星核ハンター「桜花」の日常と波乱   作:あるふぁせんとーり

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私立星穹高校の日常(その2)

 1限、ルアン・メェイの生物基礎。

 2限、アナイクスの現代文。

 3限、Dr.レイシオの日本史。

 4限、マダム・ヘルタの数学ⅠAⅡBC。

 

「終わったぁ〜〜!!」

 

 星穹高校2年B組で最もキツいしルアンやヘルタに至っては難易度設定もマジで終わってる月曜午前が終了し、星*1は思いっきり机に突っ伏した。

 

「なの〜〜ヘルタの小テスト何点だった〜〜?」

「その質問待ってたんだから!前回の倍の14点も取っちゃったんだよ、ウチ!」

「ふっ、残念だね。私は15点だよ」

「俺はその2倍だ」

「嘘!?それじゃあウチらの負けじゃん!」

「くっ……あ、そうだ!インシァン!インシァン、あんた何点だった!?」

「私ですか?一応満点でしたが……」

 

 そう言って「100点あげるね〜」と少し雑な赤ペンで書かれた答案用紙を見せるインシァン。

 なのか*2と星はパシッと勢いよくハイタッチし、インシァン*3もそれに合わせて彼女達と両手を合わせる。

 

「これで3人合わせて129対30!4倍以上ウチらが勝ってるよ!」

「待て、その理論はおかしい。俺は確かに「お前達の点数を合わせても負けない」とは言ったが、そこにお前達以外も含めるのは何かが違うだろう」

「いいじゃん別に〜!ほら、約束の学食のパフェ奢りだよ!」

「……はぁ、仕方ない」

 

 なんやかんやで身内にゲロ甘な男、丹恒*4に星となのかは何度もハイタッチしながらきゃっきゃと無邪気に喜ぶ。

 そしていつものようにB組の面々が学食の方へぞろぞろと移動していく中、インシァンはホタル*5に「先行ってて下さい」と伝え、少し早足で職員室の方へ向かった。

 

◇◇◇

 

「ありがとうございます、インシァン。このお菓子、予定が合わなかったので……」

「いえ、また何かあったら買ってきますね」

「……スクリューガム、僕の記憶では教職員と生徒の間での物品のやり取りは校則によって禁じられていたはずだが」

「推論:今の彼女は星穹高校の教職員ではなく「インシァン・ルアン・メェイ」という生徒の保護者なのでしょう」

 

 そしてルアンにお菓子を渡し終えたインシァンは軽い足取りで職員室を去り、食堂の方へと向かおうとする。

 その時ふと、彼女と入れ替わりに職員室を尋ねようとしていた金髪の女性に気がつき、彼女は声を掛けた。

 

「あの、どうかしましたか?」

「あ、はい。えっと、カカワーシャがお弁当を忘れてたので届けに来たんだけど……」

「カカワーシャ……あ、アベンチュリンくんだったら今みんなと一緒に食堂にいますよ。案内しましょうか?」

「良いの?だったら……うん、お言葉に甘えようかな」

 

◇◇◇

 

「はい、カカワーシャ。せっかく大好物のとんかつ入れておいたのに、忘れちゃったら食べられないでしょ?」

「ああ、ありがとう姉さん。次は気をつけるよ」

 

 姉を連れてきてくれたインシァンにも礼を言ってから、「結局姉さんの揚げ物が一番美味しいからね」とウキウキで弁当箱を開けるアベンチュリン*6

 その隣では戦略投資部の同期であるトパーズ*7がペット兼相棒のカブと共にハンバーガーを頬張りつつ「アベンチュリン、本当お姉さん似だよねー」なんて去っていく彼女の背中とアベンチュリンの顔を見ながら呟いている。

 

「というかアベンチュリンくん、女装とか行けそうですよね。今年の文化祭はメイド喫茶にしましょうか。ギャルンチュリンって感じで」

「うーん、そうだな。取り敢えずB組で一番ハンサムな男ことサンデーはどう思う?」

「あら、兄様の女装?」

 

 デラックスプリンパフェに舌鼓を打つサンデー*8に彼が尋ねるとその後ろからひょっこりとロビン*9が顔を出す。

 インシァンが「今日は収録でしたっけ?」と尋ねると、彼女は「思ったよりも早く終わったから午後から出ようと思って」と微笑んだ。

 

「兄様、私興味あるわ。兄様のメイド喫茶」

「やりましょう」

「相変わらずだなサンデー……」

「……あ、アベンチュリンのお姉さんも見たいって。LINE来た」

「なら決まりだ、トパーズ」

「どっちもどっちだね、なの……」

「メイド丹恒かぁ……」

 

 「丹恒はメイドってより女騎士だもんね」と真っ昼間からニンニク餃子でお腹いっぱいにしながら言う星。

 彼女以外食べてるところを見たことないでお馴染みの焦げオークロールを頬張りながら「そろそろ文化祭かぁ」なんてホタルは呟いた。

 

「あれ、去年の出し物1位ってなんだっけ?」

「ブラックスワン先輩の占いじゃなかった?恋愛関連の的中率がヤバかったやつ」

「あれ校内全員の恋愛事情把握してただけですよ、確か」

「それチートじゃない?」

「ブヒッ、ブー?」

「ふふっ、カブが「それ銀狼ちゃんが言うの?」って」

「……うるさい」

「イカサマってのはバレずにやらないと。この前もまたBANされたんだろう?」

「あ、あれはもう復旧したし……!!」

 

 今日もまた、食堂は生徒達の話し声で騒がしかった。

*1
地頭は多分良いほうだがちゃんと勉強をしないため中の下から下の上をうろうろしている。おもろいと思った分野だけ急に覚醒して学年10番くらいに食い込む。私立文系。

*2
ヨビノリとかQuizKnockとか見たり、テスト前に一夜漬けとかして勉強した気になるタイプ。多分このまま順調に行くと持ち前の運で青山あたりに入ってキラキラ女子大生になる。私立文系。

*3
学年トップ。全国模試もトップ。言うことがない。天才にありがちな「人の心が分からないため国語ができない」的な弱点さえもない。ルアンやマダム・ヘルタのテスト問題の異常な難易度インフレについていける貴重な生徒。赤点なのは恋愛くらいである。国立理系。

*4
得意科目歴史。優秀。とにかく優秀。なんでもそつなくこなすし素行も非常によろしい(掃除などでの蒼龍、世を灌がんを除く)ため教師陣からの評価も非常に高い。しかし結局根は列車組かつ仲間大好き面白男ではあるためときたま面白いことをやらかす。星やなのかに合わせて私文。

*5
とりわけ優秀というわけでもないが、結構出来る方。中の上くらい。しかし脳筋のため数学などを総当りで解こうとする癖があり、かなり捻ってくるヘルタの数学なんかは超苦手。暗記科目は強い。一応国立理系。

*6
2年B組。戦略投資部(部活動)所属。本名カカワーシャ。金髪にカラフルな瞳、孔雀モチーフのピアスなどチャラ男のような容姿から非常に勘違いされやすいが、両親と姉に可愛がられまくっているため家族思いかつ一途で初心かつ真面目なB組屈指の良い子である。やたらと運が良く、あらゆるソシャゲのガシャが更新される度に同級生の代わりにガシャを引いているためちょっとソシャゲに詳しい。友達から勧められてウマ娘を始めたが、ギャンブラーでもあるため競馬の方にもハマった。私立文系。

*7
2年B組。戦略投資部所属。本名エレーナ。さも当然かのように学校にペットを連れてくるどっちかというと星タイプの女子。副教科含め非常に優秀かつ株やFXでお小遣いを稼いでいるが、極稀に相場の読みを外してアベンチュリンにトイチでお金を借りる。人生で初めて渡した手作りチョコは戦略投資部顧問のジェイド先生宛。国立文系。

*8
おおよそ丹恒と同じタイプ。すなわち優等生。少々頭が固いところがあり、数学の応用問題などは苦手な部類だが、星穹高校の数学の応用問題はマダム・ヘルタとかいうやつのせいでイカれているのであまり成績上では問題にならない。国立文系。

*9
2年B組。芸能活動のため帰宅部。超有名歌い手。紅白出場経験あり。当然最も得意な科目は音楽だが、その次は体育という剛の者でもある。実は駆け出しの頃にインシァンがオリジナル曲を書き下ろし、それから時々オフでも遊ぶ仲。この前ストーカーを正当防衛の範囲内で鉄拳制裁していたのが偶然撮影され、ネットで馬鹿ほどバズった。国立文系。




黄金A組のキャストリスはトパーズからインスピレーションを得た結果、双子の妹のボリュシアと一緒にペットの超大型龍ボリュクスを連れてきて2人で反省文を書かされたという苦い経験があります。
現在はルアン・メェイ先生の許可を得たため合法で連れてきています。
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