奴こそ1万年に1人産まれる伝説の……   作:物体Zさん

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マンオブスティールっていい映画ですよね。




Man of Steel
クリプトン人に転生しました。


 おっす!俺はクリプトン人のヴー=ロリってんだ!よろしく!

 

 突然なんだけどよ、クリプトン人って知ってるか?簡単に説明すると人型の知的生命体で、クリプトン星ってとこに住んでる種族だ。

 

 文明力は宇宙船作って他の星にいけるくらいかな〜?10万年くらい前に入植地探すべ!と宇宙に進出し、宇宙に轟く大帝国を築いたらしいけど、色々あって今は母星のクリプトンでひっそりと暮らしてる。

 

 クリプトン人ってのは他の星にいくと無敵になる。え?何言ってんだって?いや無敵になるんだよ。でもな色々条件がある。先ず、太陽が必要だ。それも若くて元気な太陽だ。若くて元気な太陽ってのは、黄色くて暖かい太陽の事だな。

 

 逆に年老いた太陽だと只の人間になって無敵じゃなくなっちまう。年老いた太陽ってのは大体赤い色をしてて元気がない。クリプトン星は赤い太陽【ラオ】ってのが周回してるから、クリプトン星ではクリプトン人はなんのパワーもない普通の人間なわけだ。だから、撃たれれば身体に穴が空くし、刺されれば簡単に死んじまう。

 

 それと、クリプトン星の鉱物。クリプトナイトっていう緑色の鉱物があるんだけど、コイツもクリプトン人には致命的だ。まあ母星にいる時は別に平気なんだけど、他の星に行ってて無敵パワーで油断してるとこで、このクリプトナイトを出されると具合悪くなっちまう。ぶっちゃけ()()()クリプトン人だったら割と死ぬかもしれないな。

 

 

 クリプトン人は凄い真面目だ。そりゃもう厳格に厳格を重ねたような奴等だ。なんでも、大昔に起きた大戦争とか、科学者達の横暴だとかで散々な目に遭ったクリプトン文明は、二度と悪しき歴史を繰り返さない為に産まれる子供達を徹底的に管理する。

 

 まず始めに、自然交配をしない!自然交配ってなに?まあアレだよアレ!オシベとメシベが合体してうんぬんかんぬんだ。それを禁じた。いや、禁じたというよりかは出来辛くした。でも、教育の段階で禁忌だという事を刷り込まれるから誰もやろうとはしないんだ。

 

 じゃあどうやって子孫を残すんだよ?と思うかもしれない。それはだな。コデックスとかいう数億年前の猿の骨を使う。この骨にはクリプトン人の約10億人分の遺伝子データが入っていてそれを読み取り、更にジェネシスチェンバーという人工交配装置を使って子供を作るんだ。

 

 クリプトン人が夫婦になって、子供を作りたくなったらジェネシスチェンバーに赴き、お互いの血を捧げてなんやかんやと待つと子宮を模したよく分からん物に命が出来上がる。それをまあ十月十日待つとオギャーと産まれるわけだ。

 

 ちなみにだが、子宮にいる段階で遺伝子を操作される。別に恐ろしい改造とかではなく、その赤子の特性を決めるんだ。この子は軍事タイプ、この子は科学タイプとかをな。つまり、産まれた時点で将来就く仕事が決まっているわけだ。思考とかも調整されたものに寄るから選択肢とかが限られ夢がねーけど、こうしないと悪しき歴史を繰り返しちゃうんだとさ。

 

 中には自然交配をする夫婦もいる。でも殆ど産まれない。妊娠しないし、例え命が宿っても大体流産してしまう。寂しいぜ。

 

 そんなクリプトン人に俺は転生したのさ。

 

 

 

 

 俺が自己を自覚したのは、ジェネシスチェンバーの子宮にいた時だ。俺は俗に言う転生者だと気づいた。前世の記憶はあやふやだが、産まれた時から自己を認識できた。

 

 子宮の中で目覚め、変なイカみたいな機械に育てられた。暫くすると子宮から出てクリプトン人の親に引き取られ育てられた。俺は兵士タイプとして身体を調整されたが、思考までは調整できなかったようで、自由な思考を持てていた。

 

 父と母はそんな俺を大事に育ててくれた。父は科学者で母は芸術者だった。最初は俺の事に驚いていたが、愛をしっかり与えてくれた。

 

 そうして6年ほど経ったある時、俺は大変な事に気づいた。

 

 俺はクリプトン星でも力を得る事ができた。クリプトン人はクリプトン星では力を得られない筈なのにだ。気づいた時は戸惑った。頭がクラクラして空気を吸えば吸うほど目がチカチカして死ぬかと思ったが、暫くすると慣れた。

 

 俺の目は全てを見通せた。体内の心臓が動くのが見え、集中すれば血小板まで見えた。空を見上げれば別の星の生物を捉えられた。そして足元、大地の奥底を見た。星の核がグツグツと煮えたぎっていた。

 

 次に膂力が凄まじい事になった。()()で大地を殴れば谷ができ、海を割った。跳躍すればそのまま飛ぶ事ができた。雷の如く速く動き、飛ぶことができた。

 

 そして目から光線を放ち、全てが凍てつき燃え盛る息を吐いた。刃物は皮膚に当たれば刃先から曲がり、エネルギー弾は俺の皮膚に当たると弾け飛んだ。

 

 何故かは分からない。

 

 そして、赤い太陽ラオに近づいたら、身体の内に途方もないパワーが滾ったのを感じた。

 

 俺はこの事を父と母に話した。

 

 父と母は、最初こそ戸惑ったがこう言った。

 

 「お前は救世主だ」

 「あなたは特別な存在」

 

 そう言った。だが、こうも言った。

 

 「もしお前の力が元老院に知れれば異端として追われ処刑されるだろう。絶対に知られるな。然るべき時まで力を隠せ」

 

 父が言うには、クリプトンは俺のような異端分子をとにかく嫌うらしい。過去の大戦争とかで散々な目に遭ったからかなのか分からないが、クリプトン人が求めるのは平穏だ。だから、俺みたいな力を持つ者が見つかれば捕えられ殺されるかファントムゾーンという場所に追放されてしまうらしい。

 

 だから俺は両親に言われた通り普通のクリプトン人として過ごした。

 

 そして父が言う、然るべき時はいつか分からないが、それに備え俺は身体を鍛える事にした。

 

 街には兵士タイプ専用のトレーニング施設があった。だが俺は其処を利用せず、自宅や近所の空き地、誰もいない山の頂上なんかでトレーニングをしていた。施設には身体を鍛えるのに最適なマシーンがズラリと並んでいたが、既に俺の膂力は施設にあるマシンを超えていた。だから、自重トレーニングでしか鍛える事ができなかった。

 

 それから3年が経ち、俺は9歳になった。身長がかなり伸びて180cmくらいになった。同学年に俺より大きい奴はいない。だけど、これは特段珍しい事ではなくて、大きく成長するクリプトン人は普通にいるらしかった。

 

 そして学校に通って、勉強やら色々し終わり、いつもの様に空き地でトレーニングをしていたら、突然声をかけられた。

 

 「施設には行かないのか?」

 

 俺に声をかけてきたのはピッチリとしたボディスーツを身に纏った大人の女性だった。少し汗をかいている。鼓動が早い。

 

 俺は一旦腕立てを止めて、立ち上がり女性を()()()()言った。

 

 「人が沢山いる所は苦手なんです。1人の方が気楽でいいから…」

 

 まぁ、嘘はついてない。気楽なのは間違っていなかった。

 

 「そうか、貴様は見たところ兵士タイプだろう?私もそうだ。名はなんだ?」

 「ヴー=ロリです。ヴス=ロリの息子です」

 「ロリ家か、私はファオラ=ウル。歳は?」

 「もうすぐ10歳になります」

 「10歳?そうか、私は19だ(いくらなんでも10歳の大きさじゃないぞ)」

 

 ファオラ=ウルと名乗った女性は、クリプトン軍に所属していると言った。ゾッド将軍に仕えているらしい。

 

 ゾッド将軍。クリプトンを守る為ならどんな事でもする男…と父が言っていた。

 

 「ファオラさんは何故俺に声を?」

 「ふむ、この辺りはランニングをする場所でな。貴様は此処でよくトレーニングをしているだろう?」

 「……してますね」

 「端的に言おう。貴様のトレーニングが気になっていた。私も一緒にいいか?」

 「え?」

 

 てっきり軍にスカウトされるのかと思ったが違った。確かにファオラと名乗ったこの女性はこの辺をよくランニングしていて、俺も何回か見た事があった。

 

 まさか合同トレーニングのお誘いとは思わなかった。

 

 「貴様は普段どんなトレーニングをしている?」

 「そうですね……というか逆ナン?」

 「ぎゃ?逆なんだ?」

 「いえ、なんでもないです。えーっとですね……」

 

 それから俺とファオラは度々一緒にトレーニングをするようになった。

 

 時折、ファオラが妙に俺の筋肉を触ってきたが、平常心を保ちトレーニングをした。

 

 ファオラは美しくとても強かった。口調は冷たい感じがするが、内面に暖かさを感じた。

 

 もちろん俺は力を隠してトレーニングをした。ファオラと一緒にいる時は力を隠さないといけないので、これもある意味良いトレーニングになった。ゾッド将軍に俺の力がバレれば間違いなく厄介な事になっただろう。

 

 1人でいる時は、誰もいない場所で思う存分に力を振い鍛え、人目のある所では力を抑え鍛えた。

 

 たまに宇宙へと飛び、太陽の光を浴びた。トレーニングをした後、太陽光を浴びると鍛えた場所がより強くなった様な気がした。

 

 そしてファオラと手合わせをしたりして対人戦闘を身につけた。今までは力で捩じ伏せていたが、こういった戦い方もあるんだなと勉強になった。ファオラは強い。まあ俺は手加減をしているが、それでも俺をボコボコに殴る蹴るの暴行をしてくる。

 

 

 

 そして10年が経った。

 

 

 




毎日投稿はできたらします。

ちなみにこの宇宙にエイペックス君はいません……
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