ブルアカ曇らせ性癖もりもりハッピーセット   作:龍角散ガム

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究極のアイドル【後編】

 

私には親友と呼べる友達がいませんでした

 

友達が全くいないわけではありません

 

クラスの友達とはいつも仲良くしてもらっていますから

 

でも、どこか壁を感じるときがあるんです

 

その壁は、勝手に私が作り出しているだけかもしれません

 

けど、私にとってその壁はとても大きくて

 

世界から私を切り離すように目の前に立ちはだかっているのです

 

私がもう少し大人になれば

 

もう少し自分の気持ちに素直になれば

 

きっとその壁は崩れ去るのでしょう

 

でも私には勇気が無かった

 

周りの視線ばかりを気にして

 

周りに変な目で見られたくなくて

 

そう思う度に目の前の壁はどんどん大きくなるのです

 

 

「寂しい……」

 

 

自然と弱音が洩れてしまいました

 

辺りを見渡して、誰もいないことを確認した私はそっと肩をなでおろします

 

もし私の弱いところを誰かに見られてしまったら

 

私は本当に独りぼっちになってしまうかもしれない

 

 

「……しっかりしろ宇沢レイサっ!!」

 

 

頬を叩いて自分に渇を入れる

すると、私の耳に弱弱しく今にも消えそうなかすれ声が聞こえてきました

 

 

「嫌……」

 

 

「だっ、誰ですか!?」

 

 

呼び掛けても返事はありませんでした

けれど、かすれ声が再び私の耳に聞こえてきます

 

 

 

「誰か……助けて……」

 

 

 

この近くに誰かが助けを求めている

私はひたすら声のするほうへと走りました

声はどんどん大きくなります

 

スラム街の道端

そこに、助けを求めている人物は倒れこんでいました

服はボロボロで、音符の髪飾りが特徴の女の子でした

身体を震わせながら譫言のように誰かに助けを求めていました

 

 

「だ、大丈夫ですか!?!?」

 

 

私は彼女に寄り添い、震える手を握りました

すると、彼女の震えはゆっくりと止まりました

 

 

「だれ……?神様……?」

 

 

 

「意識はある……けど、急いで病院に運ばないと……っ!!」

 

 

 

 

 

 

「安心してくださいっ!!この宇沢レイサが貴女を助けて見せますっ!!」

 

 

 

 

 

 

これが後に私の親友になるコロレちゃんとの出会いでした

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

”黒服っ!?どうしてお前がここに!?”

 

 

「色々と聞きたいことがあるのは分かります。ですが先生、今は時間が無いのです」

 

 

”時間が無い……?どういうこと……?”

 

 

「貴方が出会った『響伏コロレ』という少女。彼女が今、キヴォトスを滅ぼそうとしているのです」

 

 

”コロレが……!?”

 

 

「貴方も先ほど感じたでしょう。響伏コロレの持つ異質な力を」

 

 

先生は先ほどの出来事を思い出す

 

生徒たちがコロレに心を奪われていく光景

 

コロレと目が合った瞬間

 

彼女の瞳に全て飲み込まれていく感覚

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

”っ!?!?まさかっ!!”

 

 

「えぇ、そのまさかです」

 

「貴方も経験したあの色彩と同類の力を響伏コロレは秘めているのです」

 

 

黒服はリモコンを取り出し、モニターに電源を入れた

モニターに映し出されたのはコロレの姿だった

 

 

「『響伏コロレ』という人物はこの世界……いや、全ての世界に存在していません」

 

 

”存在していない……?”

 

 

「彼女は人ではないのです」

 

 

モニターの画面が変わる

画面には色彩の光のような靄が次々に中央へと集まっていく

 

 

「色彩に触れた人間がどうなるか、貴方は知っていますよね?」

 

 

”……うん”

 

 

「そして、この世界にはいくつもの世界、つまり並行世界が存在することも」

 

 

先生の脳裏に浮かんだのはプレナパテスとシロコの姿だった

二人は並行世界の自分とシロコであり、色彩の影響を受けてしまった被害者だった

 

 

「貴方が知る並行世界の他にも多くの並行世界が存在します。そして、多くの人間が色彩に触れている」

 

「あの先生や砂狼シロコは、奇跡的に色彩に適合したに過ぎない。ほとんどの人間は色彩に触れたら命を落としてしまうのです。そしてこの靄は、色彩によって命を落とした人間の思念」

 

 

画面の靄が一か所に集まり、何かの形を形成していく

その何かは段々と人の形になっていく

そして、その靄の塊は、先生の見覚えのある姿へと変えた

 

 

「思念は一つに集まり、とある人物を作り上げた。それが……」

 

 

”コロレ……っ!!”

 

 

「その通りです。彼女は色彩について何も知らないのでしょう。しかし、彼女は無意識に人々を魅了し色彩に近づけさせている。『響伏』。響きひれ伏すとはよく言ったものですね」

 

 

”そんな……”

 

 

「そして問題なのが、響伏コロレを求めて多くの並行世界の思念が今このキヴォトスに集まろうとしているのです」

 

 

ビルのカーテンが開き、外の光景を映し出す

そこには空が真っ赤に染まったキヴォトスが広がっていた

 

 

「先生。響伏コロレは危険な人物です。今すぐに排除をする必要があります」

 

 

”…………”

 

 

「先生!悩んでいる暇はありません!今すぐに響伏コロレをッ!!」

 

 

”できない”

 

 

「……なんですって?」

 

 

”コロレは私の生徒だ。彼女を傷つけることはできない”

 

 

「出会って1日も経っていない、ましてや人間ではない存在が?」

 

 

”時間なんて関係ない。コロレが人間かどうかなんて関係ない”

 

”コロレは私の生徒だ!!”

 

 

「………くくっ……」

 

 

先生の覚悟を聞き入れた黒服は手で顔を覆い、不気味な笑い声を漏らした

 

 

「くっくっく……やはり私と貴方は分かり合えないようですね……良いでしょう、貴方にキヴォトスの運命を任せましょう。あの時のように、奇跡を起こしてくれるかもしれませんからね」

 

 

”黒服……”

 

 

「ですが、私の方でも手を打たせていただきます。もし貴方が奇跡を起こせなかったその時、私が響伏コロレを始末します」

 

 

”…………分かった”

 

 

「では、先生。頑張ってくださいね」

 

 

黒服はそう言い、指を鳴らした

すると先生は光に包まれ姿を消した

 

 

 

「くっくっく………今回はどのような奇跡を見せてくれるのでしょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤く染まったキヴォトスの空

その中央にブラックホールのように大きな穴が開いていた

穴からは、不気味に光る靄が溢れ出し、生徒達を襲っていた

 

 

 

「きゃあああああっ!!」

 

 

「みんな逃げろっ!!」

 

 

正義実現委員会やシスターフッドを始め、生徒たちが靄を撃退していく

しかし、靄は溢れ続けており、生徒達には手が負えなかった

 

 

 

「コロレちゃん!!」

 

 

レイサがステージの上で唖然とするコロレに呼び掛けた

だが、コロレはレイサの声が届いていないようで、何かを譫言のように口ずさんでいる

 

 

 

「あの靄……あの光……そうだ……私は……」

 

 

「大丈夫ですかコロレちゃん!!しっかりしてください!!」

 

 

”レイサ!!コロレ!!”

 

 

「先生!?」

 

 

そこへ先生が駆けつける

その後ろには、聖園ミカや剣先ツルギ、歌住サクラコといったトリニティを代表する生徒の姿があった

先生の指示でミカたちは靄と戦い始める

 

 

「もうっ!!本当に鬱陶しい靄じゃんねっ!!」

 

 

「きひひっ~!!きゃはははははっ!!」

 

 

「皆さん、直ちにここから逃げてくださいっ!!」

 

 

「救護を開始します!!」

 

 

 

だが、空の穴から靄はどんどん溢れ出し、ミカたちでも手に負えなくなっている

 

 

 

”やっぱりあの穴をどうにかしなきゃ……!!”

 

 

先生はこの危機を打開するために大人のカードを取り出し天に掲げた

しかし、その手を止める人物がいた

 

 

”コロレ……?”

 

 

コロレは何かを悟った表情で先生に笑いかけた

そして、自身の音符の髪飾りを外し、レイサの手に握らせる

 

 

「コロレ……ちゃん……?」

 

 

「レイサちゃん。あの時、私を助けてくれてありがとう」

 

「私と友達になってくれてありがとう」

 

 

「待ってくださいコロレちゃん……何を言っているんですか……?」

 

 

「これは私が引き起こしたことだから。私が責任を取らなきゃいけないの」

 

 

「意味のわからないことを言わないでくださいっ!!あの靄はコロレちゃんを狙っていますっ!!早くここから逃げないと……っ!!」

 

 

「先生」

 

 

”コロレ……”

 

 

「迷惑をかけてごめんなさい」

 

 

コロレはゆっくりと宙に浮き、空の穴へと飛んでいく

 

 

”待ってよコロレ!!”

 

 

「コロレちゃん!!」

 

 

「多分、みんな私のことを忘れてしまうけれど……私、レイサちゃんと友達になれて本当に良かった」

 

 

コロレは自身を名を叫ぶ先生とレイサを背に穴へと向かう

生徒達を襲っていた靄は標的を変え、穴の奥底へ進むコロレに襲い掛かり始めた

靄はコロレの身体を包み込む

コロレは身体が闇に染まっていくのを感じながらも、その歩みを止めることはなかった

 

 

 

『安心してくださいっ!!この宇沢レイサが貴女を助けて見せますっ!!』

 

 

 

コロレの脳裏に親友の姿が浮かび上がった

自身を闇から救ってくれた人物

そして、自身を受け入れてくれたファンの皆

感覚が失われていく中で、みんなとの思い出がコロレを突き動かしていた

 

 

穴の深層

 

そこには皆既日食のように黒く不気味に光り輝くものがあった

 

紫色の光が溢れ出し、見た物を恐怖へと誘う不可解な概念

 

コロレはその中央に手を添えた

 

 

 

「今度は私が助ける番だよ……レイサちゃん……」

 

 

 

コロレの心臓を中心に光が溢れ出していく

 

色彩の光をも包み込む強烈な光

 

広がった光は膨大なエネルギーが蓄えられていき、徐々に収縮していく

 

 

 

「もし、また会えたら……もう一度、私のことを親友って呼んでくれるかな……?」

 

 

 

コロレは収縮されたエネルギーを押さえつけるのを止め、エネルギーを一気に放出しようとする

 

瞳から溢れる涙がエネルギーによって重力を逆らい、空へと落ちていく

 

音が消え去った

 

エネルギーは色彩を飲み込み始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またね……レイサちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穴から膨大な光が溢れ、空が爆発した

 

 

衝撃で雲は吹き飛び、赤く染まっていた空に青空が戻る

 

 

キヴォトスを襲っていた靄は完全に消え去り、色彩の痕跡は跡形もなくなっていた

 

 

空からキラキラと光り輝く結晶がキヴォトスに降り注ぐ

 

 

結晶はレイサの持つ音符の髪飾りへと舞い落ちた

 

 

()()()()()()()()()()謎の髪飾りを目にしたレイサの瞳から涙が流れ落ちる

 

 

何か大切なものを失った気がする

 

 

孤独と虚無がレイサを胸を締め付けるのだった

 

 

 

 

 

 





劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY のパクr……オマージュです
アニメBLEACHで茜雫を彷彿とさせるアイキャッチでピキーンと来ました
宙に舞う一本のリボンと紅葉
エモすぎんだろッ!!


響伏 → 恐怖

コロレ → Colore(コローレ)(イタリア語) →色彩

『響伏コロレ』となっています


きっと、レイサと一緒にキヴォトスを駆け回り、スイーツ部のみんなと仲良くするコロレちゃんがいたんだろうなぁ……

妄想を広げると永遠に描き続けてしまいそうなので、その辺りや先生との思い出は全カットだ

というかこのオリ主メインの話で永遠に描き続けることができそうなんだよね
誰か描いてくれてもいいよ

・響伏コロレ

数多の並行世界で色彩に触れた生徒たちの思念の集合体
存在しているだけで色彩を呼び寄せるブルアカ世界の癌のような存在
最期は親友のレイサを想いながら色彩と共に消滅
自身の存在ごと消滅したため、コロレに関する記憶は全て消え去った
しかし、彼女が残した髪飾りだけは残っている
その髪飾りは、今も星の隣で輝きを放っている


【アツコの場合】や【ヒナの場合】みたいにオリ主くんが他作品の世界観や能力を持っているのは?

  • あり
  • なし
  • 好きにしていいから黙って曇らせを書け
  • 好きにしていいから黙って救済しろ
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