奴こそ1万年に1人産まれる伝説の……   作:物体Zさん

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地球を救うんだ

 俺とカルはアメリカ政府の軍基地へと飛んだ。そして基地に到着し、入り口の前で彼らが来るのを待った。

 

 暫く待つと続々と装甲車や輸送車などがやってきて、兵士達が銃を取り出し俺達に向けた。

 

 俺とカルはマントを揺らしながら宙に佇みそれを見守っていた。

 

 「カル君、どうする?」

 「あまり彼らを不安にさせないよう注意したいですね。先ず僕が行きます」

 「そうか」

 

 カルがゆっくりと降りていく。その先には軍のお偉いさんだろうか?偉そうな人が立っていた。胸元にスワンウィックと書いてある。アメリカ軍の将軍だろうか?

 

 そしてその偉そうな人が言った。

 

 「派手に現れたな、要求は?」

 「ロイス・レインを」

 「なぜここだと?」

 「とぼけるな、ロイスを自由にすれば投降する」

 

 カルは妙にロイス・レインに執心しているなぁ。

 

 ファオラとの修行を終えてララさんと共に育ての親の元へ飛んで行ったが、そこで何かあったんだろうか?まぁロイスは綺麗な人だったし、カルが惚れてしまうのも無理はないけど…

 

 あんまり執着すると後になって大変な目に遭いそうな気がする。

 

 カルとスワンウィック将軍がこちらを向いた。

 

 「彼は?」

 「ゾッドが言っていたヴー=ロリだ。味方だ」

 「はぁ……」

 

 カルが俺の事を将軍に紹介したのが聞こえたので、片手を上げ軽く会釈した。集まったアメリカ軍兵士達が、俺が手を上げた瞬間一斉に銃を向けてきた。いくらなんでもビビりすぎだろう。

 

 「彼ともう1人いるはずだろう、シベリアの秘密軍事施設が宇宙人による襲撃で全滅したという報告があった」

 「え」

 

 カルが驚いたような顔で俺を見た。あ、バレたんか〜……仕方ないか。

 

 俺は両手を上げながらゆっくりと降りていく。

 

 スワンウィックの前に降り立つと、言った。

 

 「俺はヴー=ロリ。その施設を襲ったのは確かに俺ともう1人だ。施設に囚われていた同胞を助けるために襲撃したんだ」

 「同胞だと?待ってくれ、この星に何人いるんだ?」

 「5人だ」

 「ゾッド将軍は知らないんだな」

 「あの放送のかぎりじゃ知らないだろうな」

 

 そうか、とスワンウィックが言い考え込む。

 

 「ロイス・レインを引き渡す。ついてきてくれ」

 

 そうして俺とカルは何故か手錠をされて基地の中に連れて行かれた。地球にやってきて33年経つが、罪を犯してないのに手錠を嵌められたのは初めてだ。ちなみに、ちょっと腕を動かしたら切れちゃって嵌ってるフリをしてるけど、人間達は誰も気づいていなかった。

 

 通路を歩いて部屋に入ると、中にロイス・レインがいた。部屋にある椅子に座っている。まるで尋問室みたいだな。ガラスの先にはスワンウィックと北極で見かけたアメリカ軍の大佐と博士がいた。ネイサン・ハーディー大佐とエミール・ハミルトン博士だ。

 

 カルがレインの正面に座った。あれ、俺の椅子ないんか?

 

 仕方なく俺は壁際にもたれかかった。

 

 そしてレインが俺の顔を見て驚く。

 

 「あ!あなたはクラークと一緒に私の荷物を持ってくれた人じゃない!え!あなたも宇宙人だったの!?」

 「まあな!俺は君を追ってあそこにいたんだ。お陰でカルに会えた」

 「カル?」

 「ロイス、カルは僕のもう一つの名前さ」

 

 そう、ロイス・レインがあの時宇宙船を取材に行かなければ俺もあの場にはいなかった。彼女のお陰でカルを見つける事ができた。

 

 レインが捕まったのは恐らくカルの事を調べていたからだろう。各地で人を助けていた【謎の男】の事だ。

 

 「それで…なぜゾッドに降伏を?」

 

 レインがカルに聞いた。

 

 「人類に身を委ねるんだ。ゾッドにじゃない」

 「ふふ、手錠までして」

 「逆らうと不安を与える。これで安心できるなら安いもんだ」

 

 カルは優しい子に育ったな、良い地球人に拾われたみたいだ。

 

 カルは自然交配で産まれた。ジェネシスチェンバーから産まれたクリプトン人とは違って調整されていない。まあ俺はちょっと例外だけど……とんでもない悪人に育ってたらどうしようかと思ったが、本当に良かった。

 

 「胸元のSの意味は?」

 「ん?あぁ…これは文字じゃない。希望を表す印だ」

 

 エル家の紋章。確かに地球人から見たらSだな。

 

 俺の胸元にも印があるぞ、ロリ家の紋章は信念を表している。地球人から見たらBという文字に見えるかもしれない。

 

 「地球ではSの字だわ。そうだ、こういうのはどう?スーパー…」

 「失礼」

 

 ガラスの先にいる博士が声を発した。今レインが何か言いそうだったのに。

 

 「私の名は……」

 「エミール・ハミルトン博士。ポッケの中の名札にそう書いてある、ミントキャンディもね。隣室では鎮静剤を持った兵士が準備中、不要なのに」

 

 カルがレインの話を遮ったお礼と言わんばかりに、博士の言おうとしていた事を遮り声をあげた。

 

 そして博士が申し訳なさそうな表情をして言った。

 

 「許してくれ、用心の為だ。宇宙の病原体の心配も……」

 「地球にきて33年間なんともなかった」

 

 うわ!そうだわ!クリプトン星の病原体とか確かにヤバそうだな。その事をすっかり忘れて地球にやってきたけど……カルはなんともなかったし、俺たちも地球に訪れて33年間何も無かった。周りの人間がバタバタ死ぬなんて事も無かったから大丈夫そうだ。

 

 生命力の強いクリプトン人がポックリ死ぬ様なウイルスとかあったからな〜俺の父と母もそれで死んでしまった。幸い感染力は低かったから俺にはうつらなかった。

 

 「わかってるが安全を期した。なぜ…彼は分からんが、君は彼女に心を開き、我々を警戒している?」

 「僕たちを恐れてるだろう?支配できないからだ」

 

 カルが椅子から立ち上がりガラスの前に歩いていく。というかあのガラスなんなんだ?あれで身を守ってるつもりか?

 

 「支配するのはあきらめろ。だけど僕たちは敵じゃない」

 「敵は誰だ?ゾッドか?」

 

 ふむ。俺は腕を広げ、既に壊れていた手錠を摘んで取るとガラスの前に立った。カルの肩に手を起き、スワンウィックの目を見て言った。

 

 「ゾッドは敵だ」

 「ヴーさん……」

 「今は俺やカルを引き渡せと言っているが、狙いは別にある。奴の狙いはクリプトン再興だ」

 

 博士が興味深々に俺に聞いてくる。

 

 「クリプトンとは君達の星の事か?」

 「そうだ。だがもう滅び、跡形もなく消えた」

 「まさか、それを地球で復活させようとでも言うのか?」

 「ああ」

 

 俺がスワンウィックの言った事を肯定すると、人間達が動揺する。

 

 地球でクリプトンを再興する。それは不可能ではない。地球に堕ちていた探査船には偶然にもジェネシスチェンバーが積まれていた。後はコデックスさえあればクリプトン人は無限に増やせるだろう。

 

 しかし、コデックスの在処は俺にも分からない。ジョーさんが盗み出したのは分かっているが、それ以降どうなったかが分からないんだ。まあそれも含めゾッドは俺とカルを捕えて情報を集めるつもりだろう。

 

 「ゾッドに君達を引き渡せと命令を受けている」

 

 スワンウィックが言った。

 

 「大人しく従おう、カルもそれでいいね?」

 「はい」

 

 そういうことで俺とカルはまたもや兵士達に囲まれ移動した。今度は手錠をしなかったが、狭い車に押し込められて基地の少し離れた広大な砂漠地帯にやってきた。

 

 ゾッドに無線で此処で引き渡すと伝えた様だ。

 

 カルがレインと話している。お互い目を見つめあい親密そうだ。いつの間にあんな仲良くなったんだ?あーあー手まで繋いじゃって!良いなぁ…ファオラはゴリラだからなぁ…可愛いとこもあるけどさ。

 

 ん、気配を感じた。

 

 そろそろやってくるな。

 

 「カル、来るぞ」

 「わかりました。ロイス、離れてくれ」

 

 ロイス・レインが人間達の元に戻った。そして一隻の小型船が空の向こうからやってきた。

 

 クリプトンの宇宙船だ。

 

 俺とカルの側に静かに着陸すると、搭乗口が開き階段が伸びた。そこから2人の防護鎧を纏ったクリプトン人が出てきた。

 

 ゾッドの配下だ。名前は……忘れた。男と女だ。

 

 片方の女がこちらに近づいてくる。そして俺達の前に立つとマスクのプレートを収納し顔を見せて言った。

 

 「裏切り者のヴー=ロリ、そしてカル=エル。副官のジャネキ=ニキだ。ゾッド将軍に代わり挨拶に来た」

 

 そう言って軽く頷いた。俺とカルも頷くと、ジャネキが俺達の後ろにいるアメリカ軍の元に歩いて行った。

 

 あっちにも挨拶する様だ。いきなり襲いかかってくる真似は流石にしないだろう。

 

 「お前が主席将校か」

 「そうだ」

 「ゾッド将軍はその女の同行を求めている」

 

 え!なんでレインが?ゾッドは一度も会った事がないよな?よく分からんな。

 

 スワンウィックの隣にいたハーディー大佐が前に出てくる。

 

 「宇宙人は引き渡すが地球人の話は聞いてない」

 「将軍に言おうか?逆らったと」

 「何とでも言え」

 

 おいおいおい!バチバチに睨み合うなよ!此処でおっ始めるつもりか?まぁそれでもいいけどよ。太陽光も碌に浴びず、空気も吸ってないクリプトン人が俺たちに勝てるか?

 

 「平気よ、行くわ」

 

 レイン!マジかよ。行くんか?横にいるカルを見ると驚いていた。

 

 そうしてジャネキがレインを連れ、こちらにやって来る。

 

 俺は近づいてきたレインに言った。

 

 「いいのか?レイン」

 「大丈夫よ」

 「そ、そうか」

 

 何が大丈夫か分からんが、まあ何かあればカルが守るだろう。

 

 皆の後ろにつき船に乗る為の階段を登る。途中で後ろを振り返り、人間達を見た。心配そうな顔をしていたので親指を立てて、大丈夫!とサインを送っといた。

 

 船に乗り込むと、一瞬揺れて宇宙へと飛び上がった。

 

 ジャネキが一度奥に行き、また戻ってくるとレインにマスクを渡した。

 

 「船内の空気は人間に合わない。これを付けろ」

 

 気を使えるとこもあるじゃん。

 

 クリプトンと地球の大気構成は確かに違う。レインにとってクリプトンの空気は毒になるだろう。そしてそれは恐らくカルにも…

 

 巨大な宇宙船が見えた。コイツを間近で見るのはゾッドがファントム・ゾーンに追放された時以来だ。それに何やらおかしな物までくっついてる。アレはなんだ?船に似ているが……

 

 小型船が船に格納され、船内を移動してゾッドの待つ司令室にやってきた。

 

 ゾッドが背を向け太陽を見ていた。

 

 そしてクリプトンの空気……あんまり美味しくないな。

 

 部屋に入って来た俺達に気づいて振り向く。

 

 久々に見たなぁ…ちょっと老けたか?白髪が増えてる気がする。

 

 「来たか」

 

 ゾッドが俺達に近寄ってくる。

 

 「ヴー=ロリ、カル=エル」

 「ゾッド将軍…お久しぶりです」

 「貴様は変わらんな」

 「あなたはちょっと老けましたね」

 「黙れ」

 

 ゾッドが一瞬不機嫌な表情になるが、すぐ平静になってカル=エルを見た。

 

 「どれほどお前達を探したか知るまい」

 「33年ですよ」

 「分かっている!ふぅ……此処は祝いの場だ、戦場ではない」 

 「グッ!!」

 

 ん?横にいたカルが突然苦しみ始めた。やっぱりか、ほぼ地球で育ったカルにはクリプトンの空気は毒になったか。血まで吐いてる、ちょっとヤバそう。

 

 「妙な感じが……力が出ない……!」

 「クラーク!!」

 

 レインが側に寄って背中を摩る。カルは血反吐を吐いて苦しそうだ。

 

 「船内の空気が合わんのだ。長年かけて地球に適応し故郷を知らないから」

 「助けてあげて!」

 「無理だ。順応するのを待つしかない」

 

 それはそうだな。カルはクリプトンで育ったわけじゃないから、こうやって突然クリプトンの環境設定をされた船の中に入れば()()の人間になってしまう。クリプトン人が母星ではそうだった様に…

 

 まあ今すぐ俺がカルを抱えて船から出れば一瞬で治ると思うけど、此処は慣れさせた方がカルにとっては良い事になるかもしれない。

 

 「しかし、やはり貴様はおかしいな。何故平気でいられる」

 

 ゾッドが俺の方を向いて言った。

 

 「いや、俺はクリプトンで生活してましたから……」

 「だがもう地球の方が長いだろう」

 「わかんないっすねぇ〜」

 

 分からないものは分からない。クリプトンでも力を発揮できたのも何か関係があるかもしれないが、今となっては凄くどうでもいい事だ。

 

 「……まあよい。カル=エルを医務室に連れていけ、そこで情報を抜く」

  

 

 ゾッドがそう言うと兵士がカルを抱え連れて行こうとする。俺はゾッドに言った。

 

 「なんの情報を抜くんです?」

 「ジョー=エルが息子に渡したコデックスの在処だ」

 「え!やっぱりコデックス持ってたのか」

 「なんだ、貴様は知らなかったのか」

 「……興味ないですから」

 「愚か者め」

 

 そうしてゾッドと共に医務室へ向かい、レインは別の船室に通された。

 

 カルを台に寝かせると、その台にゾッドが触れ目を閉じた。

 

 この台は相手の脳内に侵入し尋問をする事ができる。身体を傷つける事なく拷問にかける事もできる。かつて軍部で使われていた物だ。

 

 暫く待つと、2人が起きた。対話が終わった様だ。

 

 「お前の父は潔く死んだのに」

 「お前が父を?」

 「殺した。その事を日々悔やんでいるが……何度でも同じ事をしよう」

  

 そう言ってゾッドは部屋を出ていこうとする。

 

 「ゾッド……地球を滅ぼすつもりか?」

 

 俺はゾッドに尋ねた。

 

 「クリプトン再興の為ならば」

 「……」

 

 行ってしまった。

 

 俺とカルが部屋に残った。

 そしてカルが横たわりながら俺に言った。

 

 「ゾッドは地球を滅ぼしクリプトンを再興するつもりです。共生なんて望んでいなかった!ヴーさんの言った通りでした……」

 「そうか…ゾッドは民をクリプトンを守るために調整され産み出された。選択肢はそれしかないだろう…君の父も言っていただろう。クリプトン人は失敗の産物、滅びる運命だったと」

 「共生は……」

 「無理だろうな」

 

 ゾッドにはそれしか選択肢がない。もう奴は止まらないだろう。

 

 「……!力が湧いてきます」

 「2人とも脱出するんだ」

 「え!?」

 

 部屋に突然ジョーさんが現れた。え?なんで?

 

 「ロイスにコマンドキーを持たせていたんです」

 

 いつの間に!?

 

 カルが拘束を引きちぎり起き上がると俺の横に立つ。そしてジョーさんに言った。

 

 「コデックスの話は本当?」

 「……壁を叩け」

 

 ジョーさんにそう言われるとカルが壁を叩く。すると壁が破壊され船に大穴が空いた。空気が一気に漏れて、その先に地球が見えた。そして地球の影から太陽が登ってくる。その光が俺達を照らした。

 

 そしてジョーさんがカルに言う。

 

 「まず地球人を体感させたかった。()()()()()()に2つの種族の架け橋となるように……」

 

 しかるべき時…か。俺の父と母もよく言っていた。しかるべき時に力を振るえと。

 

 「見ろ」

 

 ジョーさんが指す場所を見ると1人用のポッドが煙をあげながら地球へと落ちているのが見えた。中にレインがいる。脱出したのか!

 

 「ロイス…!」

 「カル、彼女を救え。そして地球を救うんだ」

 

 カルが宇宙へと飛び出す。俺はそれを見届けるとジョーさんに言った。

 

 「ジョーさん……あなたはコデックスを」

 「ああ、クリプトン再興の為にカルに託した。だが…もういいんだ」

 「いいんですね?」

 「もうクリプトンは滅んだんだ。ヴー君頼む。カルを導いてくれ」

 「任せて下さい」

 

 俺も宇宙に飛び出しカルを追った。ポッドは地球へと突入を始めた。火に包まれている。このままだと爆発してしまうだろう。

 

 俺は少し速度を上げポッドに追いつき、ポッドに向けて冷たい息を吹いた。そうすると火が消えた。そしてカルが手を伸ばしポッドの扉を破壊しレインを救出した。

 

 俺はそのまま1人用のポッドを両手で掴みクシャクシャに潰して丸めて宇宙に向かって投げた。

 

 俺の投げた小さくなった1人用のポッドが光を纏い彼方へと消えていった。

 

 地上に降りると、カルとレインが何やらイチャイチャしていた。もう勘弁してもらいたい。それを目の前で見せられてる俺の気持ちも考えてほしい!俺だってイチャイチャしたい!あ、イチャイチャする人俺にいなかったわ!ファオラ?アイツはただの腐れ縁みたいなやつだ。

 

 「おいカル!その辺……」

 

 ん?何か音が…

 

 「クラーク!!!」

 

 カルが異変に気づき飛んでいってしまった。レインが唖然としている。カルの飛んでいった方向から喧騒な音が聞こえる。しかし、あちらにはファオラとララさんがいるから大丈夫そうだが……

 

 俺はとりあえずレインに近づき言った。

 

 「レイン、身体に触るが下心はない。行くぞ」

 「え!?え!?」

 

 そう言って俺はレインを抱き抱えカルが向かった方へ飛んでいった。

 

 カルが向かった方から大きな音が聞こえ、少し先で大きな爆発が起こった。カルがゾッドにタックルをかまし石油タンクに突っ込んだみたいだ。

 

 カルの育った家に到着するとクリプトンの小型船が1隻停まっていた。そして近くにある家が破壊され、その家の近くでファオラとララさんが多数の兵士相手に戦っていた。もう1隻飛んでいたが、それはカルとゾッドの方へ向かっていった。

 

 俺は離れた場所にレインを降ろして、地面に向かって掬うように腕を振り大穴を作ると、そこにレインを入れて隠れているように伝え援護に向かった。

 

 家の近くに飛び降りると、クリプトンの兵士が俺に気付き銃を撃ってきた。エネルギー弾は俺の身体に当たるが霧散していく。

 

 「何故効かない!?」

 「たまたまだ!撃ちまくれ!!」

 

 兵士たちが更に銃を撃ってくる。俺はそんなものお構いなしに踏み込みエネルギー弾に突っ込んだ。兵士は突然目の前に現れた俺に驚き怯むが、すぐに立て直し銃で殴りかかってきた。

 

 「オラっ!」

 

 銃床が俺に向かって振るわれるが、特に何もせずにそのまま受け止めると俺は兵士に右腕を伸ばした。ちなみに銃は半ばからへし折れ使い物にならなくなった。

 

 そうして1人の頭を掴み、更に隣にいたもう1人を掴んだ。

 

 「おい、もうなにもしないなら見逃してやる」

 「黙れ!裏切り者が!クリプトンの異端者め!」

 

 そう言って兵士が掴まれながらも俺に攻撃しようとした。

 

 俺はそのまま2人とも空に向かってぶん投げた。

 

 瞬く間に小さくなり消えていった。

 

 「……まだやるか?」

 

 俺は近くで銃を構えるクリプトン兵に言った。

 

 

 

 

 

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