奴こそ1万年に1人産まれる伝説の……   作:物体Zさん

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古の怪物

 

 どこだよ!!!!

 

 皆んなで議事堂から飛び立ちレックス・ルーサーを探したがどこにもいなかった。マジでどこに行った!?

 

 レックスコープの本社にいるかもと思い飛んでいったが、何やら強盗事件が発生したらしく警察やら消防やらが沢山来ていた。

 

 其処に降りて聞き込みをしてみたが、誰も見ていないの一点張りだった。今はそれどころではないのは分かるけどよ……

 

 大変そうだから救助とか手伝って怪我人を運んだりとか、瓦礫の撤去とかをした。

 

 それが一通り終わって、それなりに感謝された後、俺たちは空へと飛び上がり二手に別れてレックス・ルーサーを探す事になった。

 

 そのすぐ後、カルとカーラはレックス・ルーサーに雇われていた傭兵達をとっ捕まえて成敗したと連絡があった。マーサさんとロイスを攫おうとしていたらしい。危機を感じ取った2人が駆けつけ無事に保護したそうだ。大事な人を攫って人質にでもしようとしたのだろうか?愚かな奴だ。

 

 そして俺とファオラはというと一向にレックス・ルーサーを見つける事ができないでいた。

 

 俺達に人探しをやらせたらダメだ。絶対に見つからない!なんせカルを探すのに33年もかかっているのだ。本気で隠れられたら見つかりっこねーって!

 

 それにメトロポリスをビュンビュン飛び回っているが、俺が街の中心に向かおうとすると頑なにファオラが止める。あと見ていないのは其処だけなのにだ。行こうとする度に、必死な顔で俺を止めやがる。意味が分からない。

 

 そしてなんやかんやと、いつの間にか日が暮れ夜になってしまった。

 

 とりあえず一旦宇宙船に戻ろうかな……それでゴンザカにメトロポリスの監視ネットワークに侵入し……

 

 ん?

 

 なんだこのゾクゾクくる気配は……

 

 空に浮かびながら気配の方へ顔を向けると、メトロポリス中心地、ゾッドが宇宙船でめちゃくちゃにしていた辺りがビカビカと光が明滅し、エネルギーが迸っていた。そして直ぐに夜でも明るかった街の電気が一気に消えた。

 

 停電か?何があった?それに気配がどんどん大きくなってる。

 

 側にいるファオラに聞いた。

 

 「ファオラ、感じるか?」

 「私には何も感じないが…ただあそこで何かが起きているのは分かる(クソッ!やはりあそこか…!あそこには像がある…!あれだけは奴に見られてはいかん!)」

 

 なにやらファオラの様子がおかしい。大丈夫か?しかし…感じないのか?この異質で強大な気配が…何かこう…カルが産まれた時にクリプトンで感じた様な気配とは違うが、だけど魂が揺さぶられるような…そんな感覚がする。

 

 お?

 

 上空から街の中心地に向かってカルとカーラが勢いよく突っ込んで行ったぞ!

 

 「おいあれ!俺達も行こう!」

 「グ……あそこには近づきたくないんだがな……」

 「え?」

 

 ファオラが何故か嫌がるが、知ったこっちゃない。気にせず飛んでいった。

 

 街の中心地は大きな広場になっており、更に中心には石碑のような物が建っている。よく見ると4体の像が建っていて、なんかよく分からないポーズをしている。

 

 そして広場の外れに大きなドームに囲われたクリプトンの探査船があった。以前カルが墜としたやつだ。あそこから大きな気配を感じる。

 

 「グオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

 

 なんだ!?今の声は!!

 

 「只事じゃなさそうだな」

 「貴様が言っていた気配はこれの事か…(像を見たか!?どさくさに紛れて破壊しよう…)」

 

 ファオラも今の声を聞いて気配を感じたようだ。

 

 そしてそこに向かおうとした瞬間、何かがドームを突き破って出てきた。

 

 そしてそれは掴んでいたカルとカーラを石碑の方へ殴り飛ばした。

 

 「おお!!」

 

 なんだアイツは!!

 

 なんかゾッドの気配を微かに感じるけど……

 

 「や、奴は…!」

 「なんだ?あれが何か知ってるのか?」

 

 ファオラが目を見開きながら、カルとカーラを追って広場に降り立った巨大な人型の怪物を見て言った。

 

 身体は灰色で、凄まじく大きく発達した筋肉と、そして乱雑に生え揃った牙、ツルツルで一本も毛が生えてない皮膚。胸には大きな穴が空いていた。あんな怪物地球にいたっけか?

 

 それを凝視していると、奴が上を向き俺を見た。

 

 そして俺に気づき声をあげ飛びかかってきた。

 

 「っ!こっちへ飛んできたぞ!」

 

 ファオラが身構える。

 

 「ゴオオオオ!!」

 

 跳躍した怪物が、腕を大きく振り上げながらこちらへと向かってきた。

 

 「おお!?」

 

 間近で見るとデカいなぁ!

 

 俺は奴の攻撃を右手で受け止めると、そのまま胴体に向かって拳を叩き込んだ。

 

 「グボハァッ!」

 

 身体を折り曲げながら大きく吹き飛ばされ、広場に叩きつけられた。

 

 「ん、なんだ?」

 

 吹き飛ばした奴を見る。俺に殴られた箇所が赤く光り、身体に浸透していった。まさかダメージを……

 

 そして奴が起き上がり、呻き声を上げながら身体を掻きむしると一瞬身体が赤く光り、大爆発が起こった。

 

 怪物を中心にドーム状に広がったエネルギー爆発が俺とファオラに迫り来る。

 

 「ええええええええ!!!!なんだこれええええええ!!!!」

 

 俺は近くにいたファオラを引っ掴み、赤い稲妻を迸らせたエネルギー爆発に背中を向けた。

 

 「うおおおおおおおお!!!」

 「離せえええええええ!!!」

 

 空中にいながらも猛烈な爆発を耐え凌ぎ、ファオラを離す。

 

 「おい!あれぐらい平気だ!」

 「ハハ、思わずやっちまった。にしてもアイツ凄いな」

 「……あれは恐らくクリプトンに伝わる古の怪物だ」

 「古の怪物?」

 「あぁ、昔ゾッド将軍に聞いたことがある…クリプトンがまだ宇宙に名を轟かせている頃、戦争で産み出された忌むべき生物兵器があったという」

 「それがアイツだってのか?」

 「そうだ。クリプトン人の死体と他種族の血をジェネシスチェンバーで変質させて産み出す……遥か古にクリプトンどころか全宇宙を滅亡寸前にまで追いやった禁忌の生物だ。それを殺す為に多大な犠牲を払ったとも……」

 「へぇ……」

 

 それは強そうだな。

 

 怪物が咆哮をあげ、この騒ぎを聞きつけやってきた人間のヘリに飛びかかる。

 

 それをカーラがヘリにぶち当たるすんでのところで抑え、下から勢いよく飛んできたカルが、奴にアッパーを決め上空へと打ち上げた。カルはそのまま奴を追っていくと、何回も殴打を浴びせどんどん空を上っていく。

 

 「ヴーさん!ファオラさん!」

 

 カーラが俺達の近くにやってきた。

 

 「カーラ!」

 「一応聞くが何があった」

 「レックス・ルーサーがゾッド将軍の死体をアレに…」

 

 ジェネシスチェンバーで変質させたのか…

 

 「ルーサーは?」

 「カルと私が行った時には奴に…」

 「マジか…」

 

 まあ…元々()()つもりだったから問題ないか…しかしアイツをどうするか……

 

 上を見上げるとカルが尚も上空へと打ち上げ続け、まもなく大気圏を突破しそうだ。

 

 お、ミサイルが追っていってる。あれは…

 

 「核だな」

 

 ファオラがそう言った。

 

 核ミサイルか。人間が作り出す兵器の中で最も強いものだ。だが核ミサイルであの怪物を殺せるのか?陽の光を浴びたクリプトン人は無敵といってもいい、核爆発でなんか死なないと思うが……

 

 上を見上げ、空を凝視した。

 

 カルが奴の後ろへまわりこみ羽交締めにしたのが見えた。そうしてミサイルが奴に着弾し核爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃……

 

 

 「なんだあの怪物は……!」

 

 ブルースはテレビ中継で怪物とクリプトン人の戦いを見ていた。

 

 「あれはクリプトンの怪物よ」

 「お前は!」

 

 テレビを観ていたブルースの後ろに突然現れたのはダイアナだった。しかしその姿はブルースが今まで見てきた姿とはまるで違う。あの写真に映っていた鎧姿だった。

 

 「どうやって入った…!そ、その格好は…!」

 「入り口が開いてたわよ?それに今はそんな事を気にしている場合じゃない」

 

 ダイアナがそう言って側に置かれているクリプトナイトの塊を指差す。

 

 「これで奴を殺せる」

 「あの怪物をか!だがそのままじゃ無理だろう!槍にでもするのか?そんな時間はないぞ!」

 「こうやるのよ」

 

 ダイアナが背中から剣を抜くとクリプトナイトに向け振るった。

 

 「おい!」

 

 火花が散り、クリプトナイトが削れていく。

 

 そうして何回か剣を振い形を整えると、ダイアナは床に落ちていた鉄棒に鋭くしたクリプトナイトを紐で括り付けた。まるで原始人の使う槍だ。

 

 「それじゃあ私は行くわ、あ、ファイルをありがとう。バットマン」

 

 そう言ってダイアナは槍を手に持ち姿を消した。

 

 「待て!!!クソッ!俺に何かできる事はないのか…!助けられてばかりじゃ……」

 

 ブルースはただ見ている事しかできない自分が悔しくて悔しくて堪らなかった。

 

 

 

 バットケイブを抜け森の中へと入ったダイアナ。手には緑色に輝くクリプトナイトの槍があった。

 

 クリプトナイトとはクリプトン星に存在する鉱物で、南インド洋に着陸したワールドエンジンによるテラフォーミングで、海中に極僅かにクリプトナイトが生成された。

 

 クリプトン人にとってクリプトナイトとは毒である。母星にいる時はなんら影響を及ぼさない只の鉱物が、他星に赴いたクリプトン人には猛毒と化すのである。

 

 毒と言っても、致死的な毒ではない。活性化したクリプトン人がクリプトナイトに近づくと、なんの力もない人間に戻ってしまうのだ。

 

 ダイアナ(ワンダーウーマン)はクリプトナイトの槍を使えば、メトロポリスに現れた怪物を殺せると確信していた。

 

 以前ララからクリプトンの歴史を教わった際に、古の怪物の事を聞いていた。クリプトン由来のものであれば、クリプトナイトで殺せる。それはたった一つの例外を除けば絶対的な事である。

 

 森を駆け、メトロポリスが見えて来たところで、ダイアナの前方に突如光の柱が出現し、それに当たってしまったダイアナは大きく弾き飛ばされた。

 

 光の柱に弾き飛ばされたダイアナは、飛ばされながらも空中で体勢を立て直し着地した。そして背中に背負った盾を手に取り槍と共に構えた。

 

 「この気配……!」

 

 ダイアナは光の柱から漂う暗黒のエネルギーを感じ取り、全身に力を込め戦闘態勢をとった。盾を前に置き、クリプトナイトの槍を突き出すように構えた。今のダイアナを見れば歴戦のスパルタ兵ですら畏怖するだろう。

 

 そして光の柱から身悶えする程恐ろしい声が響いた。

 

 「アマゾン」

 

 ダイアナはその声を聞き、身体に宿る神々の血が燃え滾るような感覚を覚えた。

 

 「姿を見せなさい!!!」

 

 ダイアナが殺気と共に言い放つ。

 

 光の柱が一瞬揺れて地面に土埃が起こり、光が消えるとともに何かが現れた。

 

 「アマゾン、その槍を寄越せ」

 

 そこに現れたのは銀色の刺々しい全身鎧を身に纏った巨大な戦士。その鎧は常に流動的に生き物のように動いている。そして手には稲妻が迸る巨斧が握られていた。





バットマンと戦う理由がねぇ!!!
映画ではスーパーマンとゾッドの戦いで街がめちゃくちゃになり、ウェイン産業のビルが倒壊。社員が多数犠牲になってブルースさんお怒りモード+ルーサーの策略でスーパーマンに対し恨み倍増で対決する事になるんですが、本作では戦いが起こる前にファオラ達が街の人間を全員救助してしまったので、恨む要素がありません。ちなみにウォレス・キーフさんはスーパーマンが落とした探査船がビルの間を落ちていった時の瓦礫で足を潰され、その船からスーパーマンが出てきたのを目撃してアイツ!!ってなり、その後ララさんに救助されました。
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