星核ハンター「桜花」の日常と波乱   作:あるふぁせんとーり

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真夜中に夢を見るなら

 ナナシビト、ラグウォーク・シャール・ミハイルの悪足掻き。銀河を駆け巡った「時計屋」の招待状。

 

 嗤う千両役者、蒐集する占い師、名高き歌姫、幸運な少年、道を拓く旅人……それは、数多の人々の手に渡る。

 

 被造物の少女二人、赤を追う剣客、機械仕掛けの復讐者……その宴の舞台には、招かれざる客も姿を現した。

 

 誰よりも不幸を憎んだ、誰よりも心優しき少年が苦難の果てに辿り着いた理想郷、その創造の七日間。

 

 造り物の彼女達は「死」を賭けた。

 

 幸運な彼は「過去」を賭けた。

 

 夢を創り上げた彼は「大義」を賭けた。

 

 そして今、その全ては頂点へと辿り着く。

 

 彼等彼女等の運命が夢の頂、ただ一点に収束する。

 

 「未来」を懸けた戦いが幕を開ける。

 


 

 ピノコニーの12の夢境、あるいは「エナの夢」、そこにある「秩序」の虚数エネルギーをその身に集約させる「星の祈り子」は、呼応して増える「永劫の祈りへの賛歌」に囲まれ、まるで物も知らずに眠る胎児のように丸くなる。しかし彼や未だ美しい夢に堕ちたままの人々を目覚めさせるべくロビンは力強く、本来「調和セレモニー」の舞台で初披露となるはずだった「翼の生えた希望」を歌い上げていた。「調和」の歌であったはずのそれは彼女が「時計屋」から託された「開拓」の思いも込められ、ピノコニーの全てに響き渡る。そしてその朗唱の下、彼女達はサンデーと「秩序」を止めるべく、全身全霊の総攻撃を仕掛けた。

 

「人は皆未来へ向かって生き続けている。それはお前も例外じゃない……!」

 

 丹恒の撃雲が唸る。

 

「この歌は彼女だけのものじゃない、夜明けを望む全ての人の歌だ……!」

 

 ヴェルトの重力が引き裂く。

 

「見せてあげるわ。未来を望む「弱者」の強さをね」

 

 姫子の衛星砲が焼き払う。

 

「たとえ未来が苦しくて、辛くたって……それでも諦めるなんて絶対にしないから!」

 

 なのかの矢が貫く。

 

「続きがない、終わりがない、そんなショーじゃ誰も愉しくないでしょ?」

 

 花火の仮面が揺れる。

 


 

 「夢舞台千秋楽」

 一回まで発動可能。敵全体に大量の量子属性ダメージを与え、SPを最大まで回復し、これ以降味方がSPを消費する度にSPを1回復する。

 


 

「たった一つでも希望があるなら僕は賭けるさ。……「このゲーム、僕達が勝つ」!!」

 

 アベンチュリンはサイコロを振る。

 


 

 「ジャックポット」

 一回まで発動可能。敵全体に大量の虚数属性ダメージを与え、味方全体に大量のバリアを付与する。

 


 

「人は誰しもが「運命の行人」です。その道を、他人が決めるべきじゃない……!」

 

 インシァンの扇子が舞う。

 


 

 「幻夢裂き咲く桜颪」

 一回まで発動可能。敵全体に大量の風属性ダメージを与え、味方全体に現在持つものと同じバフを付与する。バフ効果は重複する。

 


 

「弱者にだって、強者だって……あたし達には、「自分」を選ぶ権利がある……!!」

 

 「サム」の、ホタルの駆体が燃える。

 


 

 「ファイアフライ-Ⅳ-煌星スーパーノヴァ」

 一回まで発動可能。敵全体に大量の炎属性ダメージを与え、靭性を大量に削る。

 


 

「あんたが思ってるより……人はずっと、ずっと強い!!」

「人は絶望にも、「虚無」にだって屈しない!「開拓」は……「未来」は、英雄の特権なんかじゃないわ!!」

 

 星もロビンも、そうサンデーに向けて強く叫ぶ。その声はこだまし、「開拓」の意志は夢の中で星穹列車を形作って星空を駆けた。

 


 

 「星穹を切り拓く未来への和音」

 一回まで発動可能。敵全体に大量の虚数属性ダメージと大量の物理属性ダメージを与え、弱点撃破されている敵に大量の超撃破ダメージを与える。

 


 

 再び「秩序」の安息が訪れようとしたその瞬間、彼女達の「開拓」が「永劫の祈りへの賛歌」を蹴散らし、「星の祈り子」の身体を貫いた。風穴の空き、崩れ落ちたその駆体。だが彼は必死にその身体を起こし、妹達と共に自らを破った「開拓者」へと手を伸ばして問いかける。

 

「何故、生命体は眠るのか?」

 

 彼女は被っていた帽子を外し、その場にいる全ての……。

 

「休んで、止まって、それでももう一度前に進むため……だから、誰もが眠るんだよ」

 

 ……否、ピノコニーで夢を見た全ての人々の代表として、その答えを口にする。

 

「──夢から、覚めるために!!」

 

 「星の祈り子」の身体が崩れ落ちる。ピノコニー大劇場の舞台の一部を巻き込みながら、瓦礫となってピノコニーの街に落ちていく。

 

「……ああ、夜は……夢を見るには、短すぎる……」

 

 彼はそう、瓦礫の中から星空に手を伸ばす。一枚、一枚と装飾が剥がれ、「星の祈り子」は「サンデー」へと戻っていく。だが、彼の身体を一つのぬくもりが抱きしめた。

 

「兄様……夢から、覚めるときよ……」

 

 涙は、目覚めの後で。




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