ブルアカ曇らせ性癖もりもりハッピーセット   作:龍角散ガム

11 / 34

なんか書いてたら今までで一番長くなっちゃった

いつもに比べて曇らせレベルは低めです

また、今回はとある作品の要素が入ったクロスオーバーになります

ご了承ください



アツコの場合
儚げな女の子が曇るのって良いよね


先生に趣味を聞かれたとき、私はすぐに答えることが出来なかった

けれど、今ならはっきりと答えられる

私の趣味はお花だ

 

アジサイも、薔薇も、ひまわりも

美しく咲いている姿が好きだ

 

その中でも、私が一番好きはお花は「コスモス」だ

 

コスモスの花言葉

 

それは「調和」

 

全てを包み込み包容する大空

 

私がそんなコスモスを好きになったのは、彼と出会ってからだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日は、サッちゃんとミサキは武器と食料の調達で外出し、私とヒヨリはお留守番だった

マダムの手先がいつ襲ってくる分からなかったため、サッちゃんに絶対に外に出るなと言われた

 

しかし、絶対に出るなと言われると逆らいたくなってしまうのが人間の性

お昼寝をするヒヨリを起こさないように外の世界に飛びだした私は、目的もなくフラフラと歩いた

 

長年整備をされていないボロボロな地道を抜けると、広場のような場所へとたどり着いた

その広場は周りが石の壁で囲まれており、どこからか流れついた水が壁から漏れている

天井が抜けており、広場の中心だけが日の光を浴びて神秘的な雰囲気を醸し出している

 

心を躍らせながら中央へと進むと、一輪の花が美しく咲き誇っていた

名前も分からないお花

お花が生きていくには過酷すぎる環境で可憐に咲くそのお花に私は心を奪われていた

 

 

「独りぼっちでもこんなに強く生きているなんてすごいね。なんて名前なんだろう……」

 

 

私がそのお花に語り掛けていると、背後から知らない人物から声をかけられる

 

 

「その花の名前はコスモスだよ」

 

 

完全に油断していた私はすぐさま振り返り、銃を声の主に構えた

 

 

「おっと……僕は怪しい者じゃないよ。そんな物騒な物は下ろしてくれ。僕にとってそれは危険すぎるからね」

 

 

その人物は手を前に出し敵意がないことを示した

そして、自身の頭部の上に指差す

 

私はその人物を警戒しながら観察した

その人物は男性だった

武器と呼べる物は持っておらず、足元には大きな折り畳み式のキャンバス

胸ポケットには一本の絵筆がしまわれていた

 

そして、彼が指差している頭部の上

そこには私たちとは異なりヘイローが無かった

 

つまり、銃を一発でも受けると死に至るごく普通の一般人

敵意を感じなかった私は、銃をゆっくりと下ろした

もちろん警戒を続けながら

銃を下した私に安堵したのか、彼はホッとため息をつき足元のキャンバスを拾い上げる

 

 

「キミ、こんな何もない殺風景な場所に来るなんて変わってるね」

 

 

 

彼が話しかけてくるも、私は返さず警戒を続けた

何も話さない私に疑問を持つ彼だったが、彼の中で何かを結論付けたのかうなづいている

 

 

「ああ、僕は○○。ただの絵描きさ。そのコスモスすごいよね。こんな何もないところでも一人で咲き続けている」

 

 

そう言い彼はコスモスへと視線を向ける

その瞳はとても優しかった

そんな彼の目に私は釘付けになった

 

 

「このコスモスはいつもここからこの大空を見上げてる。たった一人でね。いや、もしかしたら以前は一人じゃなかったのかもしれない。もっと多くの仲間がいて、みんなで暮らしていたのかもしれない。彼は仲間がいたこの場所を守り続けているのかもしれないね」

 

 

 

あくまで僕の妄想だけどね、と微笑みながら彼はコスモスを見つめている

 

 

「そうだ、ここであったのも何かの縁。キミは花が好きかい?」

 

 

彼からの問いかけに返答をすべきか悩んだ

先ほどから敵意は感じられない

手に持っているキャンバスも本物で、彼はただの一般人

本当に、しがない絵描きなのだろう

私はほんの少し警戒を解き、彼の問いかけにうなづいた

 

 

「そっかそっか。なら良いところへ連れて行ってあげるよ。きっと驚くよ?」

 

 

ついてきて、と私に言い彼は歩き出す

背中を向けている今なら彼を撃つことは容易い

それか、今すぐこの場から逃げるべきか

色々と悩んだが、彼のコスモスを見つめていた目を思い出し、彼は善意で私をどこかへ連れて行こうとしているのだろう

久々に善意を感じた私は、彼を信用し、少し離れた位置で彼についていくことにした

 

 

 

 

 

広場から十数分歩いたころ、薄暗い地道を照らすように光がこちらに差し込んできた

彼はその光の中へと進んでいく

光から身を守るように手で目を隠しながら、私も光の中へと吸い込まれていった

 

 

 

「ほら、着いたよ。見てごらん」

 

 

どうやら目的地に着いたらしい

真っ白な視界が段々と晴れてゆく

 

 

 

「わぁっ……!!」

 

 

 

私は思わず感嘆の声を漏らした

私の目に入ってきたのは、辺り一面のお花畑

先ほどまでいた場所とは全く異なる美しい世界

様々なお花たちが咲き誇り、風に揺られ踊っている

 

 

「どう?とても綺麗でしょ?僕の秘密の場所さ」

 

 

満面の笑みで私に笑いかけ、彼はお花畑へと歩き出す

お花畑に見とれていた私は、彼との距離が離れているのに気が付き、駆け足で彼の元へと向かった

 

 

 

 

 

 

それから彼はキャンバスを広げ、お花の絵を描き始めた

私は遠くから彼を観察する

使うのは胸ポケットにある筆のみ

水も絵の具も使わずにどうやって絵を書くのだろうか

 

私が不思議に思っていると、突然彼の絵筆の先が燃え始める

いや、燃え始めるという表現は正しくない

筆先が淡いオレンジ色の炎に包まれている

彼はそれを気にすることなく筆を走らせていく

 

すると、驚くべきことに彼が走らせた筆跡に色が彩られていく

思わず私は彼への警戒を忘れ、彼の元へと近づく

 

筆先はまったく燃えていない

濡れてもいない

けれど、真っ白なキャンバスに色を付けていく

すると、私に気が付いた彼がクスリと笑い、私のほうを向く

 

 

「この筆が気になる?……って当たり前か。ほら、触ってみて」

 

 

彼は燃えている筆先を私に向けてきた

私は戸惑ったが、それよりも興味が上回り筆先へと指を伸ばした

 

 

「熱く……ない……?」

 

 

筆先に触れたとき、熱はまったく感じなかった

いや、確かに熱は感じる

しかし、その熱は人に害を与えるような熱ではなかった

 

温かい

 

太陽とは違う温かみ

 

全てを包み込んでくれるような()()のような

 

とても安心が出来る炎

 

そんな温かさを感じた

 

 

「不思議でしょ?僕にもなんでこの炎が使えるのかは分からないんだ」

 

「もう一つ面白い物を見せてあげる」

 

 

そう言い、彼はお花の絵を書くことをやめて違う絵を書き始めた

犬や猫のような小動物サイズの動物だ

首の周りには炎のたてがみを生やしている

 

 

「これは……ライオン?……わっ!?」

 

 

彼が小さなライオンを書き終えると、キャンバスが突如光り輝いた

 

 

「ガオ」

 

 

光が晴れると、そこには彼が描いたライオンが実態を持って姿を現した

 

 

「どう?可愛いでしょ?ナッツって言うんだ」

 

 

ナッツと呼ばれた小さなライオンは、彼へと飛び掛かり顔を擦り付けている

 

 

 

「可愛い……」

 

 

 

何故絵が実体化したのか

その筆や炎に何か秘密があるのか

 

様々な疑問が浮かんだが、それよりも目の前にいる小さなライオンに心を奪われてしまっていた

すると、その小さなライオンが彼の元から離れ、おずおずと少し警戒しながらも私に近付いてくる

 

思わず私は小さなライオンに手を差し出す

差し出された手に最初はビクッと体を震わせたが、私の手の匂いを嗅ぎ安心したのか私の胸に飛び込んできた

 

 

「がおぉ♪」

 

 

「おや、珍しい。人見知りのナッツが初見の人に懐くなんて。いや、人に見せたことなんてないんだけどね」

 

 

猫のように私の膝の上でくつろぐナッツに私は骨抜きにされてしまった

彼はナッツを私に任せ、再びお花の絵を書き始める

 

 

これが不思議な力を持つ彼との出会いだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから私は、アリウススクワッドのみんなの隙をみてあのお花畑へと足を運ぶようになった

マダムから隠れる生活に疲れたとき、あのお花畑に行くことで心が癒される

そして、そのお花畑で何度か彼と再会した

 

彼からは色々なお話を聞いた

私が知らない世界のこと

お花のこと

彼自身のこと

 

いつしか、心を癒す目的が彼に会うという目的に変わっていった

 

今日も私はアリウススクワッドのみんなに内緒でお花畑に来ていた

 

 

「ねぇ、今日は何のお話をしてくれるの?」

 

 

「そうだなぁ……」

 

 

彼の肩に寄りかかりに、ナッツを抱えながら私は彼に問いかける

 

すると突然彼の足元に銃弾が放たれた

 

 

 

「そこのお前ッ!!姫から離れろッ!!」

 

 

「サッちゃん!?!?」

 

 

銃を放ったのはサッちゃんだった

それに、ミサキとヒヨリもいる

私がみんなの誤解を解こうと近づくも、サッちゃんは彼に銃を放ち続ける

 

 

「やめてっ!!サッちゃん!!」

 

 

しかし、サッちゃんは私の制止を聞かなかった

サオリやヒヨリも彼に狙いを定める

 

するとオレンジ色の影が高速で近づいてきて、サッちゃん達の銃を弾く

 

 

「ガルルゥ……!!」

 

 

「ナッツ!?」

 

 

「なっ、なんですかこの可愛い生き物はっ!?」

 

 

ヒヨリは弾かれた銃を忘れ、ナッツに見とれている

よく見たらサっちゃんとミサキも……

 

 

「何か誤解をしているみたいだね。少し話をさせてくれないかい?」

 

 

ナッツが弾いたサッちゃん達の銃を持ち、彼はこちらに近付く

どうやら彼に怪我は無いようだ

一安心した私は、サッちゃん達の誤解を解くために彼のことについて説明した

 

 

彼への誤解が解けた後、サッちゃん達は彼と仲良くなっていった

私と一緒にお花畑に出かけるようになり、ナッツもミサキやヒヨリに懐いている

サッちゃんも彼と打ち解けており、彼の描く絵を隣で珍しそうに観察していた

 

 

「むぅ……そこは私の場所なのに……」

 

 

みんなが彼と仲良くなるのは嬉しいけれど、なぜだか胸の奥がモヤモヤした

 

 

 

 

 

 

「姫は彼のことが好きなのか?」

 

 

 

「え、えぇ!?」

 

 

 

帰り道、サッちゃんからの問いかけに私は驚き思わず彼からもらった絵を落としてしまった

 

 

 

「姫分かりやすすぎ」

 

 

「少女漫画で見たことある顔をしていましたよっ!!」

 

 

ミサキやサオリにもからかわれてしまう

けれど……

 

 

「そっか……この気持ちが好きってことなんだ……」

 

 

彼への好意を自覚すると、頭の中が彼でいっぱいになった

私は彼が好き

彼と一緒にいたい

彼を想うと心が温かくなる

 

彼への想いが溢れてくる

 

そんな私の姿を見て、サッちゃん達は温かい視線を向けてくる

 

そして私は思った

明日から彼にどんな顔をしたら良いのだろうか

 

今まで通り彼と接することが出来るのか

前とは異なるモヤモヤを抱えながら、明日が来るのが待ち遠しい

 

 

「早く、彼に会いたいな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ。アリウススクワッド」

 

 

 

 

 

けれど私の想いは彼に通じることなく

 

 

 

平和な彼との時間が砕かれることとなった——————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はマダムに捕まってしまった

 

サッちゃん達ともバラバラにされ、私は儀式の生贄として拘束された

 

どうしてこんなにも世界は私たちに冷たいのだろうか

 

 

 

 

 

『Vanitas vanitatum et omnia vanitas』

 

 

 

 

 

 

いつもサッちゃんやアズサが口ずさんでいた言葉を思い出す

 

そう

 

全ては虚しい

 

私の希望を打ち砕くように暗雲が覆い始める

 

私は暗闇に包まれていく

 

意識が薄れていく中、最後に私が見た光景——————

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()宿()()()()姿()()()()

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「姫………しっかりしてくれ………!!」

 

 

「ひ、姫ちゃん………」

 

 

「……外傷がひどい。血を流しすぎている」

 

 

「姫……アツコ……頼む、目を開けてくれ……」

 

 

 

サッちゃん達のこえが聞こえる………

 

 

 

「「……」」

 

 

 

返事をしようとするも声が出ない

身体も動かすことが出来ず、力が失われていくばかりだ

 

 

すると突然、体の奥が温かい何かに包まれる

 

 

 

「これは……!?」

 

 

「あの人の……炎……?」

 

 

 

炎は私の内側から燃え上がり、私を包んでいく

 

 

 

「サオリ、ちゃん……?」

 

 

「アツコ……!!」

 

 

「姫……!!」

 

 

「ひ、姫ちゃん!!気がつきましたか!?」

 

 

サオリが私に抱き着いてくる

 

 

「アツコ……!!!!」

 

 

「あ、サオリ……?」

 

 

「良かった……本当に、よかった……」

 

 

サオリが私を強く抱きながら涙を流す

サオリだけではない

ミサキもヒヨリも涙を流し、私に抱き着いてくる

 

 

「アツコ……生きていてくれて、ありがとう……本当に、ありがとう……」

 

 

「う、うん……?」

 

 

「くっ……うぅ……」

 

 

「よかった……」

 

 

「本当に良かったです……!!」

 

 

「みんな、泣かないで。私は大丈夫だから」

 

 

私は赤ちゃんをあやすようにみんなの頭を撫でる

そしてふと私は疑問に思い口にした

 

 

「彼は……?」

 

 

「「「ッッッ………」」」

 

 

「私、最後に意識を失うときに彼を見た気がするんだ」

 

 

「アツコ……ッ!!」

 

 

「サオリ……?なんでそんなに辛そうな顔をしているの?」

 

 

私は不思議に思い辺りを見渡した

地面や壁は何か()()()()()()()()()()()()()()、クレーターがいくつもできていることからかなり激しい戦闘があったことが予想できた

 

そして私はあるものが目に入った

 

地面に転がる一本の絵筆

 

見覚えのあるその筆を拾うために、サオリ達を振り払う

 

彼の絵筆だ

 

なぜこんなところに……

 

そして部屋の中央にある巨大なクレーターが目に入る

 

私は震える足を無理やり動かしそのクレーターを覗き込む

 

 

「ナッツ………?」

 

 

クレーターの中央にはナッツがいた

 

他にも見たことのない動物がいた

 

ナッツと同じ淡いオレンジ色の炎を宿した虎や馬のような動物

 

彼らの炎は今にも消えそうに力弱く燃えていた

 

彼らは中央に倒れている何かに寄り添っている

 

しかし、部屋は暗くその何かの正体が分からない

 

ナッツが私に気が付いた

 

今にも泣きだしそうな目で私を見つめている

 

そして、彼らの炎が完全に燃え尽きた

 

消えかかっていた体は煙のよう消え去り天へと昇って行った

 

すると天井が崩れ落ち、クレーターの中央が照らし出される

 

彼と出会ったあの広場と同じだ

 

クレーターの中央だけが日の光を浴びて神秘的な雰囲気を醸し出している

 

そして気が付いてしまった

 

ナッツたちが寄り添っていた何かの正体を

 

クレーターに足を取られ中央へと転がり落ちてしまう

 

 

「うぐっ………!!」

 

 

腕を擦り剝いてしまい、血が流れる

 

しかし、すぐさま淡いオレンジ色の炎が私の内から湧き出し傷が癒えていく

 

だけど私はその現象を気にかけることなく、中央で倒れる何かに近づいていく

 

それは、中央でポツンと倒れていた

 

1人寂しく儚げに

 

けれどその表情は

 

あのコスモスのように美しく咲き誇っていた

 

 

 

「—————————○○?」

 

 

 

 

 





彼とアリウススクワッドの出会いがかなり端的になってしまった

書こうと思えばもっと書けたけど、これアツコの物語だし別に雑でええやろ




「Drawing days」:SPLAY

家庭教師ヒットマンREBORN!のOP曲

この目が光りを失っても ぼくは描いて見せる
この手が力を失ってでも ぼくは描いて見せる

めちゃくちゃ好きなんすよねこの曲
というかリボーンの主題歌全部好き
未来編のリングと匣バトルも大好き
早く再アニメ化してくれ

分かる人は分かると思いますが、
ナッツはもちろん、虎や馬も作中に出てきた大空の匣兵器(生体兵器)です

【アツコの場合】や【ヒナの場合】みたいにオリ主くんが他作品の世界観や能力を持っているのは?

  • あり
  • なし
  • 好きにしていいから黙って曇らせを書け
  • 好きにしていいから黙って救済しろ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。