皆の意見や知識で動かせ戦国物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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1548年 家操15歳 青田刈り 熱田、津島の婚姻

「松平家を守りきれず没落した我が家に何用か?」

 

「弓の名手と聞きまして少しお話を伺いに」

 

 三河で使える家臣探しをしている際、小豆坂で多くの一族を失った内藤正成というお侍さんが田畑を耕して生活をしていると聞いて、俺は会ってみることにした。

 

「時代は鉄砲なのでしょうか……弓は新しく出てきた鉄砲に駆逐される運命なのでしょうか……家操殿」

 

「いえ、役割の違いかと。鉄砲も運用に制限がある武器なので」

 

 内藤正成殿は主君を守れず、一族を多く失い、元々の領地も織田家が奪い取っていってしまい没落してしまったと話す。

 

 しかも自慢の弓が鉄砲の前に全く役に立たずに小豆坂でこてんぱんにされたせいで自信を喪失して無気力になっていた。

 

「内藤殿の弓上手の噂は若輩の私でも耳にしております。そんなお方がこんな場所で腐ってしまうのは勿体ない。どうか当家で力を振るってはくれませんか」

 

「出直してくれ」

 

 翌日、俺はコンパウンドボウを持って内藤殿の家に訪れた。

 

「内藤殿、私が開発した鉄砲にも勝てる弓でございます。これを使ってみてください」

 

 俺は俺用にカスタマイズしたホームセンターの素材をふんだんに使ったコンパウンドボウを貸し出した。

 

 内藤殿は滑車がついているのを不思議がったが、庭に出て木に向かって弓を放つと、木のど真ん中に矢が突き刺さる。

 

「お見事」

 

「ふむ……軽くて良い弓だ。しかし……」

 

「当家では弓上手の者が少なく、鉄砲巧者ばかりです。しかし鉄砲は雨が降れば使い物にならない。城を守るようになれば鉄砲が使えない場面でも戦わなくてはなりません。内藤殿の弓術が使えるのです」

 

「……殿の嫡男の竹千代様を誘拐した織田家は嫌いだが、殿を討ち取る武勇を持つ内葉殿であれば私の弓を預けるに相応しいかもしれませんな。いいでしょう。あなたの家来になりましょうぞ」

 

「では屋敷と50石ほどの知行を用意しましょう」

 

「助かります」

 

【内藤正成をスカウトした】

 

 

 

 

 他にも家族の殆どが戦死してしまった本多一族を召し上げ、本多忠勝や一族が死にすぎて一族の家長になっていた本多正信等の本多一族やこちらも織田家から改易させられて没落していた子供の鳥居元忠、大樹寺に立ち寄った際に小坊主をしていた服部半蔵を青田刈りをして家来に組み込んだ。

 

「元忠! それはオイラの肉団子だ!」

 

「秀吉! が俺の魚をこの前食べただろうが! これでお相子だ!」

 

「平八郎(本多忠勝)がまたお漏らしした!」

 

「うるせぇぞお前ら! 黙って食事もできねぇのか!」

 

「「内藤のおっちゃんが怒った!」」

 

「あんぎゃー! あんぎゃー!」

 

 お陰で俺の大野の屋敷は幼稚園や保育園みたいに子供達の溜まり場になってしまい、俺が食事を用意すれば悪童どもが食事をタカるタカる。

 

「本当に申し訳ない」

 

「いやいや正信も大変だな」

 

「あんたが銃で一族殺しまくらなければこんなことにはなってね〜んだがな」

 

「それはごめんて、戦国の習いなんだから」

 

「そんな俺が一族没落の原因に仕えているんだからわからねぇよなぁ」

 

「肉団子!!」

 

「魚!!」

 

「猿! 元忠お前らいい加減にしろよマジで!」

 

「あはは、まぁ賑やかで俺は良いんだけどね。正信の悪態にも慣れたし」

 

「小言を言うのは性分でね……内藤殿怒りすぎると血管が切れまするぞ」

 

「だったら正信もガキどもを躾けるのを手伝え! というか猿は何で家だとガキに戻るんだよ! お前外だと立派に仕事しているだろうが!」

 

「アハハ!」

 

 

 

 

 

 智が産気づき、出産となった。

 

 産婆を呼んで診てもらったが、無事に男の子が産まれてくれた。

 

「智でかしたぞ!」

 

「頑張りました!」

 

 男の子には球磨(くま)と名付け、熊の様に立派に育ってほしいという願いで球磨になった。

 

 で、冬になり、農閑期になったし、家の領地も一旦落ち着いたので内葉家と木下家を呼び寄せて領地で住んでもらうことにした。

 

 ただ親父とお袋、木下家も中村の畑を守らないといけないからと拒否して、アニキ夫婦と秀吉の弟の秀長がやって来た。

 

「家操! なーにが死相が出てるだ! 領主様になりやがって! 自慢の弟だな!」

 

「家操兄ちゃんお久しぶりです。元服して秀長と名乗ってます」

 

「アニキや秀長もよく来たな。畑仕事よりも納税管理とか武士として動くことが多くなると思うからよろしく」

 

「はい!」

 

「まぁまだ俺も若いから覚え直すことにするわ。ここでも椎茸作るのか?」

 

「ああ、冬の間に枕木用意しないと」

 

「じゃあ任せろ。今度は5年以上椎茸収穫できる方法どうせあるんだろ? それを教えろよ」

 

「わかった。わかった。頼むぜアニキ」

 

「おう!」

 

 こうして一門衆の強化も入った。

 

 

 

 

 

 

 大黒兄さんがやって来て爆弾発言をしてきた。

 

「なぁ津島の巫女と熱田の巫女がお前と側室でいいから結婚したいと言ってきてるんだがどうする?」

 

「はい? どういう経緯でそうなったのですか?」

 

「津島と熱田に家操多額の献金をしていただろ? で津島と熱田もお前のことを虎視眈々と側室を送り込む予定だったらしいが、信長様が小麦姫をお前に嫁がせたいと思っていることを聞きつけて、なら側室も早めに娶ってもらった方が良いんじゃないかってなって津島と熱田双方出し抜こうとして俺が仲裁に入ったんだが」

 

「そんな事が……俺の知っている人ですか?」

 

「津島は胸がバカでかい巫女いたろ。霞って子だ」

 

「ああ、知ってます。あの子ならよく会ってましたし、智とも知り合いなので大丈夫ですね」

 

「熱田は宮司の娘だ」

 

「え? 千秋季忠様の親族ですか?」

 

「1つ下の妹だ」

 

「ひえ、宮司の娘を出すってどれだけ本気なんですか! 俺農民上がりですよ!」

 

「千秋季忠殿が猛烈に推して決まったらしい。ただ宮司職は本家が族滅でもしない限り無いがな」

 

「そりゃそうですよ。神職に修行を積んでない俺がなれるとは思いませんし!」

 

「お前さんなら修行をしたら普通にできそうなのがな……ちなみに智から側室を迎え入れるのは話している。お前夜凄いらしいから是非って言ってたぞ……どんだけ凄いんだよ」

 

「抜かずに8発とかしただけですよ」

 

「そりゃすげぇよ……まぁお前さんが嫌じゃなければ進めるぞ」

 

「2人とも知っているので大丈夫です」

 

「そうか。式はそれぞれの神社で行うからな。用意しておけよ」

 

 

 

 

 

 数日後、顔合わせがあり、千秋季忠様に影で進めないで言ってくださればよかったのにと言ったりしたが

 

「悪いな、少し熱田と津島の政治的意味合いがあったからな。影で進めさせてもらった。この婚姻で熱田神社と津島神社は互いに友好的であると示せるからな。信長様も笑って許可をいただけたぞ」

 

「あのお方は……」

 

「あの……お兄様」

 

「ああ、千秋(ちあき)、顔合わせとはいえほぼ決まったことだ。こちらが家操殿だ」

 

「さっきぶりですが改めて熱田宮司の一門の千秋でございます。血筋では実は季忠お兄様とは腹違いの庶子となりますが、そんな私でよければよろしくお願いいたします」

 

「千秋は薙刀の名人でな、他にも弓も嗜んでいる」

 

「季忠様! 武芸ばかり紹介しないでくださいませ!」

 

「だってお前武芸以外は並じゃん」

 

「違いますし! 料理や家事も一通りできまする!」

 

「まぁまぁ! 家の屋敷は熱田宮司の屋敷に比べて小さいですが不便な生活にはさせないことを約束しますので」

 

「まあまあ!」

 

「好奇心旺盛の駄々っ子だが元気な子供をいっぱい産むと思うからよろしく頼む」

 

「そうなりますと私は季忠様をお兄様と呼ばないといけませんね」

 

「やめてくれ、お前はもう武士の身分なんだから周りと同じく亀って呼べばいいだろ。俺も鶴って呼ぶし」

 

「では亀様ですな」

 

「鶴亀が揃ったな。これを従える信長様は億年生きるのではないですかね?」

 

「鶴千年、亀万年で億年ですか! それくらい織田家が長持ちするくらい頑張りませんとね」

 

 

 

 

 

 

 いっぽう津島神社で霞と顔合わせをすると

 

「やっと娶ってもらえますか。初めて会ってから8年も過ぎているのですよ! 危うく行き遅れになるところでした!」

 

「そんなに待たなくても良い人が居たのではないですか?」

 

「いえ、占いで貴方以上の人は居ないと出ていたのでね」

 

「ずいぶんと重い女性だこと」

 

「重い女は嫌いですか?」

 

「いや、それだけ思ってくれて嬉しいですよ」

 

「まぁまぁ!」

 

「いっぱい子供を生んでください」

 

「はい!」

 

 それぞれの神社で祝言を挙げ、霞と千秋を側室に入れるのであった。

 

 なお初夜からハッスルしまくり、数カ月後に両者どころか智含めて3人に的中させるのであった。

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