皆の意見や知識で動かせ戦国物語 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
1569年 家操36歳
ようやく火薬の増産と日明貿易や南蛮貿易による火薬の供給により弾薬不足から解消された。
うちも息子達の中国方面攻めや貿易に植民と陸海軍フル稼働であり、後方に回されても俺は忙しかった。
お陰で明の食事で太った体も再び引き締まり、毎日ドタドタと政務をこなしていく。
滝川一益軍が四国攻めを開始し、中国地方の織田本軍も出世を重ねていた木下秀吉軍が山陽街道を攻める軍に分かれ、織田本軍が山陰街道を攻めると言った感じで、本願寺を囲む兵も合わせれば織田軍は総勢20万人を常に動員していた。
常時20万人の兵站が破綻しないのは織田家が早期に整備した学校制度で優秀な文官が多かった為と、内政改革で税収が他国より効率的に集められること、銭の発行権利を握っているため、そこから軍事費を抽出していたのも大きい。
ちなみに毛利家は4万人を動員していたが、山陰と山陽に尼子残党による3つの戦線を抱えていた為に戦線は崩壊気味であったが、それでも耐えているのは毛利元就の手腕によるものが大きかった。
しかし、一度半壊した毛利水軍の再建はままならず、本願寺への補給作戦の実行は難しかった。
ただ毛利は連日の敗戦により現実が見えているので、何処かで手打を考えており、岩室殿が交渉役となり、毛利元就の三男の小早川隆景と交渉中であり、纏まれば安芸、長門、周防3国安堵で決着になるだろう。
その3国であれば統治を毛利に押し付けたほうが織田政権としては楽だし……出雲は尼子の復興で渡すとして、石見銀山や畿内に近い場所を織田家譜代家臣にばらまけば安定もするだろう。
四国征伐軍も本題は三好残党の討伐であるので土佐の長宗我部氏等の協力的な大名には領土安堵を約束していたりする。
織田軍の快進撃に西国同盟の結束も亀裂が入っており、島津家が織田家の援助により早期に三州統一で九州南部を固めたのも大きかった。
中には龍造寺の鍋島の様に独自に織田軍への降伏交渉を行う者も現れ、室町復興は難しくなるのだった。
昨年散々種付けした結果、淡、望、巴の3人が無事孕み、出産した。
3人共に男の子であり、松風、旗風、追風と名付けた。
そのまま出産後にも性欲が収まらずに種付けして3人を連続で孕ませた。
3人共に20歳から21歳とこの時代では一番子供が産みやすい年齢になっていたので、バンバン孕ませていく所存である。
で、粉ミルクの普及により乳児の死亡率が遠江国では激減し、人口爆発状態が継続していた。
浜松を領有して14年で遠江の人口は元々が20万人くらいだったのが、現在3倍強の65万人を超えていた。
流民も勿論多いが、食糧事情の改善と防寒着としての布が増えた事により子供が風邪をひくことが減ったことも大きい。
そして4年前に開発及び量産に入った粉ミルクと茶葉の量産により値段が下がり、酒を飲むと二日酔いで次の日の仕事に支障が出るからとお茶を飲むのがブームとなり、それで粉ミルクを入れたラテが流行ったことで、この時代には不足しがちな動物性の栄養素を補った。
お陰で健康的な子供や大人でも病気になる者が減り、健康的な人が増えたので余計に人口が爆発していた。
ただ流民の方は戦が全体的に減ったことで農地を捨てて逃げ出す農民が減り、更に関東では津田式農法(現代農法)が普及してきた事により米の収穫量が跳ね上がり、豊作貧乏気味ではあったが、飢える心配が減ったことで農地を放り出す人が減ったのも大きい。
なので流民の数は減っていた。
まぁ流民が来ても最近は台湾植民の開拓民として送られるので、それも合わせて浜松に来る流民が減ったのかもしれないが……。
とにかくベビーブームが続いており、今後も遠江の人口は増加していくことだろう。
「幸之助、どうだ? 蒸気で歯車を回転させる装置は」
「家操がいうように窯に熱を入れることで回転する装置と、ハンドルを回すことで火を起こす装置を組み合わせた蒸気機関という水を自動的に組み上げる装置はできたが……これ塩作りくらいにしか利用価値無くないか?」
「確かにこれだけでも塩作りで風力に頼らないで水を組み上げる事はできるが……注目すべきところは別だ」
「別……歯車を回転させるところか?」
「そうだ。これの出力を上げていけば水車でしか行えなかった加工技術が水力を頼らないで稼働することができる」
「なるほど……それは大きく世の中が変わるな」
「だろ?」
「よし、今木製のパーツを金属製にしたり、様々な用途に使えるように改造していくことにする」
「ああ、頼んだ。これが完成すれば船を動かすのもこの蒸気機関で賄うことができるだろう。そうなれば風が無くても動く船の完成だ」
「ほほう、となると小型船でやっぱり試験か?」
「ああ、最初は漁船くらいの大きさで良いだろう。順々に大きくしていけば……」
「夢が広がるな」
この日、幸之助との実験で蒸気機関の発明に成功し、旋盤に続き、産業を大きく変える装置を手に入れるのだった。
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