけの善性を持っている。

 

 

 しかし、現実はどうしようもなく残酷で、そして理不尽だ。

 

 

 彼女は、傷ついた悪魔をも癒してしまった。癒せてしまった。

 

 人間は弱い。自分達と違う者を認められない。

 

 「“『悪魔を癒せる』など尋常ではない!こやつは魔女だ!異端だ!”」

 

 彼女が望まずとも積み上がっていく名声。それがいずれ自分の立場を上回るだろうことを恐れた者。

 彼女が望まぬ高額の布施を要求し利を得ていた者。

 彼女が普通の女の子として望んだ物を与えず、恨まれ復讐されると愚かな思い違いを起こした者。

 

 人間は醜い。ありもしない罪を押し付ける。それが神の信徒を教え導く協会がやるというのだから救えない。

 

 かくして彼女は教会から追放された。

 

 そうして彼女は私のような堕天使に利用されようとしている。

 

 神よ。主よ。父よ。貴方を信じる敬虔な娘が、私達のような愚かにも堕ちた天使に害されようとしています。

 

 彼女は奇跡を賜るに相応しい人間ではないのですか?

 

 アーシア・アルジェントを救わないのですか?

 彼女より優先しなければならない救うべき信徒や導くべき天使がそんなに大勢いるのですか?

 ただ一心にあなたに祈りをささげる娘一人でさえ、あなたはもうお救いにならないのですか?

 

 私には彼女が救われなくともよいとは到底思えません。

 私たちはこんなにも壊れてしまっているのに、あなたはまた見ないふりをするというのですか?

 

 

 堕天使でよかった。堕天したことを言い訳にして、彼女を殺めることの罪悪感を少しだけ誤魔化せる気がするから。

 

 

 

 ……ほんと、神サマなんか、死んでしまえ。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 黒歌から連絡が入った。グレモリーの娘が眷族を連れてバイサーの潜伏している近辺に侵入してきたようだ。

 

 何故か斥候を飛ばさずに眷属全員で出張っているが、新しい眷属二人を守るために戦力を集中しているのだろうか。だとすれば悪手だ。まったくもって悪手でしかない。戦力外を有しているのであれば普段よりも尚警戒すべきだ。自身の圧倒的武威を背景としたカリスマを示し求心力を強めるには、グレモリーの娘は弱すぎる。

 報告された布陣を見るに、新入り以外は戦闘を行うつもりのようだし、バイサー討伐で悪魔の戦いのレクチャーを目的としているのだろう。事前情報通りの相手であれば日の浅い眷属でも大丈夫だろうが、今回は違う。

 

 なぜなら、今回は悪魔側が意図的にバイサーの情報を古いものにすり替えている。渡された情報のバイサーであれば勝利することは容易いだろうが、そうではない。相手はグレモリーの娘と眷属全てを合わせたよりも、ちょいとばかり格上なのだ。サーゼクスのやつは妹に、相手が情報通りではない強さだった場合の相手の強さの見極めやその場での判断力や、信頼できる所からの情報だと鵜呑みにせず、情報収集をどの深度まで行うかを評価するつもりなのだ。

 

 グレモリーがどこまでやれるかにさして興味はない。だが私にバイサーが実際にどの程度のものかを知るために精々頑張ってほしいものだ。ふむ……死人や後遺症を出さないことが条件だ。なら、グレモリーの一派に情勢が決するまで軽く戦わせてやるとしよう。格上相手の殺し合いで命を賭けずに経験が積めるのだ。悪い話ではあるまいよ。

 

 

 

 転移の準備を手早く済ませる。

 

「さて、行くか。

 はぐれ悪魔バイサー、見定めるとしよう」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 どこで間違えたのか。どうすればよかったのか。決まっている。甘かったのだ。私の判断が。いつもと同じところから、いつもと同じような悪魔の討伐依頼。相手の状態や状況、情報の確認を怠った結果がこれだ。

 

 彼女は……バイサーは強いだろう。私より、いや、ひょっとすると私と私の眷属全員よりも……。

 

 一度引いて、ソーナと協力体制を取ってもう一度当たるべきかしら?でも撤退中は無防備な背を晒すことになる。下手をすれば逃げ切る前に誰かが犠牲になるかもしれない。いや、それよりも撤退中にバイサーが追いかけてきて、揚句、街に入ってしまえばどうなるか!私の街の人間が好き勝手に襲われることになるのは目に見えているじゃない!ならッ!

 

「皆、私たちの街にコイツを入れるわけにはいけない。だから――。

 聞きなさいバイサー!主を殺し、狂ったあなたをこの地を預かるグレモリー公爵家として許すわけにはいかないわ。リアス・グレモリーの名において、あなたを滅ぼしてあげる!」

 

「滅ぼす?私を?アハッ、アハハハハハハハハハハハ!!

 そう、なら、あなたたちは敵。私が食べないといけない、敵。

ああ、あぁ、アモン様、また同族を喰らえというのですか?言いつけを果たすたびに、私が……私がぁぁぁあああアアアアア!!」

 

 余裕がない。発言の内容は気になるけれど今は聞き流す。前提として私たちだけでバイサーを仕留めるのは厳しい。これは確実。となると、まずは使い魔のコウモリを使ってソーナに連絡、救援が必要ね。

 

「イッセー!今すぐ全速力で学校へ走りなさい。生徒会室にソーナがいるはずだから、私の使い魔(コウモリ)をソーナに渡してちょうだい。周りの人に不審に思われてもいいわ。後でフォローしてあげる。今はとにかく急いで!わかった?」

 

 完全にバイサーの異様な雰囲気にのまれていたイッセーを呼び戻して簡単な命令をする。彼は今までこんな荒事とは無縁だった元人間のはず、こんな悪魔として戦わせるには厳しすぎるわ。

 

「は、ハイッ!」

 

 イッセーに使い魔を持たせ、同時に別の使い魔を空へ飛ばし別ルートでソーナの元へ向かわせる。

 

「シンジ君は建物の入り口まで下がりなさい!気づいたことや、近づいてくる人間がいたら私に伝えて!後はあいつがそっちを向いたら全力で逃げる!」

 

武道を齧っていた慎二君なら、最大限間合いを開ければ回避くらいは出来るはず。恐怖からくる硬直からも自力で立ち直ったみたいだし。正直、こんな大物を相手にはさせたくないのだけれど、今は手札がない。慎二君を見た隙でも突けるなら突いていかないと……。最悪、逃がすだけなら私が注意を引けば後でも大丈夫なはず。

 

「あ、ああ。わかった」

 

「祐斗、攪乱をお願い。小猫は遊撃!朱乃は私と攻撃役よ!

 ソーナが来るまでまずは耐えることを第一に考えなさい!」

 

矢継ぎ早に指示を飛ばす。一手でも多く稼ぎ、ダメージを重ねてソーナがくるまでに有利な状況をつくらないと!

 

「アァ……ぁ、ァァアアアアアッ!!」

 

 来たッ!獅子の前足による叩きつけを回避しながら魔力弾を撃ち込むが、やはり牽制にもならないか。どころか、中途半端な攻撃だと、獅子の顔や蛇の攻撃を誘発するだけになりそうね。攻撃するなら滅びの魔力を十分に使わないと有効打は厳しいかしら……?

 

「そら!お前の相手は僕だッ!」

 

「……こっち」

 

 矢のように飛び出した祐斗が斬りかかり、小猫が追従する。バイサーが手に出現させた槍や、獅子や蛇といった攻撃を上手く回避できている。こちらの攻撃はかすりはするものの、クリーンヒットはしていない。千日手のようにみえるけど、どちらかに的を絞られるとむこうからの攻撃を当てられかねないわね。

 

「朱乃!」

 

「ええ!これは、どうかしらッ!」

 

 朱乃の生み出した雷がバイサーを打ち抜く。

 

「ガアアアァァァッ!!」

 

 バイサーが羽を盾のように前に出すが、感電するという性質上さほど効果はない。私も魔力を集め追撃の準備を行う。バイサーの叫び声と雷の出すバチバチとした音が響く。

雷の光が目を焼こうとするが上位悪魔に通じはしない。このまま、雷の切れ目に滅びの魔力を叩きこめば、この戦いを決定づけることも可能かもしれないわね。

 

「なっ!?」

 

 ガクンと後ろに投げとばされる。何がっ!慎二君!?何を!?

 まさか恐怖でパニックに!?彼はそのまま朱乃の方へ走っていく!魔力の暴発を防ぐために意識を向けないといけないせいで止めるには間に合わない!祐斗はちょうど反対側でこっちもダメ。私の失態だわ。ちょっと武道に心得があっても、彼は一般人だったのを軽く見すぎた!

 

「朱乃、避けて!」

 

「うわぁぁああああ!」

 

 私の声掛けは間に合わず、慎二君が朱乃にタックルを当て、自分もろとも倒れそうになりながらも一気に走り抜けようとする。不味い!このままじゃ致命的な隙に―――

 

 目の前を橙色の火炎が、暴力的な熱量でそこにあるものを押し流していく。顔をバイサーの方へと戻す。どうやら獅子の頭が火炎を吐き、盾にしていた翼ごと私達を焼き払おうとしたらしい。

 

……危なかった。慎二君が来なかったとしたら回避は難しかっただろう。

 

「「部長!?」」

 

「私は大丈夫よ!朱乃!返事をしなさい!」

 

 祐斗と小猫が声をあげたので返事をし、朱乃を呼ぶ。お願い、答えて……。

 

「部長、此方の二人とも大丈夫です。ただ、雷が当たってしまったようで、慎二君の意識がありませんわ。」

 

 良かった。戦闘不能が1名いるのは辛いが、戦闘力でいえば最下位。不意打ちを受けたとして考えればこちらのダメージは低いとみていいわね。まだ、やれる。

 

「小猫、シンジ君を背負って回避に徹しなさい。

 さぁ、仕切り直しよ。」

 

此方の態勢を多少なりとも整えることが出来たが、バイサーも感電状態から復帰してしまっている。

 

「美味しくこんがり焼いてあげたと思ったのに、よけられちゃったァ……

 アぁ、そっか。私ったら、順番を間違えちゃったのね。火を通す前に、ちゃぁんと、串刺しにしなきゃねェェェエエエエエエ!!」

 

 バイサーが手に持った槍を凄まじい速度で此方へ投げてくる。チャージしていた滅びの魔力で消し飛ばし、同時に横に飛び退くことで獅子の火炎ブレスの射線から退避する。

 

「なッ!?蛇が!部長!」

 

 祐斗が今まで釘づけにしていた尻尾の蛇が猛然とこちらに向かってくる。

 

「こんっのッ!」

 

 着地から無理矢理体をひねって噛みつかれることだけは避ける。口の閉じるバグンという音が頭のすぐ横で聞こえ、そして、蛇の喉が少し膨らんでいることに気づく。

 まさか、蛇もブレスを――。不味い、不味い不味い不味い!この姿勢じゃ回避がっ――!

 

 

 

「さて、これでチェックメイト(詰み)、だな。

 つまり、『子供(ガキ)はお家に帰る時間』というわけだ」

 

 

 

 聞きなれない声と同時に私の視界は反転し、気づけば私たち全員が――学校に走らせたイッセーを含めて――オカルト研究部の部室にいた。

 

 

 

 




あ、そうそう。人類史を修復するお仕事始めました(Fate/Grand Order)
まだ課金はしてませんが誘惑に負けそうで困ります。

スタートダッシュで貰えた石でデオンちゃんくんが、金時ほしさに回してジャンヌが、呼符で良妻賢母玉藻様が出ました。先生、火力が……欲しいとです……
無課金(まだ)なので、まぁ贅沢な悩みなのは理解しているんですけどね。

後、大事なことを一つ、『アステリオスはかわいい』
まさか野郎キャラが萌えさせに来るとは思わなんだ……!後黒髭自重汁。
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