ある日銀髪の美少女が部屋にいてゲームの世界から来たと言うが何のゲームかわからない話   作:キサラギ職員

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容姿は彼女のそれに、よく似ている。


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 仕事を終えて、いつも通り家に帰ってきた。長い一日がやっと終わり、ようやくくつろげる時間だ。玄関のドアを開けて中に入ると、バッグを置きながら、シャワーを浴びて冷えたビールでも飲もうと考えていた。

 

 だが、リビングに足を踏み入れた瞬間、俺はその考えを忘れた。

 

「……なんだよ、これ……」

 

 そこにいたのは、銀髪の美少女だった。長い髪が光を受けて柔らかく揺れ、その白く透き通る肌と赤い瞳が、まるで異世界の住人のように見える。彼女はソファに座って、無表情でじっと俺を見つめていた。

 

「誰だ?」

 

 声を絞り出して聞いてみたが、返事はない。彼女はただ、何も言わずに俺を見つめ続けていた。俺の家に、こんな美少女がいるなんて、そんなことありえない。誰かのいたずらか? それとも夢か? 頭の中は混乱していたが、彼女は何も言わずにゆっくりと自分の手を見つめ始めた。

 

 彼女はしばらくの間、まるでその手が自分のものではないかのように、じっと見つめていた。そして、その視線は腕から足、胸元まで移動し、全身を確認するように丁寧に眺めていた。俺はその様子をただ呆然と見つめていたが、やがて彼女はポツリと呟いた。

 

「……贖罪か。」

 

 その言葉に、俺は一瞬息を呑んだ。何かを思い出したかのように、彼女の声には重い意味が込められていた。しかし、俺にはその意味が全く分からない。

 

「おい、何の話をしてるんだ? 誰なんだよ、君は?」

 

 焦りながら問いかけたが、彼女は俺の言葉に一切反応しない。ただ、冷たい瞳で俺をじっと見つめてくるだけだ。その無言の視線に、次第に俺は恐怖すら感じ始めていた。

 

「……俺は、ゲームの世界から来た。」

 

 不意に彼女がそう言った。その言葉を聞いた瞬間、俺は頭の中が真っ白になった。

 

「ゲームの世界? 冗談だろ? 何のゲームだよ?」

 

 混乱しながら問い返したが、彼女は再び沈黙したままだった。冷たい視線を俺に向けながら、一切の答えを拒んでいるかのようだった。その沈黙が、かえって彼女の言葉の重さを際立たせ、俺は言葉を失った。

 

「……証明が必要か?」

 

 彼女の口から次に出た言葉は、まるで挑戦のようだった。俺はその言葉の意味を測りかねて、眉をひそめた。

 

「証明って、何をだよ?」

 

「パソコンを貸せ。」

 

 予想もしていなかった要求に、俺は戸惑った。だが、彼女の視線は強く、逆らえないような圧力を感じた。仕方なく、俺はデスクに置かれたパソコンを指し示した。

 

「……これか? 何をするつもりだ?」

 

「この世界、あるいはこの時代における米国防総省にハッキングしてみせる。」

 

 彼女の口調は冷静で、まるで当たり前のことを話しているかのようだった。その言葉を聞いた俺は、思わず笑いそうになった。ハッキング? しかも、米国防総省だって? それができるなら、世の中のハッカー全員が億万長者になっているだろう。

 

「無理に決まってるだろ、そんなの……」

 

 俺はそう言いかけたが、彼女は何も言わずにパソコンに向かってキーボードを叩き始めた。指がキーボードの上を滑らかに走り、モニターには次々とプログラムのコードが流れ出す。俺はただその光景を呆然と見つめるしかなかった。

 

「嘘だろ……?」

 

 瞬く間に、彼女はいくつものファイアウォールを突破していった。防御が強固なネットワークの壁を、まるで子供のおもちゃのように軽々と乗り越えていく彼女の技術は、明らかに常人の域を超えていた。俺は目を見開き、言葉を失ったままその光景を見続けるしかなかった。

 まあもっともこれがドッキリである可能性もある。俺は疑いを捨てられなかったが、遂行中の作戦なるファイルで従事しているCIAメンバーが欧州で何をしているかまでを表示し始めたあたりで匙を投げた。多分これ本物だ。

 

 やがて、彼女はキーボードから手を離し、冷静な表情で俺を見た。

 

「これで信じるか?」

 

 その言葉に、俺はただ無言で頷くしかなかった。目の前で行われたことは、常識では説明がつかない。彼女が一体何者なのか、俺はますます混乱した。

 

「お前は……一体何者なんだ?」

 

 震える声で問いかけると、彼女は静かに答えた。

 

「俺は、情報操作と撹乱……オペレーションを行う者だ。」

 

 その冷たい声に、背筋が凍りつくのを感じた。彼女の言葉はまるで、命令でもするかのような重みがあった。そしてその内容も、日常からかけ離れたものだった。情報操作、撹乱……まるで映画の中のスパイのようなことを、当たり前のように語っている。

 

 俺は言葉を失い、ただ彼女を見つめた。

 

 そして、次の瞬間、彼女は突然言った。

 

「頼む。俺を泊めてくれないか。」

 

 その言葉は、彼女のこれまでの冷たい態度とは対照的に、どこか頼りない響きがあった。彼女は相変わらず無表情だったが、その声の中には、孤独と哀しみがわずかに滲んでいるように感じた。

 

 俺は何も言えなかった。この状況は、俺の理解をはるかに超えている。だが、目の前の彼女が、ただ普通の美少女ではないことだけは確かだった。俺は深いため息をついて、肩をすくめた。

 

「……わかった。泊めてやるよ。」

 

 その言葉を聞いて、彼女は少しだけ頷き、再び無表情に戻った。彼女がどこから来て、何をしようとしているのか、俺には全く分からない。だが、目の前の彼女が俺の助けを求めているのは事実だ。

 

 こうして、俺とこの謎の美少女――自称「オーナー」と名乗る彼女との奇妙な同居生活が始まった。

 

 初めての夜、彼女はリビングのソファで静かに眠っていた。俺はその姿を見ながら、ますます混乱が深まっていく。彼女は一体何者なのか? そして、俺の生活に何をもたらすのか。

 

 考えは尽きないままだったが、俺は深い眠りに落ちていった。

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