というか、オマージュ的なものが含まれています
ご了承ください
普段頑張っている人が、たった一度だけ手を抜いたらとんでもないことになる展開って良いよね
目の前に積み上げられた書類の山を裁いていく
便利屋68による被害、美食研究会や温泉開発部によるテロ活動
他の自治区でも問題を起こす彼女たちの後始末をし、謝罪文も作らなければならない
ああ
本当に面倒くさい
けれど、私以外この仕事を全うできる人物はいない
アコもイオリもチナツも優秀な生徒だ
けれど、彼女たちに任せっきりにはできない
私がやらなければならないのだ
そう自分に言い聞かし、書類を裁いていく
正直に言うと、この書類を裁いている時間が一番平和だ
誰にも干渉されることなく、自分だけの空間で仕事をする
なんて平和な時間なのだろうか
いつまでもこの平和な時間が続けばいいのに
なんて思ったときに限って厄介な出来事が起こる
「ヒナ委員長!!正門前で侵入者が暴れています!!」
ほら見たことか
私に平和な時間なんて続かない
「………分かったわ。今行く」
ため息をつきながら愛銃を持ち、正門へと向かった
「「「「「「にぎゃああああああ!?!?」」」」」」
風紀委員の生徒たちは、叫び声と共に彼女たちは吹き飛ぶ
何人もの風紀委員が侵入者を拘束しにかかるも、その侵入者は木刀一本で風紀員たちを圧倒していく
「ちょっと貴方!!なんでゲヘナで暴れているの!?」
「何でだって!?そりゃあ
「きゃあああああっ!?!?」
木刀一振りで何人もの生徒達を吹き飛ばす
その威力は相当なもので、離れている私の元にも風圧が届く
というか今、あの少年はマコトと言った?
ゲヘナでマコトと言えば、あのマコトしかいないだろう
はぁ……
またマコトが引き起こした厄介ごとの後始末をしなければならないのか……
頭痛を和らげるように眉間を抑えながら、心の中で悪態をつく
後で一言文句でも言いに行くべきかと考えたが、余計厄介なことになりそうに感じたため諦めた
今はそれよりもあの暴れる侵入者を鎮圧しなければならない
彼の周りに生徒がいないことを確認した私は、上空へ飛び愛銃のデストロイヤーを彼に放った
「委員長っ!!」
私に気が付いた生徒が歓喜の声を上げる
私はそれを気に留めず銃弾の雨を降らせ続ける
彼がいた場所は砂埃で充満している
地面のコンクリートは飛び散り、クレーターが出来ていく
ああ、また仕事が増えてしまった……
自分でやったことなのだが、この後の処理を想像しため息が出る
私が作ってしまった一瞬の隙
その瞬間、砂煙の中から
「不意打ちとは随分と卑怯な真似をするじゃねーか」
「っ!?」
真正面に飛んできた彼が木刀を振り下ろす
私は銃を放っていたため防御することが出来ず、木刀を直で受けてしまう
「うぐっ……!!」
勢いよく地面に叩きつけられたが何とか受け身を取る
体制を整えた私は、空中にいる彼を睨みつけ再び銃を構える
彼は何やら木刀に力を込めてこちらを狙っている
木刀は青白く発光し、何やら奇妙なエネルギーを蓄えている
あれは神秘の一種だろうか
けれどあのような神秘は見たことが無い
謎の力を考察していると、彼は力を溜め終わったのか勢いよく木刀を振り下ろした
「オラァッ!!!!」
木刀から三日月型の衝撃波が放たれる
空気を切り裂き、爆風を巻き上げながらこちらへ迫ってくる
避けるのは不可能
私はデストロイヤーを盾にし衝撃波に備える
凄まじい衝撃に軽く意識が飛んだ
しかし、私は膝をつきながらも何とか衝撃波を受け止めた
衝撃波で舞う砂埃が晴れていく
深刻なダメージでは無い
けれど、無視できるようなダメージでもなかった
服はボロボロで、衝撃波を受け止めた反動で軽く手がしびれている
「へぇ……あんた強いな」
彼は木刀を肩で担ぎながら笑みを浮かべている
ボロボロな私に反して、彼は軽い傷を負っているだけ
強い
今まで見てきた人物よりも
私と彼の間に緊迫した空気が流れる
周りの生徒も固唾をのんで見守ることしかできなかった
「よし……いくぞッ!!」
「ッ!!!」
私に向かって跳躍する彼を迎え撃つために、私は翼を羽ばたかせデストロイヤーを構える
彼の木刀と私のデストロイヤーがぶつかり合う
凄まじい衝撃と共に火花が散った
お互いに木刀と銃をはじき返し、次の一手に備えたその時……
「ああーっ!!なにしてるのー!?」
一人の乱入者が現れた
「(あれは……イブキ!?)」
イブキに気が付いた彼は、私から視線を外しイブキの元へと飛ぶ
「っ!!危ないっ!!」
イブキに当たる可能性があるため、銃を放つことが出来ない
私は翼を羽ばたかせイブキの元へ飛ぶ
「(間に合わない……!!)」
彼のほうが一手早く動いたため追いつくことが出来ない
私はイブキに手を伸ばすことしかできなかった
「イブキィィィィィィィィィィィィィッッッ!!!!」
「わーっ!!
彼は勢いよくイブキを抱き上げた
「は……?」
衝撃の展開に脳が追い付かない
というか今おにいちゃんと言ったのか?
「大丈夫かイブキ!?痛いところは!?何か酷いことされなかったか!?」
「大丈夫だよおにいちゃん!イブキね、さっきテストで100点取ってはなまるもらったの!!」
「本当か!?すごいなイブキ!!」
「えへへっ……」
「だから今日はイブキがおにいちゃんの先生だよ!さんすうをおしえてあげるっ!」
「おおぉ!!イブキ……成長したな……ッ!!お兄ちゃんうれしいぞッ!!」
なんだこれは
私は何を見せられているのか……
「おーいイブキ!!急に走り出してどうしたんだ!?」
「あっ!!マコト先輩っ!!」
更に厄介なことにマコトが現れた
頼むからこれ以上この場をカオスにしないでくれ
そんな私の願いも虚しく、イブキを地面に下した彼はイブキの頭を撫で飛び去る
当然飛んだ先はマコトの……
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「ぶべぇぇっっっ!?!?!?」
私は激しい頭痛に襲われ、その場に倒れた
それから彼はゲヘナに入学し、風紀員会の書記として働くようになった
何を言っているか分からないだろうが、私自身も何を言っているか分からない
イブキを守るためにゲヘナに入学するのは100歩譲って理解できる
けれど、なぜ風紀委員会に入るのか
彼に問いかけた
「イブキを悲しませることはできないッ!!だから俺は風紀委員会に入るッ!!」
意味が分からない
前後の文脈が繫がっていないではないか
しかし、彼は風紀委員会に入ったのだ
「だけど俺は諦めていないッ!!あのクソバカアホキキキヤロウを追放してやるッ!!」
だから意味が分からない
本人に聞いても頭が痛くなるので、他の風紀委員会のメンバーと話し合い、彼の言い分をまとめた
最初、彼は万魔殿に入るつもりだったらしい
そして、マコトを議長の座から引きずり落とし、あわよくばゲヘナから追放しようとしたのだ
しかし、思っていた以上にイブキが万魔殿のメンバーと仲が良く、万魔殿を崩壊させるのは不味いと判断したらしい
彼は万魔殿を崩壊させるのは諦めたらしいが、マコト自体を狙うことは諦めていなかった
だから風紀委員会に入ったのだ
「えーっと……」
要するに、風紀委員会でマコトの嫌がらせをし、自らゲヘナを去るように仕向けるようにするということだ
…
馬鹿なのだろうか?
いや、馬鹿だ
そんな馬鹿に書記が務まるか不安だった
けれど彼は仕事ができる人物だった
書類仕事の捌くスピードは風紀委員会で1番
そして戦闘面での実力もあるため、事件が起きたらすぐに出動し、モノの数分で解決してくる
今まで私が捌いてきた書類は半分以下になり、私が直接出動する機会も減った
完全に暇になったわけではない
けれど、私が望んでいた平和な時間がかなり増えた
今では彼抜きでは仕事が回らないほどに、彼の存在は風紀委員会で大きくなっていた
彼が風紀委員会に入ってくれて本当に助かっている
「おい横乳。ここ間違ってるぞ」
「よっ、横乳!?セクハラですよっ!!」
「はぁ!?セクハラはそっちだろ!!そんな痴女みたいな服でうろつかれるとイブキに悪影響だ!!」
「ちっ、痴女……!?なっ、なななななななっ………!!このシスコンがっ!!」
「シスコンの何が悪い!!兄貴が最初に生まれる意味は、後から生まれてきたイブキを守るためだ!!」
「うーわっ!!気持ち悪いですこのイブコンがっ!!ヒナ委員長に近付かないでください!!ヒナ委員長に悪影響です!!」
「てめぇ今イブキを馬鹿にしたか!?!?!?」
「イブキちゃんの悪口なんて一言も言ってませんっ!!」
「また始まってしまいましたね……」
「ほっとけこんな馬鹿ども……」
今日もアコと醜い言い争いをしている
彼のシスコンならぬイブコンさえなければ完璧なのに……
「「ぎゃーぎゃー!!!」」
「おじゃまします!!おにいちゃんいますか!?」
「イブキィィィィィィィィィィィィィッッッ!!!!」
「きゃあっ!?急に走らないでくださいこの変態っ!!」
完璧なのに……
はぁ……
「なあ、委員長。今日は家で休んでろよ」
「えっ?」
ある日、彼から休むように言われた
「あんた、最近全然休んでないだろ。目の隈が酷いぞ?」
「えっ、あ、ちょっと……っ!!」
彼が顔をグイッと近づけてくる
鼻と鼻がくっつく寸前の距離に驚きたじろいでしまう
今の私の顔は真っ赤になっているだろう
「今日の仕事は俺たちに任せなって。休むことも仕事だぞ?」
「……貴方だって働きっぱなしじゃない」
「俺にはイブキがいるから。イブキニウムさえあれば体力もすぐ全快するぜ!!」
「………ふふっ、何それ」
聴いたこともない成分に思わず笑みをこぼしてしまう
おそらく彼なりに気を使ってくれているのだろう
「分かったわ………今日は貴方に任せて私は休ませてもらうわ」
「よっし。じゃあほら帰った帰った!!またシナシナ委員長になられたら困るからな」
「今聞き捨てならない単語が……ってちょっと!!そんなに押さないでっ……!!」
あれよあれよ彼に背中を押されて私は自分の家に着いた
彼が風紀委員会に入ってから自宅で休める回数が増えたのだが、こんなに早い時間から休むのはいつぶりだろうか
確かに彼がいれば仕事は何とかなる
今度は彼にも休んで貰おうか
このような休暇制度を導入するのも悪くないと思いながら、私は布団に入り眠りについた
それが最悪の結果を招くとは知らずに———
私はあの後、次の日の朝まで眠り続けてしまった
こんなに休むことが出来たのは初めてかもしれない
瞼を擦りながらスマホを確認すると、大量の着信が来ていた
アコやチナツ、イオリからの着信履歴だ
彼からの着信が一つもないことに違和感を感じる
けれど、わざわざ今返さなくても学校で直接聞けば良いだろう
何やら「ヘイロー」や「破壊」、「爆弾」という危険な単語があったが彼なら問題ないだろう
それに、アコからの着信が一番多かった
おそらくいつもの彼への愚痴という名の照れ隠し報告なのだろう
私は身支度を済ませ、学校へと向かった
校門を潜ると、何やら人だかりができていた
そこにはアコやチナツ、イオリの姿もあった
それに、救急医学部のメンバーもいる
何か事件でも起きたのだろうか
私は駆け足で人だかりへと向かった
「アコ、何かあったの?」
「委員長……っ!!」
アコは今まで見たこともないほどに顔を腫らし涙を流していた
アコだけじゃない
チナツやイオリ、ここにいる人物全員が泣いている
「やめてよセナ先輩っ!!」
セナの制服を必死に掴み、必死に抵抗しているイブキの姿が目に入った
掴まれているセナも、何故か苦しそうに涙を流しながら顔を歪ませている
「イブキ、どうしたの……?」
「ヒナ先輩っ!!」
私に気が付いたイブキが私に抱き着いてくる
状況を把握できない私は、イブキの頭を優しく撫でる
「ヒナ先輩もセナ先輩を止めてっ!!」
「止めてって何を……」
私はセナと救急医学部が運んでいるモノを見てしまった
あれは担架だ
誰かが乗っている担架
しかし、完全に布で覆われており誰が運ばれているか分からない
すると、布の端からズルりと腕らしきものがずり落ちた
腕らしきと表現したのは、それは赤黒く腕とは呼べないほどに悲惨な状態だったからだ
そういえば先ほどから彼の姿が見えない
アコ達に問いかけようとするも、3人とも担架から出た腕らしきものを見て口を押え、涙を流し崩れ落ちる
カランと何かが倒れる音が聞こえた
チナツが地面に崩れ落ちたときに、持っていた物を落としてしまったのだろう
落ちた物を確認した
それは木刀だった
彼が愛用してる木刀
木刀は真っ黒に焦げており、赤黒い液体がしみ込んでいる
パズルのピースがはまっていくように、私の疑問が晴れていく
うそだ
そんなはずがない
私は理解を拒もうとした
しかし
最後のピースをはめるように
イブキが震える口を開いた
「おにいちゃんがつれてかれちゃうっ………!!!!」
イブキによる呼びかけで二重に曇らせる
これが悠久山安慈直伝の『二重の極み』です
俺もイブキのお兄ちゃんになりたかったなぁ~……
「Rolling star」:YUI
BLEACHのOP曲
夢にまで見た世界は 争いもなく平和な日常で
でも現実は日々トラブッて たまに悔んだりしてる そんな Rolling days
君を頼りにしてるよ oh! Oh!
いやぁ~
良い歌詞ですね~(n回目)
気づいている人がいるかもですが、この小説は作者の性癖だけでなく
好きな曲発表ドラゴンでもあるんですね
子供のころ聞いた曲を大人になって聞くと
その歌詞の意味や歌に込められた想いを理解できてエモいんですよ
今回も他の話も、後書きに記載してある曲が
話を考えるときに参考にした曲になります
その曲の歌詞を見ながら実際に聴いていただけると
より一層楽しめるかもね
【アツコの場合】や【ヒナの場合】みたいにオリ主くんが他作品の世界観や能力を持っているのは?
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あり
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なし
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好きにしていいから黙って曇らせを書け
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好きにしていいから黙って救済しろ