星核ハンター「桜花」の日常と波乱   作:あるふぁせんとーり

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インシァンの里帰り(その5)

「あ、あたし粉塵あるよ!」

「お、ナイス」

「銀狼ちゃん尻尾切れました」

「おっけおっけ、あっメ◯ゼナダウンした!」

 

 風呂上がり、居間に集まってモン◯ター◯ンターラ◯ズ:サン◯レイクに興じるインシァン達。ルアンはその様子を見守りつつ、庭の清流で冷やしておいた大玉のスイカをサイコロ状に切り、皿に盛り付けていた。

 

「三人とも、スイカが切れましたよ」

「あ、ありがとうございます、お母様」

「おかわりもまだありますし、凍らせたものなどもありますから、食べたければすぐに言ってくださいね」

「はーい」

「ルアンさん、あたしスイカ割りとかやってみたいんだけど……」

「ふふっ、いいですよ。明日……だと続けてスイカになってしまいますから、少し間隔を開けて」

 

 そして家事を終えたルアンが居間のソファに腰掛け、趣味の手芸に勤しみつつ彼女達の楽しげな様子を眺めていると、みんなが集まっていることに気がついた創造物達も居間に集まってくる。インシァン達のSw◯tch2の画面を覗こうとする子、ルアンの足裏をペロペロと舐めている子、銀狼の足置きになっている子……十人十色ならぬ十匹十色といった感じであった。

 

「ああ、あなた達も食べますか?」

 

 ルアンが尋ねると、創造物達はぴょんぴょんとその場で跳ねる。そして彼女がペット用の皿にスイカを盛ってあげると、創造物達は嬉しそうにその皿に群がった。

 

「賑やかな夜も、悪くありませんね」

 

 彼女は笑った。

 

◇◇◇

 

 一方その頃、ヘルタ宅。

 

「うん、中々悪くないのが出来たかな」

 

 夕食後、突如フルーツポンチを作ろうと思い立ったヘルタ(本体)。幸いにも今回は包丁や火を使う工程が存在しなかったため無事に終わる……と思いきや、まあそんなことはないのがヘルタクオリティ。

 では今回彼女が解決するべき問題は何か。そう、物量である。その量サイダーだけでも10L以上、フルーツ込みで延べ重量30kg近く。ヘルタ、作りまくっている内になんだか楽しくなっちゃったのである。中途半端に常識に収まりそうな分、魔法で解決する気も中々起こり辛い。

 

「流石の私でもこの量は太りそう……あ、そうだ」

 

 しかしそこは流石の宇宙に名を轟かす天才。解決策など一瞬で思いついてしまう。それもついでに余暇を謳歌できるとびっきりの策を。

 ヘルタはその解決策のためにワインセラーから上質なワインを幾つか、それと予備のアメニティーを用意すると、大量のフルーツポンチを幾つかの瓶に詰めて出発の準備をした。

 

「さてと、ルアン・メェイの家は……」

 

 そしてヘルタは「ああ、あったあった」と鏡に登録してある座標リストからルアン宅を探り当てると、慣れた手つきでそこまでのワープゲートを開いた。

 

◇◇◇

 

「あ、ルアン・メェイ、何かインターホン鳴ってるけど」

「本当、ですね。こんな時間になんでしょうか……インシァン、出てもらえますか?」

「了解です、お母様」

 

 ちょうどクエストの合間だった事もあって、彼女は一旦プロコンを置いて玄関の方へ向かう。そしてインシァンが扉を開けると、「やっほー」と彼女が姿を現した。

 

「あ、ミス・ヘルタ」

「久々だね、インシァン。もしかして帰省中?」

「はい。しばらくゆっくりしようかな、と」

「なら丁度いいね」

 

 ヘルタは靴を脱ぐと居間の方に向けて「お邪魔しまーす」と声を掛け、大きな荷物と共に奥へと進んでいった。

 

「あ、ルアンさん、カフカ達も来れるかもって」

「おや、そうですか。でしたらまた新しい部屋を用意しますね」

「だったら私の分もよろしく、ルアン・メェイ」

「……来るのなら事前に連絡してください、ヘルタ」

 

 彼女は「結構しっかりリフォームしたんだね」と部屋を見回し、荷物を下ろしてぐぐっと背を伸ばす。その姿を見た銀狼は思いっきり、苦虫を噛み潰したような顔をした。

 

「あら、誰かと思えば小娘じゃない。アカウント、ちゃんと取り戻せたんだね」

「へー、人の夏休みにわざわざ水を差しに来るとか、天才様も随分と暇なんだ?」

「そうそう、そのことなんだけど、実は私もその夏休みに混ぜてもらおうと思って。良い?ルアン・メェイ」

「私ではなくインシァン達に聞いて下さい。この子達の夏休みですから」

 

 ルアンがそう言うと、インシァンとホタルは「賑やかになるのは大歓迎」と言わんばかりに頷く。肝心の銀狼は少し悩み、ため息を吐いた後に一つ、ヘルタに問いかけた。

 

「ねえ、あなたってゲームは得意?」

「ゲーム?あんまり触らないけど、天才に出来ないことなんて無いよ」

「……分かった。じゃあ夏休みの間、私のゲームの相手になって。それなら私も喜んであなたを受け入れてあげる」

「そんなことで良いの?良いよ、泣きべそかいても知らないから」

「こっちの台詞なんだけど」

 

 「それじゃ決まりだね」とヘルタは笑う。ルアンは「廊下を出て突き当り右の部屋を使ってください」と口頭で案内した。

 

「了解。……そうそう、これがお土産。宿泊費代わりだと思って」

「おや、良いワインですね。……それと、一体これは……?」

「フルーツポンチ30kgだよ。材料費だけで50万くらい使った超高級品なんだから」

「……まさかとは思いますが、これを処理しに来たんじゃありませんよね?」

「大正解。流石だね」

 

 悪びれずに言うヘルタにルアンは小さく息を吐き、「あの子達は、気に入ると思いますよ」と微笑んだ。

 

「それでお子ちゃま、Jo◯-Conってどう使うの?」

「あ、そこからなんだ……」

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