【ミカの場合】の救済√になります
ミカの場合を全て読み終わってからこちらの話を読むことを強く推奨します
”アロナ、プラナ!!現在の状態は!?”
『トリニティの市民や一般生徒さんたちは既に退避済みです!』
『シスターフッドと補習授業部の皆さんは、残った市民や生徒さんたちの確認中。正義実現委員会のツルギさん、ハスミさん、イチカさんは現在も戦闘中です』
トリニティの空は真紅に染まっていた
建物は崩壊し、今も地響きが続いている
地面からは赤い靄のようなものが溢れ出し、瓦礫が重力に逆らい宙に浮かんでいる
私はこの現象を一度、アビドスで経験したことがある
今回もあの時と同じ、いや、それ以上かもしれない
『あははっ!!あははははははっ!!』
恐怖、憎悪、哀愁、絶望
様々な負の感情を帯びた女性の笑い声がトリニティ中に響き渡っていた
「ま……魔女……」
一人の生徒が笑い声の主を見て、震える声で呟いた
”………本当にあれがミカなの?”
『はい、この反応は間違いなく聖園ミカさんです!』
『これはあの時の小鳥遊ホシノさんと同じ現象です。しかし、危険度はホシノさんの時より上です。ミカさんから放たれているあの赤いオーラのような靄は非常に危険です。決して触れないようにしてください』
ミカの姿はまさに魔女そのものだった
いつもの白いドレスは真紅に染まり、血液が噴き出すようなドロリとした赤いオーラのような靄を放っている
靄に触れた建物はマグマで溶けたように溶解し、液状へと変わっている
そこから蒸発した気体にも赤い靄が纏われていた
その靄を吸った人物は意識障害を起こし、気を失っている
『あははははははははっ!!!!』
何故ミカがこうなってしまったのかは分からない
しかし、ミカを止めないとキヴォトスが崩壊するのは間違いなかった
「ミカ……さん……」
「あぁ、ミカ……どうして……」
傍で戦いを見守っているナギサとセイアは涙を流し、絶望した声を漏らした
今の二人は非常に危険な状態だ
隙をみて避難をさせなければならない
次の一手を考えていたその時
凄まじいスピードでイチカがこちらへ吹き飛ばされてきた
”イチカっ!?”
イチカは近くの瓦礫に衝突した
私は急いでイチカの元へと駆け付ける
瓦礫をどかし、何とかイチカを救出することに成功したが、イチカはボロボロで頭部から血を流していた
「せ、先生……」
”イチカ、しっかりして!!”
「逃げてっす……」
”そんな、イチカたちやミカを見殺しになんてできないよ!!”
「ち、違うっす……敵は……ミカ様だけじゃない……」
”イチカ!!”
イチカは私にそう言い残し、意識を失った
”(敵はミカだけじゃない?まさか、ゲマトリアが……?)”
すると再び誰かがこちらに吹き飛ばされて来る
その正体はハスミだった
”ハスミっ!?”
ハスミは完全に意識を失っていた
私は二人が飛んできた方向に視線を向けた
しかし、その方向は赤い靄と瓦礫の砂煙によって見ることが出来なかった
「オォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
獣のような雄たけびが鼓膜を破るような勢いで響いてきた
声だけで靄と砂埃が吹き飛んだ
視界が開けた先にソレは立っていた
「ぐっ……がはっ……」
銀色の腕がツルギの首を掴んでおり、今にもその首をへし折りそうな勢いだった
”や、やめろっ!!”
私の叫び声に反応したソレは、掴んでいたツルギを私に向けて投げつけてくる
”ツルギっ!!ぐっ……!!”
何とかツルギを受け止めることに成功したが、その勢いは止まらずツルギと共に私は吹き飛ばされた
『『先生!!』』
瓦礫に衝突する寸前でアロナたちがバリアを張ってくれたお陰で大きな怪我は無かった
しかし、ツルギも完全に意識を失っており、正義実現委員会は壊滅していた
ツルギたちを襲った主は再び雄たけびを上げ、こちらににらみを利かせている
その姿はまさに獣のようだった
しかし、私はその姿にどこか見覚えがあった
獣の背後で、市民の確認を終えたシスターフッドの生徒がミカに攻撃をしている姿を見つけた
すると、獣は私から視線を変え、ミカを攻撃するシスターウッドの生徒たちにターゲットを移した
”ま、待って!!”
獣の攻撃により、シスターウッドの生徒は瓦礫に叩きつけられた
獣は完全に理性を失っており、本能だけで戦っているようだった
”あれは……ミカを守っている……?”
ミカに攻撃を行った生徒だけを攻撃し、自身へ攻撃する生徒は気にも留めていなかった
あの獣はミカと何か深い関係があるのだろうか
すると、先ほどまで意気消沈していたナギサとセイアは獣の姿を信じられないような眼で見ていた
「あれは……まさか……」
「どうしてここに……そもそも
”彼……?”
セイアの彼という単語が引っかかった
ミカを守っている彼
その正体に、一人だけ思い当たる人物がいた
「く、くるなぁ!!」
「邪魔をするな!この獣がっ!」
「早くミカ様を止めなければならないのに何なんだこいつは!?」
目の前にいる敵をひたすら排除していく
何故俺がこのような行動をしているのかは分からない
ただ、本能が俺に言っているのだ
ミカを守れ
ミカを傷つける者を駆逐しろと
「オォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
体内が蒸発しているかのように熱い
今にも倒れそうなほどに全身が悲鳴を上げている
けれど、俺は止まらない
止まってはいけない
ミカを見つけ出すまでは
なら何故俺はここで戦っている?
ミカを見つけ出すのではないのか?
俺は誰を守っている?
俺は今……
何をしている……?
わからない
ワカラナイ
「○○さん!!」
「○○!!目を覚ますんだ!!」
誰かを呼ぶ声がする
○○……?
誰だそれは
この声の主を俺は知っている……?
この名前を……俺は……
「「○○(さん)!!!!」」
もう何もかもが嫌になった
目に入る物全てが
世界が
そして
私自身が
頭の中で誰かが囁いている
壊せ、壊せ
全てを壊せ
本能に従って
なにもかもを壊せと
声が聞こえるたびに
私の中から負の感情が溢れ出していく
私が何をしたのだろうか
何故世界は私から大切な物を奪うのか
憎かった
悲しかった
助けて欲しかった
でももう私を助けてくれる人はいない
私の目の前には崩壊したトリニティが映し出されていた
それはまるで、映画を見ているようだった
私の感情に従うように自然に体が動き、街を破壊していく
シスターウッドのみんなも
正義実現委員会のみんなも
みんな地面に倒れ伏していた
だけど私は止まらなかった
世界を壊すために
私を壊してもらうために
『『ミカ(さん)!!』』
ナギちゃんとセイアちゃんの声が聞こえる
ごめんね
こんな私で
”ミカ!!”
先生の声が聞こえる
ごめんね
こんな悪い生徒で
私は先生たちを傷つけたくない
でも、もう止まることはできない
だからお願い
ここから逃げて
『ミカァァァァ!!!!』
彼の声が聞こえる
もう彼はいないはずなのに
ごめんね、○○
キミを助けてあげられなくて
視界がブレた
何かに殴られたような感覚だった
『そこにいるんだろミカ!!返事をしやがれ!!』
視界に彼が映し出される
「な……んで……死んだはずじゃ……」
○○は必死に私を呼び掛けている
「○○……○○!!」
私は○○に呼び掛ける
しかし、私の声は○○に届かない
私の感情が揺れ動いた影響か、私の身体から赤黒い靄が噴き出した
靄は○○を包み込む
靄に触れた部分が溶けていく
「いやっ!!○○!!」
○○の肉が溶け、骨がむき出しになっている
「やめて……止まって……!!」
「私、もう誰も傷つけたくない……!!○○を傷つけたくないっ!!」
しかし、感情が高まるほど靄はより勢いを増していく
靄が完全に○○を包みこんだ
肉を溶かし、確実に○○の命を奪っていく
「あぁ……嫌……いやぁ……!!」
また殺してしまった
やはり私は魔女だ
全てを不幸にする邪悪な魔女
もう嫌だ
誰か
私を
殺して……
『オォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!』
銀色の腕が靄から飛び出してきた
その腕は私を貫き、目の前で映し出していた映像を砕いた
砕かれた場所から人の手が伸びている
私はその手に見覚えがあった
私が辛いとき
苦しいとき
いつも私に差し伸べてくれた
彼の手だった
私は彼の手に手を伸ばした
彼の手は私の手を強く握った
もう逃がさないように
どこにもいかないように
強く
優しく
私の手を包み込んだ
私はその手に引かれ
そして——————
トリニティの空を染めていた真紅は消え去り、満開の星々が輝いていた
音は消え、風も無い
トリニティを襲っていた魔女は完全に消え去り、魔女がいた場所の中心には二人の男女が抱き合っていた
「——————本物?」
「ああ」
「もうどこにもいかない?」
「もちろん」
「私をひとりぼっちにしない?」
「約束する」
「たとえ、離れ離れになっても」
「必ずお前を見つけ出す」
「うん……うんっ……!!」
夜空に浮かぶ
はい
ミカ救済√です
あの展開からよく救済できたと褒めてあげたいですね
かなり無理矢理ですが……
分岐点としては
①○○の生存する
②○○が記憶を取り戻す
になります
生存していなかったらミカがキヴォトスを滅ぼしますし、記憶を取り戻さなかったら○○がミカを傷つけるキヴォトスを滅ぼしていました
というか、オリ主君の名前を考えていなかったから○○と表記しましたが、違和感半端ないっすね
救済√を書く時は名前を決めた方が良いのかな?
でも、名前を決めるセンスが無いので今後もオリ主君の名前は○○表記になると思います
感想欄によさげな名前があったら採用して○○をその名前に修正するかもしれないので、感想をいただけると幸いです(感想稼ぎ)
【アツコの場合】や【ヒナの場合】みたいにオリ主くんが他作品の世界観や能力を持っているのは?
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あり
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なし
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好きにしていいから黙って曇らせを書け
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好きにしていいから黙って救済しろ