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おっす!俺はヴロリー!またの名をヴー=ロリ、生粋のクリプトン人だ。
クリプトンは滅亡し、地球で33年間カル=エルを探し、やっと見つけたと思いきや襲来してきたゾッド将軍達を撃退する為になんやかんやとした結果。俺はドジを踏みファントム・ゾーンに吸い込まれ異次元の彼方へと消え去った。
筈だった。
というのも俺は普通に生きている。心臓が脈打ち血が流れ呼吸をしている。頬を抓れば痛みを感じるし、尿意を催してさっき小便もした。漂着したであろうよく分からん星で自由に飛び回る事もできた。というか、この星ちょっと暗くて赤くて溶岩がドコドコしてて凄い過酷な星だ。大地の至る所から火砕流が噴き出して、とても生物が生きられるような環境ではない。まぁ俺は全然平気なんだけど、不思議な事に俺以外にも平気な奴らがいたんだ。
その生き物?がとんでもなく気持ちの悪い奴らでなぁ……
まず人型で虫の羽が生えてて蝿みたいに飛んでやがる。顔色はすげー悪くて、両目が赤く光って怖い。それに俺を見かけると問答無用で襲いかかってきて鬱陶しいんだ。
最初は1匹とか2匹だったんだけど、何匹か倒していくと次第に数が増えてきてよ。今では何千匹と大群が押し寄せ襲いかかってくる。壮観っちゃ壮観だけど、もう面倒臭いんだよな。しかもどいつもこいつもめちゃくちゃ弱いんだ。張り合いがない。ほら今も1匹やってきた。
「ダー……」
いつも襲いかかってくるから近づいてくると反射的に身体が動いてサクッと倒してしまう。腕を振えばスパーンと消し飛んで死んじまう。
てかさ、ファントムゾーンに吸い込まれたら死ぬんじゃないのか?宇宙船にでも乗ってたら生き残れる可能性はあるけど、俺って普通に生身でビューンって吸い込まれちまってグルグル回って気絶したのか知らんけど、目覚めたら此処にいたんだよな。もしかして地獄ってやつか?地球にあった本で読んだ風景にそっくりっちゃそっくりだけど……
「おい」
「え?」
「そう、お前だ」
「うわぁ!!なんか出た!!」
いきなり声がしたと思って振り返ったら地面に突き刺さってた板状の変なモニュメントが変形して人型になって喋っていた。
「まぁ落ち着け…私はデサード。この星を治めるお方に仕えている者だ……」
「デサードさん?おっほぉぉ……俺はヴー。やっとまともな奴に会えた……」
「う、うむ……」
「目覚めたら此処にいてよ!困ってたんだ…変な奴等に襲われるしよー…」
「そいつらはパラデーモンという。この星を守る兵士のようなものだ」
パラデーモン?アイツら名前あったのか…ピギャピギャ言って襲いかかってくるから…
「そうだったのか!?何千匹と殺しちゃったぞ……」
「か、構わんよ。いくらでも補充はきく。ところでこんな場所で話すのもなんだ、私のいる場所に来てくれないか?」
「いくぜ!」
「うむ、では……」
デサードに場所を教えてもらいそこへ飛んで向かった。
その場所は大きな宮殿の様な場所で、あちこちに巨大な銅像が建っていて荘厳な所だった。それに俺が倒しまくったパラデーモンがうじゃうじゃいた。だけど、ここにいる奴らは俺を見ても襲いかかってこない。寧ろ俺が近くを通ると跪いて頭を下げてくる。どこかの王様になった気分だ。
立派な宮殿の中に入って通路を進み、巨大な扉をパラデーモンが開くと目の前にパラデーモンの大群がひしめいていた。そして真っ直ぐ先に玉座が見えた。そしてその玉座に座っている者も。
真っ直ぐ歩いていくとパラデーモンがまた跪き、頭を下げた。
「ヴーよ、よくぞ来た」
「えっと…デサードさん?」
玉座の左隣には見覚えのある者が立っていた。デサードだ。右隣には大きな杖を携えた女性が立っている。
「いかにも、そして私の横に座すのが数多の世界を支配するダークサイド様だ」
「はい?」
ダークサイド?なーんかどっかで聞いた事ある様な気が……ダメだ思い出せん。にしても凄い厳つい奴だ。外に建ってた銅像のモデルだろうか?よく似ている。座っていても分かるほど禍々しい気配を感じる。体格は大きく、顔色はどうにも悪そうだ。この星の住人はみんな顔色が土器色というか灰色だ。ちゃんと陽の光浴びてる?ビタミン摂ってるか?
そして玉座に座るダークサイドと紹介された者が膝に腕を乗せ、少し前屈みになって俺を凝視した。目が煌々と光り、途方もない力を感じる。
めちゃくちゃ偉そうな奴だ。
「ヴーだ」
「貴様はクリプトン人か」
尊大な声だ。俺の後ろにひしめくパラデーモン達が震えているのを感じた。よっぽど恐ろしい存在なのだろう。
「クリプトンを知ってるのか?」
「おい貴様!!さっきからダークサイド様になんたる無礼!!」
デサードではない、杖を持った女性が俺に対し声を荒げ杖を向けた。なんだコイツ。俺よりも少し背は大きいが随分と
「よいグラニー、無礼は許そう。クリプトン…知っているとも、我が野望をいつも邪魔してくる鬱陶しい存在だった。少し前に滅亡したと聞いていたが生きていたとはな」
「大半は星諸共消えた。俺と数人は訳あって地球に移住したんだ」
「地球?そうか地球か……フッフッフッハッハッハ」
ダークサイドが地球という言葉を聞いて急に笑い始めた。地球に何か思い出があるのだろうか?
んーダークサイド?あ!!!そうだそういえば地球に初めてやってきた時ララさんが言ってたわ…確か5000年前に地球を侵略しようとした奴等のボスだ。地球の人間、アトランティス人、アマゾン。そしてグリーンランタンと今は消えた古き神々が団結し戦ったという悪の首領……
「お前があのダークサイドか!?」
やべぇじゃん…なんでそんな奴がいる場所に俺やってきたん?
「我を知っているのか?」
「地球を侵略しようとして追い返された悪の大ボスだろ」
「おいヴーよ!それは流石に見過ごせんぞ」
デサードが怒った。
「ハーハッッハッハッハ!!お前の様な者は初めてだ。ヴーよ」
そう言ってダークサイドが玉座から立ち上がり、突然両目から熱線を放った。
熱線が真っ直ぐではなくジグザグに曲がりながら俺に向かってきた。
「うおぉ!なんだこれ!?危ねぇな!!」
俺はその熱線を腕を振い弾き飛ばすと浮き上がった。
「やる気か?」
「フッフッフ、さあこい」
俺はダークサイドに飛びかかった。
「グゥ!?」
俺のスピードに反応できなかったダークサイドの鎧を掴み持ち上げ、そのまま正面に投げ飛ばした。
ダークサイドの顔が描かれたステンドグラスを突き破り吹っ飛んでいったダークサイドを追いかけ飛び出した。
「なんと!!!!」
デサードの驚く様な声が聞こえたが無視してダークサイドを追いかけると、奴が空に浮いて俺を待っていた。
「おい!いきなり攻撃してくんなよ!」
「我のオメガビームを弾き飛ばすとは…やりおる!お前を殺し地球へ赴くとしよう…!!!」
「なにぃ!?なら俺は抵抗するぞ、拳でな!」
そしてダークサイドが突然消えた。空間に幾何学的な紋様を残し姿を消すと、俺の背後に気配を感じた。コイツ……テレポートしたのか!?
俺は身体を捻り右腕をしならせ握った拳を振るうと、その拳がダークサイドの右腕によって受け止められた。
ダークサイドによって裏拳が受け止められた瞬間、衝撃波が生じて宮殿の外壁を破壊した。
「パラデーモンとは格が違うな…」
「我と雑兵を同じにするでない」
「そうかい」
俺は身体を半回転させ左手でダークサイドの腕を掴むと、こちらに引っ張り引き寄せ、鳩尾に拳を叩き込んだ。
「グフッ」
口を大きく開け唾を吐き出したダークサイド。俺は追撃をする為に
再度腕を引き拳を放った。しかし俺の拳が鳩尾に当たる瞬間、ダークサイドの姿が突然消えた。またテレポートか!!
気配を感じ振り向くと、ダークサイドが上空に佇んでいた。そしてダークサイドが言った。
「
「あ?」
またダークサイドが目を輝かせビームを放ってきた。不規則に動きジグザグに動いて俺に向かってくる。
俺はそのビームを最初と同じ様に腕を振い弾き飛ばすと、ダークサイドに向かって今度は俺が目から熱線を放った。
両目と目の周辺が青く輝き極太の青い熱線が放たれ真っ直ぐダークサイドに当たる。
ダークサイドはそれを手を翳し受け止めるが、徐々に押され掌が焼け焦げていく。
「グッ!やはり…!」
何がやはりだ?よく分からんが、これで決めさせてもらうぞ。
俺は熱線の威力を更に高めるため力を込めた。エネルギーが高まり溢れていく感覚と共に俺の放つ熱線が細く収束していく。
青く輝く熱線が翠色に変わっていく。
膨大なエネルギーが周囲に伝播し、俺の身体の周りと放つ熱線に稲妻が迸り始めた。
「な、なんだ…その力は…!!!!
ダークサイドは片手で押さえていた熱線を両手で押さえ、更に目からオメガビームを放ち拮抗しようと踠いているが、俺は熱線を放ちながらどんどん近づき奴の両腕を掴み広げ胸元に熱線を当てた。
「グオアアアアアアアア!!!!」
ダークサイドが大口を開けて声を荒げた。
そして俺は熱線を収め鎧ごと赤く染まったダークサイドの胸元を掴み溶岩がグツグツと煮える地面に身体を向け拳を叩き込んで吹き飛ばした。
ダークサイドが地面に叩きつけられ溶岩に沈んだ。
「もう終わりか?」
俺はダークサイドが沈んだ場所を見下ろしながら言った。
そこに俺に隙があるのかと横からパラデーモンが10匹ほど襲いかかってきたが腕を振るって殺していった。そうして最後の1匹を殺そうと拳を振り上げた時、俺の目の前のパラデーモンがジグザグに飛んできたビームによって灰になって消失した。
ビームを飛んできた方向を見ると、ゆっくりと溶岩からダークサイドが浮き出てきていた。俺に破壊された鎧以外は殆ど無傷だった。再生力が高いな。
「パラデーモンに邪魔をされたな」
「いてもいなくても変わらんが」
「クックック…そうか…我と戦い恐れぬその豪胆……気に入った。続けよう…!!」
「イイぜ…!久々に楽しめそうだ……!」
俺は全身にエネルギーを滾らせ筋肉を更に大きく膨張させ笑うと、ダークサイドも目を更に輝かせ空間に手を伸ばしどこからともなく禍々しい両斧を取り出し構えた。
そして激突した。
両者が激突する衝撃波が宮殿を襲う中、ダークサイドの腹心であるデサードとグラニーが割れたステンドグラス越しに両者の戦いを見守っていた。
「あんな笑っているダークサイド様は見たことがない…!あのクリプトン人、何者なの?」
「奴はただのクリプトン人ではない」
「どういうこと…?」
「クリプトン人の特性を知っているか?」
デサードがヴーのエネルギーの高まりを感じ取り、観察しながら言った。
「太陽の光を浴びると強大なパワーを手に入れる…」
「そうだ。忌々しいクリプトン人どもはその力をもってして10万年にも渡る大帝国を築いたのだ」
「それがなんだというの?」
「アポコリプスに太陽は存在しない」
「っ!では何故奴はあれ程の力を…!?」
ヴーとダークサイドが殴り合いを始め、その余波が宮殿に届く。恐怖と闇の力から産まれたパラデーモン達が2人から発せられる強大なエネルギーに恐れをなし散っていった。
空と大地を縦横無尽に動き戦っている2人を見ながらデサードは言った。
「それは分からない。クリプトン人の突然変異かもしれんな。ダークサイド様は何か知っているような様子だったが……」
そしてヴーとダークサイドの戦いがどんどん激しくなってくる。大地が割れ溶岩が噴き出し、エネルギーに呼応して空から雷が落ちた。2人がぶつかる衝撃で周囲は破壊し尽くされ、デサードとグラニーは外に放り出され船に乗って離れた場所で2人の戦いを観戦した。
ヴーの拳が膨大なエネルギーを迸らせ放たれる。拳から放たれた衝撃波が離れたダークサイドにまで届きその身を襲った。全身を一気に殴打されたような衝撃を感じ血を吐き出すと、ダークサイドは吠えて目を輝かせた。両目から無数のオメガビームが放たれジグザクに動きながらヴーに向かった。《普通》の生物がこのビームに当たれば原子から分解され消失する程の威力を誇っているが、ヴーはそんなものお構いなしに腕を振い消し飛ばし、ダークサイドに近づいた。
ダークサイドが自身に宿るオメガエフェクトのエネルギーを手に持つ両斧に注ぎ込んだ。斧が赤黒く禍々しく光り輝き周囲の空間が捻じ曲がった。ヴーとの戦いを経てダークサイドは数千年振りの成長をしたのだ。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアア!!!!!」
「グオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアア!!!!!」
ヴーが、ダークサイドが雄叫びを上げぶつかる。
ヴーの拳がダークサイドの左胸に突き刺さり、ダークサイドの両斧がヴーの左肩を抉った。
「ハーーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!」
「フフハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」
2人が笑い、なおも戦いが続いた。
そして戦いはおよそ10日もの間続けられた。
「お前……強いなぁ!!!!」
「お前こそ……やるではないかぁ!!!!」
ヴーとダークサイドは拳を合わせ互いを讃え合い、友情を深めた。
「地球……お前がいるのであれば手を出さないでおこう」
「そうか?なら俺も地球に手を出さないならお前に何もしない」
「あ、あの…終わりましたか?」
デサードが身体を縮こませながら現れ2人に言った。
「デサードよ、我は真の友を得た。これより宴を始めるぞ」
「え?へ?え?わ、わかった…!」
そうしてヴーは惑星アポコリプスに滞在する事となる。地球が大変な事になっているなんて知らずに……