ハイスクールD×D+DIO   作:ダストブロワー(缶)

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あ、これ主人公悪役やん。って書いてて思った。



第3話 月光蝶

「なぁ、君。今日はいい満月じゃあないか。そうは思わないか?

        旅立つには、私にとって『無駄』なここを消し去るには、

                実に素晴らしい、まったくもって良い満月だ。」

 

 

 やれやれ、折角声をかけてやったのに出てこないか。まぁ、暗殺者としては及第点の反応だが。

 

「フンッ……まぁいい、そぉらッ!」

 

銀のナイフを潜んでいる場所に投擲する。銀は普通の、『吸血鬼らしい吸血鬼』には猛毒だ。祝福された聖銀でなくとも激痛を与え、急所に当てれば絶命させることすら可能となる。

 

 

「ッ!?気づいていたのか!」

 

 

「ようやく出てきたか。ああ、気づいていたとも。

 君たちがこの屋敷の北東の森を抜けてきたことも、

 君たちがカルンスタイン家に属するか、近しい家の者であることも、

 家格に落ちるオルドカスールの氏族を抹消することで、此度の婚姻で家格が下の者を娶った事実を薄めてしまおうという意図も、

 少ぉし考える頭があれば、この答えに至るのは難しくない。実に簡単な事だ。そして貴様等もあのマヌケと同じで見下すことが随分好きな様子だが……、私はな、相手を見下して許されるのはそれ相応の力を持っているものに限られるべきだと考えているんだ。ん?そうは思わんか?」

 

 魔術を用いた屋敷を中心とした索敵網の結果と、そして純血と吸血鬼としての能力に固執する上級氏族の素行をしっていれば、この程度の行動に出ることを読むことは容易い。

 

「……お前は危険だ。カルンスタイン家にも、カーミラ様を慕う我らにとっても!よってここでイシャーウッドの氏族、ゴドウィンが貴様を始末させてもらうッ!!」

 

「フフフ……グッド!よかろう、戦おうじゃあないか。そこの3人も出てくるが良い。四人なら少しは戦いになるかもしれん。

 そうだな、さしずめ、貴様等は吸血鬼だった私の因縁といったところか。貴様等を下し、私は、私の目的の為にここを出て行かせてもらおう!

 さぁ、私を殺そうと言うんだ。精々足掻いて見せろッ!」

 

 

「ハワード、オズウェル、アンジェリカ。奴は危険だ。ここで必ず仕留めるぞッ!!」

 

「「「ハッ!」」」

 

「先手は譲ってやる。始めようじゃないか!!」

 

 

 

 

 

 オズウェルと呼ばれた男が長剣を構えて正面から突っ込んでくる、同時にアンジェリカがナイフを取り出し左から、ゴドウィンは短槍を握りなおし右に、ハワードとやらの獲物は両手爪、進行方向は上からか。シンプルだが全員を完全に回避し難い手堅い布陣だな。……面白い、この世界に生れ落ちてからの戦いは野生の魔物くらいしかなかった。対人戦は随分と久しぶりだが、どこまで戦えるか試すのも悪くない。

 

「下級の家の出来損ない風情がッ!!」

 

 長剣を横薙ぎにしながら叫んでいるが、この程度ではまだ『世界』(ザ・ワールド)は必要ない。時を止める能力も、『世界』(ザ・ワールド)による直接攻撃も、だ。

 

「無駄、無駄ァ!!」

 

 一撃目で長剣の根元を側面から殴り粉砕し、二撃目で胴体に風穴を開け左の奴の方へ吹き飛ばす。アレも吸血鬼だ、まだ死にはすまい。

 『世界』(ザ・ワールド)による停止した時の世界でなくとも、この程度の相手では遅すぎてさして変わらんか。

 

「ゴハッ!?」

 

「えっ……きゃッ!?」

 

「オズウェル!!」

 

「貴ッ様ァァァ!!」

 

 壮年で短槍の男、ゴドウィンが激昂しながら槍を繰り出してくる!長剣の男に比べればちょいとはマシな速さと強さだが……

 

「そんな攻撃ではなぁ!!」 

 

「なァ!?手に串刺しにして我が槍を止めただと!?」

 

「WRYYYYY!貧弱!貧弱ゥ!!

 こんなチンケな槍、このまま握り潰し圧し折ってくれるッ!」

 

「そうはさせませんッ!お下がりくださいゴドウィン様!御助力致します!!」

 

「ッ!すまん、助かる!」

 

 槍を引き後方に跳んだか……。逃がさず攻撃も出来たが両手爪の男こそ我が最初の標的である以上、今は追撃する必要はない。

 奴の槍は折れなかったが、何も問題はない。そう、何も、問題はない。ここまで私の筋書き通りに進んでいる。短剣の女は殴り飛ばした長剣の男をぶつけることで壁に叩きつけた。槍の男はバックステップで壁際へ下がった、重要なことは両手爪の男への反撃を他の奴が遮るのは厳しいということ。さぁ、どう抗うか私に見せてみろ!

 

「上から攻めるというのは悪くない案だが……

 そんな、ねむっちまいそうなくらいのろい動きで、このディオが倒せるかァ―――――!?」

 

 双爪の振り下ろし、吸血鬼の怪力に加えて動作の単純さゆえに出の速さは優秀だが、この私を相手取るにはまるで足りん。爪を避け前腕部を掴む。そして試させてもらおう。かつての戦いで破られ、肉体(ボディ)を乗り換えたことで使えなくなったあの技を!気化冷凍法を!

 

「グゥッ!!止められましたか。だが!真に吸血鬼たる我らは貴様のような出来損ないとは違いますッ!

 掴まれた程度、霧と化して離脱すれば……ハッ!?これはッ!体が、う……動かないッ!?」

 

「どうした。霧になってみればどうだ。……その惨めな氷像の身体で可能ならなァ!

 そして、『真に吸血鬼』な貴様は、凍った上で粉々に砕かれてなお再生出来るのか、見せてもらおうじゃないかッ!!」

 

「や、やめっ……」

 

「砕け散れッ!!粗末なグラスのようになッ!!」

 

 腕が、胴が、足が、頭が。軋み罅割れ、そして砕ける。銀や十字架、太陽でなくとも、心臓と頭を潰されれば吸血鬼とて絶命する。それは死を無視できるだけの能力を持った何かを使わねば避けれぬ結果だ。私のように、全身が木っ端に吹き飛んでも――損傷が大きければ当然時間はかかるが――ターンXの能力によって再生できるというのは、通常ならありえない。つまり、これでまずは一人仕留めたということだ。

 さて、お仲間の吸血鬼を氷の破片にしてやったおかげで向こうのボルテージも上がったように見える。

 

「テメェ!!よくもハワードを!!」

 

「彼が……そんな……ッ!」

 

「ッ!!……ハワード。……すまん。

 貴様!魔法を使った様子はなかったな。一体何をした!」

 

「何を、か。そんな聞き方で答えてやる義理もないが……まぁいい。

 私は霧にはなれんが、己の身体をあやつることは出来る。ハワードだか言ったか、あの男の腕を掴むと同時に俺の腕の水分を気化させることにより瞬時に『凍らせた』のだ。そして砕いた!それだけのことよ。」

 

「魔法ですらない技だと……。

 そんな吸血鬼の誇りを捨てるような真似をするとは、純血の誇りある吸血鬼として!我が部下ハワードの無念のため!貴様はこの場この槍で討ち果たしてやるッ!!

 アンジェリカ!さっき言ったとおりの手はずで行け。オズウェル!同時だ、同時に仕掛けるぞッ!」

 

「わ、私も「命令だ。アンジェリカ。」……了解……です。」

 

「あぁ、ハワードの敵討ちだ!ぶっ殺してやる」

 

どうやら男の吸血鬼二人が私と戦い、女のやつは大元に報告するため下がる、か。だが、悪いがこのディオの力の一端を知った連中を逃がすつもりはない。

 

「一人を下がらせる為に私に向かってくることは褒めてやろう。だが、我がスタンド『世界』(ザ・ワールド)の前ではまったく無力であることを思い知るがいいッ!!

 

 

 

 

 『世界』(ザ・ワールド)!! 」

 

 

 

 

 私の背後に三角形のマスクを被ったような黄金色の大男が現れる。それは筋骨隆々とした逞しい男の『像』(ヴィジョン)で、背中に装着されたタンクのような物体、後頸部より生じているパイプ、肘当て、膝当てのように各所に点在するハート型のアーマー、人間的で、しかしどこか機械的な印象を抱かせる、我がスタンド『世界』(ザ・ワールド)

 『世界』(ザ・ワールド)を展開すると同時にその能力を発動させる。世界から音が消え、色が失われ、動くものは私と『世界』(ザ・ワールド)のみとなる。

 

「チッ……やはり違和感は消えんか。」

 

 実践で使用すればあの違和感、どうにも噛み合っていない感覚を脱せるかと思ったが、こればかりは仕方あるまい。私が私の写し身たる『世界』(ザ・ワールド)を上手く使えるようにならねばならん問題だ。

 

 だがこの状態でも20秒は止めていられる。まずはこちらに向かおうとして固まっている二人を無視し通り抜け、撤退し始めた女の前で心臓と首に銀のナイフを投擲、次に短槍の男に――ゴドウィンとか言ったか――背中から回し蹴りを放ち、背骨を砕く。最後に最初に腹に風穴を開けてやった男の目前に移動したところで……ふむ、時間切れか。

 

「がァッ!?」

 

 ゴドウィンが蹴りにより背骨を砕かれながら壁に向かって吹き飛ぶ。

 

「え?……う…そよ……なんッで……ッ!?」

 

 銀のナイフがアンジェリカの喉と心臓を抉り身体を塵にし始める。

 

「ハァッ!?テメェがなんでここにッ!馬鹿なッ!?」

 

「遅いぞマヌケがァッ!!

 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

 『世界』(ザ・ワールド)によるラッシュを叩き込み、頭部及び胸部を念入りに潰しておく。これで三人、残すは一人!

 

「アンジェリカ!!オズウェル!!」

 

「さて、どんな気分か伺おうじゃあないか。えぇ?下級氏族を狩りに来て、残すは『出来損ない』(わたし)だけ。余裕だったろうなァ。だが!残っているのは貴様のみよ。それも背を折られ十分に動くこともままならん状態ときた。あぁそうだ。戯れに作った吸血鬼の異能を封じる魔方陣をおまけしておいてやろう。フッハハハハハハハッ!!」

 

「貴様ッ!!どこまで我々吸血鬼を愚弄すれば気が済むというのだ!!

 貴様も吸血鬼の生まれだと言うのにッ、純血の、吸血鬼の誇りが何故わからんか!?」

 

「ンッン~♪下らんなァ。実に下らん!純血だ誇りだなど、変化のない年月をいくら重ねたところで、そんなものは存在しないことと変わらん、死と滅びと同義よッ!!」

 

 『世界』(ザ・ワールド)を消しターンXを起動させる。己の体が黒く染まり、機械のようなものに置き換わっていく。浅緑色の装甲が各所を覆い左右非対称のシルエットを形作り、右腕は腕と言うにはかけ離れた形状に変化する。

 

「貴様には、我がターンXの最初で最後の力を受けて滅びることを許可しよう。

 私が変化を!魂の可能性を!『魂の在り方』を知るために、この屋敷、この町の、文明を形作るもの全てを光の砂へと還しッ!私は私の命を始めさせてもらうッ!!見るがいいッ!!」

 

 

 

 

        『月光蝶である!!!!!』

 

 

 

 

 無限に続く虹色の極光が溢れ、私以外の全てを光の砂に変え、世界に還元していく。オルドカスール氏族の町には人間はいない。全て、あのマヌケ共が手前勝手に作った眷族のみだ。それもマヌケ共が死んだ以上、抜け殻でしかない。

 

 無限に続く光の羽模様が町を覆いそして消し去って行く。文明の結晶である人工物を、文明を形作るエネルギーを、そして文明を彩る伝説を。町一つ、全て等しく消し去ったところでターンX『月光蝶』を解除する。

 

 

 

 

 

 

 

 私の目の前には、もはや廃墟すら通り越した、人工物も何もない野原が広がっている。旅道具は既に魔法で作った亜空間の中に用意してある。

 『私』(DIO)『彼』(前世)の人生では得られなかった『魂の在り方』を今世では得られるであろうと信じて。得てみせると『覚悟』して、私は歩き始めた。

 

 

 




次の更新予定が未定です。実習終われば多少ペース上げれると思うけども……10月中にもう1話はいけるかな。くらいです。

口調が安定しないのは正直すまんかったと思っています。無理に読まずにスルーしてもらえればいいかなって。キャラ崩壊タグつけてるし大丈夫やんね……(震え声


それではここまで読んでいただきありがとうございました。
あ、誤字脱字がもしありましたら、報告していただけると助かります。
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