「ねえ、星。あいつらの話なら、ここにギャラガーって人がいるんだよね?その人は信用できるの?」
「うーん、赤保留、ってとこかな」
「なら結構信用できる……じゃなくて!星穹列車はパチンコ禁止だよ!前ヨウおじちゃんが演出の為にやろうとして、大変なことになったんだから!」
「えっ、そうなの姫子?」
「うーん、お小遣いでやる分には何も言わないけど……決してオススメはしないわね」
「そっかぁ」
あの後トパーズをストーキングしていたハウンド家をとっ捕まえ、その歴戦のバット片手にお話しした結果、見事に情報を引き出すことに成功した星。彼等曰く、ハウンド家を指揮する保安官はドリームボーダーにいるとのこと。「あ、私その人知ってるかも」と星が思い出すと、彼女達はその案内に従ってドリームボーダーへと突撃した。
「にしても、ほんと厳重な警備……ファミリーも事件で大忙しなんだね……」
「そうみたいね。私達も彼等の邪魔をしないよう、さっさと用事を済ませちゃまいしょう」
「うん、そうだね!ギャラガー、ギャラガーは……っと」
「ギャラガーでてこーい!」
そう言ってふらふらと歩き回るなのかと星。すると一人のハウンド家のメンバーが「おい!そこの!」と二人と、その後を追いかけてきた姫子を呼び止めた。
「この先ではハウンド家が調査を行っている。関係者以外立入禁止だ……って、灰色の髪のお前は、まさかあの時の……!」
「ええ……あんた、どれだけピノコニーでやらかしてるの……?」
「仕方ないでしょ。この銀河打者のカリスマを隠せなんて言う方が無茶な話だよ」
「そうだ思い出した!努力、友情、勝利だの、クロックトリックだのクラブハウスだの言いながら、あの銀髪の女の子と俺を殴り倒しただろ!」
「うわぁ……」
「星……」
「今回は何があっても見逃さないぞ……!分かったらさっさと帰ってくれ。さもなくば……この場で地に頭を擦り付けてでもお願いするからな!」
「あんた、どれだけこの人に酷いことしたのさ……?」
「バットでいっぱい殴った」
「ちょっと待ってもらえる?私達はファミリーから依頼を受けてるの。それを証明できる書類も預かっているわ。そこで提案があるんだけど、あんた達の調査に協力するから、ハウンド家の保安官、ギャラガーさんに会えるように取り計らってもらえないかしら?」
「ギャラガー……っていうのは一体誰だ?何人もその名を口にしているし、その灰色のやつも言っていたが、あいにく俺の記憶にはないんだ」
規則に忠実な彼がそう答えると、なのかは「えっ?!」と少し驚いたような声を上げた。
「だって、ギャラガーがあんた達を派遣したんでしょ?知らないはず無くない?」
「俺達は保安官に派遣されたんだ。それ以上に言うことはない」
「だからそれで良いんだって!早く会わせてよ!」
「ダメだ。ファミリーの名誉に関わる故に、誰も通すなと命令を受けている」
断固として譲らない彼に星はため息を吐くと、肘くらいまで捲ったコートの袖を更に捲り上げ「「魅せ」ますか」と呟いた。
「魅せるって……そんなにカッコつけて何したいの?」
「え?洗脳」
「この際それでもいっか……あんたの新しい力、私にも見せてよ!」
そう言って、星は往年の美少女戦士のような構えを取ると「くろっくとりーっく!」と相変わらず気の抜けたような声で叫ぶ。すると、一本筋の通った彼の表情は見る見る明るくなり、彼はウッキウキで腕時計を覗いた。
「おお、定時!愛しの定時じゃないか!ならばこれにて勤務終了!誰も俺の邪魔は出来ないぞー!」
そして笑いながらその場を走り去っていった彼。なのかは「あんたの力、思ったよりヤバいね……」と僅かに引いたような表情で答えた。
「……とりあえず、これで先へ進めそうね。早くギャラガーさんを探さないと」
「いや、その必要はない」
ドリームボーダーの奥から、そのような声が響く。その声の主はネクタイを締め直しながら「俺の方から伺うとも」と彼女達の方へ近づき、そして挨拶した。
「最初に言っておくが、俺はあんたらと敵対するつもりは全く無い。改めて、このピノコニーへようこそ、ご客人。俺はギャラガー、ハウンド家の保安官だ」
実はかなりエゴサしてるので感想とか読了報告とか呟いてくれると嬉しいです