皆の意見や知識で動かせ戦国物語 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
信長様の中美濃攻めが進展した。
斎藤義龍が幕府の相伴衆に就任しようと献金しようとしたらしいが、前の朝廷献金事件で義輝ら幕臣はキレており、要望を突っぱねた。
それにより斎藤義龍の美濃統治の正当性が揺らいでしまい、加治田城の城主が織田家に寝返り、中濃三城盟約と呼ばれる盟約の破却である。
これにより斎藤家の中美濃の防衛戦略が瓦解。
農繁期で斎藤義龍が兵が多数動員できないのを見計らい、信長様は1万の兵を動員して堂洞城と関城攻略に動く。
兵を分けてそれぞれの城を取り囲み、降伏勧告を行うが、両城の城主はこれを拒否し城攻めが開始される。
「信長様! 家操兄様から譲り受けた攻城砲を使い、突破口を開いてみせます」
「では猿が開いた突破口をこの柴田勝家が広げましょう!」
「うむ、猿(秀吉)、権六(柴田勝家)やれ」
「「は!」」
家操が斎藤家攻略のためにと津田砲ができたために価値が低下した臼砲や試作砲を秀吉や織田家に譲っており、それを運用することにした。
「撃って撃って撃ちまくれ!!」
山城の堂洞城であるが、そこまで大きな城でないため臼砲の射程内に二の丸までをすっぽり覆っており、20門の臼砲による砲撃により城内は混乱状態となる。
そこに試作砲の鉄球砲弾による城門を直射すると
バキバキバキ
木製の門がけたたましい音を立てて破壊された。
城門が未知の兵器で破壊された事により城兵は恐慌状態となり、突っ込んだ柴田勝家により次々に討ち取られてしまい、そのままの勢いで堂洞城本丸も陥落。
城主や一門衆は乱戦の中で戦死し、信長様は堂洞城を燃やして破却。
堅城のハズの堂洞城が総攻め開始後半日も経たずに陥落した衝撃は残った関城でも交戦派と降伏派……城兵の中で対立が発生してしまう。
徹底抗戦を主張していた家老が降伏派の兵に斬られ、城内の統制が不可能と判断した関城城主は降伏を選択。
城主や家臣達を信長様は逃げるなら追わないとして斎藤領内に逃げていき、関城には斎藤道三の末子で信長様に匿われていた斎藤利治様が入り、加治田城には母衣衆の佐々成政を城主に昇格させて詰めさせ、中美濃を織田家支配下に完全に置いた。
斎藤家との連絡線が断たれた東美濃国人衆達は次々に織田家に降伏していき、夏が終わる頃には東美濃一帯も織田家支配領域となり、斎藤家は残るところ西美濃のみとなってしまう。
織田家のあまりの進行速度と城攻めの速さに危機感を持った美濃三人衆こと稲葉良通、安藤守就、氏家直元は内応に応える書類が信長様に届き、西美濃の大半も斎藤家を見限った。
このまま信長様は稲葉山城を攻略できると判断し、連戦続きだった親衛隊を休ませる目的で、部隊を佐久間信盛率いる兵に交代。
そのまま西に抜ける大垣城攻略を目指して進軍し、墨俣付近を通過しようとしたところ、斎藤義龍率いる兵3000が5000の佐久間信盛率いる部隊を急襲。
佐久間信盛は撤退戦が上手いこともあり、混乱状態の尾張兵を纏め上げて撤退に成功。
ただこれで親衛隊や常備兵以外の農民兵では弱りきった斎藤義龍をも倒せないと認識し、以後更に兵の常備兵化を推し進めていく事となるのだった。
「秀吉が評定衆入りか、だいぶ出世したな」
「秀吉叔父さん出世したの?」
「ああ、球磨か」
「むう! 父上、球磨ではなく元服したので信球です!」
「信長様や信包様から信の字を頂いたからって……調子に乗りやがって!」
「へへーん! 良いでしょう」
「本来農民出身の家では得ることのできない名前なのだからな。大切にしろよ」
「言われなくても……そう言えば母さん達そろそろ出産だけど」
「臨月だったからな。また兄弟が増えるな」
「俺年長者として纏められる自信ないんだけど……」
「まあまあ、真面目に頑張る姿を見せていれば自然と弟達は尊敬するものだから武芸も政務も頑張れ」
「はい!」
「じゃあ早速頼もうかな。城下の大黒屋の支店に行って米の買い付けを頼む」
「何石くらい?」
「そうだな5万石は買っておきたい。今年は夏も冷えているからな。家の領地の米は昨年よりは落ちるが、そこそこの量は穫れると思うから、買った米は北条に安く売る」
「父上お得意の米転がしですか?」
「いや、これは米転がしとは言わんよ。米をただ転売しているだけだ。北条は同盟国で助けなければならないからな」
「そうなのですね! わかりました!」
ピューンと球磨は走り去っていった。
「まったく、賢いのに優しさ溢れる良い子に育ってくれて嬉しいな……」
領内に凶作に向けた布告を出し、じゃがいもや蕎麦等の寒さに強く、夏に植えれば冬前に収穫できる作物を育てるようにと農民に指示し、今年は三公六民一備蓄という指示を出し、凶作だった場所に配ったり備蓄に充てると布告を出し、寒い夏を過ごした。
冷夏で生活している分には涼しくて過ごしやすいのだが、夏なのに気温が25度前後というのは幾らなんでも涼し過ぎだろう。
そんな涼しい夏に小麦達は出産し、小麦は男の子で智、霞、千秋は女の子であった。
小麦の子には阿賀野と名付け、智の女の子には金剛、霞の女の子には蛍、千秋の女の子には銀と名付けた。
いよいよ野球チームが補欠を含めて出来上がる人数の子供を孕ませたが、性欲は衰えるどころか強まっている気がする。
「妊娠期間中は臨月になるまでオナホを使って楽しむくらいしかできないからな。4人で時期をずらそうと意識しても俺の性欲に1人じゃ対応できないって結局複数人プレイになっちゃうし……場合によっては側室を増やした方が良いのかねぇ」
俺はそんな事を考えながら政務に取り掛かるのであった。
「どうだ佐治(為孝)、新造船の千石船は」
「凄く良いっすね。これで津田水軍も安宅船級の大型船を保有したことになりますね」
浜松の造船所で作られている新造船の千石船は文字通り千石以上の積載量を誇る大型船だ。
構造は現代で言うところの弁才船とキャラベル船を足して割った様な構造の船であり、帆の構造や船体の形がやや違うがキャラック船にも似ていた。
甲板、船室、船底倉庫の3階層になっており、居住性が大幅に向上。
遠江から熱田までを半日で移動する事ができ、北条の本拠地の小田原から熱田までを2日半で移動することもできたた。
今年の飢饉に対しての輸送船が不足すると思っての建造であったが、訓練を含めると結構ギリギリ、飢餓が本格化する来年には複数隻運用できるかもしれないが……。
建造費も1隻作るのに920貫(約1000万円)かかるので船の値段も1000石位かかる。
まあ沈没せずに熱田から遠江を8回航海してくれれば元は取れる計算になるが……それでも高い。
でも千石船の完成で飛躍的に海軍力が増強されたのは言うまでもなかった。
「佐治、これから海軍の人員もどんどん増えていくからな。この船が増えれば交易にも戦にも引っ張りだこだ。金になるぞ」
「それは良いっすね! 海軍をどんどん大きくしていきましょう!」
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