-先生の場合-に出てくる「彼」に対する、他の人物のからの想いを見たいってコメントがあってよォー
正直何も考えついていなくて、考える気も無かったンだけどよォー
感想返ししてたら思い付いたんで初投稿です。
私は貴方の理解者です
『……この端末電源つかないんだけど』
『おかしいですね……連邦生徒会長は、先生なら起動できると言っていたのですが……』
男性の声を聞き、私は
初めて聞く声だけど、なぜだか懐かしいような、ずっとこの人を待っていたような
そんな感情を抱いた
私は本能的に、この声の主が私たちの先生だと理解した
しかし、辺りを見渡しても先生の姿は確認できず、空に輝く星の光だけがこの薄暗く殺風景な空間を照らしている
「先生!!どこにいるんですか!?」
先生を呼び掛けるも返事はなく、私の声だけが木霊する
すると、この空間の隅に光り輝く何かを見つけた。
私は駆け足でその場所へと向かった
その光の正体は古びたモニターだった
積みあられた机の奥に倒れるそれを引きずり出す
『あ、ついた』
そのモニターには一人の男性がこちらを覗き込んでいた
この人が私たちの先生……
「あぁ……やっと会えました!!先生、私はアロナです!!」
私は先生に精いっぱいの笑顔を見せ挨拶をする
『それで、リン。これはどうやって扱うの?』
『すみません、私たちには分からないのです。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組み全てが不明でして……』
「………先生?」
声が聞こえなかったのか、先生はリンちゃんと会話を続けている
私は再び先生を呼び掛けた
「先生!!聞こえますか!?私はアロナです!!」
しかし、先生は何の反応も示してくれなかった
私はモニターをゆすったり、叩いたりしながら何度も先生を呼び掛ける
けれども、私の声は先生に届かない
「そんな……なんで私の声が聞こえないの……」
落ち込んでいる私を他所に、先生とリンちゃんは会話を続ける
『これじゃあ、サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すことはできないってこと?』
『そうなります……一体どうしたら……』
サンクトゥムタワーの制御権?
それなら私がなんとか解決できる
「先生!!サンクトゥムタワーのアクセス権を修復すればいいんですね!?それでは、アロナにお任せください!!」
先生と生体認証を行っていないが、声が届かないのでどうしようもない
私は、すぐさまアクセス権の修復に移った
「……サンクトゥムタワーのadomin権限を取得完了……先生、サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました。今のサンクトゥムタワーは、私、アロナの統制下にあります!!」
モニターの画面越しに先生を見ると、部屋の明かりがついており、無事にサンクトゥムタワーが元に戻っているのが確認できた
先生とリンちゃんはホッとしていた
「よかった……会話が出来なくても先生のお役に立てました。さすがアロナちゃんですね!!」
喜びで震えていると、先生がシッテムの箱をリンちゃんに渡しているのが見えた
『じゃあ、はいこれ。制御権を取り戻したんならもう俺には必要ないだろ?だから返すよ』
「え!?何やっているんですか先生!?」
『いえ、それは先生の物……ちょっと、私に押し付けないでください!?』
「そうですリンちゃん!!受け取っちゃだめです!!」
『ああもう……分かりました。先生が必要ないというのであれば、私たちでこの端末は預かります』
『リンちゃん!?なんで折れちゃうんですか!?!?』
シッテムの箱がリンちゃんの元に渡される
「これじゃあ先生のアシストができなくなっちゃう!!」
私が慌てていると、この空間にモニターとはまた異なる光が空中で輝いていた
スマホの画面サイズほどに小さな光
私はその光を覗き込んだ
映し出されているのは、スマートフォンのホーム画面だった
背景に設定されているのは、外の世界にいたころに撮ったと思われる先生の写真
私は無意識にその画面に手を伸ばした
すると、私の指先がそのスマホの画面へと引きずり込まれた
もしかしたら、この画面から先生のスマホへ移動することが出来るかもしれない
私はそう思い、一か八かでその光の中に身を投げ込んだ
「あっ、サンクトゥムタワーの制御権!!先生が必要ないなら連邦生徒会に権限を移して……先生の承認が無いけどしょうがないよねっ!!」
制御権を連邦生徒会に移したのを確認し、私はスマホの中に吸い込まれていった
結論から言うと、私は無事に先生のスマホへと移動することが出来た
しかし、相変わらず私の声は先生に届かない
時々スマホが重くなったと必要ないアプリを消して来るが、その度になんとか私は消されないように逃げ切っている
一度、メッセージアプリで先生とのコミュニケーションを図ろうとしたが、気味悪がられてスマホを捨てられる未来が見えたのでやめた
先生と会話ができないのは寂しいけれど、先生と一緒にいられるなら問題ない
むしろ、シッテムの箱にいるよりより近くにいられるからよかったのかもしれない
私はいつもスマホの画面越しから、先生の仕事姿を確認する
『どうしてこんなに忙しいんだ……書類仕事なんてやったことないのに……というかそもそもまだ成人してないし!!』
「せ、先生、落ち着いてください!!そんなに怒ったらまた血圧が上がって倒れちゃいますよ!?!?」
先生は何度か倒れて保健室へ運ばれている
当番として生徒さんたちが先生をサポートしてくれますが、それでも膨大な仕事量に圧倒されている
なんとか私も手助けをしたかったが、声すら届かないので、私はただ先生を見守ることしかできなかった
できることなら先生を労り、膝枕をしてあげて休ませてあげたい
けれども私は見守ることしかできない
「先生、頑張ってください!!あと少しでお仕事がひと段落つきますから!!いつでもアロナがついています!!」
私の声は届かない
ある日、先生の元へ一通の手紙が届いた
アビドス高校の生徒からだった
アビドスは災害で廃校の危機に陥っており、物資も尽きかけているらしい
先生はすぐさまアビドスへと向かった
しかし、何の準備をしなかった先生は案の定道に迷った
私はマップアプリを開き先生にアピールをしたが、電波が悪くマップを使うことが出来なかった
絶体絶命のピンチに慌てていると、アビドスの生徒である砂狼シロコさんが先生を助けてくれた
私はホッと胸をなでおろす
「まったく先生は……今度からはしっかりと準備をしてから行動してくださいね!!」
スマホの画面に指を突き付けながら私は先生に注意をする
けれど、先生は反応をしてくれない
少し胸が苦しいけれど、少しずつこの感情に慣れてきていた
先生がアビドスで過ごしていると、校舎の外から銃声が鳴り響いてきた
その銃声の正体はカタカタヘルメット団
理由は分からないが、何度もアビドス高校を襲撃している不良集団だ
先生はいつものように生徒達を連れて指揮を執る
生徒の指揮をする先生の顔に私はいつも見惚れている
いつもは気怠そうな態度を取っているが、いざというときは真剣な眼差しをする
それがとてもカッコいい
こんな間近で先生の表情を見ることが出来るのは私だけの特権だ
先生と会話ができない分、これくらいの贅沢は許されても良いはずだ
『ッッッ!!!先生ッ!!』
いつものように先生の姿に見惚れていると、シロコさんの慌てた声が聞こえてきた
それと同時にグチャリと生々しく気味の悪い音が聞こえ、ドサリと
そして、目の前の画面が真っ赤に染まった
「……えっ?」
真っ赤な画面越しには先生の顔が映し出されていた
その表情は今まで見たこともない表情だった
先ほどまでの眼差しとは異なり
眼に光は無く
「せん……せい……?」
呼び掛けても返事は無い
「ぇ……ぃや……先生……ッ!!先生ッ!!嫌ぁぁぁぁぁぁ!!返事をしてください先s
男性の声を聞き、私は
初めて聞く声だけど、なぜだか懐かしいような、ずっとこの人を待っていたような
そんな感情を抱いた
「え……なん……で……?」
先生は何度も戦った
そして何度も死んだ
その度にあの始まりの日に戻された
先生という責任から逃げ出したこともあった
だけどこの世界は許さなかった
繰り返される世界の中
先生はひたすらにもがき続けた
しかし、誰もそれを理解してくれなかった
誰もこの
私は見守ることしかできなかった
画面越しに見る先生の表情
世界を繰り返すたびに先生は苦しみ
窶れ
壊れていった
だけど、先生は諦めなかった
初めは
けれど、生徒さんたちと接するうちに目的は変わっていった
生徒さんたちを守りたい
誰も傷つけさせたくない
皆が幸せな
その想い一つでひたすらにもがき続けた
正直、私は先生が傷ついていく姿を見るのが耐えられなかった
何度、先生に諦めるように言ったか
何度、責任から逃げていいと言ったか
だけど、私の声は届かない
そして、先生は走るのをやめない
決して諦めることはしなかった
だから私は諦めた
先生の意志を尊重するために
先生の
誰も先生の軌跡を覚えていないだろう
だけど、私だけは記憶する
私だけは先生の
決して声が届かなくても
私は先生の唯一の理解者だから———
『ここまで長かったな………』
———そうですね
『いろいろなことがあった……』
『辛いことがあった……』
『何度も逃げ出したくなった……』
『だけど、俺はやり遂げることが出来たんだな……』
はい———
皆さんがハッピーエンドを迎えられるのは先生のおかげです———
『誰も、俺の努力を覚えていないけど、それでも俺は……』
いえ———
私が覚えています———
貴方の軌跡を———
貴方の
『なんか……疲れちゃったな……』
ッ———
そうですね先生———
そろそろ休んでもいいかもしれません———
決して世界が許さなくても———
私が許します———
私が貴方を守ります———
だから今は、私のこの手の中でゆっくり休んでください———
『温かいな……』
当然です———
ここは先生専用の枕なのですから———
『—————————ありがとう』
ッッッ———
はい———
どういたしまして———
私はアロナ———
貴方の理解者です———
だから先生———
『「おやすみなさい———」』
「彼」にはたった一人の理解者がいた
けれど「彼」はその理解者を認知できず
理解者も「彼」と通じ合うことは出来ない
こういう概念ってなんでこんなに美しいんですかね?
書いてて自分でもゾクゾクしました
まぁ、この後「彼」には地獄が待っているんですがね(ゲス顔)
完全に後付けなので、連邦生徒会長が「呪いを解いた」って部分に矛盾が生じでますが許ちてね
だけど「何やってんだ、アロナァ!!」が
「死人を呼び出してんじゃねぇ連邦生徒会長ゥ!!」
と
「なんで守らなかったんだアロナァ!!」
の2つにかかるとは思わなんだ
これで皆さん満足してくれるかな?
ちなみに最期は、ペルソナ3のリスペクトです
【アツコの場合】や【ヒナの場合】みたいにオリ主くんが他作品の世界観や能力を持っているのは?
-
あり
-
なし
-
好きにしていいから黙って曇らせを書け
-
好きにしていいから黙って救済しろ