TS転生者達によるエアプAC6 inキヴォトス 作:るびこにあん
基本的にこの作品の各話時系列はバラバラだしタイトルもフィーリングなんだ
この話は説明回みたいなものだと思ってくれ
要件はそれだけだ、じゃあな
「……なるほど、了解しました。こちらでも裏取りは出来ています。幸いにも水源は見つかっていますから、然るべき時を見計らい部隊を送ればすぐにでも始められるはずです。それと……黒猫に遭遇したなら作業は中断するようにと伝えてください。はい、はい。それでは」
「同志フラットウェル!何かあったのか?」
「……そうですね」
「浮かない顔だ、話聞こうか?」
やや乱雑に電話を切ったリョウが座るのは、砂まみれの地域に不釣り合いな本革張のソファ。解放戦線が拠点とするこの建物、その中でも特に広く設えられたこの部屋は幹部のみ入ることを許されている。テーブルを挟んだ向かい側、来客用と思われる2台のソファに腰掛けるのは小柄な少女だ。八重歯が眩しい褐色肌の彼女は、しかしこの見た目にそぐわず解放戦線の幹部として腕を振るっている……物理的に。
「ダナム……」
「私には聞かせても分からないような話なんだろうな。いや、やめとくよ。リョウが悩んでることを私が聞いて解決出来るような気もしないし。私は私のできることを頑張るよ」
「有難う。はぁ……ハルの底抜けな陽気にはいつも励まされますよ、本当に。以前の潜入でも唯一結果を出してくれましたからね、自分を卑下しないでください」
リョウの右手がハルと呼ばれた少女の頭に添えられた。ベリーショートに整えられた黒髪はリョウが手入れしているからこそ保たれた清潔感を放っていた。サラサラな手触りを堪能しながら、彼女は視線を横へと移す。
「ハルを拾ってからしばらく経ちましたが、あの時よりも激しく情勢は変わり続けています。連邦生徒会長の失踪から始まった治安の悪化は先生によって一時の収束を見ていますが……どうも怪しいのです」
「ふふ、擽ったいな……んで、怪しいってのは?この前の珊瑚だったかの採掘バイトは明らかに詐欺だったからな、そういうのに引っかかるような奴は……あんまり居ないはず。アビドスの生徒が居たのには驚いたけども、もしかしてアレも?」
「はい。バックに居たのはカイザーグループでした。今もアビドスで同じような詐欺を繰り返しているようです。手を替え品を替え……ということでしょうか。そのカイザーグループが怪しいのです」
視線の先にあるのは、重厚な造りの机と椅子がセットになって置いてある。窓を背にするように置かれた椅子には誰もおらず、座るべき者もまた居ない。数多の人間がここへ足を運び、そして責任を負いながら走り続けたのだろう。その苦悩が染み込んでいるような机には細かい傷が刻まれている。けれど不思議とみすぼらしさは感じない。
「この場所もまた、狙われているのかもしれない……いや狙われているのでしょう。地下のアレを知られたなら非常に厄介ですからね。先進技術部には及びませんが我々にも力は必要ですし」
「んー、話が見えないけどさ?昔言ってたアビドスの買収?それが激しくなってるってことで合ってるか?何かを探してるみたいにも感じられるけど……」
「はい。キヴォトスにおいてあの企業は文字通りの皇帝たりうる力を保有している。その力をより磐石とするため、このアビドスに埋まる宝を探しているのは明白です。だからこそ……」
「だからこそ?」
ここから先を言っていいものか。考えて、考えることをやめた。我々は同じ志を持ち、同じ場所からここへやって来た身。想いは一つであり、それはこの解放戦線以外の者もそうだと知っている。隠し事をするのは失礼にあたるのではないだろうか。
「彼らは直接的には動かない。あらゆる手を使ってアビドス自治区の所有者たるアビドス高等学校を潰しにかかっているのですよ。合法と言えるギリギリまで攻めた手段、いざとなれば切り捨てられるような手段……傘下の企業やヘルメット団までも使ってね」
「ふむふむ……ってことはここも色々と危ない?」
「そうですね。間一髪、ゲヘナの歩く地獄……虎石ライが土地を買い上げていたからこそ、この平和が訪れています。権利書は現・アビドス高等学校に置いてありますから、ある意味最も安全なんですよ?」
「買収もされないし権利書も奪われない……でも、この場所は本来砂に埋まっているはずだよな。掘り返したのか?」
「ええ。私一人で」
「嘘じゃん」
真顔でツッコまれた。
「こほん。それはそれとして、です。あのカイザーグループにとって最も厄介なものが何か分かりますか?」
「アビドスの土地を得る上で邪魔なもの、ということだね」
「ええ、その通りです」
リョウの反対側へと腰を下ろし、ハルは少し考える。名残惜しそうな顔が向けられて、そしてリョウは立ち上がった。こうして考える時間を部下に与えていることが多い彼女だが、それには意味があるはずだ。彼女はそういうタイプである。自分が居なくとも組織が回るようにと先を見据えた行動を積み重ね、必要な時に最大限の結果を生み出すために。
「なるほど、アビドス高等学校か」
「正解です」
硬い表情のリョウが持っているのは書棚から取り出した一つのファイルだ。日焼けして変色した青色のカバーには拭っても消えない砂が染み込んでいる。開き、ページをめくる度にぱらぱらと零れ落ちる砂粒は光を反射して輝いていた。
書棚自体は決して古いものではない。解放戦線がこの場所にやって来てから設置したもの、むしろ新しい部類に入るだろう。保管されているファイルも大抵は収支報告であったり、交戦記録であったりと解放戦線に関するものばかり。真新しいクリアーケースばかりなのだが……
「これは?」
「私がここを見つけるに至った切欠です。この中に記されているのは……かつてこのアビドスで自由と平和を求めて戦い──そして散ったワタリガラスとその止まり木が残したアビドスの地図です」
「それって、まさか」
青を通り越して白くなった顔色は、いつも活発な彼女には似つかわしくないほどの動揺を見せている。いつの間にか差し込む光は赤く変わって、光を背に見下ろすリョウの姿を黒く染めている。キラリと輝いたメガネによって目元を隠しながら、彼女はページをめくる手を止めた。
その通り。ハルの予測は正しい。己とて、この結論に辿り着いた時には同じ反応をしてしまっただろう。手の震えを抑え込んだリョウが開いたページには、随分色褪せたボロきれのようなものが挟み込まれている。今にも風化してしまいそうなそれには、焼け焦げたような跡すらも刻み込まれている。
「……私も、同じことを考えました。
「誰かの、手紙?」
「このファイルには地図がある、と言いましたね。それはその都度更新されてこの中に保管され、この場所が砂に沈む直前まで作り続けられていたのですよ。『この記録を皆に託す。いつか来るだろう仲間の為に』ですか。我々を置いて先に逝くとは……自由に飛ぶレイヴンならではですね」
「まだ死んだと決まった訳では無いはずだよ」
「そう、信じたいです」
ハルが手にしたファイルの地図、最も新しいであろう1ページには砂に飲み込まれたこの場所が記されている。その下の走り書きは地下に関するものだろうか。絶対に開けてはならない、と刻まれていた。
「差出人の名前がブランチって段階で、ねぇ」
「このアビドスのみならず、かつてのキヴォトスで覇を唱えた人物は多かれ少なかれそうなのかもしれません。この場所、我々にしか分からない記号ではありますが……生徒会の谷、と呼ばれる場所だそうで」
「AとMの記号……ああ、あれか。同じような記号が幾つかあるけど、そこにも何か隠されているんだね?」
「この場所の地下にあったものは既に先進技術部へと運び込んでいますから、おそらくは同じものがあるはずです。このキヴォトスにおける異物……戦闘兵器、アーマード・コアが」
「──何があると思う」
「それを探るために彼女を派遣しています、報告を受けてからにはなりますが……私の見立てではレイヴンの駆っていたあのACではないかと」
「ナイトフォール……なるほど、生徒会の谷に隠すにはピッタリの名前だね。特例上位ランカーとして扱われているだけはあるということかな?流石はレイヴン、といったところだ」
「このような兵器を使われては、アビドスの平和が……いえ、キヴォトス全域が危機的状況に陥るでしょう。カイザーの技術力でデッドコピーを造られては一溜りもない。MTですらも対人戦では厄介だというのに……」
「だからこの場所を守っているんだね。
そう。ACが無ければこの場所を守る意味は無いだろう。保管されていた格納庫だけならば、の話だ。しかしこの地下にはブランチと共に駆け抜けただろう技術者たちの置き土産が大量に安置されている。迂闊に発掘などされれば先んじた者達への申し訳が立たぬのだ。
頷いたリョウがページをめくろうとしたその時、けたたましく鳴り響く呼出音。緊急用として設定されたそれを聞いた二人の顔色が変わる。ファイルを閉じ書棚へ入れ込むと、部屋を飛び出しインカムを装備。戦闘準備へ向かうハルとは別に、リョウは屋上へ向かう。
「何事です」
『アビドス高等学校の生徒が一人、ヘルメット団に拉致されました。カイザーグループの支援を受けた一派と思われます。保有戦力内にカイザーPMCの戦車を確認、速やかな奪還が必要かと』
「──遂に動いた。アビドスへの連絡は?」
『割り込んで済まない、既にこちらで済ませてある。私は動けないが……頼んだ』
「任せてください。ハル!」
●
「はいさ!行くよ皆!」
「「「おおー!」」」
「砂被りて、我等ありってね!──黒見セリカの救出任務……はアビドスと先生に任せるとして、我々は敵戦力を漸減させることだけを考える!一分隊付いてこい!たかだか戦車程度、敵では無いと思い知らせてやれ!」
「分かれますか?」
「別車両でよろしく!私とツィイーは先んじてアビドスのピックアップに向かうよ!行けそうかな!」
「もちろん!」
駆け出したハルを始め、飛び乗ったのは四輪駆動の大型車。フレームだけで構成されているようにも見えるが、それは極限まで乗員数を増やすための苦肉の策。ツィイー、と名を叫ばれた生徒がエンジンを吹かして大型車は砂の海へと飛び込む。
「リョウ……じゃなかった、フラットウェル!場所は!」
『そこから大体……20km。既にアビドスの連中も動き出しています、無茶はしないでください。いざとなれば師母も向かうとのことですが』
「あの人も心配性だね、大丈夫。私たちとアビドスの生徒たちが居れば安心さ。失敗なんて有り得ないよ」
『もうすぐ日が暮れる、間に合うか?』
「アーシル、不安になりすぎ。落ち着いて?」
『ツィイー……ああ、分かった』
「こんな所で終わらせるには勿体ないほどに綺麗な世界だからね、キヴォトスは。ツィイーの気持ちもよく分かる……っと。あれはアビドスの?随分と早い動きだけど……私たちよりも早く連絡したね?」
『すまないな、セリカに何かあればシロコがうるさいだろうと思ってね。それにそちらのほうが都合が良かった……だろう?』
砂塵は容赦なくこちらの顔を叩いてくる。マイクの先でニヒルに笑っているだろう彼女の顔を思い浮かべて、ハルは呆れたようにため息をひとつ。やりたい放題するものだが、確かに今はこちらの方が好都合だ。見えてきた人影に右手を掲げながら、にっこり笑って声を上げる。
「やあ皆!乗ってくかい?」
●
245:その砂は投げるべからず
で、この話は終わりなんだ
ここで終わりなんだよ……
だから出番は、もう……
246:その砂は投げるべからず
やだ!!!俺の褐色筋肉ロリを返してくれ!
ピッケルが似合うロリなんていないんだぞ!
249:その砂は投げるべからず
おまわりさんこいつです
252:その砂は投げるべからず
アビドス組の目の前に大型車を運転しながら颯爽と現れるロリ二人に先生もニッコリ(⏜ن⏜)
253:その砂は投げるべからず
シロコが急に携帯見たと思ったらこんなことに……
お陰でセリカが助かった訳なんだけど、あれって結局誰からの連絡だったんだろうか
256:その砂は投げるべからず
『ん、仲良くなったミレニアムの子』
誰なんだよ!?
258:その砂は投げるべからず
ミレニアムってぇと……ユウカちゃんのところね?
最新技術を開発する部活があるとか
260:その砂は投げるべからず
先進技術部?だっけ。高性能ドローンでキヴォトス全域を監視してますって言われても驚かない名前だよな
263:その砂は投げるべからず
ロボとか持ってないかな……
265:その砂は投げるべからず
流石にないやろ
石見 ハル
所属:アビドス解放戦線
使用武器:RL
アビドス解放戦線に所属する小柄な生徒。
ベリーショートの黒髪には短いながらも角が隠れている。
元温泉開発部であったが、アビドスにて一人遭難。行き倒れるところをリョウに救われ解放戦線所属になる。リョウと並ぶと親子に見えるが、解放戦線の中でもトップクラスの腕力を誇っている。腕相撲だけならキヴォトスでも屈指の実力者とも噂されているとか。
石見 ユウ
所属:アビドス解放戦線
使用武器:GL
石見ハルとは双子。見た目はほぼ同じだがこちらは髪を結い上げている違いがあり、身長も微妙に高い。ほぼ誤差。
なのだが体格はハルに比べてふくよかである。2人ともが所属していた温泉開発部の服の上にアビドス解放戦線のジャケットを羽織っているので、パッと見では分かりにくい。
失踪したハルを追って解放戦線へ。合流してからはコンビで車を乗り回している。いつもは癒し枠なのだが、戦闘になるとグレランを乱射して突撃する。弾切れになればステゴロで殴りかかるので相当危険。ハル譲りのパワーが襲いかかってくるので非常に危険。でも普段は穏やか。
AC
キヴォトスの各地に眠るとされている超兵器。
その所在を知るものは限られているが、その全員がキヴォトス外からやってきた転生者共。離反しようとしている者は今のところ不在。これからも居ないはず。じゃないと再教育センター送りになる。
全部で3機存在しているとされている。
ブランチ
かつてアビドスを拠点に活躍した傭兵集団。
【キング】【シャルトルーズ】【レイヴン】そしてオペレーターの四人で活動していたようだが、ゲヘナの雷帝及びアビドス生徒会長の合同プロジェクトに反対。当時のゲヘナ・アビドスを相手取り戦い、いつの間にか表舞台から姿を消していた伝説の四人。
彼女たちが用いていた機体はほとんどが大破したとされるが、予備機や補修パーツはキヴォトスのどこかに眠っているようだ。
今後の展開について。
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各キャラ毎のオムニバス
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掲示板
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主にストーリー進行
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全部載せでやるメリ