ハイスクールD×D+DIO   作:ダストブロワー(缶)

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驚異的な進行速度の遅さ。
11月中には原作開始まで行きたい(願望)

そろそろ口調が崩壊しはじめるかもしれん。え?今更。さーせん。


週に1回くらいの投稿ペースを今後も守っていきたいところです


第5話 ザ・タロット

 

 

隠された神秘(ザ・タロット)

 

 私が考案し仮説を立て、ジラマ婆の協力をもって完成させた不老の法である。

 

 22枚一組のカードで構成された術式であり、効果は魂の末端をリンクさせることにより身体能力全般の強化、及び肉体の不老化。この不老化は、肉体にかかる年月の負荷を『No.21 世界』の所持者の肉体が肩代わりすることで不老を得るというものだ。デメリットは『No.21 世界』所持者に、複数人の年月の負荷がかかることを緩和する調整により、スピードが落ち、寿命を高速で消費する点である。しかしながらこれは逆にメリットにもなる。時間の負荷を肩代わりするということは、肉体へかかる時間は『加速』している状態と同じであり、傷の再生など時間の経過が必要な物に関しては強化されることとなる。スピードを犠牲に回復能力の強化だと思えばさして悪いものではない。さらにスピードの低下も『止まった時の世界』では効果を失い、本来のスピードとパワーを発揮することが出来るので戦闘時に困るということはないだろう。また、さしたる労力も必要なかったので、この術式では不老化を希望しない者が出ることも考え、不老化機能のON・OFFを切り替えられるように組み上げてある。もっとも、私としてはこの術式を使用する対象が老化で死ぬというのは本末転倒ではあるのだが。

 

 主たる効果は不老化だが、他にも各カードに暗示された能力を振るうことが出来るように術式を組んだ。流石にスタンド能力の再現は不可能だったが、スタンド能力よりも使いやすい効果も多いのではないかと思う。カードの例外として『No.21 世界』がある。このカードのみ暗示される効果を持たない。強いてあげるなら0~20までの21枚のカードの効果を成立させる(世界)としての存在が効果と言えるだろう。例えるなら、吸血鬼とゾンビ、神と天使、悪魔と軍勢のように、下位のカードを統括する鍵としての存在である。

 

 22枚一組ではあるが、術式の効果の安定を得るためには対象1人当たり2枚のカードを必要とする。私が『No21』と『No20』を使用するため、不老化を付与できるのは実質10名となる。カードの完成と同時に、あらかじめ決めていた通りに私が『No.21 世界』と『No.20 審判』を使い、ジラマ婆に『No.17 星』と『No.16 塔』を使用してもらった。使うことを薦めると随分と驚かれたが、開発において世話になったこともあるし、彼女のこれまでの生き方の経緯とこれからに興味があること、今後も魔法関係での問題で力を借りるであろうことを説明し納得してもらった。

 

 『隠された神秘(ザ・タロット)』は完成した。故に拠点を移し、私の目的である魂の観察をと考えていたのだが……。

 

 

 

―――――

 

 

 

 今、私の目の前には金と黒が入り乱れた髪をし、右が金、左が黒という随分と特徴的なオッドアイをした青年がいる。彼は我が屋敷に仕掛けられた結界・障壁の数々を乗り越えて来たため、この屋敷を拠点として使い始めて以来始めての客人としてもてなしている。

 

「で、だ。わざわざ私の屋敷の場所を嗅ぎ回ってまで来た貴様の目的はなんだ。ドラゴンよ」

 

 しかし、今回のような面白い者であれば歓迎だが、結界を抜けれもしないただ騒ぐだけの五月蝿い連中の処理の為に、ペット・ショップのように私の屋敷に近づく者への対処を行う人材を確保すべきだろうか。

 

「む、俺が邪龍だと気づいていたか」

 

「貴様ほど強大な者に直接相対すれば、阿呆でもなければドラゴンだとは気づけるだろう?」

 

「邪龍としてのオーラは隠していたつもりだったんだが……。お前を見くびっていたようだ。謝罪しよう。

 俺はクロウ・クルワッハ。三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)とも呼ばれている。何、ここいらに手練れの戦士がいるとの噂を聞いてな、一つ戦ってみようと来たわけだ」

 

「ほう。だが、それだけじゃあないだろう?貴様はドラゴンだ。流れに任せるだけで戦いを引き寄せ暴れることも出来よう。本格的に戦いたいなら、それこそそこいらで騒いでいる天使と悪魔とニ天龍とでも遊んでいればいい。辺鄙なところで引きこもっている私なぞより、よっぽど真面目に戦って(殺し合って)くれるぞ」

 

「強者と戦ってみたい、己の力量を高めたいというのも正しくここに来た理由ではある。……が、お前の言う通り、真の目的は別にある。お前になら話してもいいかもしれん。まぁ、戦いを司る俺に勝つこと、が条件だが」

 

 ほう、邪龍と評される割には随分と理知的だな。そしてそのドラゴンとしての力を持ってして未だ叶わない目的とやらにも興味を引かせてくれる。それにドラゴンは神話や伝承で試練とされることも多い種族だ。戦うことで私の『世界』(ザ・ワールド)に足りぬ部分を得ることも不可能ではないだろう。

 

「フッフフフフ……面白い。その勝負乗ってやろう。

 だが、その前にやるべきことがあるのはわかっていよう?」

 

「あぁ、私を()けてきた連中か。

 すまなかったな。俺としても戦っている最中に邪魔が入るのは本意じゃないし、正直最近は鬱陶しかった。そうだな、天使共は俺が片付けるが、いいか?」

 

「おぉ、おぉ。自分から片付けようとなさるとは。見込みのある若造ですじゃの。

 ワシもちぃっとばかし手伝わせてもらいますわい。そうですなぁ、堕天使の群れを散らす遊びでもして楽しませてもらいますじゃ」

 

 ジラマ婆が紅茶を下げに無音で現れる。魔方陣の展開を含め一切を周囲に悟らせないその技術は素直に賞賛に値する。クロウ・クルワッハも少々驚いているように見える。やはり彼女は有能だ。見込みがある人間を少々いじめすぎるきらいはあるが。

 

「なっ!?最初の(ババア)か!いつの間に……。

 世界は広いな。俺が気づかないレベルでの術者とは思わなかったぞ」

 

「イヒャッヒャッヒャッ、ありがとうね、お若いの。じゃが、直接戦えばお前さんの方が強いじゃろうさ」

 

「世界は広いぞ、クロウ・クルワッハ。……あぁ、そうだ。先ほどの勝負の話、貴様の『真の目的』とやら如何だが、私が勝ったら私と共に来ることを考えておいてくれるか」

 

 邪龍と貶されながらも己の目的の為に動く。目的如何ではあるが実に興味深く面白い在り方だ。

 

「……今はまだ、答えを返す義理はないな」

 

「あぁ、考えてくれるだけでいい。能力を十全に生かせなくなるからな、私は無理矢理というのは好きじゃあないんだ。

 さて、ジラマ婆が堕天使の相手をしてくれるなら、残りの悪魔は私が行こう。終わり次第ここに集まるということで良いな?」

 

「あぁ、問題ない。お前が戦いを前にして臆して逃げるようには見えん」

 

「ワシはディオ様がよろしければそれに従いますじゃ。問題があると思えば口を出させてもらいますがの」

 

「それでは、各々適当にあしらってから続きの話をするとしようか」

 

 

 

―――――

 

 

 

 貧弱な軍勢の反応の出ていた場所に近づくと、軍勢の気配は消失し、代わりに曖昧で妙な気配を持つもの一つのみが残った。

 そこにいたのは禿頭から捩れた三本の角を生やし、金、銀、朱色といいた刺繍の上等な服に身を包んだ老年の男で、私に気がつくと一礼し、こちらに近づいてきた。

 

「さて、軍勢を消して一人で残るとはどういうつもりだ?」

 

 少し不味いか。この男は強い。クロウ・クルワッハのようにそう思わせるだけの“何か”を持っていることを私に感じさせてくれる。戦って負けるとは思わないが、打倒し勝利を得るにはターンXを使用せざるを得ない状況になるだろう。

 

「どういうつもりか、とのことですが。(わたくし)共としては謝罪に来たのですよ。であるために、貴殿が来られた時点で軍勢は用済みですので冥界へ帰させていただきました。直接伺おうとも思ったのですが、来客が来られていた様子。用が済むまでここで待っていようと考えておりましたところ、どうも気を使わせてしまったようで……。申し訳ございませんねぇ。

 あぁ、申し遅れました。(わたくし)ロフォカレ・ルキフグスと申します。これでも、悪魔の王、ルシファー様の側近であり冥界の宰相の任を命じられております。以前から我々の内の未熟者が迷惑をかけたようで……。謝罪とお詫びの品の贈呈をかねて冥界にお招きしたいとのことが、我が主ルシファー様のご意向でございます。」

 

「謝罪と侘びの品か……。

 彼奴らは邪魔だったから片付けたまで。ロフォカレとやら、貴様等から侘びを貰うようなつもりで行ったわけじゃあない。謝罪であれば受け取ってもいいが、侘びの品とやらは断らせてもらおう」

 

 冥界にも興味はあるが、戦争で手一杯なところにわざわざ招待されてやる義理はない。必要とあれば自分で方法を立てて行けばいいだけのことだ。

 

「ホホッ。断りなされるか。(わたくし)としましては是非に、と思うのですがねぇ。

 弱りましたねぇ。お侘びの品は渡してしまいたいですし、少々手荒になるやもしれませんなぁ」

 

 身にまとう空気が一変し、彼を中心に周囲が歪む。いや、揺れているのか?万が一戦うとなれば厄介なことに変わりはない。

 

「悪いが、今日の私には予定がある。今まで来た木っ端悪魔共のようにパワーの調整や遠慮はしてやれん。貴様、滅ぶ覚悟はいいな?」

 

 ターンXを右腕のみ顕現し、システム:“溶断破砕マニピュレーター(シャイニングフィンガー)”を起動させる。円錐のような腕とは呼べぬ形状をした手指に狂気とも取れる出力のエネルギーが収束していき、バチバチと光が腕を這い回り始める。

 

 ロフォカレから放出される魔力により揺らぎ歪む空間と、私の“溶断破砕マニピュレーター(シャイニングフィンガー)”による純粋なエネルギーの放出によって威圧される空間。一触即発の雰囲気、戦いの前のこの空気は良い物だ。たとえ―――

 

「ホ、ホホホホホホッ。」

 

 さっきまでの魔力の放出が嘘のように止まる。―――たとえ本気で戦う気ではなかったかとしても、だ。

 

「いやはや、参りました。降参しましょう。流石の私でもそのような攻撃を受けては無事では済みませぬ。私の命はルシファー様の物、申し訳ありませんが死する可能性のある戦いをするわけにはいけないのでございます。上級悪魔を素手のみで打ち払う者の実力を見て来いとの命令でしたが、よもや私を滅ぼし得るだけの力を持っていらっしゃるとはなんとも予想外でしたよ。」

 

 収束させたエネルギーを身体に循環させながら戻し、ターンXの腕も消しておく。ここには最早、闘争をする空気はない。

 

「フンッ。私がそのまま攻撃していたらどうするつもりだ?

 貴様がそのつもりだったとして、私が矛を収める保障はなかっただろう」

 

「その時は腕でも羽でも捨てて生きて主の下へ逃げ帰らせていただきます。兎角、あの凶暴な光を収めていただきありがとうございます。痛いどころでは済みそうにないですからね。

 それはそれとして、実力に関しては語るべくもないですので、これを御渡ししておこうかと思います。我々悪魔の中でも特に優秀な者共のリストでございます。貴殿を我々の陣営に誘ったところで断られるだけでございましょう?なれば、我々としては味方にはならずとも、敵になる事態だけは避けたいのですよ。ですので、互いに求める物を出し合う『契約』という形で関係を持てれば、と考えまして。勿論、使わずとも結構ですし、この本を解析するなり、焼き捨てるなりは貴殿の自由でございます。

 私個人としましては、理性的な対応をして下さったり、此方の意図を汲んでいただける貴殿は嫌いではありません。良い関係を築ければと思います。よろしければ御一考を」

 

 彼が懐から取り出した羊皮紙の本を受け取る。ざっと見る限りリストに挙がっているのは10名ほどのようだ。

 

「受け取っていただきありがとうございます。使い方は呼び出したい者のページにある魔方陣に手を触れた状態で呼び出すことを念じていただければ後は魔方陣が行いますので少々お待ち下されば対象の者が参ります。信用されないかもしれませんが、私の責においてその本に呼び出す以外の妙な仕掛けはしていないことを保障しましょう。」

 

「最初からこれを渡し目的を話せば良かったものを。とんだ回り道だな」

 

「相手の実力を測るには一応は敵対するフリの方が都合がいいのですよ。

 あぁ、今後我々の陣営が貴殿に手を出すことは致しません。もし悪魔が来たようでしたら命令無視をした輩ですので、好きに扱っていただいて結構です。煮るなり焼くなり、食らってみるなり、遠慮せずどうぞ」

 

「ほう、鬱陶しいばかりだと思ったが、好きに扱っていいのなら見方も変わろう。

 まぁ騒いでばかりで邪魔なので来ないほうが助かるがな」

 

「行かぬよう言い聞かせておきましょう。では失礼します。

 今後は良きお付き合いをしたい物ですな」

 

「フッ。言っていろ」

 

足元に回転しながら魔方陣が展開され、輝くと共にロフォカレの姿が消える。転移で冥界に戻ったようだ。

 

さて、戻るとしよう。

 

クロウ・クルワッハ、ドラゴンとの戦闘だ。柄にもなく少し楽しみにしている私がいる。

 

 

 

―――――

 

 

 

「ふむ、私が最後だったか」

 

 戻ると、すでにジラマ婆とクロウ・クルワッハは席についていた。二人とも傷を負った様子はない。負うとは欠片も思っちゃいなかったので何も感じない、当然の結果である。

 

「ようやく戻ったか。そう言えば、戦うに適した場所はあるのか?」

 

「問題ない。ジラマ婆、頼めるか」

 

「えぇ、えぇ。わかっておりますじゃ。

 戦う場所じゃがな、お若いの、ワシがここより少しズラした空間を作りますじゃ。中で何をしようとも外に漏れませぬ。大暴れなさるにはええでしょうさ」

 

「との通りだ。だが、私の身内の作る空間で戦うのに拒否をするのなら、適当に離れた場所で戦うことになるが、どうするね」

 

 下らぬ細工などするつもりはないが、そんなものは相手からは知ったことじゃあない。拒否される可能性は十分にあるだろう。だが、いままでの彼の様子だと要らぬ心配な気もするが。

 

「それでいい。俺の身体も温まってきたところだ。それに、またぞろぞろとやってきて邪魔されたのでは堪ったものではない」

 

「私としても邪魔は御免だ。ジラマ婆、術式の展開を頼む。」

 

「わかっておりますじゃ、ディオ様」

 

一瞬だけ景色がグニャリと揺れる。そして自分が大きな範囲で囲われた感覚……結界の内に入った感覚を感じる。

 

「お二方、よほどのことがなければ壊れはしませぬ。存分に力を振るってくだされ。

 じゃがまぁワシは、ディオ様の勝ちを確信しておりますがの。イヒャッヒャッヒャッヒャッ」

 

 実に良い空気だ。肌にピリピリと来る敵意が、殺気が、実に心地よい。

 木っ端共ではこうはいかん。やはり戦いはこうでなければな。さぁ、闘争を始めよう。

 

 

 

「これでも邪龍の筆頭格なんでな。すぐに潰されるような期待ハズレを晒して俺を落胆させてくれるなよ!ディオ!!」

 

 

「フフフ……。ドラゴンの力で我が『世界』を超えれるかどうか、試してみるがいい!クロウ・クルワッハ!!」

 

 




戦闘は次回に持ち越し。

配下が10名なのはこれ以上増やすと作者が把握しきれなくなりそうだからです。作者だらしねぇな。

ヒロインは決定済みで、かつ変更する予定はありません、とだけ。


それでは、お読み下さりありがとうございました。



P.S.
何かここに書こうと思ってたはずなのに、いざ本編上げたら何書こうと思ってたか思い出せなくなる罠。あると思います。
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