ハイスクールD×D+DIO   作:ダストブロワー(缶)

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先日ぶりです。評価に色が付いてビックリしました。どうもありがとうございます。
昨日(11/19)は評価の色が赤色でものっそい驚きました。具体的にはPC見ながらやってた携帯を落とすぐらいには。

万人受けは目指さず、自分の書きたいものを自分のペースで書こうと思います。よろしければ末永くお付き合いをしていきたいものです。

それでは、11話をどうぞ。

後でちょっと修正するかもしれません(11/21)


第11話 勧誘

 

 ふと、思う。かつて救国の聖女たるジャンヌ・ダルクと共に戦ったジル・ド・レェが、晩年には幼い子供を惨殺したのは、神に自分を罰してもらおうと思ったのではないだろうか。神がいることを証明し、自分の信じた聖女が正しかったと、間違っていたのは人間だと知らしめたかったのではないだろうか。

 ……やめよう。こんなことを考えたところで、今更計画を止めることはできない。それに、付き合いの浅い人間の小娘一人と、私を慕ってくれる同胞のどちらかを選ぶのなら、同胞を選ばないわけにはいけないのだ。

 

 そもそも、私が『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を扱える必要は必ずしもない。彼女をこのまま本部へ連れて行き、はぐれ悪魔祓い達や堕天使に協力してもらうだけで十分な利益を享受できるだろう。この優しすぎる女の子が、負傷した堕天使やはぐれ悪魔祓いを癒してくれることは疑いようがないのだから。

 

 この計画だって、必要になるのは彼女が神の子を見張る者(グリゴリ)を裏切った際に実行すればいいだけ。そんな、ちっぽけな価値しかない計画。

 

 

 

 予定通りの日時でアーシアが協会に到着した。欧州での無理に笑っていた様子に比べると、妙に機嫌が良かったので理由を尋ねてみると、どうやら、教会まで案内してくれた人達がいたようだ。この国では日本語以外を話せる人間はそうはいないと思ったのだが……。

 

 私の勝手な気持ちだが、あまり生きることに執着してほしくはない。部下たち(堕天使たち)の前以外では『冷酷で非道な堕天使』を演じてはいるが、私はそんなに強くはない。生きたいと願う人間を嘲笑って殺せるほど、強くはないのだ。

 

 ……同じ生きたいという願いでも、これが汚職にまみれた豚だとか、あの白髪の最低野郎フリード・セルゼン(シリアルキラー)だとか、無意味な戦争狂なら、喜んで手を下せるのだけれど。

 

 準備が整うまで後数日。何も起こらないでくれと祈りたいが、まぁ、祈るだけ無駄になりそうね。

 

 心がざわつく。何か起きる、そんな予感がするから。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「さて、これでチェックメイト(詰み)、だな。

 つまり、『子供(ガキ)はお家に帰る時間』というわけだ」

 

 時間を停止しマヌケども(グレモリーの娘と眷属)を強制送還符でもって叩き出しておく。反応は遅く、判断は甘く、手札は致命的なまでに少ない。そのくせ持っている札の切り方も稚拙に過ぎる。伸びしろはあるだろうが、戦術にも無駄が多すぎる。あれが基本戦術だと言うなら一度完全に圧し折ってから再度戦術を構築したほうがよほどいいんじゃあないか。総評するなら、『身の程を知れ』と言ったところか。

 

「なぁにあなた。いや、あなたも敵ね!そう、だから、殺さなくちゃねぇぇえええ!!」

 

 バイサーが魔力で形成した槍を投擲するが、私とバイサーの距離は20歩分くらいか。この距離でそんな馬鹿正直な攻撃を私に当てようとするのは無駄でしかない。チェスなどで一手捨てたに等しい。

 

「やれやれ、私に当てるには足りなさすぎるぞ、バイサー。意思、判断、得物、動き、技術、知識、何もかも、だ。わかるか?

 それと、私は別に君と戦いに来たわけじゃあないんだ。ちょいとばかし君と話をしにきただけさ」

 

 威圧しすぎて完全に壊れられても困る。故に少しだけ、私の魔力を外界から察せる程度に開放する。

 

「う、あ……あ、ああ、あぁぁあぁぁあああああああ!!」

 

 バイサーがパニックを起こし獅子が火炎を、蛇が毒霧を吐く。耐えられると思ったのだが、意外と感知系の能力も高いのかもしれん。

 この程度の炎や毒であればノーガードで受けようとダメージにはなりはしないが、だからといって受けてやる義理もない。自身を中心に魔力による障壁を展開し表面に分解型の解毒魔法の陣を組み立てる。一歩として動くことなく攻撃を無効化し、彼女の方へゆっくりと歩いていく。私が前に進むたび、彼女は少し後ろへ下がる。

 

「ディオ様、いつでもやれます」

 

 黒歌の方の準備が完了したようだ。妹と顔を合わせたくないがために術の準備が遅れていたようだが、なに、構いはしない。アレ(黒歌)は出自が影響しているからか、物事を割り切れる女だ。自身にとって一番大切な物を知っている人間(妖怪)、あるいは明確に優先順位をつけることが出来る人間(妖怪)、とも言える。その黒歌が遅れても大丈夫であると判断したのであれば、その障害はその程度だったということだ。

 余談だが、弥彦にはこの近辺に近づく存在がいた場合叩き出すように命じてある。すでに結界を敷いてある以上、一般人が入ってくることはない。また、悪魔陣営は同意済みで事が進んでいるので、今ここに入ってくるのは十中八九敵性存在だと考えていいからな。考える必要がなく、力で捻じ伏せていい仕事であれば彼はうってつけだからな。

 

「そうか。やれ」

 

 手短に術の起動を指示する。術の支援などなくても問題なく事を運べるだろうが、確実性を上げることには価値がある。

 

「了解しました。

わがたまに(我が霊に) つらなる(連なる) とおつみおやのみたま(遠津御祖の御霊) よよのみおやたちに(代々の祖達に)

 かしこみ(畏み) かしこみ(畏み) まうす(申し願う)

 わがまえに(我が前に) つみ() けがれ(穢れ) けふよりはあらじと(今日よりは在らじと)

 はらいたまへ(祓いたまえ) きよめたまへと(清めたまえと)

 とおつみおやのみたま(遠津御祖の御霊) よよのみおやたちに(代々の祖達に) こいたまふ(乞い給う)

 わがこえ(我が声) ねがい(願い) きこしめしますやう(聞こし召しますよう)

 かしこみ(畏み) かしこみ(畏み) まうす(申し願う)

 

 幽世(かくりよ)より来りて彼の者(かのもの)を縛れ!

 “不浄不動の注連括り縄”(ふじょうふどうのしめくりなわ)』」

 

 青く半透明の縄が無数に表れ、跳ね、のたうち、ねじれながら生きた蛇のようにバイサーに飛びつき絡み巻き付いて動きを止める。コレの特徴は半霊半実体であり、物理攻撃に対して強い耐性があること、そして、『相手の実体に巻き付き霊体()を縛る』ことだ。今回のように相手が単騎でかつ増援の見込みがない状態であれば、最初の魔力抵抗さえ抜いてしまえば相手の行動全てを縛り封じることが出来る。

 反面、術者が起動陣から動けないため追撃が出来ないこと、また物理耐性こそ高いが純粋な魔力弾などには滅法弱いことから、戦場を隔離しにくい乱戦ではよほどのことがない限り採用は出来ん。

 

「さて、少しは落ち着いたか?バイサー」

 

 歩みを再開する。残り10歩。

 

「……ッ!!あぁああッ!」

 

 残り5歩。

 暴れようとも動けまい。――スタンドでも出せるなら話は別だが。

 

「……っぁ……ぐぅっ……!」

 

 残り3歩

 

「……安心しろよ。戦うわけじゃあないんだ」

 

 残り1歩

 

 獅子の頭の上に立ち、笑みを浮かべる。バイサーの目を見つめ、親がやさしく聞き分けのない子供に言うように、先生が生徒を諭すように、私が花京院にかつて言った言葉をバイサーに伝える。

 

「バイサー、恐れることはないんだよ。友達になろう」

 

 バイサーの目が見開かれ、そこに恐怖と理性が垣間見える。

 やれやれ、ここまでして完全に狂気に呑まれるようであれば、いつものように処分せざるを得ないところだったが、まずは一段落か。

 

「殺さ、な……い?」

 

「もちろん。殺さないとも。

 私には友人を無意味に殺す趣味はないし、これでも君のことを買っているんだ。

 なぁバイサー、私の元に来ないか。そうすれば追われることはない。もう無理に戦うことも、望まぬままに喰らうこともないんだ」

 

 境遇は知っている。あの件の予測もつく。まず間違いなく『拒否』するだろう。

 

「……そ、れは……。けど……けど、駄目。」

 

 黒歌が息をのむ気配がする。どうやら私の提案を誤魔化すでもなく正面から蹴ったことに驚いているようだ。

 

「わたし、また、殺しちゃう。仲間も、友達も!

何かの拍子に……またッ! ――もう、嫌、嫌よ……」

 

 以前(前世)の私なら、軟弱だと一笑に付していたやもしれん。だが、私は知っている。一見愚鈍で軟弱であっても、魂は成長するのだ。ジョナサンのように。

 ここで切り捨てることは容易だろう。だが、それでは意味がない。

 

「そうか。では一つ問おう。

 『私を(・・)殺せると(・・・・)思っているのか?(・・・・・・・・)』」

 

 威圧する、魔力で、殺意で。圧倒的実力差を知らしめ、戦えば殺し合いではなく、勝負でもなく、遊びにすらならないことを否が応ともわからせる。

 

バイサーはガタガタと震えながら首を振る。予想するまでもない、当然の結果だ。

 

「わかっただろう?君じゃあ私を殺せない(・・・・)。だから、私を殺すことに怯えることはないさ。

 君が、かつて主を殺し喰らったことは私も知っている。君がそれを気に病むがゆえに狂気に走ったであろうことも。

 だがな、バイサー。別に私は―――それ(主殺し)が悪いだなんて思っちゃいないんだ」

 

「……え?」

 

「上に立つ、集団を率いるのであれば、そこには相応の責任があると私は思っている。

 己が率いる集団の統率や管理などはその最たるものだな。もちろん、この責任を誰もが皆持っているわけではないだろうし、わかった上で私のようにほとんどを配下に任せている者もいるだろう。

 だが、君の前の主は部下の様子を管理することを怠った。君の調子を、君の内面を無視した。君が主よりも力をつけていたにもかかわらず、だ。君を止められないだけのちっぽけな力しか持たないのに、君が暴走してしまうだけのことをさせ続けたんだ。加害者は前の主で、被害者が君や友達さ。悪いのは君じゃあないんだよ」

 

「わたし、が、悪くない?私のせいじゃない?

 ……でも、この力は?コレのせいで、また暴れてしまうんじゃ……」

 

 罪悪感と恐怖がバイサーを狂わせる毒だ。自分が悪い、自分のせいで、自分がいなければ、殺すのが怖い、殺されるのが怖い―――自分で理解できない自分が恐ろしくてたまらない。

 それを解消してやる。悪いのは君じゃない、と。事実、黒歌の時もそうだったが、悪魔には過去の栄光にすがっているだけの阿呆が一定数おり、そしてそういった連中は大概が、大戦時に怯えて何もしなかった『血筋だけが良いド三流』だ。純血の悪魔が減ってしまった以上ある程度の配慮をしなければいけないが、それが新しい悪魔の成長を妨げる。まったく、サーゼクス達には同情するよ。

 

「それと、君も知っているだろうが、悪魔達は君を殺したいらしいな。今までの追っ手を振り切り、今回では魔王の親族を眷属ごと蹴散らした。最早いつ彼らが本腰を入れて君を殺しにきてもおかしくはない。

 けれど、望むなら。私達は君がその力をコントロールできるように手を貸してやることが出来る。君のその力のルーツを教えてやることが出来る。殺されそうになれば一緒に戦ってやれるし、追われることも格段に減るだろう。君は『孤独』ではなくなる。

さぁ、どうする?選ぶのは君だ、君しかいないんだぜ、バイサー」

 

「……私、私は。……教えて、ほしい。私は何者なのか。

 もう、仲間なんて得られないって、思ってた。本当にあなたたちは私なんかと一緒にいてくれるの?私を仲間だと言ってくれるの?」

 

「もちろんだとも。そのために私が来たんだ。最初にいっただろう?『私の元に来い』『君のことは買っている』とね。だから――ようこそ、『月の繭』へ。

 さぁ、帰ろう。君には帰る場所が出来たんだ。今いる(みな)を紹介しよう。」

 

 そして願わくば、君の行き付く果てを、可能性を、私に見せてくれ。

 

 

 




Fate/Grand Orderの曜日クエが更新されましたね。ジャンヌ玉藻デオンで毎回毎回泥仕合を繰り広げています。うちのメインアタッカーきよひーはやわらかすぎて……運用ってなかなか難しいですね。


感想や評価があると元気になります。低評価や批判も受け付けていますが、できるだけ『どこがどのように』悪いかがあると今後の課題として助かります。

それでは、また今度お会いしましょう。

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