皆の意見や知識で動かせ戦国物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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1559年 家操26歳 フリントロック式(燧石式)小銃

「おお、できた」

 

 ホームセンターの中で暇を見つけて実験していたが、パイプ爆弾の製造に成功したが

 

「これを戦で使うのは難しいし、要人暗殺の方が向くからこれは秘匿しておいたほうが良いな……それよりもこっちか」

 

 そう言って取り出したのはポリタンクの中にゼリー状の液体? 固体? が入っていた。

 

 ナパームである。

 

 ただ問題は投射装置が無いことである。

 

 ナパームを満載した壺を投石機で城に投げ込んで火矢で着火するより大砲を使った方が攻城兵器としては活躍できるし、防衛兵器として城から堀に投げて火計の策に使おうにもだったらナパームでなくて油やガソリンを混ぜた物で十分だ。

 

「別に森を燃やすために使う必要は無いからな……うーん良いと思ったが、使い道が限られるな」

 

 俺は2つの兵器を廃案にし、ホームセンターの中を色々確認する。

 

「最初の頃に比べるとだいぶ素材もなくなってきたな。がらんとしてきたな……」

 

 木材系の板とかはもうほぼなく、木の苗とか野菜の種とかも一部を除いてもう使い切ってしまっていた。

 

 あるのは発電機や電気製品や大型の物が多数だ。

 

「食器コーナーの物はほぼ持ち出したから在庫にも無いしなぁ……いやぁ色々使ったなぁ」

 

 ホームセンターは物を加工する場所か駐車場に物資を集積しておく場所になっていた。

 

 米転がしのどさくさで入手した宝とかが駐車場に品事に分別されて置かれていた。

 

「俺も城主になってホームセンターに行く時間がほぼ取れなくなったからな。俺が半刻(1時間)も居ないと皆騒ぎ始めるし……」

 

 ホームセンターから出ていくと小姓の者が俺を探していた。

 

「あ! 城主様! 石川様が探しておりました!」

 

「そうか、直ぐに行くよ」

 

 俺は政務をする場所に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり浜名湖といえば鰻だな」

 

 浜名湖では大量の鰻を獲る事が出来たので名物として長く慕われていた。

 

 海で産卵して川で生息する鰻にとって浜名湖はとても過ごしやすい環境であるといえる。

 

 そこに醤油の普及により鰻のタレ作りが俺が領主となったことで広まるとすっかり浜松の城下でも鰻の蒲焼きやうな重を取り扱う店が増えていた。

 

「様々な新しい料理を広めてくださる領主様のお墨付きをいただけて私は嬉しさでいっぱいでございます!」

 

「店主のうな重は美味かった。今度は家族を連れてこようと思う」

 

「ありがたや!」

 

「いや、もう少し大きな店を構えないか? 店主の腕なら喜んで出資するが」

 

「へい、それはありがたいお話で!」

 

「少し大通りから外れるが専用の井戸を設けて水回りを良くし、中に座敷となる畳を敷いた場所も用意しようか」

 

「そ、そんなによろしいので?」

 

「店主の腕はそれぐらい良いってことだ」

 

「ははぁ!」

 

「(石川)数正、調整を頼む」

 

「は!」

 

 こんな感じでたまに城下に降りてきては店で料理を食べることもしばしば……家臣達は呼び寄せれば良いのにとか料理長で事足りるのではと言われるが、そういう問題ではないのだ。

 

 領民の生の声を聞くことが大切なのである。

 

 今日はそのまま果樹園に視察に向かう。

 

 果樹園ではかれこれ植えてから4年が経過する果実の木が大きく育っていた。

 

「順調かな」

 

「あ、領主様! 順調にそだってます!」

 

「そうかそうか」

 

 この果樹園で働いているのは親を亡くした子供たちで、彼らに職を与える意味でも果樹を育ていた。

 

 桃や栗は収穫できるようになり、少量ながら収穫され、隣接する売店で売られる。

 

 桃はシロップ漬けにしたりもしてなるべく長持ちするようにしているが、シロップ漬けにすれば結構長く持つので、信長様や同僚の家臣の方にお歳暮代わりに贈ったりする。

 

 甘味が高い為、多くの家臣達から喜ばれるし、信長様も気に入って昨年始めて渡したが、今年も頂戴と催促された。

 

 織田家家臣達とのいざこざを避けるためであるが、基本どこの派閥とも仲良くしているため問題は少ない。

 

 平手の爺様もまだまだ元気なので外交官としてバリバリ働いているし……。

 

 最近では浅井家と同盟を結ぶために動いているらしい。

 

 婚姻外交に使えそうな娘が居ないので、普通の同盟になりそうだとも聞いている。

 

 お市様が亡くなった事で浅井との同盟がどうなるか……もう歴史ifに入っているのでわからないが……。

 

「あむ、うん栗ご飯も美味いな」

 

 保存していた栗を茹でてから皮を剥いて、中身を米と一緒に炊く。

 

 すると美味そうな栗ご飯になる。

 

 栗ご飯を堪能し、果樹園を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「火打ち石が大量に欲しいですか……」

 

「ああ、火縄銃の着火装置を火縄から火打ち石に変更したい。そうすればより密集した陣形で発砲することができる」

 

「なるほど」

 

 俺は大黒屋の長男で家臣でもある大黒宗一郎に父親の伝手で火打ち石を大量に集めることができないかと聞いた。

 

「できると思いますが、相応の金額が必要になるかと」

 

「信長様が占領した美濃の山々に火打ち石が多く産出する山があると聞いたが……忍びにも調べさせてある美濃国武儀郡桐洞村らしいのだが……」

 

「場所までわかっているのなら、なんとでもなりましょう! 親父には言っておきます。どれぐらいの量が必要ですか?」

 

「とりあえずで10貫(30キロ)、できるなら200貫(600キロ)ほど欲しい」

 

「別に美濃に限らずですよね?」

 

「ああ、場所に凝ることはしない」

 

「わかりました。親父に伝えておきます」

 

 数週間後に火打ち石が届き、幸之助と協力してフリントロック式(燧石式)小銃が完成する。

 

「不発が10回中1回発生するか」

 

「火打ち石の位置を調整すれば直るが、その手間が射撃動作をしないとわからないのが難しいな」

 

「火縄よりも不発が多いから使いにくく無いか?」

 

「いや、火縄よりも天候に左右されにくい。雨囲いを取り付ければ悪天候時には火縄銃よりも不発は少ないし、誘爆の危険性も火打ち石式の方が少ないからな」

 

「集団戦向ってことか。なるほどな」

 

「新造銃の切り替え途中っていうのも利点だ。まだ半分も切り替えが終わってないだろ? 今だったら残りをこの火打ち石式にできないか?」

 

「また無茶言うな。でも旋盤で生産効率が劇的に上がったのは確かだ。普通にできると思うぞ」

 

「じゃあ頼むわ。こっちの方が射撃間隔も短くて済むからな」

 

「へいへい……次はどこと戦うつもりだ? 防衛戦なら火縄で事足りるだろうに」

 

「わからん。北条への援軍かもしれないし、信長様の美濃攻略の手伝いかもしれないなぁ」

 

「津田家はまだお前を中心にまとまっているってことを忘れるなよ。お前が倒れたら瓦解するんだからな」

 

「うい、わかってるよ」

 

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